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公開番号
2025070286
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2023180495
出願日
2023-10-19
発明の名称
中性子遮蔽材、中性子遮蔽材の製造方法および使用済燃料集合体貯蔵容器
出願人
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
G21F
3/00 20060101AFI20250424BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】耐熱性能と中性子遮蔽性能や密閉性能とを従来よりも高い水準で両立させることが可能であり、原料の保存性にも優れた中性子遮蔽材、中性子遮蔽材の製造方法、および、中性子遮蔽材を備えた使用済燃料集合体貯蔵容器を提供する。
【解決手段】中性子遮蔽材は、エポキシ樹脂の硬化物で構成され、主剤は、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルであり、硬化剤は、4-アルキルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、7-アルキルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、および、エンドメチレンアルキルテトラヒドロ無水フタル酸からなる群より選択される二種以上であり、硬化促進剤は、融点が30℃以上45℃以下である。中性子遮蔽材の製造方法は、硬化促進剤を溶融し、原料液を室温以上55℃以下の雰囲気温度で熱硬化させるものである。使用済燃料集合体貯蔵容器は、外側容器と内側容器との間に配置された中性子遮蔽材を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
エポキシ樹脂を主成分とする中性子遮蔽材であって、
分子内にエポキシ基を二つ含む化合物を含む主剤と、前記エポキシ基を開環重合させる硬化剤と、前記主剤と前記硬化剤による硬化反応を促進する硬化促進剤と、難燃剤と、中性子吸収材と、を含む樹脂組成物の硬化物で構成され、
前記主剤は、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルであり、
前記硬化剤は、4-アルキルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、7-アルキルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、および、エンドメチレンアルキルテトラヒドロ無水フタル酸からなる群より選択される二種以上であり、
前記硬化促進剤は、融点が30℃以上45℃以下である室温で固体または半固体の化合物である中性子遮蔽材。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記硬化剤のアルキル基は、それぞれ、メチル基、エチル基、または、プロピル基である中性子遮蔽材。
【請求項3】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記硬化剤の配合量が100質量部の主剤に対して50質量部以上75質量部以下である中性子遮蔽材。
【請求項4】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記硬化促進剤は、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、または、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールである中性子遮蔽材。
【請求項5】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記硬化促進剤の配合量が100質量部の主剤に対して0.1質量部以上4質量部以下である中性子遮蔽材。
【請求項6】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記中性子吸収材は、炭化ホウ素、および、窒化ホウ素からなる群より選択される一種以上である中性子遮蔽材。
【請求項7】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記難燃剤は、水酸化アルミニウムである中性子遮蔽材。
【請求項8】
請求項7に記載の中性子遮蔽材であって、
前記難燃剤の配合量が100質量部の主剤に対して150質量部以上220質量部以下である中性子遮蔽材。
【請求項9】
請求項1に記載の中性子遮蔽材であって、
前記エポキシ樹脂のガラス転移温度が165℃以上180℃以下である中性子遮蔽材。
【請求項10】
エポキシ樹脂を主成分とする中性子遮蔽材の製造方法であって、
前記中性子遮蔽材は、分子内にエポキシ基を二つ含む化合物を含む主剤と、前記エポキシ基を開環重合させる硬化剤と、前記主剤と前記硬化剤による硬化反応を促進する硬化促進剤と、難燃剤と、中性子吸収材と、を含む樹脂組成物の硬化物で構成され、
前記主剤は、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルであり、
前記硬化剤は、4-アルキルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、7-アルキルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、および、エンドメチレンアルキルテトラヒドロ無水フタル酸からなる群より選択される二種以上であり、
