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公開番号2025073565
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184481
出願日2023-10-27
発明の名称SiCウェハの製造方法
出願人SECカーボン株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類H01L 21/304 20060101AFI20250502BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】SiCインゴットからSiCウェハを製造する方法であって、切断面の段差を小さくしながらも、スループットの低下を抑制することのできる方法を提供する。
【解決手段】SiCウェハの製造方法は、オフ角を有するSiCインゴットを準備する工程(a)と、オフ角の形成方向に実質的に平行な走査ラインに沿ってパルス幅1ns未満の短パルスレーザを照射する工程(b)と、SiCインゴットを、走査ラインに直交するインデックス送り方向に相対的に移動させる工程(c)と、走査ラインを基準としてインデックス送り方向とは反対側に位置するSiCインゴットの一部分である対象領域に対して応力を加える工程(d)とを有し、工程(b)と前記工程(c)とが繰り返し実行されると共に少なくとも工程(b)は工程(d)と共に実行され、工程(b)の実行によって短パルスレーザが照射された領域からオフ角の形成方向に直交する方向にへき開が伸展する。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
第一主面に対してc面がオフ角を有するSiCインゴットを準備する工程(a)と、
前記第一主面から所定の深さに集光位置を調整した状態で、前記オフ角の形成方向に実質的に平行な走査ラインに沿って、前記第一主面の外側からパルス幅1ns未満の短パルスレーザを照射する工程(b)と、
前記SiCインゴットを、前記走査ラインに直交するインデックス送り方向に、所定のインデックス距離だけ相対的に移動させる工程(c)と、
前記走査ラインを基準として前記インデックス送り方向とは反対側に位置する前記SiCインゴットの一部分である対象領域に対して応力を加える工程(d)とを有し、
前記工程(b)と前記工程(c)とが繰り返し実行されると共に、少なくとも前記工程(b)は前記工程(d)と共に実行され、
前記工程(b)の実行によって、前記短パルスレーザが照射された領域から前記オフ角の形成方向に直交する方向にへき開が伸展することを特徴とする、SiCウェハの製造方法。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記工程(d)は、前記対象領域を物理的に押圧する工程であることを特徴とする、請求項1に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項3】
前記対象領域は、前記SiCインゴットの領域のうち、前記走査ラインを基準として前記インデックス送り方向とは反対側に位置する領域の少なくとも一部分であって、前記走査ラインに平行な方向に係る前記SiCインゴットの幅全域であることを特徴とする、請求項2に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項4】
前記工程(d)は、押圧機構を用いて前記対象領域を物理的に押圧する工程であり、
前記工程(c)は、前記押圧機構を前記インデックス送り方向に前記インデックス距離だけ相対的に移動させる工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項5】
前記押圧機構は、超音波振動を付与しながら前記対象領域を物理的に押圧可能な構成であることを特徴とする、請求項4に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項6】
前記工程(d)は、前記対象領域を加熱する工程であることを特徴とする、請求項1に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項7】
前記工程(d)は、前記対象領域に対して加熱光を照射する工程を含むことを特徴とする、請求項6に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項8】
前記工程(b)の実行後、前記工程(c)の実行前に、前記へき開の伸展の程度を検知する工程(e)を有し、
前記工程(e)において前記へき開の伸展の程度を示す伸展指標が所定の閾値を上回った場合には、直前に前記工程(b)が実行された前記走査ラインと同一の前記走査ラインに沿って前記工程(b)を再実行し、
前記工程(e)において前記伸展指標が前記閾値を下回った場合には、前記工程(c)が実行されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のSiCウェハの製造方法。
【請求項9】
前記工程(e)は、直前に前記工程(b)が実行された対象の前記走査ラインを含む領域を撮像し、得られた撮像画像に基づく情報と前記閾値とを比較する工程を含むことを特徴とする、請求項8に記載のSiCウェハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、SiCインゴットからSiCウェハを製造するための方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
SiC単結晶を利用したSiC半導体は、Si半導体に代わる次世代パワーデバイスの材料として期待されている。この種の半導体デバイスは、典型的には、ほぼ円柱形状を呈したSiCインゴットを薄く切断したウェハ(SiCウェハ)上に形成される。
【0003】
従来、インゴットをワイヤソーで薄く切断してウェハを得る方法が知られている。しかし、SiCの場合、Siと比べて硬度が高くワイヤソーでの切断が比較的難しいという事情があった。
【0004】
また、切断時や表裏面の研磨時にウェハとして使われないインゴット部分が不可避的に生じる。SiCはSiとは異なり、成長速度が遅い昇華法で製造されるのが一般的であるため、Siよりも製造コストが高くなる。このため、SiCウェハの製造時に、SiCウェハとして利用されないインゴット部分の量は、なるべく少なくしたい事情がある。
【0005】
かかる観点から、SiCの損失が比較的少ないSiCウェハの製造方法として、SiCに対して透過性を示す波長のレーザ光をSiC単結晶インゴットの内部に集光することで改質層を形成し、この改質層からクラックを伸展させることで得られた切断予定面に沿って切断する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6698468号公報
特開2021-34680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SiCの結晶には多くのポリタイプが存在するが、一部の例外を除き大部分は、図1のような六方晶の結晶構造を示す。デバイスの開発に際しては、キャリアの移動度が比較的高いことが知られている4H-SiCが利用されており、この4H-SiCは六方晶を示す。4H-SiCを初めとする六方晶構造のSiC結晶は、Siで終端された(0001)面と、Cで終端された(000-1)面を有する。これらの面は、{0001}面と総称される。{0001}面は、(0001)面や(000-1)面等の、結晶学的に等価な面を含む包括表現である。本明細書では、面方位や方向において表記される記号(バー)を、その直後の数字に付随して表記される。
【0008】
{0001}面は一般的にc面と表記され、このc面に直交する<0001>方向はc軸と表記される。<0001>方向は、[0001]方向、及び[0001]方向と結晶学的に等価な方向を含む包括表現である。
【0009】
SiCインゴットを形成するに際しては、c面に対して10°未満の微小な角度(典型的には4°程度)傾斜した面を成長面とし、当該成長面に単結晶を成長させる技術が一般的に採用される。この傾斜角は「オフ角」と呼ばれる。
【0010】
図2は、SiCインゴットの模式的な断面図である。SiCインゴット10は、一対の主面(11,12)を有する。上述したように、{0001}面は、主面(11,12)に対して傾斜している。より詳細には、{0001}面は、第一主面11に対してオフ角θ1だけ傾斜している。このオフ角θ1は、第一主面11の法線14と<0001>方向との傾斜角にも対応する。{0001}面は、「c面」とも呼ばれる。
(【0011】以降は省略されています)

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