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公開番号2025090761
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025039830,2021568505
出願日2025-03-13,2020-05-18
発明の名称インテグリンアゴニストを使用する改善された培養法
出願人コーニンクレッカ ネザーランド アカデミー ヴァン ウェテンシャッペン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20250610BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】上皮幹細胞または上皮幹細胞を含むオルガノイドを培養するための改善された方法を提供する。
【解決手段】上皮幹細胞または上皮幹細胞を含むオルガノイドを培養するための方法を提供する。前記方法は、上皮幹細胞に適した培養液中で上記上皮幹細胞を培養することを含み、さらに、この培養法は、細胞またはオルガノイドをインテグリンアゴニストと接触させることを含む。本発明はまた、上記方法での使用に適した培養液、上記方法及び上記培養法の使用によって採取可能な、または採取されるオルガノイド、創薬及びバリデーション、毒性アッセイ、診断及び治療における培地及びオルガノイドに関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
上皮幹細胞または上皮幹細胞を含むオルガノイドを培養する方法であって、前記方法は、上皮幹細胞に適した培養液中で前記上皮幹細胞を培養することを含み、前記培養法は、前記細胞または前記オルガノイドをインテグリンアゴニストに接触させることをさらに含む、前記方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記インテグリンアゴニストは、インテグリンのβサブユニットと相互作用し、任意選択で前記βサブユニットは、β1、β2、β3またはβ7である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インテグリンアゴニストは、前記β1サブユニットと相互作用する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記インテグリンアゴニストは、インテグリンのαサブユニットと相互作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記インテグリンアゴニストは、抗インテグリン抗体、タリン、キンドリン、ジチオスレイトール及びオキシステロール25-ヒドロキシコレステロールから選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
インテグリンの前記アゴニストは、抗インテグリン抗体であり、任意選択で前記抗インテグリン抗体は、JBS2、HP1/3、SNAKA51、PT25-2、PMI-1、MEM-83、NKI-L16、496B、12G10、8A2、TS2/16、15/7、HUTS-4、8E3、N29、9EG7、mAb 24、MEM-148、KIM127、CBR LFA-1/2、MEM-48、KIM185、AP3、AP5、LIBS6、LIBS2、10F8、2B8、2G3である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗インテグリン抗体は、TS2/16、12G10、8A2、15/7、HUTS-4、8E3、N29または9EG7であり、さらに任意選択で前記抗インテグリン抗体は、TS2/16、12G10、HUTS-4または8A2であり、さらに任意選択で前記抗インテグリン抗体は、TS2/16、12G10、HUTS-4である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体は、ヒト化されている、請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記インテグリンアゴニストは、
a.任意選択でキンドリンと組み合わせて使用される、タリン、
b.ジチオスレイトールなどの還元剤、または
c.オキシステロール25-ヒドロキシコレステロールなどの脂質、
である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
a.オルガノイドの増殖、及び/または
b.前記インテグリンアゴニストなしで実施される同じ方法と比較して、4日間にわたって少なくとも10%、20%、50%の上皮幹細胞増殖の増加
をもたらす、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
分野
本発明は、幹細胞またはオルガノイドを培養するためのin vitro細胞培養法に関する。本発明は、上記方法での使用に適した培養液、上記方法及び上記培養法の使用によって採取可能な、または採取されるオルガノイド、創薬及びバリデーション、毒性アッセイ、診断及び治療における培地及びオルガノイドに関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
