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公開番号
2025085744
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-05
出願番号
2025041552,2021183553
出願日
2025-03-14,2019-12-27
発明の名称
ピロリジン化合物の結晶
出願人
田辺三菱製薬株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C07D
401/14 20060101AFI20250529BHJP(有機化学)
要約
【課題】医薬品原薬として使用可能な一定の品質を有するピロリジン化合物Aの結晶を提供すること。
【解決手段】本発明は医薬品原薬として使用可能な一定の品質を有する1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸の結晶を提供する。具体的には、本発明は等モル量の1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸とリン酸を含む結晶を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
本願明細書に記載の発明
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸(以下、「ピロリジン化合物A」又は「化合物A」と称することがある。)とリン酸を含む結晶に関する。より詳細には、医薬品原薬として優れた性質を有した、等モル量のピロリジン化合物Aとリン酸を含む結晶(以下、「本発明結晶」と称することがある。)及びこれを有効成分として含有する医薬組成物などに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
国際公開WO2015/182723号パンフレット(以下、特許文献1)にはメラノコルチン受容体1(MC1R)作動活性(アゴニスト活性)を有するピロリジン化合物又はその薬理的に許容しうる塩、並びにこれら化合物及びこれら化合物を有効成分として含有する医薬組成物はMC1Rの活性化により病態の改善が見込まれる様々な疾患の治療又は予防に有用であることが開示されており、実施例19にピロリジン化合物Aの塩酸塩が記載されている。しかしながら、特許文献1にはピロリジン化合物Aの結晶に関する記載や示唆はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2015/182723号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は医薬品原薬として使用可能な一定の品質を有するピロリジン化合物Aの結晶を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ピロリジン化合物Aの塩酸塩は結晶化せず、潮解性があり、医薬品の原薬としては適さないことが判明した。そこで、本発明者らはピロリジン化合物Aについて、医薬品原薬として使用可能な一定の品質を有する結晶を得るために1000を超える条件で結晶化を試みた。その結果、純度、熱的安定性、吸湿性、潮解性、化学的安定性及び安全性の観点から、等モル量のピロリジン化合物Aとリン酸を含む結晶が医薬品原薬として使用可能な一定の品質を有する結晶であることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、当該等モル量のピロリジン化合物Aとリン酸を含む結晶は結晶化しにくいことが判明した。そこで、本発明者らは再現性よく、短い時間で、十分な純度を有する結晶を得るための条件を検討した。晶析温度、晶析溶媒の組成によっては不純物の増加、析出の遅延、結晶の微細化による撹拌流動性および濾過性の悪化といった課題が認められた。これらの課題を解決するため、本発明者らは結晶化に用いる試薬や溶媒の種類や量、比率などに加え、結晶化の手順なども鋭意検討し、不純物が少なく、ろ過などの操作性も良い医薬品原薬に適した品質の結晶を効率よく取得する方法を見出した。
【0006】
本発明は以下に関する。
[1]
等モル量の1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペ
リジン-4-カルボン酸とリン酸を含む結晶。
[2]
等モル量の1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸とリン酸からなる、[1]に記載の結晶。
[3]
1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸とリン酸の共結晶である[1]または[2]のいずれかに記載の結晶。
[4]
粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで示される回折角度として5.7°、11.5°、13.9°、19.0°及び21.9°(それぞれ±0.2°)にピークを示す[1]~[3]のいずれか1つに記載の結晶。
[5]
示差走査熱量測定分析で230℃~240℃に吸熱ピークを有する[1]~[4]のいずれか1つに記載の結晶。
[6]
1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸、リン酸および良溶媒の混合物に種晶を加えることにより得られる、[1]~[5]のいずれか1つに記載の結晶。
[7]
1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸、リン酸および良溶媒の混合物に貧溶媒を加え、種晶を加えた後、さらに貧溶媒を加えることにより得られる、[1]~[6]のいずれか1つに記載の結晶。
[8]
[1]~[7]のいずれか1つに記載の結晶を有効成分として含有するメラノコルチン受容体1作動薬。
[9]
[1]~[7]のいずれか1つに記載の結晶と製薬上許容される添加剤を含有する医薬組成物。
[10]
メラノコルチン受容体1の活性化により病態の改善が見込まれる疾患を予防又は治療するための[9]に記載の医薬組成物。
[11]
疾患が関節リウマチ、痛風性関節炎、変形性関節症、炎症性腸疾患、全身性強皮症、乾癬、線維症、プロトポルフィリン症、全身性エリテマトーデス、黒色腫、皮膚癌、白斑症、脱毛、疼痛、虚血/再かん流傷害、脳の炎症性疾患、肝炎、敗血症/敗血症性ショック、腎炎、移植、HIV疾患の増悪、血管炎、ブドウ膜炎、網膜色素変性症、加齢黄斑変性、微生物感染、セリアック病、ネフローゼ症候群およびメラノーマ浸潤から選ばれる1つ
以上の疾患である[10]に記載の医薬組成物。
[12]
[1]~[7]のいずれか1つに記載の結晶の有効量を患者に投与することを含む、メラノコルチン受容体1の活性化により病態の改善が見込まれる疾患を予防又は治療する方法。
[13]
メラノコルチン受容体1の活性化により病態の改善が見込まれる疾患を予防又は治療するための医薬の製造における、[1]~[7]のいずれか1つに記載の結晶の使用。
[14]
メラノコルチン受容体1の活性化により病態の改善が見込まれる疾患を予防又は治療するための、[1]~[7]のいずれか1つに記載の結晶。
【0007】
本発明は以下にも関する。
[15]
1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸、リン酸および良溶媒の混合物に種晶を加えることを含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の結晶の製造方法。
[16]
1-{2-[(3S,4R)-1-[(3R,4R)-1-シクロペンチル-3-フルオロ-4-(4-メトキシフェニル)ピロリジン-3-カルボニル]-4-(メトキシメチル)ピロリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-4-カルボン酸、リン酸および良溶媒の混合物に貧溶媒を加え、種晶を加えた後、さらに貧溶媒を加えることを含む、[15]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
等モル量のピロリジン化合物Aとリン酸を含む結晶は、結晶を得る際に使用した溶媒が残留することがなく、熱的安定性に優れ、湿度に対して重量変化が少なく安定であり、潮解せず、化学的安定性に優れ、安全性の観点から生体へ悪影響を及ぼす可能性のある化合物を含まない結晶であり、該結晶を再現性よく工業的に適した方法で得られることから、医薬品原薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は本発明結晶の粉末X線回折測定を行った結果を示す図である。
図2は本発明結晶の示差走査熱量測定を行った結果を示す図である。
図3は本発明結晶中の分子の単結晶X線回折測定に基づくオルテップ図を示す図である。
図4は本発明結晶中の分子の単結晶X線回折測定に基づくパッキング図(a軸投影図)を示す図である。
図5-1は実験例7において条件1で得られた結晶の粒子サイズ分布を示す図である。
図5-2は実験例7において条件3で得られた結晶の粒子サイズ分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は等モル量の下記式で示されるピロリジン化合物Aとリン酸を含む結晶、及びこれを有効成分として含有する医薬組成物などに関する。
TIFF
2025085744000001.tif
72
170
(【0011】以降は省略されています)
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