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公開番号2025154396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057370
出願日2024-03-29
発明の名称ワカメ藻体及びその育成方法
出願人日本製鉄株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A01H 13/00 20060101AFI20251002BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ワカメを培養する際のライフサイクルの短縮、及びこれによるワカメの有用株の作出促進を可能にする、ワカメ藻体及びその育成方法の提供を目的とする。
【解決手段】一態様において、葉長8cm以上20cm以下を有し且つ胞子葉を有する、ワカメ藻体、及びその育成方法が提供される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
葉長8cm以上20cm以下を有し且つ胞子葉を有する、ワカメ藻体。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
請求項1に記載のワカメ藻体を育成する方法であって、
8℃以上16℃以下でワカメの雌性配偶体及び雄性配偶体の成熟及び受精を誘導して芽胞体を得る第一工程、
前記芽胞体を:葉長0.5cm以上2cm以下への到達;又は芽胞体の培養開始から40日間~70日間;又はこれらの両方、が満たされる時点まで8℃以上16℃以下の培養液中で前記培養液を流動させながら培養して、幼胞子体を得る第二工程、及び
前記幼胞子体を18℃以上22℃以下の培養液中で前記培養液を流動させながら培養して、葉長8cm以上20cm以下を有し且つ胞子葉を有するワカメ藻体を得る第三工程、
を含む、ワカメ藻体の育成方法。
【請求項3】
前記第一工程を静置培養により行い、前記第二工程を振とう培養により行い、前記第三工程を通気培養により行う、請求項2に記載のワカメ藻体の育成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ワカメ藻体及びその育成方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
海藻は、大型に成長することで収穫効率が良いこと、陸地の利用を少なくできること等の点で生物資源として優れており、例えば、ワカメ(Undaria pinnatifida、褐藻網コンブ目チガイソ科ワカメ属)は、食用としての有用性が高い生物資源の一つである。ワカメにおいては、より多様な環境への適応性が求められている他、ネガティブエミッションの観点では、より高い炭素含有量、より高効率の光合成等も求められている。したがって、これらのバイオマスとして有用な特性を示す株の作出が望まれる。
【0003】
ワカメのライフサイクルは、遊走子から配偶体が発生し、成長、成熟(すなわち、造卵器及び造精器の形成)を経て受精に至るまでの配偶体世代と、受精後、発芽(芽胞体形成)、成長、成熟(すなわち、胞子葉の形成)を経て遊走子の放出に至るまでの胞子体世代とを有する。配偶体の発生→配偶体の成長→配偶体の成熟→受精→胞子体の発生→胞子体の成長→胞子体の成熟→遊走子の放出、という異型世代交代のライフサイクルは、通常1年間で完結する。ワカメの通常のライフサイクルでは、高水温期(例えば、日本近海での養殖においては、春から秋に亘る時期)に配偶体世代、低水温期(例えば、日本近海での養殖においては、秋から春に亘る時期)に胞子体世代が生育する。しかし、上記のようなライフサイクルは、長く且つ複雑であることから、従来、ワカメの育種及び種苗管理は、積極的には行われて来なかった。
【0004】
日本近海におけるワカメ養殖は、以下のように行われることが多い。まず、秋季に養殖ロープに遊走子を着生させて、配偶体を生育させる。受精、発芽を経て芽胞体が発生したら、葉長が2cm~3cm程度になるまで、養殖ロープを水深深くの穏やかな(すなわち波の影響が低減された)環境下に置く。このような穏やかな環境は、幼胞子体の付着器を発達させてロープに活着させるために必要である。葉長が2cm~3cm程度になったら、水深が浅い養殖施設に養殖ロープを挟み込み、本養殖を行う。本養殖では、波の影響による水流が胞子体に新鮮な海水を供給し続けることで、胞子体の成長が促される。
【0005】
しかし近年では、種苗作出時期である秋季の水温上昇により、天然藻体からの種苗の採取が困難になってきた。このため、培養によって得た配偶体を人工種苗として使用することが試みられている。この場合、養殖ロープに配偶体を着生、生育させた後、発生した幼胞子体の葉長が2cm~3cm程度になるまで、2L程度までのフラスコなどの容器あるいは水槽施設などで培養する。幼胞子体においては付着器が未発達であるため、この培養は、幼胞子体の脱落防止のため、通常は、静置、又は極めて抑えられた水流下で行う。付着器の発達を確認した後、胞子体を大きく成長させるために水流下での培養に移行する。胞子体が大きく成長するためには、水流によって当該胞子体が新鮮な培地に触れることが重要であるためである。静置培養が継続される場合、形状が流線形に整った大サイズの胞子体は得られ難い。水流は、フラスコなどの容器であれば振とう培養、通気培養等によって生じさせる。水槽施設においては水中ポンプなどによって生じさせる。
【0006】
水槽内でのワカメの生育に関する検討は、従来種々行われている。例えば、特許文献1は、上部に開口部を有する筒形水槽、曝気機構、注水機構、排水機構、及び水槽内の水流を調整する水流調整機構を備えた海藻類養殖用装置であって、前記水流調整機構は、頂部と底部とに開口を有する略裁頭錐形の筒状部材よりなり、前記筒状部材は、その錐形頂部開口が前記筒形水槽の底部に位置し、その錐形底部開口が前記筒形水槽の上部開口部側に位置し、その錐形中心軸が前記筒形水槽の中心軸と略一致するように配され、前記筒状部材は、その外周面の上下方向に複数の開孔を有し、前記注水機構は、その注水口が前記筒形水槽の内周縁近傍に、その注水方向が筒断面の略接線方向となるように配され、前記曝気機構は、前記筒形水槽下部の、前記水流調整機構の外周近傍に配され、前記排水機構は、その吸水口が、前記筒形水槽底部の前記水流調整機構の内側に配された、ことを特徴とする海藻類養殖用装置を記載する。
【0007】
非特許文献1は、コンブ目植物であるヒロメにおいて、フラスコ内で遊走子から成熟藻体を得ることが可能であったことを記載し、より具体的には、2L容量のフラスコ内で遊走子から3か月間余りで成熟させることができ、また光周期を変えることによって藻体各部の形態が変化することや成熟を制御できること、そのような培養方法では時期を考慮することなく種苗生産を室内で行うことが可能であり、容易に育種や遺伝的な実験に利用できることを記載する。
【0008】
非特許文献2は、養殖ワカメ胞子体の成長に及ぼす水温と水流の影響に関し、水流に対する生育反応は発育段階で異なり,全長15.5cmの幼胞子体では,10,20cm/sで成長がよかったこと、水温に対する実験では、高い成長率が1l~17℃でみられ、17℃を越えると成長は著しく低下し、上限側の枯死温度は27℃であったこと、成長適温の上限付近の成長率は、低流速(約5cm/s)よりも高流速(約40cm/s)の条件で高かったことを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2014-36596号公報
【非特許文献】
【0010】
能登谷ら,“室内培養におけるヒロメの生活史と形態形成”,月刊海洋,1995,27(1),pp.47-52,
馬場ら,“流水式回流水槽によるワカメの水温と水流に対する生育反応”,海生研研報,2006,第9号,pp.55-64
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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