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公開番号
2025105227
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023223642
出願日
2023-12-28
発明の名称
生体試料の観察方法
出願人
株式会社リガク
,
学校法人金沢医科大学
代理人
個人
,
個人
主分類
G21K
7/00 20060101AFI20250703BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】生体試料の評価対象領域を抽出する方法の提供。
【解決手段】
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出する方法であって、前記光学顕微鏡の画像と合致されたX線顕微鏡の画像から、評価対象領域を含む注目領域を抽出する工程と、前記注目領域を2値化して、当該注目領域の中から、光学顕微鏡とX線顕微鏡の画像情報を相補的に利用することにより、評価対象領域をさらに抽出する工程と、を含む、前記方法。
【選択図】図23
特許請求の範囲
【請求項1】
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出する方法であって、
前記光学顕微鏡の画像と合致されたX線顕微鏡の画像から、評価対象領域を含む注目領域を抽出する工程と、
前記注目領域を2値化して、当該注目領域の中から、光学顕微鏡とX線顕微鏡の画像情報を相補的に利用することにより、評価対象領域をさらに抽出する工程と、
を含む、前記方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の方法により抽出された評価対象領域の体積又は形状を評価する工程を含む、生体試料の評価方法。
【請求項3】
体積の評価は、2値化された評価対象領域の画像のボクセル数にボクセル体積を乗ずることにより行う、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の方法により抽出又は評価された評価対象領域を立体表示する工程を含む、生体試料の評価対象領域の表示方法。
【請求項5】
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出する顕微鏡画像処理装置であって、
X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され合致させた前記生体試料の画像から、評価対象領域を含む観察対象領域(注目領域)を抽出する手段、及び
抽出された注目領域を2値化して、当該注目領域の中から評価対象領域をさらに抽出する手段、
を備える前記装置。
【請求項6】
注目領域の抽出、及び評価対象領域の抽出は、2値化画像作成機能及び形状又は領域の選択機能を有する画像解析ソフトウエアを用いて、光学顕微鏡画像とX線顕微鏡画像とを比較することにより行う、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記抽出された評価対象領域の体積又は形状を評価する手段をさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
体積の評価は、2値化された評価対象領域の画像のボクセル数にボクセル体積を乗ずることにより行う、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
抽出又は評価された評価対象領域を立体表示する手段をさらに備える、請求項5~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出するプログラムであって、コンピュータを、
X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され合致させた前記生体試料の画像から、評価対象領域を含む観察対象領域(注目領域)を抽出する手段、及び
抽出された注目領域を2値化して、当該注目領域の中から評価対象領域をさらに抽出する手段、
として機能させるためのプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され精密に合致させた同一生体試料の同一測定箇所の画像から当該生体試料の評価対象領域を立体抽出し細胞レベルの空間分解能で実用的に評価する方法に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)
【背景技術】
【0002】
生体組織の病理的評価は、病理標本で切出された平面(二次元)における病理評価が主体である。しかし、病理学的変化は、組織内で立体的(三次元的)に進展する。また、病理標本を作成する際には、検体の一部は破棄され評価は不能となっている。この様な現状から、検体を三次元的に評価する方法、検体すべてを評価する方法の開発は重要な解決課題であった。
