公開番号2025108382 公報種別公開特許公報(A) 公開日2025-07-23 出願番号2024225268 出願日2024-12-20 発明の名称適応冷却通路を備えた付加製造燃焼器 出願人ジーイー・ベルノバ・テクノロジー・ゲーエムベーハー,GE Vernova Technology GmbH 代理人個人,弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所 主分類F02C 7/18 20060101AFI20250715BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備) 要約【課題】適応冷却通路を備えた付加製造燃焼器を提供する。 【解決手段】ガスタービンシステム用の燃焼器は、燃焼ライナ52を画定する一体型部材と、燃焼ライナ52の後部端における移行ピース54とを含む、付加製造(AM)燃焼器本体44を含む。燃焼器本体44の内側表面48上に、遮熱コーティング(TBC)100が配置される。適応冷却通路110は燃焼ライナ52および/または移行ピース54に画定される。各適応冷却通路100は、冷却空気源と流体連通する開放端112と、内側表面48から距離を隔てて本体44内に設けられた終端端114とを含む。TBC100のスラグ120が終端端114に隣接する位置で発生し、本体44の高温が所定の温度に達するか、またはそれを超えると、終端端114は、距離を介してその位置で開き、AM燃焼器本体44の内部に冷却空気の流れを可能にする。 【選択図】図5 特許請求の範囲【請求項1】 ガスタービンシステム(10)用の燃焼器(40)であって、 一体型部材(50)を含む付加製造(AM)燃焼器本体(44)であって、前記一体型部材(50)は、燃焼ライナ(52)と、前記燃焼ライナ(52)の後部端における移行ピース(54)とを含み、前記AM燃焼器本体(44)が、内側表面(48)を有し、複数の平行な焼結金属層(92)を含む、前記AM燃焼器本体(44)と、 前記内側表面(48)上に施された遮熱コーティング(100)であって、前記遮熱コーティング(100)は高温を有する作動流体(26)に露出する、前記遮熱コーティング(100)と、 前記燃焼ライナ(52)および前記移行ピース(54)の少なくとも一方に画定された少なくとも1つの適応冷却通路(110)であって、各適応冷却通路(110)は、冷却空気源(80)と流体連通する開放端(112)と、前記内側表面(48)から距離を隔てた前記AM燃焼器本体(44)内の終端端(114)とを含む、前記少なくとも1つの適応冷却通路(110)と、 を含み、 前記終端端(114)に隣接する位置で発生した前記遮熱コーティング(100)のスポール(120)と、前記AM燃焼器本体(44)の所定温度に達する、またはそれを超える高温とに応答して、前記終端端(114)は、前記AM燃焼器本体(44)の内部まで冷却空気を通すために、前記距離を隔てた位置で開く、燃焼器(40)。 続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】 前記AM燃焼器本体(44)は、前記燃焼ライナ(52)の少なくとも一部を取り囲む少なくとも1つのフロースリーブ(82)と、前記AM燃焼器本体(44)と一体の少なくとも1つの軸方向燃料段(AFS)噴射器マウント(57)と、をさらに含む、請求項1に記載の燃焼器(40)。 【請求項3】 前記少なくとも1つのAFS噴射器マウント(57)の少なくとも一部に隣接して延び、前記少なくとも1つの適応冷却通路(110)と流体連通する冷却通路(126)をさらに含む、請求項2に記載の燃焼器(40)。 【請求項4】 前記冷却空気源(80)は、前記少なくとも1つのフロースリーブ(82)と前記燃焼ライナ(52)または前記移行ピース(54)の外側との間に流路(86)を含む、請求項2に記載の燃焼器(40)。 【請求項5】 前記AM燃焼器本体(44)は、前記少なくとも1つのフロースリーブ(82)内に、前記少なくとも1つのフロースリーブ(82)の前部端(60)から前記少なくとも1つのAFS噴射器(56)まで長手方向に延びる少なくとも1つの燃料通路(90)を含む、請求項2に記載の燃焼器(40)。 【請求項6】 前記AM燃焼器本体(44)は、前記移行ピース(54)の後部端に後部フレーム(70)をさらに含む、請求項2に記載の燃焼器(40。 【請求項7】 前記AM燃焼器本体(44)の前部端(60)に結合された別個のヘッド端部燃料ノズルアセンブリ(58)をさらに含む、請求項1に記載の燃焼器(40)。 