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公開番号2025073735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184770
出願日2023-10-27
発明の名称(メタ)アクリル系重合体の再生システム、(メタ)アクリル系重合体の再生方法、および(メタ)アクリル基を有するモノマーの製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08J 11/12 20060101AFI20250502BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】(メタ)アクリル系重合体から得られる熱分解ガスへの不純物ガスの混入を抑制でき、かつ作業効率に優れる(メタ)アクリル系重合体の再生システム、(メタ)アクリル系重合体の再生方法、および(メタ)アクリル基を有するモノマーの製造方法を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系重合体の熱分解を行う熱分解部10と、前記熱分解部10で発生する熱分解ガスを処理する熱分解ガス処理部20と、前記熱分解部10と前記熱分解ガス処理部20とを連結する連結部30と、を備え、前記熱分解部10は、(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する原料投入口と、熱分解ガスを抜き出すガス抜き出し口と、を備える熱分解機を含み、前記連結部30は、前記熱分解機のガス抜き出し口から抜き出された熱分解ガスに含まれる不純物を除去する除去部30Aを含む、(メタ)アクリル系重合体の再生システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(メタ)アクリル系重合体の熱分解を行う熱分解部と、前記熱分解部で発生する熱分解ガスを処理する熱分解ガス処理部と、前記熱分解部と前記熱分解ガス処理部とを連結する連結部と、を備え、
前記熱分解部は、(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する原料投入口と、熱分解ガスを抜き出すガス抜き出し口と、を備える熱分解機を含み、
前記連結部は、前記熱分解機のガス抜き出し口から抜き出された熱分解ガスに含まれる不純物を除去する除去部を含む、(メタ)アクリル系重合体の再生システム。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記連結部における前記熱分解機のガス抜き出し口から前記除去部までの部分は、Ti、Zr、Taおよびハステロイからなる群より選択される材質からなる、請求項1に記載の再生システム。
【請求項3】
前記除去部は、熱分解ガスを流通させる管と、前記管の内部に配置されて不純物を吸着又は吸収する吸着剤又は吸収剤と、を含む、請求項1に記載の再生システム。
【請求項4】
前記熱分解部と前記除去部との間、または前記除去部と前記熱分解ガス処理部との間に配置される圧力計をさらに備える、請求項1に記載の再生システム。
【請求項5】
前記連結部は、前記除去部と前記熱分解ガス処理部との間に配置されて熱分解ガスを冷却する冷却部をさらに含む、請求項1に記載の再生システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の再生システムにおける熱分解部に(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する工程と、
前記熱分解部で発生する熱分解ガスに含まれる不純物を前記除去部において除去する工程と、
前記除去部において不純物が除去された熱分解ガスを前記熱分解ガス処理部において処理する工程と、を含む、(メタ)アクリル系重合体の再生方法。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の再生システムにおける熱分解部に(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する工程と、
前記熱分解部で発生する熱分解ガスに含まれる不純物を前記除去部において除去する工程と、
前記除去部において不純物が除去された熱分解ガスを前記熱分解ガス処理部において処理する工程と、を含む、(メタ)アクリル基を有するモノマーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、(メタ)アクリル系重合体の再生システム、(メタ)アクリル系重合体の再生方法、および(メタ)アクリル基を有するモノマーの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル基を有するモノマーを重合して得られる(メタ)アクリル系重合体は、透明性に優れており、さらには耐候性にも優れている。よって、(メタ)アクリル系重合体は、自動車用部品、看板標識、表示装置等を構成する部材の材料として、広く用いられている。
【0003】
近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられた(メタ)アクリル系重合体を含む製品(成形体)を回収してリサイクル(再資源化)する動きが広まっている。
【0004】
(メタ)アクリル系重合体を含む成形体のリサイクルの方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱分解(解重合)して得られる熱分解物としてのモノマーを回収し、このモノマーを用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃焼して得られる燃焼エネルギーを直接的な熱源あるいは発電機により変換された電力として利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0005】
(メタ)アクリル系重合体は、300℃から500℃程度の比較的低い温度で加熱することによって熱分解物であるモノマーを高収率で回収することができる。このため、(メタ)アクリル系重合体は、ケミカルリサイクルによるリサイクルに適している。
【0006】
(メタ)アクリル系重合体を含む成形体は、ポリ塩化ビニルのような塩素を含む樹脂からなる部材(ガスケット等)が付随していたり、水分が付着していたりする場合がある。このような状態の成形体の熱分解を実施すると、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを含む熱分解ガスとともに塩素ガス、水蒸気等の不純物ガスが発生するおそれがある。熱分解ガスに不純物ガスが混入すると、熱分解ガスをリサイクルして得られる製品の品質が低下するおそれがある。
さらに、塩素ガスと水蒸気とが反応して発生する塩酸がリサイクル処理装置の腐食の原因となるおそれがある。
【0007】
特許文献1には、被処理物の熱分解を実施する前に、被処理物の熱分解が促進される温度よりも低い温度で熱分解炉を一定時間維持することで、塩素を含むガスをあらかじめ発生させる装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2012-11299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された装置では、被処理物を熱分解する工程が塩素を含むガスを発生させる工程によって中断されるため、作業効率に改善の余地がある。
本開示は、(メタ)アクリル系重合体から得られる熱分解ガスへの不純物ガスの混入を抑制でき、かつ作業効率に優れる(メタ)アクリル系重合体の再生システム、(メタ)アクリル系重合体の再生方法、および(メタ)アクリル基を有するモノマーの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
<1>(メタ)アクリル系重合体の熱分解を行う熱分解部と、前記熱分解部で発生する熱分解ガスを処理する熱分解ガス処理部と、前記熱分解部と前記熱分解ガス処理部とを連結する連結部と、を備え、
前記熱分解部は、(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する原料投入口と、熱分解ガスを抜き出すガス抜き出し口と、を備える熱分解機を含み、
前記連結部は、前記熱分解機のガス抜き出し口から抜き出された熱分解ガスに含まれる不純物を除去する除去部を含む、(メタ)アクリル系重合体の再生システム。
<2>前記連結部における前記熱分解機のガス抜き出し口から前記除去部までの部分は、Ti、Zr、Taおよびハステロイからなる群より選択される材質からなる、<1>に記載の再生システム。
<3>前記除去部は、熱分解ガスを流通させる管と、前記管の内部に配置されて不純物を吸着又は吸収する吸着剤又は吸収剤と、を含む、<1>または<2>に記載の再生システム。
<4>前記熱分解部と前記除去部との間、または前記除去部と前記熱分解ガス処理部との間に配置される圧力計をさらに備える、<1>~<3>のいずれか1項に記載の再生システム。
<5>前記連結部は、前記除去部と前記熱分解ガス処理部との間に配置されて熱分解ガスを冷却する冷却部をさらに含む、<1>~<4>のいずれか1項に記載の再生システム。
<6><1>~<5>のいずれか1項に記載の再生システムにおける熱分解部に(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する工程と、
前記熱分解部で発生する熱分解ガスに含まれる不純物を前記除去部において除去する工程と、
前記除去部において不純物が除去された熱分解ガスを前記熱分解ガス処理部において処理する工程と、を含む、(メタ)アクリル系重合体の再生方法。
<6><1>~<5>のいずれか1項に記載の再生システムにおける熱分解部に(メタ)アクリル系重合体を含む原料を投入する工程と、
前記熱分解部で発生する熱分解ガスに含まれる不純物を前記除去部において除去する工程と、
前記除去部において不純物が除去された熱分解ガスを前記熱分解ガス処理部において処理する工程と、を含む、(メタ)アクリル基を有するモノマーの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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