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公開番号2025065637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-22
出願番号2023174975
出願日2023-10-10
発明の名称内燃機関の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20250415BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エネルギ効率の低下や振動もしくは異音の悪化などを招来することなくモータリングによる昇温を的確に行う。
【解決手段】アルコール含有燃料を使用する内燃機関の制御装置であって、モータリングと始動との制御を行うコントローラは、モータリングの際の内燃機関の温度とアルコールの濃度との少なくともいずれか一方を検出する検出手段(ステップS2)と、モータリングの際にシリンダ内に吸入する空気量を、内燃機関の温度とアルコールの濃度との少なくともいずれか一方に基づいて求める空気量算出手段(ステップS3)と、検出手段で検出された内燃機関の温度とアルコールの濃度との少なくともいずれか一方と空気量算出手段で求められた空気量とに基づいて、モータリングの継続時間を求めるモータリング時間算出手段(ステップS4)とを備え、算出された空気量を維持しつつ継続時間の間、モータリングを実行する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
アルコールを含有する燃料と空気との混合気をシリンダの内部に吸入してピストンによって圧縮し、かつ前記混合気に点火もしくは着火して前記混合気を燃焼させる内燃機関を、始動要求があった場合に、前記混合気を燃焼させる始動に先立って、前記燃料が供給されていない空気を前記シリンダに吸入して回転させるモータリングを行う内燃機関の制御装置であって、
前記モータリングと前記始動との制御を行うコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記モータリングの際の前記内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方を検出する検出手段と、
前記モータリングの際に前記シリンダ内に吸入する空気量を、内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方に基づいて求める空気量算出手段と、
前記検出手段で検出された前記内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方と前記空気量算出手段で求められた前記空気量とに基づいて、前記モータリングの継続時間を求めるモータリング時間算出手段と
を備え、
前記コントローラは、前記シリンダに吸入する空気量を前記空気量算出手段で求められた空気量に制御しつつ、前記モータリング時間算出手段で求められた継続時間の間モータリングを実行する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記空気量算出手段は、前記内燃機関の温度もしくは前記アルコールの濃度が所定値より低い場合の空気量を、前記所定値の場合の空気量より多くするように構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関は、前記シリンダに吸入する空気の量を制御するスロットルバルブと、前記シリンダの吸気ポートを開閉する吸気バルブと、前記吸気バルブの開度もしくは開閉タイミングを制御する可変バルブ機構とを有し、
前記空気量算出手段は、更に、前記内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方に基づいて求めた前記シリンダ内に吸入する空気量となるように、前記スロットルバルブの開度と、前記可変バルブ機構による前記吸気バルブの開度との少なくともいずれか一方を算出し、
前記コントローラは、前記空気量算出手段で算出された前記スロットルバルブの開度と前記可変バルブ機構による前記吸気バルブの開度との少なくともいずれか一方を制御する制御指令信号を出力するように構成されている
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関を制御する装置に関し、特にアルコールを含有する燃料を燃焼させる内燃機関を始動する際の制御を行う装置に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
アルコールを含有する燃料を使用する内燃機関が知られているが、この種の燃料は、ガソリンに比較して点火あるいは着火させにくい場合がある。そこで、例えば特許文献1に記載された発明では、加熱する代わりに、アルコール濃度および温度に基づいてモータリング要求時間を算出し、そのモータリング要求時間の間、モータリングを実行し、その後に、内燃機関を始動することとしている。すなわち、アルコールを含有する燃料は、温度が高いほどアルコールの気化が増大してエンジンの始動性が向上するので、始動時に温度を上げるために、燃料の供給を停止した状態でエンジンをモータによって回転させるモータリングを行う。その場合、目標とする温度は、アルコールの濃度によって異なり、また目標とする温度に達するのに要する熱量は燃料温度によって異なるので、アルコール濃度とエンジン水温などの温度とに基づいてモータリング要求時間を求めている。また、特許文献1には、モータリングによる昇温を速くするために、可変動弁機構によって吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを制御して、シリンダの内部に閉じ込めて圧縮する空気量を多くしても良いことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-63411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料の供給を止めてエンジンをモータによって回転させるモータリングを行えば、ピストンとシリンダとの間で生じる摩擦熱や、空気を圧縮することによる熱によってエンジンを加熱し、昇温することができる。