【請求項8】 ガスタービン(GT)システム(10)であって、 圧縮機セクション(17)と、 前記圧縮機セクション(17)に動作可能に結合された燃焼セクション(23)と、 前記燃焼セクション(23)に動作可能に結合されたタービンセクション(29)と、 を含み、 燃焼セクション(23)は、少なくとも1つの燃焼器(40)を含み、 前記少なくとも1つの燃焼器(40)は、 一体型部材(50)を含む付加製造(AM)燃焼器本体(44)であって、前記一体型部材(50)は、燃焼ライナ(52)と、前記燃焼ライナ(52)の後部端に位置する移行ピース(54)とを含み、前記AM燃焼器本体(44)は内側表面(48)を有し、複数の平行な焼結金属層(92)を含む、前記AM燃焼器本体(44)と、 前記内側表面(48)上の遮熱コーティング(100)であって、前記遮熱コーティング(100)は高温を有する作動流体(26)に露出する、前記遮熱コーティング(100)と、 前記燃焼ライナ(52)および前記移行ピース(54)の少なくとも一方に画定された少なくとも1つの適応冷却通路(110)であって、各適応冷却通路(110)は、冷却空気源(80)と流体連通する開放端(112)と、前記内側表面(48)から距離を隔てた前記AM燃焼器本体(44)内の終端端(114)とを含む、前記少なくとも1つの適応冷却通路(110)と、 を含み、 前記終端端(114)に隣接する位置で発生する前記遮熱コーティング(100)のスポール(120)と、前記AM燃焼器本体(44)の所定温度に達する、またはそれを超える高温とに応答して、前記終端端(114)は、前記AM燃焼器本体(44)の内部まで冷却空気を通すために、前記距離を隔てた位置で開く、GTシステム(10)。 【請求項9】 前記AM燃焼器本体(44)は、前記燃焼ライナ(52)の少なくとも一部を取り囲む少なくとも1つのフロースリーブ(82)と、前記AM燃焼器本体(44)と一体の少なくとも1つの軸方向燃料段(AFS)噴射器マウント(57)とをさらに含む、請求項8に記載のGTシステム(10)。 【請求項10】 前記少なくとも1つのAFS噴射器マウント(57)の少なくとも一部に隣接して延び、前記少なくとも1つの適応冷却通路(110)と流体連通する冷却通路(126)をさらに含む、請求項9に記載のGTシステム(10)。 (【請求項11】以降は省略されています) 発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、概してターボ機械の燃焼器に関し、より具体的には、適応的(アダプティブ)に開口する冷却通路(an adaptively opening cooling passage:適応的に開口する冷却通路)を備えた付加製造された燃焼器部品(additively manufactured combustor component:付加製造燃焼器構成要素)に関する。 続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】 【0002】 ガスタービンシステムは、燃料が燃焼されて燃焼ガス流が生じ、その流れが下流のタービンで運動エネルギーに変換される複数の燃焼器を含む燃焼セクションを含む。各燃焼器では、燃焼室を全体的に画定する燃焼ライナおよび移行ピースが、高温の作動流体、例えば燃焼ガスに曝される。燃焼ライナまたは移行ピースの内側表面には、部品を保護するための遮熱コーティング(TBC:thermal barrier coating)が施され、燃焼ライナおよび/または移行ピースの外側には、部品を冷却するために冷却用空気が通される場合がある。 【0003】 特定の燃焼器が現場で運用される前に、多くのモデルやシミュレーションが実行される可能性があるが、燃焼器が到達する可能性のある正確な温度は、燃焼器特有の高温および低温の場所、使用される燃料、冷却空気の温度および流量など、さまざまな要因により大きく異なる。具体的には、燃焼器は、過熱(overheating)により悪影響を受ける可能性がある温度依存特性を有している可能性がある。冷却が不十分な場合、燃焼ライナまたは移行ピースに過度の応力や酸化が生じ、疲労や損傷につながる可能性がある。燃焼ライナまたは移行ピースのTBCに破損や亀裂(スポールと呼ばれる)が生じると、スポール部分の局所温度が有害な温度まで上昇する可能性がある。この状況は、スポールが発生した位置に燃焼ライナまたは移行ピース内に内部冷却通路が存在する場合でも生じることがある。燃焼ガスに曝される部品の冷却技術の改善が望まれている。 【発明の概要】 【0004】 以下に述べるあらゆる側面、例、および特徴は、技術的に可能なあらゆる方法で組み合わせることができる。 【0005】 本開示の一態様は、ガスタービンシステム用の燃焼器(a combustor for a gas turbine system)を提供し、前記燃焼器は、一体型部材を含む付加製造(AM)燃焼器本体(an additively manufactured (AM) combustor body including a one-piece member)を含む。前記一体型部材は、燃焼ライナ(a combustion liner)と前記燃焼ライナの後部端の移行ピース(a transition piece at an aft end of the combustion liner)とを含む。