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公開番号
2025091543
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023206802
出願日
2023-12-07
発明の名称
積層塗膜形成方法及び積層塗膜構造
出願人
トヨタ自動車東日本株式会社
代理人
個人
主分類
B05D
1/36 20060101AFI20250612BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約
【課題】車体の内板部における白色系の中塗り塗膜の上に黒色系の塗膜を形成する場合に、下地の中塗り塗膜の色が透けることのない積層塗膜構造及び積層塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】車体の内側を形成する内板部1と車体の外側を形成する外板部2とを接合した被塗物W上に積層塗膜を形成する方法であって、前記被塗物に電着膜10を形成する工程と、前記電着膜上に反射率83%以下の中塗り塗膜11を形成する工程と、少なくとも前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程と、を備え、前記少なくとも前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程において、前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2wt%以上25wt%以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
車体の表側に露出しない内板部と車体の表側に露出する外板部とを接合した被塗物上に積層塗膜を形成する方法であって、
前記被塗物に電着膜を形成する工程と、
前記電着膜上に反射率83%以下の中塗り塗膜を形成する工程と、
前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程と、を備え、
前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程において、
前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2wt%以上25wt%以下であることを特徴とする積層塗膜形成方法。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記中塗り塗膜の反射率が60%より大きい場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が7wt%以上、
前記中塗り塗膜の反射率が40%より大きく60%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が5wt%以上、
前記中塗り塗膜の反射率が30%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2.0wt%以上、
であることを特徴とする請求項1に記載の積層塗膜形成方法。
【請求項3】
前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程の後、前記黒色系高濃度発色塗膜における光が当たる箇所に、分散顔料の濃度が前記黒色系高濃度発色塗膜の分散顔料の濃度以下である黒色系低濃度発色塗膜を積層する工程を行うことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載された積層塗膜形成方法。
【請求項4】
車体の表側に露出しない内板部と車体の表側に露出する外板部とを接合した被塗物上に積層塗膜を形成した積層塗膜構造であって、
前記被塗物上に形成された電着膜と、
前記電着膜上に形成された反射率83%以下の中塗り塗膜と、
前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に形成された黒色系高濃度発色塗膜と、を備え、
前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2wt%以上25wt%以下であることを特徴とする積層塗膜構造。
【請求項5】
前記中塗り塗膜の反射率が60%より大きい場合の前記前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が7wt%以上、
前記中塗り塗膜の反射率が40%より大きく60%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が5wt%以上、
前記中塗り塗膜の反射率が30%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2wt%以上、
であることを特徴とする請求項4に記載の積層塗膜構造。
【請求項6】
前記黒色系高濃度発色塗膜における光が当たる箇所に、分散顔料の濃度が前記黒色系高濃度発色塗膜の分散顔料の濃度以下である黒色系低濃度発色塗膜が積層されていることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載された積層塗膜構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層塗膜形成方法及び積層塗膜構造に関し、例えば車体のドア開口部などの内板部を黒色系に塗装したい場合に、下地色が透けて見えることのない積層塗膜形成方法及び積層塗膜構造に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車の塗膜は、一般に図6に模式的な断面図を示すように、被塗物50の上に、主に防錆のための電着塗装による電着膜51と、中塗り塗膜52と、上塗り塗膜60とを順次積層することによって形成される。
上塗り塗膜60は、発色のための顔料を含む発色塗膜53と、その上のクリア塗膜54とで構成される。発色塗膜53は、発色の目的の他、中塗り塗膜52とクリア塗膜54との密着性の向上や平滑性の向上という目的がある。
【0003】
前記中塗り塗膜52は、電着膜51及び上塗り塗膜60との密着性の向上や平滑性の向上の目的の他、耐光劣化性、耐チッピング性及び発色性を高めるという目的がある。特に、エポキシ系カチオン電着塗料によって形成した電着膜51は、紫外線が大量に照射されると、その表層部が劣化し、その上側の塗膜が剥離することになる。そこで、電着膜51を中塗り塗膜52によって紫外線から保護し、耐光劣化性を高めることがなされている。
【0004】
ツートーンカラーのように所定の領域毎に異なる色に配色する場合には、図7に示すように、例えば電着膜51に塗布された中塗り塗膜52上の一部の領域に、1色目の塗料を塗布して発色塗膜53aを形成し、その上にマスキングを適宜施してから、発色塗膜53aに隣接する領域に2色目の塗料を塗布して発色塗膜53bを形成する(特許文献1参照)。
ところで、車体表側に露出する外板部の多面積が白色のボディカラーとされる場合、車体全体に形成される中塗り塗膜は一般に発色塗膜と同色の白色とされる。例えば車体ルーフに塗布される1色目の塗料が黒色、その他の外板部に塗布される2色目の塗料が白色のツートーンカラーの場合、中塗り塗膜の形成には白色塗料が用いられ、これが被塗物全体に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-79338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように、例えば車体ルーフに塗布される1色目の塗料が黒色、その他の外板部に塗布される2色目の塗料が白色のツートーンカラーであって、さらに車体のドア開口部の内板部(通常は表側に露出しない部分)などの凹凸形状のある部分を1色目の黒色に塗布したい場合、その凹凸形状のある部分においては、塗料の厚みが偏りやすく膜厚が薄い部分が生じる。その結果、そのように発色塗膜が薄い部分では、下地である中塗り塗膜の白色塗料が透けて、綺麗な黒色に塗装できないという課題があった。
【0007】
また、内板部の凹凸形状のある部分においては、発色塗膜だけでなく、その下の中塗り塗膜においても同様に膜厚が薄い部分が生じる。そのため、内板部でも紫外線照射されやすい部位においては、発色塗膜と中塗り塗膜の膜厚が薄いと、紫外線が電着膜に到達し、電着膜劣化により防錆性能が低下するという課題があった。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、車体の内板部における白色系の中塗り塗膜の上に黒色系の塗膜を形成する場合に、下地の中塗り塗膜の色が透けることのない積層塗膜構造及び積層塗膜形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するために、本発明に係る積層塗膜形成方法は、車体の表側に露出しない内板部と車体の表側に露出する外板部とを接合した被塗物上に積層塗膜を形成する方法であって、前記被塗物に電着膜を形成する工程と、前記電着膜上に反射率83%以下の中塗り塗膜を形成する工程と、前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程と、を備え、前記内板部に形成された前記中塗り塗膜上に黒色系高濃度発色塗膜を形成する工程において、前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2wt%以上25wt%以下であることに特徴を有する。
【0010】
尚、前記中塗り塗膜の反射率が60%より大きい場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が7wt%以上、前記中塗り塗膜の反射率が40%より大きく60%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が5wt%以上、前記中塗り塗膜の反射率が30%より大きく40%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2.9wt%以上、前記中塗り塗膜の反射率が30%以下の場合の前記黒色系高濃度発色塗膜に含まれる分散顔料の濃度が2.0wt%以上であることが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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