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公開番号2025084298
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198087
出願日2023-11-22
発明の名称車両の制動制御装置
出願人株式会社アドヴィックス
代理人個人,個人
主分類B60T 8/17 20060101AFI20250527BHJP(車両一般)
要約【課題】前後車輪のホイールシリンダの液圧を個別に調整する車両の制動制御装置において、電気モータと電磁弁とを適切に制御すること。
【解決手段】制動制御装置は、前輪に回生装置を備える車両に適用され、電気モータを動力源に基礎圧を発生する制御シリンダと、基礎圧を調整圧に調整する電磁弁と、電気モータ、及び電磁弁を制御するコントローラと、を備え、調整圧により前輪ホイールシリンダの前輪ホイール圧を制御し、基礎圧により後輪ホイールシリンダの後輪ホイール圧を制御する。コントローラは、前輪、後輪ホイール圧の目標値である前輪、後輪目標圧に基づいて、前輪、後輪ホイールシリンダに供給されるべき液量を前輪、後輪規範液量として演算し、前輪、後輪規範液量に基づいて電気モータを制御し、前輪、後輪目標圧に基づいて電磁弁を制御する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
前輪に回生装置を備える車両に適用され、電気モータを動力源に基礎圧を発生する制御シリンダと、前記基礎圧を調整圧に調整する電磁弁と、前記電気モータ、及び前記電磁弁を制御するコントローラと、を備え、前記調整圧により前輪ホイールシリンダの前輪ホイール圧を制御し、前記基礎圧により後輪ホイールシリンダの後輪ホイール圧を制御する車両の制動制御装置において、
前記コントローラは、前輪、後輪ホイール圧の目標値である前輪、後輪目標圧に基づいて、前記前輪、後輪ホイールシリンダに供給されるべき液量を前輪、後輪規範液量として演算し、前記前輪、後輪規範液量に基づいて前記電気モータを制御し、前記前輪、後輪目標圧に基づいて前記電磁弁を制御する、車両の制動制御装置。
続きを表示（約 270 文字）【請求項２】
請求項１に記載される車両の制動制御装置において、
前記コントローラは、前記制御シリンダからの吐出液量を取得し、前記基礎圧、及び前記調整圧に基づいて推定液量を演算し、前記吐出液量と前記推定液量との偏差に基づいて前記電気モータの回転角を制御する、車両の制動制御装置。
【請求項３】
請求項１又は請求項２に記載される車両の制動制御装置であって、
前記コントローラは、前記前輪、後輪目標圧に基づいて目標差圧を演算し、前記目標差圧に基づいて前記電磁弁に供給される弁電流を制御する、車両の制動制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、車両の制動制御装置に関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、電動液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を電動モータの回転角フィードバックで制御する場合に、前記回転角と発生するブレーキ液圧との関係を一定に維持するために、電動モータ（３２）の作動によりブレーキ液圧を発生する電動液圧発生手段（２３）と、前記電動モータ（３２）の作動を制御する電動モータ制御手段（Ｕ）とを備え、前記電動モータ制御手段（Ｕ）は、運転者のブレーキ操作量に応じたブレーキ液圧を前記電動液圧発生手段（２３）に発生させるための前記電動モータ（３２）の目標回転角を算出し、前記電動モータ（３２）の実回転角が前記目標回転角に一致するようにフィードバック制御する車両用ブレーキ装置であって、前記電動モータ制御手段（Ｕ）は、前記電動液圧発生手段（２３）が発生した実ブレーキ液圧に基づいて前記電動モータ（３２）の目標回転角を補正する補正手段（Ｍ５）を備えることが記載されている。
【０００３】
具体的には、特許文献１に記載される装置では、ストロークセンサＳｂで検出したブレーキペダル１２のストロークが、スレーブシリンダ２３（「制御シリンダ」ともいう）に発生させるべきブレーキ液圧（目標ブレーキ液圧）に変換される。目標ブレーキ液圧がスレーブシリンダ２３の電動モータ３２（「電気モータ」ともいう）の回転角（目標回転角）に変換される。そして、目標回転角に基づいて、電動モータが制御される。
