TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025086080
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-06
出願番号
2023199889
出願日
2023-11-27
発明の名称
変復調方法およびそれを用いる無線通信装置
出願人
株式会社日立製作所
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
H04L
27/36 20060101AFI20250530BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】
無線通信で用いられる変調方法にY-00暗号通信方法を適用しても、コンスタレーション上の信号点遷移過程で生じるオーバーシュートを回避できる変復調方法およびそれを用いる無線通信装置を提供する。
【解決手段】
無線通信用情報の位相変調によるY-00暗号通信方法を用いた変調方法であって、前送信データを示す前信号点のコンスタレーションにおける基準位置を判定し、信号点の遷移経路がコンスタレーション上の原点近傍の通過を回避するように、基準位置により定まる一定範囲を禁止領域とし、禁止領域を除く範囲で現ランニング鍵と現送信データに基づき基準位置から現信号点の相対位置を決定し、現信号点からコンスタレーション上のI/Q座標を決定して変調データを生成し、多値位相変調を実行する。
【選択図】図11
特許請求の範囲
【請求項1】
無線通信用情報の位相変調によるY-00暗号通信方法を用いた変調方法であって、
前送信データを示す前信号点のコンスタレーションにおける基準位置を判定し、
信号点の遷移経路がコンスタレーション上の原点近傍の通過を回避するように、前記基準位置により定まる一定範囲を禁止領域とし、該禁止領域を除く範囲で現ランニング鍵と現送信データに基づき前記基準位置から現信号点の相対位置を決定し、
前記現信号点からコンスタレーション上のI/Q座標を決定して変調データを生成し、多値位相変調を実行することを特徴とする変調方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の変調方法において、
前記禁止領域を定める角度θの値を可変とし、信号点が遷移する領域を制限することを特徴とする変調方法。
【請求項3】
無線通信用情報の位相変調または直交振幅変調によるY-00暗号通信方法を用いた変調方法であって、
現送信データを示す現信号点のコンスタレーションにおける現信号点位置を判定し、前ランニング鍵と前送信データに基づき決定された前信号点位置を参照し、現信号点位置と前信号点位置とのコンスタレーションにおける中間点を算出し、
前信号点位置から現信号点位置に遷移する過程で、前記中間点を経由して多値位相変調または多値直交振幅変調を実行することを特徴とする変調方法。
【請求項4】
請求項3に記載の変調方法において、
1送信サイクル間の前記中間点の数をnとし、1/nサイクル時間毎に前信号点位置と現信号点位置とのコンスタレーションにおけるn個の前記中間点を順次遷移することを特徴とする変調方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の変調方法において、
前記中間点を現信号点位置の位相と前信号点位置の位相との位相差により算出し、該中間点がコンスタレーションにおける同一円周上に位置するよう定めることにより、信号点の遷移経路がコンスタレーション上の原点近傍の通過を回避することを特徴とする変調方法。
【請求項6】
請求項3または4に記載の変調方法において、
前記中間点の候補を予めコンスタレーション上の原点付近以外に複数設置し、
前信号点位置から中間点候補までのベクトルと前記中間点候補から現信号点位置までのベクトルの和が最小となる前記中間点候補を前記中間点と定め、
前記中間点を経由して前信号点位置から現信号点位置までを遷移することにより、信号点の遷移経路がコンスタレーション上の原点近傍の通過を回避することを特徴とする変調方法。
【請求項7】
無線通信用情報の位相変調によるY-00暗号通信方法を用いた変調方法であって、
現送信データを示す現信号点のコンスタレーションにおける現信号点位置を判定し、前ランニング鍵と前送信データに基づき決定された前信号点位置から、現信号点位置と前信号点位置との信号点間距離を判定し、
前記信号点間距離が所定長を超える場合には、現ランニング鍵を破棄し、前記信号点間距離が前記所定長内に収まるような次以降のランニング鍵を用いて多値位相変調を実行することにより、信号点の遷移経路がコンスタレーション上の原点近傍の通過を回避することを特徴とする変調方法。