前記AM燃焼器本体は、内側表面を有し、複数の平行な焼結金属層を含み(the AM combustor body has an inner surface and includes a plurality of parallel, sintered metal layers)、前記内側表面上に遮熱コーティングが設けられ(a thermal barrier coating over the inner surface)、前記遮熱コーティングは、高温の作動流体に曝され(the thermal barrier coating exposed to a working fluid having a high temperature)、少なくとも1つの適応冷却通路が、前記燃焼ライナと前記移行ピースの少なくとも一方に画定され(at least one adaptive cooling passage defined in at least one of the combustion liner and the transition piece)、各適応冷却通路は、冷却空気源と流体連通する開放端と、前記AM燃焼器本体内で前記内側表面からある距離を隔てた終端端とを含み(each adaptive cooling passage includes an open end in fluid communication with a coolant air source and a terminating end in the AM combustor body spaced from the inner surface by a distance)、遮熱コーティングにおけるスポールが前記終端端に隣接する位置で発生し、前記高温が前記AM燃焼器本体の所定温度に達するかまたはそれを超えることに応答して、前記終端端が前記距離を隔てた位置で開き、前記AM燃焼器本体の内部まで前記冷却空気の流れを通す(in response to a spall in the thermal barrier coating occurring at a location adjacent the terminating end and the high temperature reaching or exceeding a predetermined temperature of the AM combustor body, the terminating end opens at the location through the distance to allow a flow of the coolant air through to an inside of the AM combustor body)。 【0006】 本開示の別の態様は、前述のいずれかの態様を含み、前記AM燃焼器本体は、前記燃焼ライナの少なくとも一部を取り囲む少なくとも1つのフロースリーブと、前記AM燃焼器本体と一体の少なくとも1つの軸方向燃料段(AFS)噴射器マウントとをさらに含む(the AM combustor body further includes at least one flow sleeve surrounding at least part of the combustion liner and at least one axial fuel stage (AFS) injector mount integral with the AM combustor body)。 【0007】 本開示の別の態様は、前述のいずれかの態様を含み、さらに、前記少なくとも1つのAFS噴射器マウントの少なくとも一部に隣接して延び、前記少なくとも1つの適応冷却通路と流体連通する冷却通路(a cooling passage that extends adjacent at least a portion of the at least one AFS injector mount and is in fluid communication with the at least one adaptive cooling passage)を含む。 【0008】 本開示の別の態様は、前述のいずれかの態様を含み、前記冷却空気源は、前記少なくとも1つのフロースリーブと前記燃焼ライナまたは前記移行ピースの外側との間の流路を含む(the coolant air source includes a flow passage between the at least one flow sleeve and an exterior of the combustion liner or the transition piece)。 【0009】 本開示の別の態様は、前述のいずれかの態様を含み、前記AM燃焼器本体は、前記少なくとも1つのフロースリーブ内で、その前部端から前記少なくとも1つのAFS噴射器まで長手方向に延びる少なくとも1つの燃料通路を含む(the AM combustor body includes at least one fuel passage extending longitudinally in the at least one flow sleeve from a forward end thereof to the at least one AFS injector)。 【0010】 本開示の別の態様は、前述のいずれかの態様を含み、前記AM燃焼器本体は、前記移行ピースの後部端に後部フレームをさらに含む(the AM combustor body further includes an aft frame at an aft end of the transition piece)。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する