背景
培養において幹細胞またはオルガノイドを培養するための現在の方法は、一般に、細胞外マトリックスの使用を必要とする。細胞外マトリックスは、全身に分布する繊維状のゲル状物質の多機能性網目構造で構成されており、全ての組織に構造的及び生化学的支持体を提供する。マトリックスタンパク質は、細胞接着、増殖、分化及びアポトーシスなどの多くの細胞プロセスに関与している。細胞外マトリックスタンパク質の例としては、ラミニン、コラーゲン、糖タンパク質、プロテオグリカン、及びグリコサミノグリカンが挙げられ、これらは、細胞間の隙間空間で、または基底膜として自己組織化する。これらの細胞外マトリックスタンパク質は、マトリックス成分の一部に結合する場合がある様々な細胞受容体を介して細胞機能に影響を与えることがある[1]。
【0003】
上皮幹細胞を培養するために使用されることがある市販の細胞外マトリックスの例としては、Engelbreth-Holm-Swarm(EHS)マウス肉腫細胞からの基底膜調製物(例えば、Cultrex(登録商標)基底膜抽出物(Trevigen,Inc)またはMatrigel(商標)(BD Biosciences))が挙げられる。しかし、これらの細胞外マトリックスの正確な組成及びそれらが細胞機能に影響を与えるメカニズムは不明なままである[2]。これらの細胞外マトリックスの正確な成分は明確に定義されていないため、幹細胞を培養する際にばらつきの原因となる可能性がある。
【0004】
したがって、マトリックスの成分が制御され、かつ再現可能なこれらの細胞外マトリックスの人工代替物が当技術分野において求められている。人工マトリックスは、化学的に処理された培養皿プラスチック、または細胞外マトリックスタンパク質で任意に補われた沈着したタンパク質の層などの種々の材料から作ることができる。しかし、当技術分野における人工マトリックスは、主要な細胞外マトリックスタンパク質のみを含有し、全ての細胞型に適用できるわけではない[2]。さらに、これらの人工マトリックスは、一部の幹細胞の増殖を支援する可能性があるが、まだ細胞外マトリックスほど効率的ではない。
【0005】
したがって、幹細胞を培養する改善された方法が、当技術分野において求められている。特に、人工マトリックスを用いる幹細胞の増殖を改善する培養法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上皮幹細胞または上皮幹細胞を含むオルガノイドを培養するための方法を提供するが、この方法は、上皮幹細胞に適した培養液中で上記上皮幹細胞を培養することを含み、さらに、この培養法は、細胞またはオルガノイドをインテグリンアゴニストと接触させることを含む。本発明者らは、上皮幹細胞またはオルガノイドを培養するための方法における抗体などのインテグリンアゴニストの使用は、細胞外マトリックスの存在下または不存在下にて細胞増殖の改善をもたらすことを有利に特定した。
【0007】
本発明は、さらに、上皮幹に適しており、かつ本発明の方法で使用するための、Wntアゴニスト、BMP阻害剤、分裂促進成長因子及びTGFβ阻害剤のうち1つ以上を含む、本発明の方法で使用するための培養液を提供する。本発明はまた、本発明の方法のいずれかによって採取可能な、または採取されるオルガノイドも提供する。
【0008】
本発明の他の態様は、本発明で定義するような上皮幹に適した培養液、及び本発明の方法のいずれかによって採取可能な、または採取されるオルガノイドを含む組成物を提供する。本発明はまた、本発明で定義するような上皮幹に適した培養液、及び細胞外マトリックスまたは人工マトリックスを含む組成物も提供する。本発明はまた、本発明で定義するような細胞外マトリックスまたは人工マトリックスも提供するが、このマトリックスは、本発明で定義するようなインテグリンアゴニストをさらに含む。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、細胞を培養するための本発明で定義するようなインテグリンアゴニストの使用を提供する。これらは、患者への移植前に細胞を前処理するためのインテグリンアゴニスト及び細胞移植法において細胞接着増強物質として使用するためのインテグリンアゴニストの使用を含む。
【0010】
本発明はまた、薬物スクリーニング、標的バリデーション、標的発見または毒性学に向けた本発明のオルガノイドの使用も提供する。さらに、本発明は、治療で使用するための、または診断で使用するための本発明のオルガノイドの使用を提供する。
[本発明1001]
上皮幹細胞または上皮幹細胞を含むオルガノイドを培養する方法であって、前記方法は、上皮幹細胞に適した培養液中で前記上皮幹細胞を培養することを含み、前記培養法は、前記細胞または前記オルガノイドをインテグリンアゴニストに接触させることをさらに含む、前記方法。
[本発明1002]
前記インテグリンアゴニストは、インテグリンのβサブユニットと相互作用し、任意選択で前記βサブユニットは、β1、β2、β3またはβ7である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記インテグリンアゴニストは、前記β1サブユニットと相互作用する、本発明1002の方法。
[本発明1004]
