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公開番号2025085259
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023199012
出願日2023-11-24
発明の名称楽譜出力プログラム、楽譜出力装置および楽譜出力方法
出願人ローランド株式会社
代理人弁理士法人真明センチュリー
主分類G10G 1/00 20060101AFI20250529BHJP(楽器;音響)
要約【課題】出力される楽譜にユーザの意図通りの装飾音符を配置できる楽譜出力プログラム、楽譜出力装置および楽譜出力方法を提供すること。
【解決手段】楽曲データMにおいて前打音マーカが配置されている場合、その前打音マーカ直後の一連のノートが前打音の装飾音符かどうかを検出するための検出条件として、通常条件よりも緩和された、即ち範囲の広いマーカ条件が適用される。これにより、前打音の装飾音符とされる一連のノートを前打音の装飾音符として取得される確率を高くすることができ、出力される楽譜にユーザHの意図通りの前打音の装飾音符を配置することができる。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項１】
コンピュータに、楽曲データに基づく楽譜を出力する楽譜出力処理を実行させる楽譜出力プログラムであって、
前記楽曲データは、出力する順番に配置されたノートと、前記ノートから装飾音符を設定するための情報が含まれる指示情報とが混在するデータであり、
前記楽曲データに含まれる一連のノートが所定の検出条件を満たす場合、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力する楽譜出力ステップと、
前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記楽譜出力ステップにおいて前記一連のノートに適用される検出条件を緩和する緩和ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする楽譜出力プログラム。
続きを表示（約 2,200 文字）【請求項２】
前記検出条件は、前記一連のノートにおいて隣り合うノートとのノートオン時間差の上限値である時間差上限値であり、
前記楽譜出力ステップは、前記一連のノートのノートオン時間差が、前記検出条件における時間差上限値以下である場合に、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力するものであり、
前記緩和ステップは、前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記時間差上限値に、それ以前よりも長い値を設定するものであることを特徴とする請求項１記載の楽譜出力プログラム。
【請求項３】
前記検出条件は、前記一連のノートにおいて隣り合うノートとのノートオン時間差の下限値である時間差下限値であり、
前記楽譜出力ステップは、前記一連のノートのノートオン時間差が、前記検出条件における時間差下限値以上である場合に、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力するものであり、
前記緩和ステップは、前記楽曲データに指示情報がある場合、前記検出条件における時間差下限値に、それ以前よりも短い値を設定するものであることを特徴とする請求項１記載の楽譜出力プログラム。
【請求項４】
前記検出条件は、前記一連のノートの数の範囲であるノート数範囲であり、
前記指示情報には、前記ノート数範囲が設定され、
前記楽譜出力ステップは、前記一連のノートの数が、前記検出条件におけるノート数範囲を満たす場合に、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力するものであり、
前記緩和ステップは、前記楽曲データに指示情報がある場合、前記検出条件におけるノート数範囲に、前記指示情報に設定されるノート数範囲を設定するものであることを特徴とする請求項１記載の楽譜出力プログラム。
【請求項５】
前記検出条件は、前記一連のノートの発音時間の上限値である発音上限時間であり、
前記楽譜出力ステップは、前記一連のノートにおける所定のノートの発音時間が、前記検出条件における発音上限時間以下である場合に、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力するものであり、
前記緩和ステップは、前記楽曲データに指示情報がある場合、前記検出条件における発音上限時間に、それ以前よりも長い時間を設定するものであることを特徴とする請求項１記載の楽譜出力プログラム。
【請求項６】
前記検出条件は、前記一連のノートのベロシティ比率であり、
前記楽譜出力ステップは、前記一連のノートにおける１のノートと他のノートとにおいて、前記１のノートのベロシティと前記他のノートのベロシティとの比率が前記検出条件におけるベロシティ比率以上である場合に、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力するものであり、
前記緩和ステップは、前記楽曲データに指示情報がある場合、前記検出条件におけるベロシティ比率に、それ以前よりも小さな比率を設定するものであることを特徴とする請求項１記載の楽譜出力プログラム。
【請求項７】
前記指示情報には、前記一連のノートのうち、前記楽譜出力ステップで出力される楽譜において前記一連のノートに対応する装飾音符を配置する位置とするノートを指定する位置調整情報が設定され、
前記楽譜出力ステップは、前記楽曲データに指示情報があり、前記指示情報に位置調整情報が設定される場合は、対応する装飾音符を前記位置調整情報で指定されているノートの位置に配置した楽譜を出力するものであることを特徴とする請求項１記載の楽譜出力プログラム。
【請求項８】
前記楽曲データにおける指示情報の位置、または、前記指示情報の内容を編集する指示情報編集ステップを更に前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項１から７のいずれかに記載の楽譜出力プログラム。
【請求項９】
楽曲データに基づく楽譜を出力する楽譜出力装置であって、
前記楽曲データは、出力する順番に配置されたノートと、前記ノートから装飾音符を設定するための情報が含まれる指示情報とが混在するデータであり、
前記楽曲データに含まれる一連のノートが所定の検出条件を満たす場合、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力する楽譜出力手段と、
前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記楽譜出力手段において前記一連のノートに適用される検出条件を緩和する緩和手段とを備えていることを特徴とする楽譜出力装置。