【請求項8】
請求項7に記載の変調方法において、
前記信号点間距離が前記所定長を超える場合には、所定の法則を用いて現信号点位置を変換して多値位相変調を実行することを特徴とする変調方法。
【請求項9】
無線通信用情報の位相変調によるY-00暗号通信方法を用いた変調処理を行う変調部を有しベースバンド信号を生成するベースバンド処理部と、前記ベースバンド信号に意図的に雑音を重畳するとともに搬送波に重畳し無線通信用の信号を生成するRF部と、前記無線通信用の信号を電波として送信するアンテナを有する無線通信装置であって、
前記変調部は、
前送信データを示す前信号点のコンスタレーションにおける基準位置を判定し、
信号点の遷移経路がコンスタレーション上の原点近傍の通過を回避するように、前記基準位置により定まる一定範囲を禁止領域とし、該禁止領域を除く範囲で現ランニング鍵と現送信データに基づき前記基準位置から現信号点の相対位置を決定し、
前記現信号点からコンスタレーション上のI/Q座標を決定して変調データを生成し、多値位相変調を実行することを特徴とする無線通信装置。
【請求項10】
請求項9に記載の無線通信装置において、
前記禁止領域を定める角度θの値を可変とし、信号点が遷移する領域を制限することを特徴とする無線通信装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Yuen量子暗号を用いた無線通信装置及びその変復調方法に係り、特に無線通信で用いられる変調方法を用いて変調を行う際に、Yuen量子暗号特有のコンスタレーション上の信号点の遷移過程で生じるオーバーシュートを回避する手法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
Yuen量子暗号(Y-00)は、主に光通信の分野において適用が検討されてきている。光通信においては、信号光の量子ゆらぎ(量子ショット雑音)が発生し、信号光のレベルが微小に変化する。一般的な光通信では、信号は‘0’‘1’の二値を表し、前述の量子ゆらぎはそれら二値を表現する振幅(若しくは位相)に対し微弱なものであるため、受信者が二値を識別する上で、顕著な悪影響は及ぼさない。
【0003】
ここでYuen量子暗号では、前述の二値を表現する信号を一つのセット(基底という)とし、この基底を複数のM個用意し、何れの基底を使ってデータを送るかは暗号鍵に従う疑似乱数によって不規則に決める。このM個の基底によって生じる信号の各レベル間隔(信号間距離)を、前述の量子ゆらぎによって識別が出来なくなるほど小さく設計することで、盗聴者は受信信号からデータを識別・復元することが出来なくなる。一方、正規の受信者は、前述の暗号鍵を送信者と共有しており、同じ疑似乱数アルゴリズムによって同一の基底を用いることが出来るため、基底が表現する二値の識別さえ出来ればよい。二値の判定には、量子ゆらぎは十分微弱なものであるため、正規の受信者は、この雑音の影響を無視することが出来、正確な通信が可能となる。
【0004】
このように、Yuen量子暗号は、送信と受信の間で共通の暗号鍵及び疑似乱数アルゴリズムを保有することで通信を可能とする共通鍵暗号の類と考えることが出来、この変調方法による暗号化のプロトコルは、Yuen-2000暗号通信プロトコル(Y-00暗号通信方法と略称)と呼ばれる。
【0005】
このY-00暗号通信方法は、電波による無線通信への応用も考慮されている。例えば、無線通信で主流の変調方法である位相変調や直交振幅変調でもY-00暗号通信方法は実現可能である。ここで、Y-00暗号通信方法を適用するに当たって、無線通信の場合は、光の量子ゆらぎに相当する雑音は生じ得ないと考えられており、その代替として、送信側で意図的に雑音を重畳する手法が考え得る。具体的な雑音重畳の例としては、特許文献1に記載された方法が挙げられる。
【0006】
ここで、無線通信における位相変調方法として一般的なQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4位相偏移変調)を例に取ると、QPSKは4つの信号点で“00”“01”“10”“11”の4値を表現する。一般的なQPSKでは、信号点の遷移過程で、コンスタレーション上での信号点位置より外側に信号が大きくはみ出すオーバーシュートが発生する。これは、信号点が原点を通過して遷移する際に顕著に生じるものである。オーバーシュートが大きく生じる信号形式の場合、無線通信機の出力を定めるパワーアンプの入力や出力電力を過剰な範囲で動作させることとなり、パワーアンプを低電力側の領域で使用せざるを得なくなる。そのため、一般的に電力効率が低下し、特に低消費電力化が重要視される移動体無線での使用に制約を生じるという弊害がある。そのため、一般的な無線通信における技術として、コンスタレーション上の原点近傍の通過を回避するために、π/4シフトQPSKやオフセットQPSKの方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-80720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
