TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025054577
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023163694
出願日
2023-09-26
発明の名称
不焼成塩基性れんがの製造方法
出願人
黒崎播磨株式会社
代理人
弁理士法人英和特許事務所
主分類
C04B
35/043 20060101AFI20250331BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】低融点物の生成による耐食性低下がなく、溶鋼中へのバインダー成分の溶解やマグネシアの消化等の懸念もなく、400~1000℃での強度低下を抑制したバインダーを使用した不焼成塩基性れんがの製造方法を提供する。
【解決手段】粒径75μm未満のマグネシアを0.2質量%以上30質量%以下及び粒径75μm未満のシリカを0.3質量%以上2.5質量%以下含有し、残部に粒径75μm以上のマグネシアを含有すると共にスピネル、アルミナ及びチタニアのうち少なくとも一種を含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
粒径75μm未満のマグネシアを0.2質量%以上30質量%以下及び粒径75μm未満のシリカを0.3質量%以上2.5質量%以下含有し、残部に粒径75μm以上のマグネシアを含有すると共にスピネル、アルミナ及びチタニアのうち少なくとも一種を含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う、不焼成塩基性れんがの製造方法。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
粒径75μm未満のマグネシアとして軽焼マグネシア、粒径75μm未満のシリカとしてシリカフラワーを使用する、請求項1に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項3】
耐火原料配合物の残部に含有する粒径75μm以上のマグネシアの含有率が、耐火原料配合物100質量%中に占める割合において50質量%以上90質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項4】
耐火原料配合物の残部に少なくともスピネルを含有し、スピネルの含有率が耐火原料配合物100質量%中に占める割合において5質量%以上40質量%以下である、請求項3に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項5】
耐火原料配合物の残部に少なくともアルミナを含有し、アルミナの含有率が耐火原料配合物100質量%中に占める割合において1質量%以上15質量%以下である、請求項3に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項6】
耐火原料配合物の残部に少なくともチタニアを含有し、チタニアの含有率が耐火原料配合物100質量%中に占める割合において1質量%以上15質量%以下である、請求項3に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼分野等における溶融金属容器あるいはセメントロータリーキルンの内張材等として使用される不焼成塩基性れんがの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
溶融金属容器やセメントロータリーキルンの内張用耐火物としては、高い耐食性を有するマグネシア-クロムれんがが使用されることが多い。ところがこのマグネシア-クロムれんがは、Cr
2
O
3
成分を含有することから、使用後れんがに有害な六価クロムを含有する可能性があるため、環境衛生上問題があった。そこで、成分にCr
2
O
3
を含有しないれんが、例えば、マグネシア-アルミナ質れんが、マグネシア-スピネル質れんが、あるいはマグネシア-チタニア-アルミナ質れんがなど、いわゆるクロムフリー塩基性れんがも使用されている。しかしながら、一般的なクロムフリー塩基性れんがは、1500℃以上の高温で焼成されるためCO
2
排出やコスト増などのデメリットもある。そこで、この問題を解決するために不焼成塩基性れんがの製造方法も検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1にはマグネシア-アルミナ質の不焼成塩基性れんがの製造方法が、特許文献2にはマグネシア-チタニア-アルミナ質の不焼成塩基れんがの製造方法が、それぞれ開示されている。そしてこれらの製造方法においては、バインダーとしてリン酸塩、ケイ酸塩、アルミナセメント等の無機系のバインダーが、熱間でセラミック結合が生じやすく強固な組織が得られると記載されている。
【0004】
しかしながら、バインダーとしてリン酸塩を使用する際にはマグネシアとの急激な反応を生じないようにするためにリン酸ナトリウムをはじめとしたアルカリ金属リン酸塩として使用する必要があり、それらはマグネシアと低融点物を形成するために耐食性が低下して十分な耐用が得られない。また、溶鋼中へのリン成分の溶出も懸念されるため、リン酸塩の使用は好ましくない。ケイ酸塩として使用する場合も、ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩は低融点物を生成しやすく耐食性が低下する。また、アルカリ性のバインダーであるためにマグネシアへの水酸基供給量が多くなり、水酸化マグネシウムを形成してれんがの消化が起こりやすくなることで長期間の保管や使用で亀裂が発生する恐れもある。これらの悪影響を最小限にするために、アルカリ金属リン酸塩やアルカリ金属ケイ酸塩の使用量を抑制することも考えられ、例えば特許文献1及び特許文献2の製造方法においてはリン酸塩が0.3重量部使用されているが、十分な強度が得られない問題がある。シリカゾル等のアルカリを含まないケイ酸塩バインダーも存在するが、れんがにした場合の強度が不十分のため実用化はしていない。アルミナセメントを使用すると、スラグ中のCaO成分と反応して低融点物を生成するため、耐食性が低下して十分な耐用が得られない。
【0005】
特許文献3では、マグネシア-スピネル質の不焼成塩基性れんがのバインダーとして塩化マグネシウム水溶液を使用することが開示されている。しかしながらこの場合には400~1000℃の温度域でバインダー成分が分解するため、強度低下や組織脆化が起こりやすいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平8-143356号公報
特開平8-310875号公報
特許第4328053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、低融点物の生成による耐食性低下がなく、溶鋼中へのバインダー成分の溶解やマグネシアの消化等の懸念もなく、400~1000℃での強度低下を抑制したバインダーを使用した不焼成塩基性れんがの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は次の通りである。
1.
