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公開番号
2025079096
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2023191544
出願日
2023-11-09
発明の名称
ラジカル生成装置
出願人
株式会社島津製作所
代理人
弁理士法人京都国際特許事務所
主分類
H01J
49/00 20060101AFI20250514BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】既存の質量分析装置のコリジョンセルに代えて反応セルを配置し、該反応セルにラジカル生成部を接続してラジカル反応によるイオン解離を実行可能に構成した質量分析装置において、不所望のプロダクトイオンが生成されたり、不所望のマスズレが生じたり、意図しない放電が生じたりする可能性を低減する。
【解決手段】質量分析装置において、試料から生成されたイオンを解離させるコリジョンセルに代えて用いられるラジカル反応装置(4)であって、所定の種類のラジカルを生成するラジカル生成部(40)と、ラジカル生成部で生成されたラジカルが導入されるラジカル導入口を有する反応セル(42)と、反応セルが配置された空間の真空度を測定する真空計(423)と、真空計により測定された真空度が所定の条件を満たす場合にラジカル生成部を動作させるラジカル生成制御部(63)とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
質量分析装置において、試料から生成されたイオンを解離させるコリジョンセルに代えて用いられるラジカル反応装置であって、
所定の種類のラジカルを生成するラジカル生成部と、
前記ラジカル生成部で生成されたラジカルが導入されるラジカル導入口を有する反応セルと、
前記反応セルが配置された空間又は前記反応セルの内部の真空度を測定する真空計と、
前記真空計により測定された真空度が所定の条件を満たす場合に前記ラジカル生成部を動作させるラジカル生成制御部と
を備えるラジカル反応装置。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
前記質量分析装置は、前記コリジョンセルが配置される空間又は前記コリジョンセルの内部に取り付けられる本体真空計を備えており、
さらに、
前記反応室の内部の圧力が異なる複数の状態のそれぞれにおいて、前記真空計及び前記本体真空計を用いた真空度の測定を行うことにより、前記真空計が前記本体真空計に対して校正されている、請求項1に記載のラジカル反応装置。
【請求項3】
イオンの飛行経路の中心軸に沿った方向において、前記真空計が前記本体真空計と同じ位置に設けられている、請求項2に記載のラジカル反応装置。
【請求項4】
前記複数の状態が、前記反応室が真空排気された第1状態と、該第1状態に所定流量のCIDガスを導入した第2状態である、請求項2に記載のラジカル反応装置。
【請求項5】
前記所定の条件が、前記第1状態における前記真空計の測定値に基づいて定められた基準を満たすことである、請求項1に記載のラジカル反応装置。
【請求項6】
前記ラジカル生成制御部は、前記ラジカル生成部を動作させて試料を分析している間に、前記真空計により測定された前記反応セルの内部の真空度が所定の条件を満たさなくなった場合に、該ラジカル生成部の動作を停止させる、請求項1に記載のラジカル反応装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料成分由来のプリカーサイオンとラジカルを反応させることによりプロダクトイオンを生成して測定するために用いられるラジカル生成装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
試料に含まれる成分を同定したり未知成分の分子構造を推定したりするために、質量分析装置を用いたMS/MS分析が行われている。MS/MS分析では、試料成分由来のイオン(プリカーサイオン)を反応室に導入し、反応室内でプリカーサイオンを解離させてプロダクトイオンを生成して、それらを質量分離して検出する。検出されたプロダクトイオンの質量電荷比から得られる部分構造の情報に基づいて、試料成分を同定したり分子構造を推定したりすることができる。
【0003】
プリカーサイオンを解離させる方法の1つに、水素ラジカル、酸素ラジカル、ヒドロキシルラジカルなどのラジカル種と反応させるものがある。プリカーサイオンを水素ラジカルと反応させて解離させる手法はHAD(Hydrogen Attachment/Abstraction Dissociation)、プリカーサイオンを酸素ラジカルやヒドロキシルラジカルと反応させて解離させる手法はOAD(Oxygen Attachment Dissociation)と呼ばれる。例えば、ペプチド由来のプリカーサイオンをラジカルと反応させると、ペプチドを、アミノ酸が結合した位置で特異的に解離させることができる(例えば特許文献1)。また、例えば、炭化水素鎖を有する試料成分由来のプリカーサイオンをラジカルと反応させると、炭化水素鎖を有する分子を、二重結合の位置で特異的に解離させることができる(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/186286号
