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公開番号2025156039
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025043532
出願日2025-03-18
発明の名称クロロプレン系重合体ラテックス、ゴム成分、ゴム組成物、加硫成形体、及びクロロプレン系重合体ラテックスの製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C08F 36/18 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】機械的安定性に優れ、かつ、凍結等によるゴムの回収効率に優れるクロロプレン系重合体ラテックスを提供する。
【解決手段】本発明によれば、クロロプレン系重合体及び乳化剤を含むミセルを含むクロロプレン系重合体ラテックスであって、動的光散乱により、1nm~10,000nmの範囲で、前記ミセルの体積基準の粒度分布を測定し、ヒストグラムを得、前記ヒストグラムは、横軸が常用対数で表された粒子径であって、前記横軸を1nm~10,000nmの範囲で45等分した45の階級を有し、縦軸が体積分布であって、粒子径がk番目に小さい階級kの粒子径の階級値をdk nm、階級kの体積分布をVk、前記クロロプレン系重合体ラテックスの固形分割合をS、前記クロロプレン系重合体ラテックスの比重をρLxg/cm3、前記クロロプレン系重合体の比重をρCR g/cm3、前記クロロプレン系重合体ラテックス1Lに含まれる乳化剤量をn mol、アボガドロ数をNAとした場合に、以下の式を満たす、クロロプレン系重合体ラテックスが提供される。
【数1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025156039000009.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">14</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">128</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
クロロプレン系重合体及び乳化剤を含むミセルを含むクロロプレン系重合体ラテックスであって、
動的光散乱により、1nm~10,000nmの範囲で、前記ミセルの体積基準の粒度分布を測定し、ヒストグラムを得、
前記ヒストグラムは、横軸が常用対数で表された粒子径であって、前記横軸を1nm~10,000nmの範囲で45等分した45の階級を有し、縦軸が体積分布であって、
粒子径がk番目に小さい階級kの粒子径の階級値をd

nm
階級kの体積分布をV


前記クロロプレン系重合体ラテックスの固形分割合をS、
前記クロロプレン系重合体ラテックスの比重をρ
Lx
g/cm


前記クロロプレン系重合体の比重をρ
CR
g/cm


前記クロロプレン系重合体ラテックス1Lに含まれる乳化剤量をn mol、
アボガドロ数をN

とした場合に、
以下の式を満たす、クロロプレン系重合体ラテックス。
JPEG
2025156039000008.jpg
14
128
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、前記粒度分布から得られる、D50が、50~300nmである、クロロプレン系重合体ラテックス。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、前記クロロプレン系重合体100質量部に対する前記乳化剤の含有量が、0.5~8.0質量部である、クロロプレン系重合体ラテックス。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、荷重1.0kg、回転数1000rpm、10分間の条件で測定した機械的安定性試験において、凝集物発生率が0.5~25.0%である、クロロプレン系重合体ラテックス。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、前記クロロプレン系重合体ラテックス1L当たりの前記ミセル表面積が、30000~100000m

である、クロロプレン系重合体ラテックス。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックスのゴム成分。
【請求項7】
請求項6に記載のゴム成分を含む、ゴム組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のゴム組成物を含む、加硫成形体。
【請求項9】
請求項8に記載の加硫成形体であって、
伝動ベルト、コンベアベルト、ホース、ワイパー、浸漬製品、シール部品、接着剤、ブーツ、ゴム引布、ゴムロール、防振ゴム及びスポンジ製品のうちのいずれかである、加硫成形体。
【請求項10】
クロロプレン系重合体及び乳化剤を含むミセルを含むクロロプレン系重合体ラテックスの製造方法であって、
前記製造方法は、単量体液滴微細化工程、重合工程、及び乳化剤追加添加工程を含み、
前記単量体液滴微細化工程では、初期添加乳化剤の存在下、クロロプレン単量体を含む原料単量体を含む液滴を、前記原料単量体の液滴と被衝突媒体と衝突させることによって、前記液滴の平均粒子径が300nm以下となるまで微細化し、
前記重合工程では、前記クロロプレン単量体を含む原料単量体を重合してクロロプレン系重合体を得、
前記乳化剤追加添加工程では、前記単量体液滴微細化工程の後に追加添加乳化剤を追加添加し、
前記初期添加乳化剤及び前記追加添加乳化剤の合計100質量%に対する前記追加添加乳化剤の量は、10~60質量%である、製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロプレン系重合体ラテックス、ゴム成分、ゴム組成物、加硫成形体、及びクロロプレン系重合体ラテックスの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
クロロプレン系ゴムは、機械特性や耐オゾン性、耐薬品性に優れており、その特性を活かして自動車部品、接着剤、各種工業用ゴム部品など広範囲な分野に用いられている。
例えば、特許文献1には、界面活性剤の存在下であって、当該界面活性剤が臨界ミセル濃度(CMC)未満添加された水性媒体中で、クロロプレン又は、クロロプレン及びクロロプレンと共重合可能なモノマーを重合させるクロロプレン系重合体の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2011/004860
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機械的安定性に優れるクロロプレン系重合体ラテックスであって、かつ、凍結等によるゴムの回収効率に優れるクロロプレン系重合体ラテックスを得ることは困難であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、機械的安定性に優れ、かつ、凍結等によるゴムの回収効率に優れるクロロプレン系重合体ラテックスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、クロロプレン系重合体及び乳化剤を含むミセルを含むクロロプレン系重合体ラテックスであって、動的光散乱により、1nm~10,000nmの範囲で、前記ミセルの体積基準の粒度分布を測定し、ヒストグラムを得、前記ヒストグラムは、横軸が常用対数で表された粒子径であって、前記横軸を1nm~10,000nmの範囲で45等分した45の階級を有し、縦軸が体積分布であって、粒子径がk番目に小さい階級kの粒子径の階級値をdknm、階級kの体積分布をVk、前記クロロプレン系重合体ラテックスの固形分割合をS、前記クロロプレン系重合体ラテックスの比重をρ
Lx
g/cm