【請求項１０】
楽曲データに基づく楽譜を出力する楽譜出力方法であって、
前記楽曲データは、出力する順番に配置されたノートと、前記ノートから装飾音符を設定するための情報が含まれる指示情報とが混在するデータであり、
前記楽曲データに含まれる一連のノートが所定の検出条件を満たす場合、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力する楽譜出力ステップと、
前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記楽譜出力ステップにおいて前記一連のノートに適用される検出条件を緩和する緩和ステップとを備えていることを特徴とする楽譜出力方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、楽譜出力プログラム、楽譜出力装置及び楽譜出力方法に関するものである。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、ＭＩＤＩデータを解析することでそのＭＩＤＩデータに対応する楽譜情報を作成することが記載されている。具体的に、対象となるＭＩＤＩデータから一連のＭＩＤＩメッセージの音程および音の長さの情報を取得し、その音程および音の長さに対応する音符を順次配置していくことで、楽譜情報が作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１２－４７９８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、ＭＩＤＩデータにおいて、通常の音符と設定すべきＭＩＤＩメッセージと、装飾音符と設定すべき一連のＭＩＤＩメッセージとのタイミングが近接している場合、通常の音符と設定すべきＭＩＤＩメッセージと、装飾音符と設定すべき一連のＭＩＤＩメッセージの一部のＭＩＤＩメッセージとが装飾音符に誤検知され、ユーザの意図通りの装飾音符が配置された楽譜を出力できないという問題点がある。
【０００５】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、出力される楽譜にユーザの意図通りの装飾音符を配置できる楽譜出力プログラム、楽譜出力装置および楽譜出力方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この目的を達成するために、本発明の楽譜出力プログラムは、コンピュータに、楽曲データに基づく楽譜を出力する楽譜出力処理を実行させるプログラムであり、前記楽曲データは、出力する順番に配置されたノートと、前記ノートから装飾音符を設定するための情報が含まれる指示情報とが混在するデータであり、前記楽曲データに含まれる一連のノートが所定の検出条件を満たす場合、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力する楽譜出力ステップと、前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記楽譜出力ステップにおいて前記一連のノートに適用される検出条件を緩和する緩和ステップとを前記コンピュータに実行させるものである。
【０００７】
本発明の楽譜出力装置は、楽曲データに基づく楽譜を出力するものであり、前記楽曲データは、出力する順番に配置されたノートと、前記ノートから装飾音符を設定するための情報が含まれる指示情報とが混在するデータであり、前記楽曲データに含まれる一連のノートが所定の検出条件を満たす場合、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力する楽譜出力手段と、前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記楽譜出力手段において前記一連のノートに適用される検出条件を緩和する緩和手段とを備えている。
【０００８】
また本発明の楽譜出力方法は、楽曲データに基づく楽譜を出力する方法であり、前記楽曲データは、出力する順番に配置されたノートと、前記ノートから装飾音符を設定するための情報が含まれる指示情報とが混在するデータであり、前記楽曲データに含まれる一連のノートが所定の検出条件を満たす場合、前記一連のノートに対応する装飾音符を配置した楽譜を出力する楽譜出力ステップと、前記楽曲データに指示情報がある場合に、前記楽譜出力ステップにおいて前記一連のノートに適用される検出条件を緩和する緩和ステップとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
ＰＣの外観を表す図である。
（ａ）は、前打音の装飾音符の検出を説明する図であり、（ｂ）は、本実施形態の前打音の装飾音符の検出手法を用いない場合の楽譜を表す図であり、（ｃ）は、本実施形態の前打音の装飾音符の検出手法を用いる場合の楽譜を表す図である。
（ａ）は、アルペジオの装飾音符の検出を説明する図であり、（ｂ）は、本実施形態のアルペジオの装飾音符の検出手法を用いない場合の楽譜を表す図であり、（ｃ）は、本実施形態のアルペジオの装飾音符の検出手法を用いる場合の楽譜を表す図である。
（ａ）は、トリルの装飾音符の検出を説明する図であり、（ｂ）は、本実施形態のトリルの装飾音符の検出手法を用いない場合の楽譜を表す図であり、（ｃ）は、本実施形態のトリルの装飾音符の検出手法を用いる場合の楽譜を表す図である。
（ａ）は、ＰＣの電気的構成を示すブロック図であり、（ｂ）は、楽曲データを模式的に示す図であり、（ｃ）は、指示マーカを説明する図である。
（ａ）は、パラメータテーブルを模式的に示す図であり、（ｂ）は、楽譜用データを模式的に示す図である。
ＰＣの機能ブロック図である。
メイン処理のフローチャートである。
装飾音符検出処理のフローチャートである。
検出条件設定処理のフローチャートである。
前打音検出処理のフローチャートである。
候補ノート取得処理のフローチャートである。
（ａ）は、アルペジオ検出処理のフローチャートであり、（ｂ）は、トリル検出処理のフローチャートである。
変形例におけるパラメータテーブルを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。まず、図１を参照して本実施形態のＰＣ１の概要を説明する。図１は、ＰＣ１の外観図である。ＰＣ１は、後述の楽曲データＭに設定される演奏情報に基づいて楽譜を作成し、作成された楽譜を出力する情報処理装置（コンピュータ、楽譜出力装置）である。ＰＣ１には、ユーザＨからの指示を入力するマウス２及びキーボード３と、楽曲データＭに基づいて作成された楽譜等を表示する表示装置４とが設けられる。
（【００１１】以降は省略されています）

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