国際公開第2019/155725号
国際公開第2022/059247号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の質量分析装置では、試料成分由来のプリカーサイオンをコリジョンセルに導入し、コリジョンセルの内部でアルゴン等の不活性ガスの分子と衝突させ、プリカーサイオンを衝突誘起解離(Collision-Induced Dissociation: CID)させてプロダクトイオンを生成している。質量分析装置のコリジョンセルは、内部の電極の洗浄等を行うために取り外すことが可能になっており、既存の質量分析装置においてHADやOADを実行可能にするために、コリジョンセルに代えて、ラジカル導入口を形成した反応セルを配置し、そこにラジカル生成部を接続することが検討されている。
【0006】
コリジョンセルを備える既存の質量分析装置ではHADやOADを実行することが想定されていないため、それにラジカル生成部を取り付けて動作させる場合、ラジカル生成部の動作を制御するラジカル生成制御部は既存の質量分析装置と独立に設ける必要がある。しかし、ラジカル生成制御部では、それを取り付ける質量分析装置の状態、特に、反応セル内へのガスの導入状態や反応セル内の真空度を確認することができない。そのため、CIDガスが導入されている状態でラジカルを導入してしまい、CIDガス由来の不所望のラジカルを生じさせて意図しない反応によるプロダクトイオンが生成されたり、所期のイオンのクーリング状態が得られずマスズレが生じたりする可能性がある。また、真空度が十分でない状態で反応セルにラジカルを導入すると、放電が生じて装置が破壊される可能性がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、既存の質量分析装置のコリジョンセルに代えて反応セルを配置し、該反応セルにラジカル生成部を接続してラジカル反応によるイオン解離を実行可能に構成した質量分析装置において、不所望のプロダクトイオンが生成されたり、不所望のマスズレが生じたり、意図しない放電が生じたりする可能性を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明は、質量分析装置において、試料から生成されたイオンを解離させるコリジョンセルに代えて用いられるラジカル反応装置であって、
所定の種類のラジカルを生成するラジカル生成部と、
前記ラジカル生成部で生成されたラジカルが導入されるラジカル導入口を有する反応セルと、
前記反応セルが配置された空間又は前記反応セルの内部の真空度を測定する真空計と、
前記真空計により測定された真空度が所定の条件を満たす場合に前記ラジカル生成部を動作させるラジカル生成制御部と
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るラジカル反応装置は、既存の質量分析装置を用いてラジカル反応によるイオン解離を実行する際に、コリジョンセルに代えて用いられるものであり、使用時には、既存の質量分析装置のコリジョンセルを取り外し、その位置に反応セルを配置する。このラジカル反応装置では、ラジカル生成部で生成した所定の種類のラジカルを反応セルに導入し、反応セル内で試料成分由来のプリカーサイオンをラジカルと反応させてプロダクトイオンを生成する。本発明に係るラジカル反応装置は、反応セルが配置された空間又は反応セルの内部の真空度を測定する真空計を備えており、真空計によって測定された真空度が所定の条件を満たす場合に、ラジカル生成制御部がラジカル生成部を動作させる。この所定の条件は、CIDガスが導入されておらず、また真空排気系が正常に動作している状態が担保されるような条件に定めておく。本発明に係るラジカル反応装置では、CIDガスが導入されている状態でラジカルを導入して不所望のプロダクトイオンが生成されたり、所期のイオンのクーリング状態が得られずマスズレが生じたり、真空度が十分でない状態で反応セルにラジカルを導入して意図しない放電が生じたりする可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係るラジカル反応装置の一実施形態を備えた質量分析装置の要部構成図。
本実施形態のラジカル反応装置の要部構成図。
本発明に係るラジカル反応装置の反応セル(及び既存の質量分析装置のコリジョンセル)の構成図。
本実施形態の質量分析装置における真空計の配置を説明する、第1分析室のA-A'断面図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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