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公開番号2025154805
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057999
出願日2024-03-29
発明の名称蛍光体、及びインク組成物
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09K 11/80 20060101AFI20251002BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】サブピークのピーク強度を低減した近赤外蛍光体を提供すること
【解決手段】本開示の一側面は、一般式:(Eu(1-x)(1-y)LaxM(1-x)z)2(Si(1-y)Aly)5N8で表される蛍光体であって、上記一般式中、MはBa、又は、Mg、Ca及びSrからなる群より選択される1種以上の元素とBaとの2種以上の元素を示し、xは、0.05以上0.20以下の数値を示し、yは、0.00以上0.10以下の数値を示し、zは、0.44超0.80以下の数値を示し、(1-x)zは、0.70未満であり、体積基準の累積粒度分布における97%累積径をD97としたときに、D97が8.50μm以下である、蛍光体を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式:(Eu
(1-x)(1-y)
La


(1-x)z


(Si
(1-y)
Al





で表される蛍光体であって、
前記一般式中、
MはBa、又は、Mg、Ca及びSrからなる群より選択される1種以上の元素とBaとの2種以上の元素を示し、
xは、0.05以上0.20以下の数値を示し、
yは、0.00以上0.10以下の数値を示し、
zは、0.44超0.80以下の数値を示し、
(1-x)zは、0.70未満であり、
体積基準の累積粒度分布における97%累積径をD97としたときに、D97が8.50μm以下である、蛍光体。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
体積基準の累積粒度分布における10%累積径、50%累積径、及び90%累積径をそれぞれD10、D50、及びD90としたときに、(D90-D10)/D50の値が3.00以下である、請求項1に記載の蛍光体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蛍光体を含む、インク組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蛍光体、及びインク組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近赤外光を発する蛍光体が着目されている。例えば、近赤外光を発する発光ダイオードは、各種リモコンセンサー、車載カメラ等に広く使用される。また、近赤外領域の光は生体透過性に優れ、医療、農業、及び食品等の各種分野において、異物検知等の品質検査用途、並びに血液中のヘモグロビン及び酸素等の濃度測定用途などに使用されている。
【0003】
近赤外光を発する蛍光体は、可視領域に発光を有しないことによって、目視では視認されないため、セキュリティ用途への使用も検討されている。セキュリティ用途としては、ブランド品等の偽造防止のために用いる真贋判定用のマーカを形成に利用することが検討されている(例えば、特許文献1)。この場合、蛍光体は、例えば、真正品に対して付する潜在マークを形成するためのインク(セキュリティインク)に配合されるなどして用いられる。
【0004】
近赤外光を発する蛍光体が種々検討されている(例えば、特許文献1~4)。特許文献4には、一般式:(Eu
(1-x)(1-y)
M1

M2
(1-x)z


(Si
(1-y)
Al





で表される蛍光体を含む粉末が開示されている。M1は少なくともLaを含み、さらに、Y及びLa以外のランタノイド元素からなる群より選ばれる1又は2以上の元素が含まれる。M2は少なくともBaも含み、さらに、Mg、Ca及びSrからなる群より選ばれる1又は2以上の元素が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2011/030747号
特開2020-041135号公報
特開2020-188044号公報
国際公開第2022/186069号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セキュリティインクに使用される近赤外蛍光体としては、所望の近赤外発光以外の蛍光を発しない又は少なくとも目的外の可視領域における蛍光(サブピーク)の発光強度が低いこと、及びインクジェット等による印刷のため粒子径が小さいことなどが求められる。
【0007】
本開示は、サブピークのピーク強度を低減した近赤外蛍光体を提供することを目的とする。本開示はまた、上述の近赤外蛍光体を含むインク組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らの検討によって、特許文献4に記載の蛍光体粉末をセキュリティインクに使用するために小粒径化を図ったところ、小粒径になるにつれて、可視領域における蛍光の発光強度が高まるという新たな知見を得た。特許文献3に開示される蛍光体粉末は、ランタン(La)を含まない場合、660nm付近の赤色発光を示す蛍光体である。しかし、Laを導入することで蛍光体を構成する結晶構造において歪みが誘起され、この歪みを生じた部分では、上記赤色発光が吸収され、新たに近赤外領域の蛍光として発光する蛍光体となる。Laを導入した当該蛍光体において、小粒径化に伴い上述のような可視領域における発光強度が高まる理由は定かではないが、出願人は以下のように推定している。すなわち、粒子径が大きい場合には、赤色発光が蛍光体粒子から外部へ出るまでに、相応の距離があり、この間に上記歪みを有する部分に吸収される確率が高まるため、蛍光体粉末全体としては、発光中における赤色発光成分(サブピーク)が少なくなると考えられるところ、蛍光体粒子の粒径が小さくなるにつれ、赤色発光が吸収され波長変換されることなく外部へと出てしまうことで、可視領域における発光強度が高まるものと推定している。さらに、Laの含有量を高めることによって、結晶構造内の歪みを有する部分を増加させ、赤色発光の吸収確率を上昇させることによって、小粒径化した場合であっても上記可視領域の発光が抑制できることを見出した。本開示は、上述の知見等に基づいてなされたものである。
【0009】
本開示の一側面は、例えば、下記[1]の蛍光体を提供する。
[1] 一般式:(Eu
(1-x)(1-y)
La


(1-x)z


(Si
(1-y)
Al





で表される蛍光体であって、
前記一般式中、
MはBa、又は、Mg、Ca及びSrからなる群より選択される1種以上の元素とBaとの2種以上の元素を示し、
xは、0.05以上0.20以下の数値を示し、
yは、0.00以上0.10以下の数値を示し、
zは、0.44超0.80以下の数値を示し、
(1-x)zは、0.70未満であり、
体積基準の累積粒度分布における97%累積径をD97としたときに、D97が8.50μm以下である、蛍光体。
【0010】
上記蛍光体は、D97が所定値以下となるような蛍光体微粒子で構成される粉体であるものの、蛍光体組成中のLaの量が比較的多くなっていることによって、可視領域における発光を抑制し、近赤外領域における発光を優位なものとした蛍光体となっている。
(【0011】以降は省略されています)

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