従来、生体試料を観察する方法として、顕微鏡法を用いて、生体試料を画像化する方法(特許文献1)、ラットの腎(尿細管)を撮像する方法(特許文献2)、造影剤を生体試料に浸透させて固化し、造影する方法(特許文献3)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2020-528557号公報
特開2014-211448号公報
国際公開2022/234844号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現在において、検体の病理的変化を細胞レベルの空間分解能で三次元的に評価できる実用的な観察方法は存在しない。光学顕微鏡には0.2μm程度と比較的高い二次元分解能、多様な染色法による正確な組織同定という利点がある反面、試料調製の際に物理的な力が加わることに起因する試料の変形(破壊的変形)や、4μm程度の試料厚みに起因する深さ方向の分解能不足など、顕微鏡観察に制限がある。一方、X線顕微鏡には等方的なサブミクロンの三次元分解能、試料の再利用が可能な非破壊性という利点がある反面、X線顕微鏡画像の濃淡が生体試料を構成する比較的軽い元素の電子密度を反映して決まるため、コントラストの低いグレースケール画像を与え、これに起因して組織同定に困難が生じる。そこで、X線顕微鏡と光学顕微鏡を組み合わせて上記制限や困難性を相補し合うことによる、同一生体試料の同一測定箇所を細胞レベルの空間分解能で立体観察する実用的な方法の開発が求められていた。
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、X線顕微鏡画像を2値化することと、光学顕微鏡とX線顕微鏡の画像情報を相補的に利用することにより、X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され精密に合致させた同一生体試料の同一測定箇所の画像から当該生体試料の評価対象領域を立体抽出し細胞レベルの空間分解能で実用的に評価することに成功し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該生体試料の評価対象領域を立体抽出する方法であって、
前記光学顕微鏡の画像と合致されたX線顕微鏡の画像から、評価対象領域を含む注目領域を抽出する工程と、
前記注目領域を2値化して、当該注目領域の中から、光学顕微鏡とX線顕微鏡の画像情報を相補的に利用することにより、評価対象領域をさらに抽出する工程と、
を含む、前記方法。
[2]
[1]に記載の方法により抽出された評価対象領域の体積又は形状を評価する工程を含む、生体試料の評価方法。
[3]
体積の評価は、2値化された評価対象領域の画像のボクセル数にボクセル体積を乗ずることにより行う、[2]に記載の方法。
[4]
[1]~[3]のいずれかに記載の方法により抽出又は評価された評価対象領域を立体表示する工程を含む、生体試料の評価対象領域の表示方法。
[5]
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出する顕微鏡画像処理装置であって、
X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され合致させた前記生体試料の画像から、評価対象領域を含む観察対象領域(注目領域)を抽出する手段、及び
抽出された注目領域を2値化して、当該注目領域の中から評価対象領域をさらに抽出する手段、
を備える前記装置。
[6]
注目領域の抽出、及び評価対象領域の抽出は、2値化画像作成機能及び形状又は領域の選択機能を有する画像解析ソフトウエアを用いて、光学顕微鏡画像とX線顕微鏡画像とを比較することにより行う、[5]に記載の装置。
[7]
前記抽出された評価対象領域の体積又は形状を評価する手段をさらに含む、[5]に記載の装置。
[8]
体積の評価は、2値化された評価対象領域の画像のボクセル数にボクセル体積を乗ずることにより行う、[7]に記載の装置。
[9]
抽出又は評価された評価対象領域を立体表示する手段をさらに備える、[5]~[8]のいずれか1項に記載の装置。
[10]
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出するプログラムであって、コンピュータを、
X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され合致させた前記生体試料の画像から、評価対象領域を含む観察対象領域(注目領域)を抽出する手段、及び
