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公開番号2025098283
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2025061985,2024526953
出願日2025-04-03,2024-01-31
発明の名称硬化性熱伝導性接着剤、及びその供給形態
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C09J 201/00 20060101AFI20250624BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】低粘度で速硬化性を有しつつ、可使時間を長くできる硬化性熱伝導性接着剤を提供することを課題とする。
【解決手段】硬化可能なバインダーと、熱伝導性充填材とを含む硬化性組成物からなる硬化性熱伝導性接着剤であって、25℃の定温でレオメーター測定した際に、貯蔵弾性率と損失弾性率との値が等しくなるゲル化点が、前記レオメーター測定を開始してから5分以上60分以下で確認され、前記レオメーター測定を開始してから60分経過後の、25℃における貯蔵弾性率が9.0×105Pa以上である、硬化性熱伝導性接着剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
硬化可能なバインダーと、熱伝導性充填材とを含む硬化性組成物からなる硬化性熱伝導性接着剤であって、
25℃の定温でレオメーター測定した際に、貯蔵弾性率と損失弾性率との値が等しくなるゲル化点が、前記レオメーター測定を開始してから5分以上60分以下で確認され、前記レオメーター測定を開始してから60分経過後の、25℃における貯蔵弾性率が9.0×10

Pa以上である、硬化性熱伝導性接着剤。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記レオメーターで測定した際に前記レオメーター測定を開始してから15分経過後の、25℃における前記硬化性熱伝導性接着剤の損失弾性率が3.0×10

Pa以下である、請求項1に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項3】
前記バインダーが、エポキシ基含有化合物を含む、請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項4】
前記バインダーが、アミン及びチオールの少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項5】
前記バインダーが、エポキシ基含有化合物、及びアミンを含む、請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項6】
前記エポキシ基含有化合物が単官能エポキシ基含有化合物を含む、請求項3に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項7】
前記バインダーが、マンニッヒ塩基を含む、請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項8】
前記硬化性組成物が、多官能アクリレート化合物と、エポキシ基含有化合物と、アミンを含む、請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項9】
硬化性組成物に含有される主剤を構成する成分の官能基の当量に対する、硬化剤の活性水素の当量の比である当量比が1.05以上2.9以下である、請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤の供給形態であって、
前記バインダーの主剤を含む第1剤と、前記第1剤と混合することで硬化する硬化剤を含む第2剤と、を別の容器に充填する、硬化性熱伝導性接着剤の供給形態。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリアセンブリなどの電子機器用途で使用される、硬化性熱伝導性接着剤、及び熱伝導性部材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
熱伝導性組成物は、例えば、発熱体と放熱体の間に充填して、発熱体で発生した熱を伝播させて放熱体から発散させるために使用される。熱伝導性組成物は、一般的に硬化性を有しており、充填された後に硬化され硬化物で使用されることが多い。熱伝導性組成物は、電気自動車(EV)向けのリチウムイオンバッテリ(LiB)アセンブリなどのバッテリアセンブリ、電力電子機器、電子パッケージング、LED、太陽電池、電気グリッドなどの多くの電子機器用途において重要な役割を果たす。
【0003】
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂と、主鎖に三級アミドを含み、かつアミン末端化されているポリアミドを含むポリアミド組成物と、2~20個の炭素原子を含むアミノ官能性化合物と、多官能性(メタ)アクリレートと、無機充填剤を含み、バッテリーアセンブリなどの電子機器用途で好適に使用され得る熱伝導性組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-512990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで今後EVの生産台数がますます増加していく中でその生産性を向上させるために熱伝導性組成物の室温硬化性の向上は重要な課題の一つである。アセンブルメーカーは工程での仮接着力を重視しており、一定の時間を過ぎると工程内では移動可能状態、すなわち、仮止めや縦置きなどが可能となる状態となることが求められる。その仮接着の際には、部材間の段差や凹みなどにも追従する必要があり、可使時間の間では、低荷重で容易に樹脂を基材上に広げることができるのが重要である。例えば1時間で縦置きが可能な状態となり、可使時間の間では低荷重で容易に樹脂を基材上に広げることができる接着剤が求められる。
また、アセンブルメーカーはアセンブル時間の短縮を考慮し、例えば1時間後には仮止めできる一方で、18時間後には接着した部材を輸送することを想定しており、短時間、一日後での接着力発現と可使時間の両立が、効率化及び作業性を考える際にも重要な課題である。
【0006】
特許文献1では、速硬化性を高めるためにアクリレートの添加、健康有害性懸念の観点でポリアミドを使用している。ポリアミドは分子量が低いがその相互作用によって粘度が高くなる問題がある。そのため、速硬化性はできても、高可使時間の達成ができていない。
【0007】
そこで本発明は、低粘度で速硬化性を有しつつ、可使時間を長くできる硬化性熱伝導性接着剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、レオメーター測定の開始から5分以上60分以下でゲル化点が確認され、かつ、レオメーター測定の開始から60分経過後の、25℃における貯蔵弾性率が一定以上となるように調整したことにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[13]を提供する。
【0009】
[1]硬化可能なバインダーと、熱伝導性充填材とを含む硬化性組成物からなる硬化性熱伝導性接着剤であって、25℃の定温でレオメーター測定した際に、貯蔵弾性率と損失弾性率との値が等しくなるゲル化点が、前記レオメーター測定を開始してから5分以上60分以下で確認され、前記レオメーター測定を開始してから60分経過後の、25℃における貯蔵弾性率が9.0×10

