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公開番号2025085101
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023198736
出願日2023-11-24
発明の名称埋設物判別装置及び方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類G01V 3/12 20060101AFI20250529BHJP(測定;試験)
要約【課題】
埋設物の判別を信頼性高く行い得る埋設物判別装置及び方法を提案する。
【解決手段】
埋設物判別装置には、外部から与えられた地中探査データが入力され、入力された地中探査データに基づいて地下媒質の誘電率を推定し、推定した誘電率に基づいて地中探査データに対する開口合成処理を実行し、地中探査データに対する開口合成処理を実施することにより得られた開口合成探査データと、地中探査データとに基づいて埋設物を識別する識別処理を実施し、当該識別処理により得られた前記埋設物に関する情報を埋設物情報として出力するようにした。
【選択図】 図1A

特許請求の範囲【請求項1】
地中への電磁波の送受信により得られた地中探査データに基づいて、地中の埋設物を判別する埋設物判別装置において、
外部から与えられた前記地中探査データに基づいて地下媒質の比誘電率を推定して推定比誘電率を出力する比誘電率推定部と、
前記推定比誘電率を用いて前記地中探査データに対する開口合成処理を実行して開口合成探査データを出力する開口合成処理部と、
前記開口合成探査データと、前記地中探査データとに基づいて前記埋設物を識別する識別処理を実施し、前記埋設物に関する情報を埋設物情報として出力する埋設物識別部と
を備えることを特徴とする埋設物判別装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の前記埋設物判別装置において、
前記埋設物識別部から出力された前記埋設物情報と、前記比誘電率推定部により推定された前記推定比誘電率とに基づいて、前記埋設物情報の時間軸における位置を前記埋設物の地表面からの距離を表す深さに換算し、換算した前記深さをも有する深さ付き埋設物情報を出力する深さ換算部をさらに備える
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項3】
請求項2に記載の前記埋設物判別装置において、
前記比誘電率推定部は、前記埋設物識別部が出力する前記埋設物情報に基づいて、前記推定比誘電率を再推定し、
前記開口合成処理部は、
前記埋設物判別装置外から開口合成処理再実施フラグを受け付け、
前記開口合成処理再実施フラグに基づいて、
前記比誘電率推定部により再推定された前記推定比誘電率を基に前記開口合成処理を再実施するかを決定し、
再実施する場合には、前記埋設物識別部は、
前記開口合成処理部による前記開口合成処理の再実施により得られた前記開口合成探査データと前記地中探査データとに基づいて、前記埋設物の識別処理を再実施し、
前記深さ換算部は、
前記埋設物の識別処理を再実施することにより得られた前記埋設物情報と、前記比誘電率推定部により再推定された前記推定比誘電率とに基づいて、前記埋設物の時間軸における位置を前記埋設物の深さに換算し、
換算した深さに更新した前記深さ付き埋設物情報を出力する
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項4】
請求項3に記載の前記埋設物判別装置において、
前記埋設物判別装置は、
前記地中探査データと前記推定比誘電率と前記開口合成探査データを基に、前記開口合成処理部と前記埋設物識別部と前記深さ換算部の再実施を制御する開口合成処理再実施フラグ、埋設物識別再実施フラグ、深さ換算再実施フラグを出力する機能を有する選択部をさらに備え、
前記選択部は、
前記推定比誘電率を基に理論地中探査データを計算する理論地中探査データ生成部と、
前記地中探査データと前記理論地中探査データとを比較しその一致率を計算する一致率計算部と、
前記開口合成探査データの収束率を計算する収束率計算部と、
前記推定比誘電率と前記一致率とを保持し、前記深さ換算再実施フラグを生成する深さ換算再実施フラグ生成部と、
前記一致率を保持し、前記開口合成処理再実施フラグを生成する開口合成処理再実施フラグ生成部と、
前記収束率を保持し、前記埋設物判別再実施フラグを生成する埋設物識別再実施フラグ生成部とを備える
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項5】
請求項4に記載の前記埋設物判別装置において、
前記選択部は、前記一致率と前記収束率との少なくとも一方を前記埋設物判別装置外に出力する
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項6】
請求項1に記載の前記埋設物判別装置において、
前記埋設物判別装置は、埋設物学習モデル生成部を有し、
前記埋設物学習モデル生成部は、
前記地中探査データが取得された探査領域について前記埋設物が少なくとも存在する又は存在しないという情報を含む埋設物存在情報と、前記地中探査データと前記開口合成探査データとを基に学習データを生成する学習データ生成部と、
蓄積した学習データ群を基に埋設物学習モデルを学習させる学習器とを備え、
前記埋設物識別部が、前記埋設物学習モデルを利用して前記埋設物の識別を行う
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項7】
請求項1に記載の前記埋設物判別装置において、
前記埋設物判別装置は、埋設物学習モデル生成部を有し、
前記埋設物学習モデル生成部は、
前記地中探査データおよび前記開口合成探査データを常に探査データ蓄積部において蓄積し、
既知の前記埋設物の存在位置を含む埋設物存在情報を入力し、前記埋設物存在情報を基に取得される前記探査データ蓄積部に蓄積された探査データ群と前記埋設物存在情報とから学習データを生成し学習データ蓄積部に蓄積する学習データ生成部と、
蓄積した学習データ群を基に埋設物学習モデルを学習させる学習器とを備え、
