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公開番号2025088380
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203053
出願日2023-11-30
発明の名称巻線含侵用ワニス樹脂組成物及びその製造方法
出願人富士電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01F 27/32 20060101AFI20250604BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】優れた放熱性と絶縁性を両立するワニス樹脂組成物を得る。
【解決手段】(a)不飽和ポリエステルと、(b)架橋剤及び/または反応希釈剤と、(c)無機充填材とを含み、前記(a)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP1が、ΔSP1<6.3であり、前記(b)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP2が、ΔSP2<6.3である、巻線含侵用ワニス樹脂組成物、これを充填したワニス樹脂充填コイル、回転機、及び巻線含侵用ワニス樹脂組成物の選定方法及び製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(a)不飽和ポリエステルと、
(b)反応性もしくは非反応性希釈剤と、
(c)無機充填材と
を含み、
前記(a)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP1が、ΔSP1<6.3であり、かつ、
前記(b)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP2が、ΔSP2<6.3である、巻線含侵用ワニス樹脂組成物。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記(c)が、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の巻線含侵用ワニス樹脂組成物。
【請求項3】
前記(c)が、表面修飾剤により被覆された、被覆無機充填材である、請求項1に記載の巻線含侵用ワニス樹脂組成物。
【請求項4】
前記(b)が、ビニル基含有化合物、メタクリレート基含有化合物、アクリレート基含有化合物、及び/またはメチル基で置換された芳香族炭化水素化合物を含む、請求項1に記載の巻線含侵用ワニス樹脂組成物。
【請求項5】
スロットを設けた鉄心と、
前記鉄心に巻かれて、前記スロット内に収容された巻線と、
前記スロット内に含侵された請求項1に記載の巻線含侵用ワニス樹脂組成物と
を備える、コイル。
【請求項6】
請求項5に記載のコイルを備える回転機、発電機、リニアモータ、変圧器またはリアクトル。
【請求項7】
巻線含侵用ワニス樹脂組成物の設計方法であって、
(a)不飽和ポリエステルと、(b)反応性もしくは非反応性希釈剤と、(c)無機充填材とのハンセン溶解度パラメータを得る工程と、
前記(a)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP1が、ΔSP1<6.3であり、かつ、前記(b)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP2が、ΔSP2<6.3である、(a)、(b)、及び(c)を選定する工程と
を含む、方法。
【請求項8】
巻線含侵用ワニス樹脂組成物の製造方法であって、
請求項7に記載の設計方法により巻線含侵用ワニス樹脂組成物を設計する工程と、
選定された(a)、(b)、及び(c)を用いて樹脂組成物を調製する工程と
を含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は巻線含侵用ワニス樹脂組成物及びその製造方法に関する。本発明は、特には、放熱性及び絶縁性に優れた巻線含侵用ワニス樹脂組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、モーターや発電機等に組み込まれるコイルは、巻線を保護するためにワニスによる絶縁処理が行なわれている。この絶縁処理の主目的は、巻線と鉄芯(コア)またはスロット壁および巻線相互間の絶縁である。これに加え、絶縁処理により、巻線の物理的支持、巻線からの発熱のスロット壁への伝達、巻線ワイヤーのピンホールや加工傷の被覆等のさまざまの機能をコイルに付与することができる。
【0003】
鉄心と、前記鉄心に巻かれた巻線と、前記鉄心と前記巻線との間及び/又は前記巻線同士の間に充填された熱伝導性耐熱絶縁材とを備える熱伝導性耐熱絶縁材充填コイルであって、前記熱伝導性耐熱絶縁材は、フェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、及び熱伝導率20W/m・K以上の無機フィラー(C)を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導性耐熱絶縁材充填コイルが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
不飽和ポリエステル樹脂及び架橋剤を15~25質量%、純度が95質量%であり、且つ平均粒径が5~40μmである不活性酸化マグネシウムを65~80質量%、ガラス繊維を2~5質量%、及び添加剤を2~5質量%含有して成ることを特徴とするコイル封入用不飽和ポリエステル樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-222973号公報
特開2001-234050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、環境対策のためにハイブリッドカーや電気自動車等が注目されている。これらに搭載されるモーターや発電機等に組み込まれるコイルの高出力、小型化に伴い、従来品以上に巻線からの発熱対策が重要になってきている。巻線からの発熱対策としてコイルからいかに短時間で放熱させるかが重要である。
【0007】
特許文献1に開示された組成物は、高分子量樹脂を使用するため、高粘度であり、大気圧下での樹脂注型・含侵では巻線間への充填性が低下し、巻線間へのボイドの混入、空隙率が高くなる。これにより絶縁性は低下し、高放熱と絶縁性の両立ができないことが問題となる。また、特許文献2に開示された組成物は、分散性制御が困難であり、絶縁性低下が生じるおそれがある。
【0008】
これらの従来技術に鑑み、優れた放熱性と絶縁性を両立するワニス樹脂組成物が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定のハンセン溶解度パラメータの条件を充足する構成成分を含むワニス樹脂組成物により、放熱性と絶縁性を両立することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、一実施形態によれば、巻線含侵用ワニス樹脂組成物であって、(a)不飽和ポリエステルと、(b)反応性もしくは非反応性希釈剤と、(c)無機充填材とを含み、前記(a)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP1が、ΔSP1<6.3であり、かつ、前記(b)と前記(c)との間のハンセン溶解度パラメータの差ΔSP2が、ΔSP2<6.3である、巻線含侵用ワニス樹脂組成物に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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