Pa以上である、硬化性熱伝導性接着剤。
[2]前記レオメーターで測定した際に前記レオメーター測定を開始してから15分経過後の、25℃における前記硬化性熱伝導性接着剤の損失弾性率が3.0×10

Pa以下である、[1]に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[3]前記バインダーが、エポキシ基含有化合物を含む、[1]又は[2]に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[4]前記バインダーが、アミン及びチオールの少なくとも一方を含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[5]前記バインダーが、エポキシ基含有化合物、及びアミンを含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[6]前記エポキシ基含有化合物が単官能エポキシ基含有化合物を含む、[3]又は[5]に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[7]前記バインダーが、マンニッヒ塩基を含む、[1]~[6]のいずれか1項に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[8]前記硬化性組成物が、多官能アクリレート化合物と、エポキシ基含有化合物と、アミンを含む、[1]~[7]のいずれか1項に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[9]硬化性組成物に含有される主剤を構成する成分の官能基の当量に対する、硬化剤の活性水素の当量の比である当量比が1.05以上2.9以下である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の硬化性熱伝導性接着剤。
[10]請求項1又は2に記載の硬化性熱伝導性接着剤の供給形態であって、前記バインダーの主剤を含む第1剤と、前記第1剤と混合することで硬化する硬化剤を含む第2剤と、を別の容器に充填する、硬化性熱伝導性接着剤の供給形態。
[11]前記第1剤の粘度と、前記第2剤の圧縮荷重の差が450N以下である、[10]に記載の硬化性熱伝導性接着剤の供給形態。
[12]前記第1剤の官能基濃度に対する、前記第2剤の官能基濃度の比が、1.05以上2.9以下である、[10]又は[11]に記載の硬化性熱伝導性接着剤の供給形態。
[13]上記[1]~[10]のいずれか1項に記載の硬化性熱伝導性接着剤のバッテリセル間の間隙材、バッテリセルとモジュール筐体の間の間隙材、バッテリモジュールとバッテリパックの筐体の間の間隙材、及びバッテリセルとバッテリパックの筐体の間の間隙材、の少なくとも1つの間隙材としての使用。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低粘度で速硬化性を有しつつ、可使時間を長くできる硬化性熱伝導性接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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