Y-00暗号通信方法を適用した位相変調方法として、例えばY-00暗号通信方法を適用したQPSK(以降Y-00QPSKと称する)の場合、従来のπ/4シフトQPSKやオフセットQPSKの手法では、コンスタレーション上の原点近傍の通過を回避できない。すなわち、Y-00QPSKの場合、信号点が基底によって-π/4~π/4の範囲で任意の位相角度を持つ。これによってπ/4シフトQPSKのように位相角を交互にπ/4シフトしても、遷移前後の基底の値によっては、原点近傍を通過する状況が生じ得る。また、オフセットQPSKのような手法を採っても、同様に基底によって信号点が複数の位相角度を取りうるので、例えばQ軸上でのQが正の値の信号点から負の値の信号点への遷移が生じ得るため、原点を経由することを回避できない。
【0009】
以上のように、Y-00暗号通信方法を適用した位相変調では、基底によって信号点の配置には膨大な数の候補があり、従来の変調方法では原点近傍を通過しないように経路を制限することが出来ないという課題がある。これは、無線通信で用いられる直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)でも、Y-00暗号通信方法を適用した場合、同様の課題がある。
【0010】
そこで、本発明では、無線通信で用いられる変調方法にY-00暗号通信方法を適用しても、コンスタレーション上の信号点遷移過程で生じるオーバーシュートを回避できる変復調方法およびそれを用いる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社日立製作所
電力変換装置
1日前
株式会社日立製作所
撮像システム
5日前
株式会社日立製作所
電力変換装置
1日前
株式会社日立製作所
情報処理装置
2日前
株式会社日立製作所
荷電粒子線装置
11日前
株式会社日立製作所
電力調整システム
10日前
株式会社日立製作所
融通取引提案システム
8日前
株式会社日立製作所
塗装装置、及び塗装方法
5日前
株式会社日立製作所
埋設物判別装置及び方法
2日前
株式会社日立製作所
電池診断装置、電池診断方法
10日前
株式会社日立製作所
設計支援装置および設計支援方法
4日前
株式会社日立製作所
匿名化システムおよび匿名化方法
8日前
株式会社日立製作所
ネットワーク可視化装置及び方法
9日前
株式会社日立製作所
部材管理装置、及び部材管理方法
10日前
株式会社日立製作所
通信中継システム及び通信中継装置
2日前
株式会社日立製作所
情報処理システム及び情報処理方法
11日前
株式会社日立製作所
開発支援システム及び開発支援方法
4日前
株式会社日立製作所
物体検出方法及び物体検出システム
11日前
株式会社日立製作所
計画分析方法及び計画分析システム
2日前
株式会社日立製作所
データ出力装置およびデータ出力方法
5日前
株式会社日立製作所
ロボット制御装置及びロボット制御方法
12日前
株式会社日立製作所
移動体管制装置、車両管制方法、及び車両
8日前
株式会社日立製作所
業務施策評価装置および業務施策評価方法
9日前
株式会社日立製作所
スパイク予測装置およびスパイク予測方法
1日前
株式会社日立製作所
生成装置、生成方法、および生成プログラム
1日前
株式会社日立製作所
価格推移予測装置、および価格推移予測方法
1日前
株式会社日立製作所
変復調方法およびそれを用いる無線通信装置
1日前
株式会社日立製作所
マルチテナントサービス提供方法及びシステム
4日前
株式会社日立製作所
電界放出電子源、電子光学装置、及び製造方法
1日前
株式会社日立製作所
ステージ装置、真空装置、および荷電粒子線装置
9日前
株式会社日立製作所
シミュレーション装置及びシミュレーション方法
11日前
株式会社日立製作所
生成システム、生成方法、および生成プログラム
1日前
株式会社日立製作所
搬送ロボット制御システム及び搬送ロボット制御方法
1日前
株式会社日立製作所
回転ガントリ、及びそれを用いた粒子線治療システム
2日前
株式会社日立製作所
荷電粒子ビーム輸送装置及び荷電粒子ビームの中和方法
5日前
株式会社日立製作所
保守端末、エレベーターシステム及びエレベーター制御方法
9日前
続きを見る
他の特許を見る