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公開番号2025070000
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023179999
出願日2023-10-19
発明の名称冠形保持器およびそれを用いた玉軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/44 20060101AFI20250424BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】回転時の遠心力による変形が小さく、かつボール組み込み時の破損が生じにくい樹脂製の冠形保持器を提供する。
【解決手段】保持器4の円環部5をPA9Tに炭素繊維を配合した第1の樹脂で、爪部6bをPA66にガラス繊維を配合した第2の樹脂でそれぞれ形成するようにし、第1の樹脂における炭素繊維の配合率および第2の樹脂におけるガラス繊維の配合率を調整して、爪部6bの曲げ弾性率が円環部5の曲げ弾性率よりも小さくなるようにした。これにより、高速回転時にも遠心力による保持器4の変形を抑えてボールとの強接触を避け、発熱を小さくできるとともに、ボール組み込み時に保持器4にかかる応力を小さくし、爪部6bの破損を防止することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
円環部(5)と、前記円環部(5)から円周方向に等間隔で軸方向一方側に延びる複数の柱部(6)とからなり、前記円環部(5)と円周方向で隣り合う前記柱部(6)とで形成され玉軸受のボール(3)を収容するポケット(7)を備え、前記柱部(6)は、前記円環部(5)に連続する柱部本体(6a)の軸方向先端から、円周方向で互いに対向する一対の爪部(6b)を軸方向一方側に突出させたものである樹脂製の冠形保持器(4)において、
前記円環部(5)と前記爪部(6b)は、それぞれベース樹脂に強化材を配合した、互いに異なる種類の樹脂で形成されており、
前記爪部(6b)の曲げ弾性率は前記円環部(5)の曲げ弾性率よりも小さいことを特徴とする冠形保持器(4)。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記円環部(5)および前記爪部(6b)の強化材が繊維状のものである請求項1に記載の冠形保持器(4)。
【請求項3】
前記円環部(5)の強化材が炭素繊維であり、前記爪部(6b)の強化材がガラス繊維である請求項2に記載の冠形保持器(4)。
【請求項4】
前記円環部(5)のベース樹脂がポリアミド9Tであり、前記爪部(6b)のベース樹脂がポリアミド66である請求項1乃至3のいずれかに記載の冠形保持器(4)。
【請求項5】
前記柱部本体(6a)の全体が前記円環部(5)と同じ樹脂で形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の冠形保持器(4)。
【請求項6】
前記柱部本体(6a)の周方向両側部が前記爪部(6b)と同じ樹脂で形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の冠形保持器(4)。
【請求項7】
前記円環部(5)の曲げ弾性率が7.8GPa以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の冠形保持器(4)。
【請求項8】
前記円環部(5)を形成する樹脂における炭素繊維の配合率が7.5wt%以上である請求項3に記載の冠形保持器(4)。
【請求項9】
前記爪部(6b)の曲げ弾性率が19.6GPa以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の冠形保持器(4)。
【請求項10】
前記爪部(6b)を形成する樹脂におけるガラス繊維の配合率が65wt%以下である請求項3に記載の冠形保持器(4)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製の冠形保持器と、その冠形保持器を用いた玉軸受に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
電動車の技術分野においては、電費低減や走行性能向上を図るための手段として、電動機の回転速度を高めるとともに電動機を小型・軽量化して電動機の出力密度を高めようとする動きがある。しかし、電動機を高速化しようとすると、電動機の回転が入力される回転軸を支持する転がり軸受は、回転速度の上昇に伴って内部部品に作用する遠心力が大きくなり、それによる内部部品の変形の増大が種々の不具合を生じやすくなる。
【0003】
特に、樹脂製の冠形保持器(以下、単に「保持器」とも称する。)を組み込んだ玉軸受(例えば、特許文献1参照。)では、その保持器のポケットの内面が転動体であるボールを抱え込むような球面形状であり、dmn値(ボールのピッチ円直径dm(mm)×回転数n(min
-1
))が高い条件で使用した際に、保持器が遠心力によって変形しやすい。そして、変形した保持器のポケット内面とボールが干渉して発熱し、焼付き等により軸受機能の失陥をまねくおそれがある。
【0004】
一方、玉軸受の発熱を抑えるために、保持器を形成する樹脂として変形しにくいものを用いると、ボールを保持器のポケットに組み込む際に、ポケットを形成する片持ち梁状の柱部の先端から突出している爪部が割れたり欠けたりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3035766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明の課題は、回転時の遠心力による変形が小さく、かつボール組み込み時の破損が生じにくい樹脂製の冠形保持器と、その冠形保持器を組み込んだ玉軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明は、円環部と、前記円環部から円周方向に等間隔で軸方向一方側に延びる複数の柱部とからなり、前記円環部と円周方向で隣り合う前記柱部とで形成され玉軸受のボールを収容するポケットを備え、前記柱部は、前記円環部に連続する柱部本体の軸方向先端から、円周方向で互いに対向する一対の爪部を軸方向一方側に突出させたものである樹脂製の冠形保持器において、前記円環部と前記爪部は、それぞれベース樹脂に強化材を配合した、互いに異なる種類の樹脂で形成されており、前記爪部の曲げ弾性率は前記円環部の曲げ弾性率よりも小さくなっている構成(構成1)を採用した。
【0008】
上記構成1の冠形保持器では、円環部を剛性の高いものとすることにより、回転時の遠心力による変形を小さくして、玉軸受に組み込んだ状態で高速回転してもボールと強接触せず発熱を抑えることができ、しかも、ボール組み込み時には、円環部よりも剛性の低い爪部が無理なく変形して保持器に大きな応力がかからず、爪部の破損を防止することができる。
【0009】
ここで、前記円環部および前記爪部の強化材は繊維状のものを採用することができる(構成2)。具体的には、例えば、前記円環の強化材を炭素繊維とし、前記爪部の強化材をガラス繊維とすることができる(構成3)。
【0010】
また、上記構成1乃至3のいずれにおいても、前記円環部のベース樹脂はポリアミド9Tとし、前記爪部のベース樹脂はポリアミド66とすることができる(構成4)。
(【0011】以降は省略されています)

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