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公開番号2025073256
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023183865
出願日2023-10-26
発明の名称内燃機関の異常検出方法
出願人株式会社三井E&S,三井E&Sシステム技研株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20250502BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】重大な異常が発生する前に異常の発生の有無を判定する事のできる内燃機関の異常検出方法を提供する。
【解決手段】シリンダライナ12に配置されるn個の温度検出手段22と、m個の外周溝を有するピストンリング16と、を有する内燃機関10において、n個の温度検出手段22は、配置角度を示す中心角θが、それぞれ近似する値となるように配置し、m個の外周溝は、1つの外周溝16aと1つの温度検出手段22Aとが対応する位置となるようにピストンリング16を配置した際に、他の外周溝16bにも対応する温度検出手段22Bが存在することとなるように配置し、内燃機関10の運転中に検出される温度変化が生じている温度検出手段22の数により、運転状態の正常、異常を判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ピストンと、前記ピストンが摺動するシリンダライナに配置されるn個(nは3以上の正数)の温度検出手段と、前記ピストンに配置されるm個(mは、n-k(kは1以上の正数)かつmは2以上の正数)の外周溝を有するピストンリングと、を有する内燃機関において、
n個の前記温度検出手段は、隣り合う前記温度検出手段同士の配置角度を示す前記シリンダライナの中心を基点とした中心角θが、それぞれ近似する値となるように配置し、
m個の前記外周溝は、1つの外周溝と1つの温度検出手段とが対応する位置となるように前記ピストンリングを配置した際に、他の外周溝のそれぞれにも対応する温度検出手段が存在することとなるように配置し、
前記内燃機関の運転中に前記温度検出手段により検出される温度変化が、m個の前記温度検出手段でほぼ同時生じている場合に正常と判定し、前記温度検出手段により検出される温度変化がm個以外の数の前記温度検出手段で生じた場合に異常と判定することを特徴とする内燃機関の異常検出方法。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記温度変化が生じる前記温度検出手段の順番により、前記ピストンリングの回転方向を検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出方法。
【請求項3】
前記中心角θと前記温度検出手段による前記温度変化の検出タイミングに基づいて前記ピストンリングの回転速度を算出し、
予め調べた正常時における前記ピストンリングの回転速度と、前記温度変化の検出タイミングに基づいて算出した前記ピストンリングの回転速度とを比較して、前記ピストンリングの固着の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の異常検出に係り、特に、内燃機関内部におけるピストンリングとシリンダライナとの間における異常を検出するのに好適な方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ピストンリングとシリンダライナの異常は、出力低下のみならず、大掛かりな補修が必要となるスカッフィング等を生じさせる要因となる。このため従来は、エンジンを停止してピストンリングの状態やシリンダライナ下部表面を目視確認するといった点検や、シリンダ内にカメラを入れ、シリンダライナの上部表面を目視するといった点検が行われてきた。
【0003】
しかし、このような点検方法を実施する場合には、エンジンを停止させる必要があり、航行中に異常が生じてもそれを知る事ができなかった。このため、運転中のシリンダライナからのドレンオイルを分析し、鉄分濃度からスカッフィングの発生を検知するという方法が提案されている。確かに、このような方法であればエンジンを停止させる必要は無くなるが、ドレンオイルのサンプルを採取するのに時間がかかるため、異常を検出した時点ではシリンダライナ等の交換が必要になっているといった場合も生じ得る。
【0004】
そこで、スカッフィング等の異常検出を早期に実現する手段として、特許文献1や特許文献2に開示されているような技術が提案されてきている。具体的には、特許文献1に開示されている技術は、運転中の振動信号に含まれる異常波形を検出し、この異常波形に基づいてスカッフィングの発生を検知するというものである。また、特許文献2に開示されている技術は、掃気室内の掃気口付近に設けた温度検出器によりガス温度を検出し、ガス温度の変化に基づいてスカッフィング等の異常を検出するというものである。
【0005】
確かに、特許文献1、2に開示されている技術によれば、異常の発生を早期に検知する事ができると考えられる。しかし、いずれの技術を採用した場合であっても、検知自体は異常が発生した後となってしまうという実状があった。
【0006】
このような実状に対し、特許文献3に開示されているような技術が提案されている。特許文献3に開示されている技術は、ピストンの上死点に位置するシリンダライナ壁に温度センサを配置し、摩擦による温度変動を検出することで、スカッフィング発生前の状態を検出するというものである。このような技術であれば、スカッフィング等の異常が発生する前に検知する事ができ、対策を講じる事が可能となる。
【0007】
しかし実際には、シリンダライナの温度は、負荷変動や燃焼ガスの吹き抜けによって局所的な温度上昇との切り分けが難しく、異常判断が難しいといった実状がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開昭55-29054号公報
特開2010-7672号公報
特開2011-169327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明では、定常運転時に生じる温度変化に基づいて、スカッフィング等の重大な異常が発生する前に異常の発生の有無を判定する事のできる内燃機関の異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための本発明に係る内燃機関の異常検出方法は、ピストンと、前記ピストンが摺動するシリンダライナに配置されるn個(nは3以上の正数)の温度検出手段と、前記ピストンに配置されるm個(mは、n-k(kは1以上の正数)かつmは2以上の正数)の外周溝を有するピストンリングと、を有する内燃機関において、n個の前記温度検出手段は、隣り合う前記温度検出手段同士の配置角度を示す前記シリンダライナの中心を基点とした中心角θが、それぞれ近似する値となるように配置し、m個の前記外周溝は、1つの外周溝と1つの温度検出手段とが対応する位置となるように前記ピストンリングを配置した際に、他の外周溝のそれぞれにも対応する温度検出手段が存在することとなるように配置し、前記内燃機関の運転中に前記温度検出手段により検出される温度変化が、m個の前記温度検出手段でほぼ同時に生じている場合に正常と判定し、前記温度検出手段により検出される温度変化がm個以外の数の前記温度検出手段で生じた場合に異常と判定することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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