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公開番号2025166874
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024071041
出願日2024-04-25
発明の名称ミラブル型シリコーンゴム原料混合物及びコンパウンド並びに、コンパウンドの製造方法及び組成物の製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 83/07 20060101AFI20251030BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】簡便な方法で製造でき、結晶成分を含まないミラブル型シリコーンゴムの原料混合物、コンパウンド及び組成物、並びにそれらの製造法を提供する。
【解決手段】下記(A)~(E)成分を含むミラブル型シリコーンゴム原料混合物。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有する平均重合度が1,000~100,000のオルガノポリシロキサン生ゴム:100質量部、(B)BET吸着法により測定された比表面積が50~450m2/gの補強性シリカ:5~100質量部、(C)下記(C-1)及び(C-2)から選ばれる1種以上の分散剤、(C-1)両末端にSi-OH基を有するオルガノシラン及び/又はシロキサン:1.0~50.0質量部、(C-2)アルコキシシランの部分加水分解縮合物であり、該部分加水分解縮合物の屈折率が1.39~1.41の範囲内であり、かつ動粘度が1.0~1000mm2/sであるもの:0.1~20質量部、(D´)亜リン酸エステル化合物の沸点80℃以下の炭化水素系有機溶剤に溶解させた溶液、(E)下記(E-1)~(E-3)から選ばれる1種以上の縮合反応用触媒、(E-1)1013hPaにおける沸点が30~60℃である25℃で液体のアミン化合物:0.0001~0.1質量部、(E-2)一般式(4)で表されるヘキサオルガノジシラザン:0.001~1質量部、(E-3)1.0~30.0質量%のアンモニア水:0.001~1質量部。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(E)成分を含むミラブル型シリコーンゴム原料混合物。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有する平均重合度が1,000~100,000のオルガノポリシロキサン生ゴム:100質量部、
(B)BET吸着法により測定された比表面積が50~450m

/gの補強性シリカ:5~100質量部、
(C)下記(C-1)及び(C-2)から選ばれる1種以上の分散剤、
(C-1)下記一般式(1)で表される、両末端にSi-OH基を有するオルガノシラン及び/又はシロキサン:1.0~50.0質量部、
TIFF
2025166874000013.tif
37
136
(式中、R

は同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1~8の1価炭化水素基であり、mは1~50の整数である。)
(C-2)下記一般式(2)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物であり、
該部分加水分解縮合物の屈折率が1.39~1.41の範囲内であり、かつ動粘度が1.0~1000mm

/sであるもの:0.1~20質量部、


Si(OR


3
(2)
(式中、R

は同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、R

は炭素数が1~10である1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
(D´)下記一般式(3)で表される亜リン酸エステル化合物の沸点80℃以下の炭化水素系有機溶剤に溶解させた溶液、
TIFF
2025166874000014.tif
54
93
(式中、R

は独立に水素原子もしくは炭素数が1~3である1価の脂肪族炭化水素基である。)
:前記亜リン酸エステル化合物が、前記(A)成分100質量部に対して0.0010~0.10質量部となる量、
(E)下記(E-1)~(E-3)から選ばれる1種以上の縮合反応用触媒、
(E-1)1013hPaにおける沸点が30~60℃である25℃で液体のアミン化合物:0.0001~0.1質量部、
(E-2)下記一般式(4)で表されるヘキサオルガノジシラザン、


3
SiNHSiR

3
(4)
(式中、R

は同一又は異種の炭素数1~12の1価炭化水素基を表す。)
:0.001~1質量部、
(E-3)1.0~30.0質量%のアンモニア水:0.001~1質量部。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記沸点80℃以下の炭化水素系有機溶剤が、n-ペンタン、n-ヘキサン、2-メチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタンから選択される有機溶媒であることを特徴とする請求項1に記載のミラブル型シリコーンゴム原料混合物。
【請求項3】
ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造する方法であって、
請求項1又は請求項2に記載のミラブル型シリコーンゴム原料混合物に対して、酸素を遮断しながら前記(D)成分の中の沸点80℃以下の炭化水素系有機溶剤を除去する工程を行うことを特徴とするミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
【請求項4】
ミラブル型シリコーンゴム組成物を製造する方法であって、
請求項3に記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法で該コンパウンドを製造した後、該コンパウンドに対して(F)硬化剤を加えることを特徴とするミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法。
【請求項5】
前記(F)硬化剤として、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及びヒドロシリル化触媒との組み合わせからなる、ヒドロシリル化反応の硬化剤を用いることを特徴とする請求項4に記載のミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法。
【請求項6】
下記(A)~(E)成分を含む結晶成分を含まないミラブル型シリコーンゴムコンパウンド。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有する平均重合度が1,000~100,000のオルガノポリシロキサン生ゴム:100質量部、
(B)BET吸着法により測定された比表面積が50~450m

/gの補強性シリカ:5~100質量部、
(C)下記(C-1)及び(C-2)から選ばれる1種以上の分散剤、
(C-1)下記一般式(1)で表される、両末端にSi-OH基を有するオルガノシラン及び/又はシロキサン:1.0~50.0質量部、
TIFF
2025166874000015.tif
37
136
(式中、R

は同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1~8の1価炭化水素基であり、mは1~50の整数である。)
(C-2)下記一般式(2)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物であり、
該部分加水分解縮合物の屈折率が1.39~1.41の範囲内であり、かつ動粘度が1.0~1000mm

/sであるもの:0.1~20質量部、


Si(OR


3
(2)
(式中、R

は同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、R

は炭素数が1~10である1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
(D)下記一般式(3)で表される亜リン酸エステル化合物
TIFF
2025166874000016.tif
54
93
(式中、R