粒径75μm未満のマグネシアを0.2質量%以上30質量%以下及び粒径75μm未満のシリカを0.3質量%以上2.5質量%以下含有し、残部に粒径75μm以上のマグネシアを含有すると共にスピネル、アルミナ及びチタニアのうち少なくとも一種を含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う、不焼成塩基性れんがの製造方法。
2.
粒径75μm未満のマグネシアとして軽焼マグネシア、粒径75μm未満のシリカとしてシリカフラワーを使用する、1に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
3.
耐火原料配合物の残部に含有する粒径75μm以上のマグネシアの含有率が、耐火原料配合物100質量%中に占める割合において50質量%以上90質量%以下である、1又は2に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
4.
耐火原料配合物の残部に少なくともスピネルを含有し、スピネルの含有率が耐火原料配合物100質量%中に占める割合において5質量%以上40質量%以下である、3に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
5.
耐火原料配合物の残部に少なくともアルミナを含有し、アルミナの含有率が耐火原料配合物100質量%中に占める割合において1質量%以上15質量%以下である、3に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
6.
耐火原料配合物の残部に少なくともチタニアを含有し、チタニアの含有率が耐火原料配合物100質量%中に占める割合において1質量%以上15質量%以下である、3に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法では、バインダーとしてケイ酸マグネシウム水和物が形成されるため、低融点物の生成による耐食性低下がなく、溶鋼中へのバインダー成分の溶解やマグネシアの消化等の懸念もなく、400~1000℃での強度低下が小さい不焼成塩基性れんがが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、マグネシア微粉及びシリカ微粉を含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理することで、十分な強度と耐食性を有する不焼成塩基性れんがが得られることを知見した。
そのメカニズムは以下の通りと考えられる。すなわち、マグネシア微粉及びシリカ微粉は、水の存在下でゲル状のケイ酸マグネシウム水和物を形成するため、60℃以上の熱処理でもれんが中の水分が減少することで、れんがのマトリクス部でバインダーとして機能する。その後れんがの温度が上昇してケイ酸マグネシウム水和物が脱水しても非晶質のケイ酸マグネシウムボンドを形成するため強度を維持し、更に熱を受けると非晶質のケイ酸マグネシウムがフォルステライトとなるため使用温度まで強度の低下を抑制することができる。そして、このケイ酸マグネシウムのボンドは特に600~1000℃の熱間強度が高いことが特徴で、溶融金属容器やセメントロータリーキルンの内張材として使用した場合には、れんが組織の脆弱化に起因する稼働面の剥離を抑制する効果が大きい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
黒崎播磨株式会社
焼成炉用流し込み材
16日前
黒崎播磨株式会社
不焼成塩基性れんがの製造方法
23日前
黒崎播磨株式会社
不焼成マグクロれんがの製造方法
23日前
黒崎播磨株式会社
窒化珪素複合材料及びプローブ案内部品
3か月前
黒崎播磨株式会社
コークス炉用プレキャストブロック及びその製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
溶銑容器用の湿式吹付材及びそれを施工した混銑車
1か月前
株式会社トクヤマ
水硬性組成物
1か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
1か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
1か月前
株式会社田中建設
製造プラント
9日前
三商株式会社
セメントモルタル組成物
2か月前
個人
高物性セラミックス体とその製造法
3か月前
東ソー株式会社
焼結体のリサイクル方法
22日前
花王株式会社
水硬性組成物
3か月前
花王株式会社
水硬性組成物
7日前
東ソー株式会社
顆粒粉末及びその製造方法
2か月前
株式会社田中建設
固化材の製造方法
24日前
日本特殊陶業株式会社
接合体
1か月前
東ソー株式会社
赤色焼結体及びその製造方法
1か月前
デンカ株式会社
コンクリート用組成物
21日前
デンカ株式会社
コンクリート用組成物
21日前
株式会社竹中工務店
コンクリート部材
1か月前
三井住友建設株式会社
複合構造体
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物用起泡剤
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物用起泡剤
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物用起泡剤
1か月前
三井住友建設株式会社
水硬性化合物
3か月前
三井住友建設株式会社
水硬性硬化体
14日前
花王株式会社
セメント系用粉塵低減剤
3か月前
株式会社竹中工務店
建設部材の塩分除去方法
1か月前
東ソー株式会社
ジルコニア焼結体及びその製造方法
3か月前
株式会社エフコンサルタント
コンクリートの施工方法
1か月前
個人
漆喰材の製造方法、および、漆喰材
29日前
東ソー株式会社
焼結体、粉末、成形体、及び、仮焼体
22日前
花王株式会社
水硬性組成物用プレミックス
3か月前
株式会社MARUWA
アルミナジルコニア焼結板
24日前
続きを見る
他の特許を見る