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公開番号2025159880
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2024062713
出願日2024-04-09
発明の名称絶縁電線
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類H01B 7/02 20060101AFI20251015BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 導体と被覆材との密着・接着性に優れることから、その間に隙間等が発生し難く、外部応力変化に対する被覆材の追従性にも優れることから、耐熱性、部分放電開始電圧にも優れる絶縁電線を提供する。
【解決手段】 導体及びその外周を被覆する被覆材を有する絶縁電線であって、該被覆材がポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、けん化エチレン-酢酸ビニル共重合体(B)5~45重量部及び高圧法低密度ポリエチレン(C)10~50重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物製である絶縁電線。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
導体及びその外周を被覆する被覆材を有する絶縁電線であって、該被覆材がポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、けん化エチレン-酢酸ビニル共重合体(B)5~45重量部及び高圧法低密度ポリエチレン(C)10~50重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物製であることを特徴とする絶縁電線。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
けん化エチレン-酢酸ビニル共重合体(B)が、JIS K7192(1999年)に準拠した酢酸ビニル成分のけん化度が60重量%以上のけん化エチレン-酢酸ビニル共重体であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項3】
けん化エチレン-酢酸ビニル共重合体(B)が、エチレン単位の含有量が65モル%以上90モル%以下のけん化エチレン-酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項4】
高圧法低密度ポリエチレン(C)が、260℃における溶融張力が100mN以上、かつGPC法で求めた分子量分布が9.0以上である高圧法低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項5】
被覆材が、さらにエチレン-ア(メタ)クリル酸エステル共重合体(D)を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物製であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項6】
被覆材が、溶融押出成形製被覆材であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項7】
被覆材が、厚み0.05~0.3mmの単層であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項8】
導体が、タフピッチ銅製及び/または純銅製であって、短辺0.8mm~5mm、長辺1.4mm~8mmの断面矩形を有する導体であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁電線に関するものであり、特に導体と被覆材との密着・接着性に優れることから、その間に隙間等が発生し難く、外部応力変化に対する被覆材の追従性にも優れ、耐絶縁破壊電圧、誘電特性に優れると共に、耐衝撃性等の靭性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を被覆材、外装材としてなる生産性に優れる絶縁電線に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車や電気自動車等の駆動用途などに搭載される多くのモータや発電機において高効率化、小型化および軽量化のための要素技術開発が自動車業界全体で進められている。中でも、高出力化を達成するための一つの方法としては、ステータコア内におけるコイルの占有率を高めることが挙げられている。このコイルの占積率を高める方策として、コイル用の電線としてこれまで一般に用いられてきた丸線に代わって断面矩形の平角線を適用することが挙げられる。
【0003】
そして、この際の絶縁電線用被覆材としては、耐絶縁破壊強さ、特に高い部分放電開始電圧が求められ、部分放電開始電圧と比誘電率との関係は下記式(1)(Dakinの式)で示されることが知られている(例えば非特許文献1参照。)。式(1)によれば電線として高い部分放電開始電圧を持つためには、絶縁被覆材である樹脂組成物に対して低い比誘電率であることが求められている。
V=163(t/εr)
0.46
(1)
(ここで、Vは部分放電開始電圧(Vrms)、tは絶縁層の厚さ(μm)、εrは絶縁層の比誘電率のそれぞれを示す。)
また、このような用途で用いられる電線は押出成形である電線成形加工にて連続的に電線を成形後に曲げ加工して、電線端面をスポット溶接で電気的に接続させ一つの長いワイヤとして用いられる。絶縁被膜である樹脂組成物に対しても絶縁性能以外に電線の曲げ加工での柔軟性および導線との密着性が求められている。
【0004】
ここで用いられる樹脂組成物としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)にポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレングリシジルメタクリレート共重合体から構成されるエチレン共重合体(B1)の群と、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリメチルペンテンから構成される樹脂(B2)の群と、前記樹脂(B2)を無水マレイン酸またはグリシジルメタクリレートで変性させてなる樹脂(B3)の群のうちの少なくとも1群の1種からなるオレフィン系共重合樹脂からなる樹脂(B)を含む樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
また、絶縁被覆層として2層以上の樹脂層から構成され、内層に少なくとも1層の熱硬化性樹脂層および外層に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層からなり、前記熱硬化性樹脂がポリアミドイミドおよびポリイミドから選択され、前記熱可塑性樹脂がポリエーテルエーテルケトンまたはポリフェニレンスルフィドを含むことを特徴とする絶縁電線が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5516303号
特許第6839695号
【非特許文献】
【0007】
古河電工時報 133号(2014年) p11-18。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1で提案されているアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリメチルペンテンはいずれも炭化水素から成るポリマーであり、比誘電率および部分放電開始電圧には優れるものの、極性が低く化学的に安定であることから銅線との化学的相互作用に乏しく密着性が低い。このため、押出成形で電線としたときに銅線と熱可塑性樹脂層の間には成形収縮および線膨張係数差によるスキマが生じ、絶縁破壊電圧が低下する可能性がある。また、内部にスキマが生じた電線は単純な寸法測定のみでは絶縁層の厚さを求められないため、生産ライン上での品質保証が困難となる。
【0009】
特許文献2の提案においては、電線の絶縁被覆層の構成を2層以上とし、銅線と外層の熱可塑性樹脂の間にスキマが発生することを防ぐため、内層に銅線との密着性を有する熱硬化性樹脂層を設ける構造が提案されている。しかしながら、熱硬化性樹脂を用いる電線の製造工程では、モノマーを有機溶剤に溶解または分散させ、塗布工程と焼成工程を複数回繰り返して欠陥のない被覆層としている。すなわち有機溶剤を加熱蒸発させ、モノマーを熱硬化反応させるための多くの熱エネルギーと専用設備が必要となる。また、溶剤を揮発させるため、作業環境は悪く、排気設備が必要となり、生産時のCO

排出量やエネルギーコスト面で不利となる。このため、絶縁電線としては、単層で絶縁性能の高い熱可塑性樹脂を押出成形で連続的に生産することが最も安価で環境性能に優れ、作業負荷も小さい製造方法として求められている。
【0010】
そこで、電気絶縁性、曲げ加工に対応する柔軟性に優れ、被覆材と導線の密着性に優れるモータおよび/または発電機に好適な熱可塑性樹脂を被覆材とした絶縁電線の出現が期待されている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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