は独立に水素原子もしくは炭素数が1~3である1価の脂肪族炭化水素基である。)
:0.0010~0.10質量部、
(E)下記(E-1)~(E-3)から選ばれる1種以上の縮合反応用触媒、
(E-1)1013hPaにおける沸点が30~60℃である25℃で液体のアミン化合物:0.0001~0.1質量部、
(E-2)下記一般式(4)で表されるヘキサオルガノジシラザン、


3
SiNHSiR

3
(4)
(式中、R

は同一又は異種の炭素数1~12の1価炭化水素基を表す。)
:0.001~1質量部、
(E-3)1.0~30.0質量%のアンモニア水:0.001~1質量部。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラブル型シリコーンゴム原料混合物及びコンパウンド並びに、コンパウンドの製造方法及び組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来技術では、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、ヒドロシリル基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ケイ素原子に結合したビニル基などのアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及び白金系触媒を含有する。
【0003】
これら3成分を1つの組成物としたいわゆる1液型オルガノポリシロキサン組成物の場合では、高温条件に晒された場合に、増粘やゲル化などの性状変化や硬化後に得られるオルガノポリシロキサン硬化物の物性値が変化してしまうなどの問題があった。これらの問題を回避するために、オルガノポリシロキサン組成物を2成分以上に分割しておき、使用直前に混合するという混合型のオルガノポリシロキサン組成物にする方法や1液型オルガノポリシロキサン組成物を冷蔵もしくは冷凍して輸送するという手段が提案されている。前者においては、配合ブレや混合ブレにより得られるオルガノポリシロキサン硬化物の物性値が変化する懸念があり、非常に高度な配合技術・混合技術が必要となる。また、後者においては、保管時から使用するまでの間、冷蔵もしくは冷凍条件が必要となるため、輸送や保管費用が非常に大きくなり、商業的に不利となる。このような背景の中、近年では常温(ここでは25℃を指す)において長期間保管しても性状や性能が変わらない1液型オルガノポリシロキサン組成物の要求が高まっている。
【0004】
特許文献1~5では、ある特定の亜リン酸エステル化合物を使用して保存安定性を高める方法が提案されている。これらの方法では劇的に保存安定性が向上するものの、事前に白金-亜リン酸エステル錯体含有ヒドロシリル化触媒を製造する必要があるため、特殊な白金触媒を製造する手間、時間及びコストがかかるといった課題があった。また、亜リン酸エステル化合物が酸素と反応しやすいため、空気中における保存性に劣るといった問題に加え、亜リン酸エステル化合物の配位数が多くなると触媒が再結晶するなどの問題があった。そのため、保存安定性の高い1液型オルガノポリシロキサン組成物が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/014970号
特開2021-042323号公報
国際公開第2023/013443号
国際公開第2023/136259号
特開2021-127373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、簡便な方法で製造でき、結晶成分を含まないミラブル型シリコーンゴムの原料混合物及びコンパウンドを提供することである。また、結晶成分を含まないミラブル型シリコーンゴムのコンパウンドの製造方法を提供することである。また、保存安定性の高い1液型オルガノポリシロキサン組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、
下記(A)~(E)成分を含むミラブル型シリコーンゴム原料混合物を提供する。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有する平均重合度が1,000~100,000のオルガノポリシロキサン生ゴム:100質量部、
(B)BET吸着法により測定された比表面積が50~450m

/gの補強性シリカ:5~100質量部、
(C)下記(C-1)及び(C-2)から選ばれる1種以上の分散剤、
(C-1)下記一般式(1)で表される、両末端にSi-OH基を有するオルガノシラン及び/又はシロキサン:1.0~50.0質量部、
TIFF
2025166874000001.tif
37
136
(式中、R

は同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1~8の1価炭化水素基であり、mは1~50の整数である。)
(C-2)下記一般式(2)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合物であり、
該部分加水分解縮合物の屈折率が1.39~1.41の範囲内であり、かつ動粘度が1.0~1000mm

/sであるもの:0.1~20質量部、


Si(OR


3
(2)
(式中、R

は同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1~12の1価炭化水素基であり、R

は炭素数が1~10である1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
(D´)下記一般式(3)で表される亜リン酸エステル化合物の沸点80℃以下の炭化水素系有機溶剤に溶解させた溶液、
TIFF
2025166874000002.tif
54
93
(式中、R

は独立に水素原子もしくは炭素数が1~3である1価の脂肪族炭化水素基である。)
:前記亜リン酸エステル化合物が、前記(A)成分100質量部に対して0.0010~0.10質量部となる量、
(E)下記(E-1)~(E-3)から選ばれる1種以上の縮合反応用触媒、
(E-1)1013hPaにおける沸点が30~60℃である25℃で液体のアミン化合物:0.0001~0.1質量部、
(E-2)下記一般式(4)で表されるヘキサオルガノジシラザン、


3
SiNHSiR

3
(4)
(式中、R

は同一又は異種の炭素数1~12の1価炭化水素基を表す。)
:0.001~1質量部、
(E-3)1.0~30.0質量%のアンモニア水:0.001~1質量部。
【0008】
このような原料混合物であれば、簡便な方法で製造できる、結晶成分を含まないミラブル型シリコーンゴム原料混合物を提供することができる。
【0009】
また、前記原料混合物において、沸点80℃以下の炭化水素系有機溶剤が、n-ペンタン、n-ヘキサン、2-メチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタンから選択される有機溶媒であることが好ましい。
【0010】
このような溶媒は工業的に取り扱いしやすく、これらの溶媒であれば、上記ミラブル型シリコーンゴム原料混合物は、その後のミラブル型シリコーンゴムからの溶剤除去工程において溶剤を除去しやすく、さらにその結果として、(D)成分が空気中の酸素と反応する時間の短縮化により、(D)成分がリン酸エステル化合物へと変化する反応を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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