特許文献1に記載の発明では、モータリングを行う要求時間をエンジン水温およびアルコール濃度に基づいて設定している。具体的には、エンジン水温が低いほど、またアルコール濃度が高いほど、モータリングの要求時間を長くしている。このように、エンジン水温やアルコール濃度に基づいてモータリングの要求時間を設定すれば、ヒータなどの加熱手段を用いずにエンジンや燃料を昇温して、エンジンを円滑に始動することができる。また、圧縮する空気量を多くすれば、発熱量が多くなるので、モータリングの要求時間を短くすることができる。しかしながら、エンジンの始動を迅速化するために、常時、圧縮する空気量を可及的に多くするとすれば、モータリングの時間が短くなるものの、モータリングで消費するエネルギ量が多くなってエネルギ効率(燃費や電費)が悪化するだけでなく、シリンダの内部の圧力が繰り返し高くなるので、モータリングの際の振動や騒音が大きくなってしまい、車両にあっては搭乗者に違和感を与える可能性がある。
【0005】
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、アルコールを含有する燃料を使用する内燃機関の始動性を良好にするために、エネルギ効率の低下や振動もしくは異音の悪化などを招来することなくモータリングによる昇温を的確に行うことのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、アルコールを含有する燃料と空気との混合気をシリンダの内部に吸入してピストンによって圧縮し、かつ前記混合気に点火もしくは着火して前記混合気を燃焼させる内燃機関を、始動要求があった場合に、前記混合気を燃焼させる始動に先立って、前記燃料が供給されていない空気を前記シリンダに吸入して回転させるモータリングを行う内燃機関の制御装置であって、前記モータリングと前記始動との制御を行うコントローラを有し、前記コントローラは、前記モータリングの際の前記内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方を検出する検出手段と、前記モータリングの際に前記シリンダ内に吸入する空気量を、内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方に基づいて求める空気量算出手段と、前記検出手段で検出された前記内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方と前記空気量算出手段で求められた前記空気量とに基づいて、前記モータリングの継続時間を求めるモータリング時間算出手段とを備え、前記コントローラは、前記シリンダに吸入する空気量を前記空気量算出手段で求められた空気量に制御しつつ、前記モータリング時間算出手段で求められた継続時間の間モータリングを実行することを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、前記空気量算出手段は、前記内燃機関の温度もしくは前記アルコール濃度が所定値より低い場合の空気量を、前記所定値の場合の空気量より多くするように構成されていてよい。
【0008】
本発明においては、前記内燃機関は、前記シリンダに吸入する空気の量を制御するスロットルバルブと、前記シリンダの吸気ポートを開閉する吸気バルブと、前記吸気バルブの開度もしくは開閉タイミングを制御する可変バルブ機構とを有し、前記空気量算出手段は、更に、前記内燃機関の温度と前記アルコールの濃度との少なくともいずれか一方に基づいて求めた前記シリンダ内に吸入する空気量となるように、前記スロットルバルブの開度と、前記可変バルブ機構による前記吸気バルブの開度との少なくともいずれか一方を算出し、前記コントローラは、前記空気量算出手段で算出された前記スロットルバルブの開度と前記可変バルブ機構による前記吸気バルブの開度との少なくともいずれか一方を制御する制御指令信号を出力するように構成されていてよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内燃機関の温度もしくは燃料のアルコール濃度に基づいて、エンジンの始動に先立って行うモータリングの際の吸入空気量を求め、その吸入空気量に応じてモータリング時間を設定するので、温度が高い場合やアルコール濃度が低いなどの場合には、空気量を少なくすることができ、それに伴ってモータリング時の振動や異音を抑制もしくは防止できるとともに、モータリングで消費するエネルギ量を抑制することができる。また反対に、温度が低い場合やアルコール濃度が高い場合には、吸入空気量を多くすることができるので、モータリング時間を短くしてエンジンの始動の遅れを回避もしくは抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
エンジンの一例を説明するための模式図であって、シリンダの一つの模式的断面図である。
コントローラの一例を説明するための機能的ブロック図である。
アルコール濃度に応じて目標温度を定めたマップの一例を説明するための概念的な線図である。
アルコール濃度および温度に応じて吸入空気量を定めたマップの一例を説明するための概念的な線図である。
モータリング時に吸入空気量を増量した場合としない場合とのモータリング時間の相違を説明するための概念的な線図である。
本発明の実施形態で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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