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公開番号2025066938
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023176530
出願日2023-10-12
発明の名称紙臭吸着剤、紙臭吸着剤を含有する紙、及び紙臭吸着方法
出願人水澤化学工業株式会社
代理人個人
主分類D21H 21/14 20060101AFI20250417BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】木材由来の紙臭原因物質であるセスキテルペン類及び揮発性脂肪酸を有効に吸着して紙臭を低減又は無臭化する。
【解決手段】紙臭吸着剤は、紙臭成分のセスキテルペン類及び/又は炭素数6以上の揮発性脂肪酸を吸着する多孔質無機粒子であって、窒素吸着法により測定されるBET比表面積が50m2/g以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
紙臭成分のセスキテルペン類及び/又は炭素数6以上の揮発性脂肪酸を吸着する多孔質無機粒子であって、窒素吸着法により測定されるBET比表面積が50m
2
/g以上であることを特徴とする紙臭吸着剤。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
多孔質無機粒子は、活性白土、酸性白土、ベントナイト、マグネシア、アルミノケイ酸亜鉛、ハイシリカゼオライト、ケイ酸マグネシウム、シリカマグネシア、又はシリカである請求項1に記載の紙臭吸着剤。
【請求項3】
多孔質無機粒子の細孔容積は、0.09cm
3
/g以上である請求項1に記載の紙臭吸着剤。
【請求項4】
紙臭成分のセスキテルペン類は、ファルネソール、セドロール及びこれらの誘導体から選択される1種又は2種以上であり、
紙臭成分の炭素数6以上の揮発性脂肪酸は、ラウリン酸、リノール酸及びこれらの誘導体から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の紙臭吸着剤。
【請求項5】
請求項1に記載の紙臭吸着剤を担持することを特徴とする紙。
【請求項6】
請求項1に記載の紙臭吸着剤を、紙臭成分を含有する水溶液に添加して、紙臭成分のセスキテルペン類及び/又は炭素数6以上の揮発性脂肪酸を吸着させることを特徴とする紙臭吸着方法。
【請求項7】
紙臭成分を含有する水溶液は、パルプ溶解液であり、
抄紙工程前のパルプ製造工程中に、前記紙臭吸着剤をパルプ溶解液に添加する請求項6に記載の紙臭吸着方法。
【請求項8】
抄紙工程前のパルプ製造工程中おける、不純物を除去しパルプ溶解液を洗浄するとき、又はパルプ溶解液に含まれるパルプを漂白するとき、前記紙臭吸着剤をパルプ溶解液に添加する請求項6に記載の紙臭吸着方法。
【請求項9】
請求項1に記載の紙臭吸着剤を、塗工、塗布、噴霧、又は浸漬により、最終製品としての紙に含浸させて、セスキテルペン類及び/又は炭素数6以上の揮発性脂肪酸を吸着させることを特徴とする紙臭吸着方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、木材由来の紙臭原因物質を吸着して紙を無臭化できる紙臭吸着剤、その紙臭吸着剤を含浸させた紙、及びその紙臭吸着剤を用いた紙臭吸着方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、世界的に脱プラスチックの取組みが進み、紙製品の需要が高まっているが、紙には特有の臭気があり飲食品用途では従来から問題視されている。即ち、飲食品用の紙製品、例えば紙器(紙皿、紙コップ、紙袋、紙容器)、紙フィルタ(コーヒーフィルタ、濾紙)等により提供される飲食品に、紙特有の臭気が付着した場合、風味が損なわれるおそれがある。例えば、紙フィルタを使用し濾過された飲料水に臭気成分が溶出した場合、風味が変わり、その飲料水を摂取する者は不快に感じる。紙から発生する特有の臭気は、自然物(原料木材)由来の臭気と、パルプ製造における添加薬品由来の臭気とが、原因である。
【0003】
特許文献1は、紙と熱可塑性樹脂層とを含む多層構成の包装材料において、紙と最内面樹脂層との間のポリオレフィン系樹脂層に、活性炭、活性白土、酸性白土、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シリカ、MgOとSiO
2
との混合物より選択される少なくとも1種の無機系多孔性活性物質を含有させた食品容器用包装材料を開示する。特許文献1の食品容器用包装材料は、紙の臭気や味が食品に移行するのを防止する。
【0004】
特許文献2は、製紙用繊維にアルカリ性粉体と汚染ガス吸着性粉体を含有せしめ、冷水抽出pH値が6.5~8.0の資料保存用封筒用紙を開示する。使用可能な汚染ガス吸着性粉体として、シリカゲル、シリカアルミナゲル、活性アルミナ、合成ゼオライト、天然ゼオライト、合成シリカ、酸性白土、活性白土、酸化マグネシウム等を開示する。
【0005】
特許文献3は、シリカ粒子と酸化マグネシウム粒子とが一体複合化したシリカ・酸化マグネシウム複合粒子を含有する、リグニン及びバニリンの吸着剤を開示する。特許文献3の吸着剤は、パルプ製造におけるピッチコントロール剤として又は紙に漉き込み若しくは塗布して用いられる。
【0006】
特許文献1は、臭気の吸着除去効果を示すが、臭気発生の原因となる具体的成分を特定していなく、また、吸着除去効果を官能テストのみにより判断し、客観的な定量試験の結果を開示しない。更に、特許文献1では、無機系多孔性活性物質をポリオレフィン系樹脂層に含有させた食品容器用包装材料を開示するが、無機系多孔性活性物質を直接含浸させた紙及びパルプ製造工程中に含浸させた紙について開示も示唆もしない。
【0007】
特許文献2の資料保存用封筒用紙は、シリカゲル等を含有するが、空気中の汚染ガス、例えばNH
3
、H
2
S、HCHO、CH
3
COOH、HCOOH、SO
2
、NO
2
等の吸着を目的とし、紙臭物質自体の吸着を目的としない。
【0008】
特許文献3の吸着剤は、シリカ・酸化マグネシウム複合粒子により、紙製品特有臭気の問題を解決するものだが、特許文献3は、リグニン及びバニリンを吸着対象として特定して示し、セスキテルペン類及び脂肪酸を吸着対象としていない。リグニン及びバニリンのみを吸着しただけでは、紙臭を無臭化するのに十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平6-340036公報
特開2003-171896公報
特開2023-71002公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明では、木材由来の紙臭原因物質であるセスキテルペン類及び揮発性脂肪酸を有効に吸着して紙臭を低減又は無臭化する紙臭吸着剤、その紙臭吸着剤を含浸させた紙、及び紙臭吸着方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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