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公開番号2025092912
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208317
出願日2023-12-11
発明の名称樹脂巻き転がり軸受
出願人日本精工株式会社
代理人個人
主分類F16C 35/073 20060101AFI20250616BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】石油由来成分のみでバイオ度が0%であったポリアセタールコポリマーに比べて、環境にやさしく、かつ、軸受外径と、ハウジング、又はレールとの間の滑り、及び軸受内径と、シャフトとの間の滑り、が生じない、また、軸受の温度が上がり過ぎることを防止できる樹脂巻き転がり軸受を提供できる。
【解決手段】内輪2の内径面2aに樹脂巻き部を有する樹脂巻き転がり軸受1において、樹脂巻き部5を、バイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで形成されており、内輪2は、樹脂巻き部5との接触部(内径面2a、端面2b、2c又は、内輪2の外径面2d)には、凹凸表面、化成表面、あるいはフェノール系接着剤の接着剤層形が設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内輪の内径側に樹脂巻き部を有する樹脂巻き転がり軸受において、
前記樹脂巻き部は、バイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで形成されており、
前記内輪の樹脂巻き部との接触部には、凹凸表面、化成処理面、あるいはフェノール系接着剤の接着剤層が設けられていることを特徴とする樹脂巻き転がり軸受。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
前記樹脂巻き部との接触部は、少なくとも前記内輪の内径面、端面、又は外径面であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂巻き転がり軸受。
【請求項3】
ポリアセタールコポリマーのバイオ度を、90.9~99.99%としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂巻き転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受に関し、特に、内輪の内径面に樹脂部を設けた樹脂巻き転がり軸受に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、各種のガイド部に用いられる、外輪の外径面に樹脂巻き部を設けた樹脂巻き転がり軸受は、ガイド対象物が動くたびに、軸受に断続的、若しくは非安定的な荷重が加わる。この様な負荷が軸受に作用すると軸受寿命に影響を及ぼすことが懸念されるため、軸受を構成する部品である樹脂巻き部にも耐衝撃性が要求されている。また、外輪とハウジング間で生じるクリープにより樹脂巻き部が摩耗し、摩耗が進行すると異音が発生する恐れも懸念されるため、樹脂巻き部の摺動特性も要求されている。また、当該樹脂巻き部に耐衝撃性や摺動特性が要求されることから、外輪樹脂の材質にポリアセタールコポリマーが多く使用されてきた。
【0003】
また、特許文献1の転がり軸受は、内輪と外輪の間に転動体を介在させた玉軸受からなり、当該外輪の外周に互いに内外に重なる内側樹脂層及び外側樹脂層を設けた樹脂巻き軸受である。当該外側樹脂層の樹脂としては、石油系の樹脂層の樹脂例で、ポリアセタールが開示されている。
【0004】
また、特許文献2の転がり軸受は、内輪と外輪との間に、転動体としての玉が介装してあり、当該軸受の外輪外径に非金属材を巻き付けた非金属材巻き軸受である。その非金属材の樹脂例として、石油系のポリアセタールを開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-51063号公報
特許第4784200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来からのポリアセタールコポリマーは、主原料のメタノールを含めて、全て石油由来のものであり、環境に考慮したものではなかった。また、特許文献1及び2に開示のポリアセタールは自己潤滑性が高い特性を持つため、内輪回転荷重軸受の取り付けにおいて推奨される、外輪すきまばめ、かつ、内輪しまりばめ、の環境で、外輪の外径面に樹脂巻き部を設けた軸受では、軸受の外径面と、ハウジングやレール部との間で、滑りが生じ、異音や振動が発生する課題があった。
【0007】
さらに、転がり軸受は、回転時に発熱するが、その熱を外輪の外径側のハウジング、あるいは、内輪の内径側のシャフトを通して放熱することで、軸受の温度が高くなり過ぎないように保たれている。特に、外輪の外径側の方は、体積が大きい、すなわち、熱容量も大きいため、放熱性も必要な機能である。しかし、樹脂は、軸受外輪やハウジングに用いられる金属材料より熱伝導性が低いため、外輪の外径面に樹脂巻き部を設けると、放熱性に影響を与えることが懸念される。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ポリアセタールコポリマーの主原料であるメタノールを植物由来のバイオメタノールを採用し、環境にやさしいバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーで樹脂巻き部とした。また、本発明は、樹脂巻き部を、内輪の内径側に形成することで、前記滑りの発生を防止するとともに、樹脂巻き部が、内輪しまりばめにより、内輪と、シャフトとの間で締めつけられることで、内輪の内径面と、シャフトとの間の滑りも生じない構造とする。さらに、このように熱容量が大きなハウジング側への熱伝導を、樹脂巻き部によって妨げない構造となるため、軸受の温度が高くなり過ぎることを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、第1の本発明は、内輪の内径側に樹脂巻き部を有する樹脂巻き転がり軸受において、前記樹脂巻き部は、バイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで形成されており、
前記内輪の樹脂巻き部との接触部には、凹凸表面、化成処理面、あるいはフェノール系接着剤の接着剤層が設けられていることを特徴とする。
【0010】
第2の本発明は、第1の本発明において、前記樹脂巻き部との接触部は、少なくとも前記内輪の内径面、端面、又は外径面であることを特徴とする。
第3の本発明は、第1の本発明又は第2の本発明において、ポリアセタールコポリマーのバイオ度を、90.9~99.99%としたことを特徴とする。
本発明のポリアセタールコポリマーはバイオ度が90.9~99.99%であることから、従来の石油由来成分のみでバイオ度が0%であったポリアセタールコポリマーに比べて、環境にやさしく、かつ、軸受外径と、ハウジング、又はレールとの間の滑り、及び軸受内径と、シャフトとの間の滑りが生じない、又は軸受の温度が上がり過ぎることを防止できる樹脂巻き転がり軸受を提供できる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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