抽出された注目領域を2値化して、当該注目領域の中から評価対象領域をさらに抽出する手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、X線顕微鏡及び光学顕微鏡により撮像され精密に合致させた同一生体試料の同一測定箇所の画像から当該試料の評価対象領域を立体抽出し細胞レベルの空間分解能で実用的に評価することが可能となった。本発明は、X線顕微鏡と光学顕微鏡の相補利用により同一生体試料の同一測定箇所を細胞レベルの空間分解能で実用的に立体観察する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
X線顕微鏡および光学顕微鏡による生体試料観察のための一般的な試料調製工程を示す図である。
生体試料をワックスに包埋するための包埋皿を示す図である。
生体試料をワックスに包埋して包埋ブロックを製造する工程を示す図である。
包埋カセットに包埋ブロックを配置させたことを示す図である。
ワックス造影用カセットの形状を示す図である。
X線顕微鏡測定の際の試料設置の態様を示す図である。
ブロックを設置したカセットをステージに固定させたことを示す図である。
生体試料とX線の照射方向との関係を示す図である。
ステージの位置を調整するための位置調整機構を示す図である。
X線顕微鏡観察を行った後に行う光学顕微鏡観察の工程を示す図である。
三次元画像から位置情報を取得するための概要を示す図である。
X線顕微鏡画像及び光学顕微鏡画像における方位調整工程の概要を示す図である。
方位調整工程のフローチャートを示す図である。
顕微鏡画像処理装置の概要を示す図である。
情報処理装置の作用を示すブロック図である。
顕微鏡画像処理装置の方位調整工程のフローチャートを示す図である。
包埋カセットに結合しない状態でX線顕微鏡観察した後の板状ワックスブロック試料から光学顕微鏡観察用ワックスブロックを調製する工程を示す図である。
光学顕微鏡による生体試料観察工程内にX線顕微鏡観察工程が組み込まれる態様を示す図である。
生体試料を用いて実際のX線顕微鏡三次元画像から位置情報を取得するための概要を示す図である。A:光学顕微鏡観察と同じ視点になるように編集したCTスライス。腎小体の位置を矢印で示す。B:腎小体の部分拡大。腎臓の病変確認に必要な内部構造が確認できる。C:撮像データを150°分に減らして得た腎小体の部分拡大CTスライス。全データの場合と本質的に同じ結果が得られた。
光学顕微鏡像(上)にある特徴的な細胞核を含む観察対象領域のうち、X線顕微鏡の基準スライス(下)には細胞核を含むその領域が存在しないが前後およそ20スライス以内には存在するような指標領域を10か所程度指定する工程を示す図である。各領域の位置を○印で示し、基準領域(Fiducial region)をF、指標領域(Marker region)をM1~10とラベルした。例として指標領域1の存在する指標スライス1を中央に挙げた。基準スライスには各指標領域をz投影した投影指標領域の位置を示してある。
注目領域の抽出から評価対象領域の立体的形状評価までの工程のフローチャートを示す図である。
X線顕微鏡の画像から画像処理により注目領域を抽出する工程を示す図である。
X線顕微鏡の画像から画像処理により病変部(評価対象領域)を抽出する工程を示す図である。
腎小体の光学顕微鏡画像(左)と対応する立体表示X線顕微鏡画像(中央)および病変部近傍の立体表示X線顕微鏡画像(右)を示す図である。病変部を点線で囲って示す。中央の立体表示において、腎小体の最も外側の濃茶色の部分がボーマン嚢壁、最も内側の丸い領域が糸球体、両者の間の空間がボーマン嚢内腔である。糸球体の半透明部分が低密度組織、不透明部分が高密度組織であり、両者は2値化により分離された。高密度組織は細胞が集まった領域であり、立体表示では奥行き方向に連続して見える。高密度組織のうち病変部として抽出した領域を白色で示す。右図において病変部(白色の部分)は正常な一本のメサンギウム細胞鎖(薄茶色の部分)から生じた複数の病変突起が融合して大きな複数突起融合型に成長している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像に基づき当該試料の評価対象領域を立体抽出する方法に関する。本発明の方法は、以下の工程を含む。
前記光学顕微鏡の画像と合致されたX線顕微鏡の画像から、評価対象領域を含む注目領域を抽出する工程と、
前記注目領域を2値化して、当該注目領域の中から、光学顕微鏡とX線顕微鏡の画像情報を相補的に利用することにより、評価対象領域をさらに抽出する工程。
【0010】
エネルギー4~12keVのX線を用いたX線顕微鏡により撮像されたワックスブロック包埋生体試料の画像と前記撮像後に光学顕微鏡により撮像された同一生体試料の同一測定箇所の画像とが合致された両画像から、評価対象領域を含む注目領域を抽出し、前記注目領域を2値化して、当該注目領域の中から、光学顕微鏡とX線顕微鏡の画像情報を相補的に利用することにより、評価対象領域をさらに抽出する態様を以下に示す。
(【0011】以降は省略されています)
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