前記硬化促進剤は、融点が30℃以上45℃以下である室温で固体または半固体の化合物であり、
前記硬化促進剤を45℃以上55℃以下の雰囲気温度で加温して溶融し、
前記主剤、前記硬化剤、前記硬化促進剤、前記難燃剤および前記中性子吸収材が混合された原料液を調製し、
前記原料液を室温以上55℃以下の雰囲気温度で熱硬化させて前記硬化物を得る中性子遮蔽材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂を主成分とする中性子遮蔽材、中性子遮蔽材の製造方法、および、中性子遮蔽材を備えた使用済燃料集合体貯蔵容器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
原子力発電の後に原子炉から取り出された使用済燃料集合体は、原子力発電所内の冷却プールで一定の期間にわたって冷却されてから、燃料再処理工場等の処理施設や、中間貯蔵施設等に輸送される。使用済核燃料の発生量が再処理能力を超える場合、使用済核燃料を長期間にわたって貯蔵する必要が生じる。そのため、冷却プールにおける湿式貯蔵後に乾式貯蔵を行うことが検討されている。
【0003】
使用済核燃料の乾式貯蔵には、金属製の乾式キャスクが使用される。乾式キャスクは、使用済燃料集合体を収容する容器であり、使用済核燃料を原子力発電所の内外で貯蔵したり、使用済核燃料を輸送したりする際に用いられる。一般に、乾式キャスクは、炭素鋼、低合金鋼等や、合成樹脂製の中性子遮蔽材によって多重構造の容器として形成される。使用済核燃料は、崩壊熱を放出するため、乾式キャスクは、自然対流による放熱で除熱される。
【0004】
使用済核燃料は、冷却プールで核分裂反応や放射性崩壊がある程度減衰した後であっても、高線量の中性子線やγ線の他、多量の崩壊熱を放出し続ける。また、濃縮度が高い高燃焼度用核燃料が使用された場合、使用済核燃料が生じる発熱量や中性子強度等が、より増加することが想定される。そのため、使用済燃料集合体を貯蔵するキャスクには、高い中性子遮蔽性能や、密閉性能や、耐熱性能等が要求される。
【0005】
従来、軽量で固体の中性子遮蔽材として、合成樹脂製の中性子遮蔽材が利用されている。一般に、合成樹脂製の中性子遮蔽材には、中性子吸収材や難燃剤が配合されている。合成樹脂としては、高い中性子遮蔽性能が要求されるため、中性子の弾性散乱断面積が大きい水素原子を高密度に含有するものが用いられる。
【0006】
使用済核燃料の乾式貯蔵では、多量の崩壊熱が放出されるため、キャスクに用いられる合成樹脂に対する熱負荷が問題となる。合成樹脂製の中性子遮蔽材には、高い中性子遮蔽性能に加え、高い耐熱性能が要求される。このとき、中性子遮蔽材の温度は150℃付近まで上昇する可能性がある。合成樹脂の水素密度と耐熱性能とはトレードオフの関係にあり、水素密度が高いほど、耐熱性能が低くなる傾向がある。そこで、合成樹脂製の中性子遮蔽材について、高い水素密度と耐熱性能とを両立させるために、種々の検討が重ねられている。
【0007】
特許文献1には、単位体積当りに含まれる水素の原子数が4.5×10
22
~5.6×10
22
個/cm
3
、単位体積当りに含まれるホウ素同位体である
10
Bの原子数が6×10
19
~1.7×10
20
個/cm
3
である中性子遮へい材が記載されている。主剤としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ樹脂、各種のグリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物が挙げられている。硬化剤としては、芳香族アミン、環式アミン、ポリアミドアミンのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化促進剤が挙げられている。
【0008】
特許文献2には、水素添加ビスフェノール型エポキシと、少なくとも1つ以上の環構造と複数のアミノ基とを有する硬化剤成分と、ホウ素化合物とを含む中性子遮蔽材用組成物が記載されている。水素添加ビスフェノール型エポキシとしては、水素添加ビスフェノールA型エポキシや水素添加ビスフェノールF型エポキシが挙げられている。重合条件としては、50℃~200℃で1時間~3時間の加熱を行うことが好ましいとされている。
【0009】
合成樹脂製の中性子遮蔽材には、使用済核燃料を密閉する密閉性能を確保する観点から、高い成形性が要求される。使用済燃料から放出される放射線を遮蔽するためには、使用済燃料を囲むように設置される中性子遮蔽材を設計通りの形状に成形することが重要である。熱硬化性樹脂の成形性に関しては、(1)硬化前の原料液が成形型に対して隙間なく流れること、(2)硬化時にヒケを生じず、硬化後の端部と設置場所との間に隙間を生じないこと、(3)硬化後の内部に気泡や空隙が残留しないことが求められる。
【0010】
しかし、キャスクに用いられる合成樹脂は、高い耐熱性能が要求されるため、高い成形性を確保するのが難しい現状がある。合成樹脂の耐熱性能と成形性とはトレードオフの関係にあり、耐熱性能が高いほど、成形性が低くなる傾向がある。合成樹脂は、ガラス転移温度が高くなると、耐熱性能が向上するが、流動性が低下して成形型に対する流れが悪くなる。そのため、中性子遮蔽材の原料となる原料液の粘度を抑制することが求められる。
(【0011】以降は省略されています)
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