前記インテグリンアゴニストは、インテグリンのαサブユニットと相互作用する、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記インテグリンアゴニストは、抗インテグリン抗体、タリン、キンドリン、ジチオスレイトール及びオキシステロール25-ヒドロキシコレステロールから選択される、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
インテグリンの前記アゴニストは、抗インテグリン抗体であり、任意選択で前記抗インテグリン抗体は、JBS2、HP1/3、SNAKA51、PT25-2、PMI-1、MEM-83、NKI-L16、496B、12G10、8A2、TS2/16、15/7、HUTS-4、8E3、N29、9EG7、mAb 24、MEM-148、KIM127、CBR LFA-1/2、MEM-48、KIM185、AP3、AP5、LIBS6、LIBS2、10F8、2B8、2G3である、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記抗インテグリン抗体は、TS2/16、12G10、8A2、15/7、HUTS-4、8E3、N29または9EG7であり、さらに任意選択で前記抗インテグリン抗体は、TS2/16、12G10、HUTS-4または8A2であり、さらに任意選択で前記抗インテグリン抗体は、TS2/16、12G10、HUTS-4である、本発明1006の方法。
[本発明1008]
前記抗体は、ヒト化されている、本発明1006または本発明1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
前記インテグリンアゴニストは、
a.任意選択でキンドリンと組み合わせて使用される、タリン、
b.ジチオスレイトールなどの還元剤、または
c.オキシステロール25-ヒドロキシコレステロールなどの脂質、
である、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記方法は、
a.オルガノイドの増殖、及び/または
b.前記インテグリンアゴニストなしで実施される同じ方法と比較して、4日間にわたって少なくとも10%、20%、50%の上皮幹細胞増殖の増加
をもたらす、本発明1001~1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記方法は、細胞外マトリックスと接触させて前記細胞を培養することをさらに含み、任意選択で前記細胞外マトリックスは、基底膜抽出物またはMatrigelである、先行本発明のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記方法は、人工マトリックスと接触させて前記細胞を培養することをさらに含み、任意選択で前記人工マトリックスは、ポリマー、任意選択でポリエステル、ポリエチレングリコールまたはヒドロゲルを含む、先行本発明のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記人工マトリックスは、
a.架橋ポリエチレングリコール(PEG)ヒドロゲル、及び/または
b.生体材料、好ましくは細胞外マトリックス成分
を含み、任意選択で前記生体材料は、1つ以上の糖タンパク質(任意選択でコラーゲン、ラミニン、パールカン、フィブロネクチン、またはフィブロネクチンのRGD接着リガンドから選択される)、及び/または1つ以上の炭水化物(任意選択でヒアルロン酸)である、本発明1012の方法。
[本発明1014]
前記細胞外マトリックスまたは前記人工マトリックスは、3次元であり、及び/または懸濁した状態である、先行本発明のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記培養法は、前記細胞を外因的な細胞外マトリックスと接触させることを含まない、本発明1001~1010及び1012~1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
前記上皮幹細胞は、結腸直腸、小腸、胃、膵臓、肝臓、肺、乳房、前立腺、腎臓、口、鼻咽頭、咽喉、下咽頭、喉頭、気管、皮膚、卵管、卵巣、唾液腺、食道、毛嚢及び/または蝸牛細胞から選択される、先行本発明のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記上皮幹細胞に適した培養液は、Wntアゴニスト、BMP阻害剤、分裂促進成長因子、及びTGFβ阻害剤のうち1つ以上を含む、先行本発明のいずれかの方法。
[本発明1018]
本発明1017に規定される培養液であって、本発明1002~1009に規定されるインテグリンアゴニストをさらに含む、前記培養液。
[本発明1019]
本発明1011~1015のいずれかに規定される細胞外マトリックスまたは人工マトリックスであって、本発明1002~1009に規定されるインテグリンアゴニストをさらに含む、前記マトリックス。
[本発明1020]
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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