【０００４】
ところで、出願人は、特許文献２に記載されるような制動制御装置を開発している。制動制御装置には、電気モータ５１３の駆動に応じた液圧のブレーキ液を出力ポート５１６から吐出させる電動シリンダ５１と、サーボ室Ｒｓの液圧の増大に伴うマスタピストン４３の移動によりマスタ室Ｒｍからブレーキ液が流出する一方、サーボ室Ｒｓの液圧の減少に伴うマスタピストン４３の移動によりマスタ室Ｒｍにブレーキ液が流入するように構成されたマスタシリンダ３１と、マスタ室Ｒｍと前輪用のホイールシリンダ１１とを接続する第１流路３３１と、出力ポート５１６と後輪用のホイールシリンダ１１とを接続する第６流路５８と、第６流路５８とサーボ室Ｒｓとを接続する第５流路５５と、第５流路５５に設けられ、第６流路５８の液圧である第１液圧とサーボ室Ｒｓの液圧である第２液圧との差圧を調整する差圧調整弁５５１と、が備えられる。このような装置では、電気モータだけでなく差圧調整弁（電磁弁）の制御が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２００９－１３７３７７号
特願２０２２－１９７１０１号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記課題を鑑み、本発明の目的は、前後車輪のホイールシリンダの液圧を個別に調整する車両の制動制御装置において、電気モータと電磁弁とが適切に制御され得るものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に係る車両の制動制御装置（ＳＡ）は、前輪（ＷＨｆ）に回生装置（ＫＧ）を備える車両に適用され、電気モータ（ＭＡ）を動力源に基礎圧（Ｐａ）を発生する制御シリンダ（ＣＣ）と、前記基礎圧（Ｐａ）を調整圧（Ｐｂ）に調整する電磁弁（ＵＣ）と、前記電気モータ（ＭＡ）、及び前記電磁弁（ＵＣ）を制御するコントローラ（ＥＡ）と、を備え、前記調整圧（Ｐｂ）により前輪ホイールシリンダ（ＣＷｆ）の前輪ホイール圧（Ｐｗｆ）を制御し、前記基礎圧（Ｐａ）により後輪ホイールシリンダ（ＣＷｒ）の後輪ホイール圧（Ｐｗｒ）を制御する。
【０００８】
本発明に係る車両の制動制御装置（ＳＡ）では、前記コントローラ（ＥＡ）は、前輪、後輪ホイール圧（Ｐｗｆ、Ｐｗｒ）の目標値である前輪、後輪目標圧（Ｐｔｆ、Ｐｔｒ）に基づいて、前記前輪、後輪ホイールシリンダ（ＣＷｆ、ＣＷｒ）に供給されるべき液量を前輪、後輪規範液量（Ｅｓｆ、Ｅｓｒ）として演算し、前記前輪、後輪規範液量（Ｅｓｆ、Ｅｓｒ）に基づいて前記電気モータ（ＭＡ）を制御し、前記前輪、後輪目標圧（Ｐｔｆ、Ｐｔｒ）に基づいて前記電磁弁（ＵＣ）を制御する。
【０００９】
本発明に係る車両の制動制御装置（ＳＡ）では、前記コントローラ（ＥＡ）は、前記制御シリンダ（ＣＣ）からの吐出液量（Ｅｊ）を取得し、前記基礎圧（Ｐａ）、及び前記調整圧（Ｐｂ）に基づいて推定液量（Ｅｅ）を演算し、前記吐出液量（Ｅｊ）と前記推定液量（Ｅｅ）との偏差（ｈＥ）に基づいて前記電気モータ（ＭＡ）の回転角（Ｋａ）を制御する。また、前記コントローラ（ＥＡ）は、前記前輪、後輪目標圧（Ｐｔｆ、Ｐｔｒ）に基づいて目標差圧（Ｓｔ）を演算し、前記目標差圧（Ｓｔ）に基づいて前記電磁弁（ＵＣ）に供給される弁電流（Ｉｃ）を制御する。
【００１０】
ホイールシリンダＣＷにて発生する液圧Ｐｗは、ホイールシリンダＣＷに供給された液量に応じて定まる。このため、制動制御装置ＳＡでは、電気モータＭＡの回転角Ｋａが、上記の液圧と液量との関係（即ち、液圧－液量特性）に基づいて制御される。これにより、基礎圧Ｐａを達成するために必要な液量が、電動シリンダＤＮ（特に、制御シリンダＣＣ）から吐出される。また、調圧弁ＵＣに対して、電動シリンダＤＮに近い側の液圧Ｐａと電動シリンダＤＮから離れた側の液圧Ｐｂとの差圧Ｓａは、調圧弁ＵＣに供給される弁電流Ｉｃに応じて定まるため、調圧弁ＵＣは、目標差圧Ｓｔに基づいて実行される。上記構成によれば、２系統調圧により前後車輪のホイールシリンダの液圧を個別に調整する制動制御装置ＳＡにおいて、電気モータＭＡ、及び調圧弁ＵＣが適切に制御される。結果、２系統調圧において、基礎圧Ｐａ、及び調整圧Ｐｂが精度良く調整され得る。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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