、前記クロロプレン系重合体の比重をρ
CR
g/cm

、前記クロロプレン系重合体ラテックス1Lに含まれる乳化剤量をn mol、アボガドロ数をN

とした場合に、以下の式を満たす、クロロプレン系重合体ラテックスが提供される。
JPEG
2025156039000001.jpg
14
128
【0007】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、クロロプレン系重合体ラテックスにおいて、粒度分布から得られる特定の式で算出される、乳化剤量に対するミセル表面積の比を規定することで、機械的安定性に優れ、かつ、凍結等によるゴムの回収効率に優れるクロロプレン系重合体ラテックスを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[1]クロロプレン系重合体及び乳化剤を含むミセルを含むクロロプレン系重合体ラテックスであって、動的光散乱により、1nm~10,000nmの範囲で、前記ミセルの体積基準の粒度分布を測定し、ヒストグラムを得、前記ヒストグラムは、横軸が常用対数で表された粒子径であって、前記横軸を1nm~10,000nmの範囲で45等分した45の階級を有し、縦軸が体積分布であって、粒子径がk番目に小さい階級kの粒子径の階級値をd

nm、階級kの体積分布をV

、前記クロロプレン系重合体ラテックスの固形分割合をS、前記クロロプレン系重合体ラテックスの比重をρ
Lx
g/cm

、前記クロロプレン系重合体の比重をρ
CR
g/cm

、前記クロロプレン系重合体ラテックス1Lに含まれる乳化剤量をn mol、アボガドロ数をN

とした場合に、以下の式を満たす、クロロプレン系重合体ラテックス。
JPEG
2025156039000002.jpg
14
128
[2][1]に記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、前記粒度分布から得られる、D50が、50~300nmである、クロロプレン系重合体ラテックス。
[3][1]又は[2]に記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、前記クロロプレン系重合体100質量部に対する前記乳化剤の含有量が、0.5~8.0質量部である、クロロプレン系重合体ラテックス。
[4][1]~[3]のいずれかに記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、荷重1.0kg、回転数1000rpm、10分間の条件で測定した機械的安定性試験において、凝集物発生率が0.5~25.0%である、クロロプレン系重合体ラテックス。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のクロロプレン系重合体ラテックスであって、前記クロロプレン系重合体ラテックス1L当たりの前記ミセル表面積が、30000~100000m

である、クロロプレン系重合体ラテックス。
[6][1]~[5]のいずれかに記載のクロロプレン系重合体ラテックスのゴム成分。
[7][6]に記載のゴム成分を含む、ゴム組成物。
[8][7]に記載のゴム組成物を含む、加硫成形体。
[9][8]に記載の加硫成形体であって、伝動ベルト、コンベアベルト、ホース、ワイパー、浸漬製品、シール部品、接着剤、ブーツ、ゴム引布、ゴムロール、防振ゴム及びスポンジ製品のうちのいずれかである、加硫成形体。
[10]クロロプレン系重合体及び乳化剤を含むミセルを含むクロロプレン系重合体ラテックスの製造方法であって、前記製造方法は、単量体液滴微細化工程、重合工程、及び乳化剤追加添加工程を含み、前記単量体液滴微細化工程では、初期添加乳化剤の存在下、クロロプレン単量体を含む原料単量体を含む液滴を、前記原料単量体の液滴と被衝突媒体と衝突させることによって、前記液滴の平均粒子径が300nm以下となるまで微細化し、前記重合工程では、前記クロロプレン単量体を含む原料単量体を重合してクロロプレン系重合体を得、前記乳化剤追加添加工程では、前記単量体液滴微細化工程の後に追加添加乳化剤を追加添加し、前記初期添加乳化剤及び前記追加添加乳化剤の合計100質量%に対する前記追加添加乳化剤の量は、10~60質量%である、製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るクロロプレン系重合体ラテックスによれば、機械的安定性に優れ、かつ、凍結等によるゴムの回収効率に優れるクロロプレン系重合体ラテックスを得ることができる。本発明の一実施形態では、上記クロロプレン系重合体ラテックスからゴム成分を回収して、ゴム組成物とすることができ、該クロロプレン系重合体ラテックスは、製造工程中、保管中、輸送中の安定性に優れ、また、効率よくゴム成分を回収することができ、製造における不具合の発生が少なく、コスト、手間を低減することができ、製造効率を向上することができる。上記ゴム成分を含むゴム組成物は、加硫成形体とすることができ、該加硫成形体は、例えば、伝動ベルト、コンベアベルト、ホース、ワイパー、浸漬製品、シール部品、接着剤、ブーツ、ゴム引布、ゴムロール、防振ゴム及びスポンジ製品等のいずれかとして、好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を例示して本発明について詳細な説明をする。本発明は、これらの記載によりなんら限定されるものではない。以下に示す本発明の実施形態の各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
(【0011】以降は省略されています)

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