前記埋設物識別部が、前記埋設物学習モデルを利用して前記埋設物の識別を行う
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項8】
請求項1に記載の埋設物判別装置において、
前記地中探査データの入力を受け付け前記地中探査データを圧縮して前記比誘電率推定部、前記開口合成処理部及び前記埋設物識別部にそれぞれ出力するデータ圧縮部をさらに備えることで、
前記比誘電率推定部、前記開口合成処理部、前記埋設物識別部の計算コストを低減させることができる
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項9】
請求項1に記載の前記埋設物判別装置において、
前記地中探査データの入力を受け付け前記地中探査データと、前記開口合成処理部から出力された前記開口合成探査データとをそれぞれ所定サイズにリサイズしたリサイズ地中探査データとリサイズ開口合成探査データとを生成して前記埋設物識別部に出力するリサイズ処理部をさらに備えることで、
前記地中探査データのサイズによらず同一の前記埋設物識別部の利用ができる
ことを特徴とする埋設物判別装置。
【請求項10】
請求項9に記載の前記埋設物判別装置において、
前記地中探査データの入力を受けつけ、前記地中探査データを分割した分割地中探査データを生成し、前記比誘電率推定部、前記開口合成処理部及び前記埋設物識別部にそれぞれ出力するデータ分割部をさらに備えることで、
前記地中探査データが有する情報量を削減せずに、前記比誘電率推定部、前記開口合成処理部、前記リサイズ処理部、前記埋設物識別部の前記分割地中探査データに対する計算コストを低減できる
ことを特徴とする埋設物判別装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は埋設物判別装置及び方法に関し、例えば、地中レーダ装置によって取得された地中探査データを解析して地下埋設物(以下、これを単に埋設物と呼ぶ)を判別する埋設物判別装置に適用して好適なものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、建柱や無電柱化工事に際して、工事領域における埋設物の調査が行われる。この際、試掘による調査はコストが大きく、また、掘削時に埋設物を傷つける可能性がある。そのため、低コストかつ非破壊的な調査手法として地中レーダ装置を用いた埋設物の探査が行われている。
【0003】
地中レーダ装置から発せられる電磁波は、通常、ある放射角度をもって地中を伝播する。そのため、地中レーダ装置において受信される反射波には、地中レーダ装置の直下に存在する埋設物だけでなく、周辺に存在する埋設物由来のものも混在する。よって埋設物の探査において取得される、地表面の複数地点に対するデータには、埋設物からの反射像が歪みを持った像として記録される。
【0004】
人手の埋設物調査では、地中レーダ装置によって取得された地中探査データを画像化し、埋設物由来の信号を表す特徴的な像を人の目で解釈することにより埋設物の調査を行ってきた。
【0005】
非特許文献2には、地中探査データから埋設深度と媒質中の電磁波速度とを推定する技術が開示されている。この技術では、地中探査データ内の明瞭な反射像に対して、媒質中の電磁波の速度と埋設物深度とを変えながら理論到達時刻がフィットするように値を推定する。さらに、非特許文献3には埋設管を横切る側線の角度による誤差を補正する技術が開示されている。
【0006】
非特許文献1には、地表面の複数地点で取得されたデータを使った開口合成処理技術が開示されている。開口合成処理技術は、同じ埋設物由来の反射信号を地中レーダ装置の送信アンテナ及び受信アンテナの位置関係や、探査時のサンプリング間隔及び地中の比誘電率といったパラメータを基に、その反射点に合成する技術である。これにより、前述の特徴的な像の歪みを補正し、信号対雑音比を向上させた開口合成探査データを生成できる。歪みの補正は埋設物の位置やサイズの判断精度の向上に有用である。
【0007】
非特許文献4には、上述の開口合成処理技術を応用し、地中の比誘電率を求める技術が開示されている。開口合成処理によって補正される像は、反射点に収斂されるが、計算に用いる比誘電率などのパラメータに誤差が含まれると像の歪みが残る。この収斂の度合いによって開口合成処理の結果を数値的な指標で評価し、評価結果が極大になる比誘電率を探索することで、像周辺の平均比誘電率を適切に得る。
【0008】
特許文献1には、画一的でない土壌における複数の埋設物の深さ推定方法が開示されている。画一的でない土壌では、場所によって土壌の組成が異なることで比誘電率も異なる。この技術では、地中探査データに対して、ある範囲で比誘電率を変化させながら開口合成処理の一種であるマイグレーション処理を行っておく。ここでマイグレーションした結果が極大となるような座標値と比誘電率を、その座標における平均比誘電率とみなし、抽出しておく。また、予め学習した埋設物検出器によって埋設物の位置を検出する。埋設物検出器は画像認識に用いられる機械学習手法を応用し、学習する。検出された埋設物の周辺座標において、前述のマイグレーション結果を参照し、対応する比誘電率を求める。そして、埋設物の座標と比誘電率とから埋設物の深さを推定することを特徴とする。
【0009】
また特許文献2には、地中レーダ装置で取得された地中探査画像に基づき、埋設物学習モデルを利用し、自動的に埋設物を識別する技術が開示されている。埋設物学習モデルは、検知対象の地中探査データを学習したニューラルネットワークによって構成されるAI(Artificial Intelligence)モデルである。この技術は特に、外部から与えられる地中探査データと、開口合成処理を施した開口合成探査データとから地中探査画像を生成し、生成した地中探査画像に基づいて埋設物を識別することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2022/264342号
特開2022-1203327号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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