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公開番号2025103463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220872
出願日2023-12-27
発明の名称ウォータージャケットスペーサ構造
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人
主分類F02F 1/14 20060101AFI20250702BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】製造時におけるウォータージャケットへの挿入が簡便であり、且つ、エンジンの駆動時におけるボア上部を十分に冷却可能なウォータージャケットスペーサ構造を提供する。
【解決手段】ウォータージャケットに挿入されるウォータージャケットスペーサ12は、樹脂材料を用いて形成されたスペーサ本体部材120と、当接部材121と、伸縮部材122とを備える。当接部材121は、金属材料を用いて形成されている。当接部材121は、ウォータージャケットに冷却液が充填されていない状態でシリンダボア壁11の外壁面11aに対して離間した第1姿勢をとり、ウォータージャケットに冷却液が充填された状態でシリンダボア壁11の外壁11aに対して当接した第2姿勢をとる、ように構成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンのシリンダボア壁の外壁面とシリンダブロックの内壁面との間に形成されたウォータージャケットに挿入されるウォータージャケットスペーサであって、
前記エンジンのシリンダボアにおける上死点側を上、下死点側を下とする場合に、
前記ウォータージャケットの上部において前記内壁面に相対的に寄った上壁部と、前記上壁部に接続されるとともに、前記ウォータージャケットの下部において前記内壁部に相対的に寄った下壁部とを有するスペーサ本体部材と、
前記スペーサ本体部材の前記上壁部に一端が固定されるとともに、前記外壁面に対して離間した第1姿勢と、前記外壁面に当接する第2姿勢とで姿勢変化可能であって、且つ、前記スペーサ本体部材および前記シリンダボア壁よりも高い熱伝導性を有する長尺状の当接部材と、
を備え、
前記当接部材は、前記ウォータージャケットに冷却液が充填されず、前記エンジンが駆動していない状態で前記第1姿勢をとり、前記ウォータージャケットに前記冷却液が充填され、前記エンジンが駆動している状態で前記第2姿勢をとる、ように構成されている、
ウォータージャケットスペーサ構造。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記当接部材の他端に固定され、前記当接部材が前記第1姿勢をとるように収縮した状態と、前記当接部材が前記第2姿勢をとるように伸張した状態との間で変化可能な伸縮部材をさらに備える、
請求項1に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項3】
前記伸縮部材は、セルローススポンジまたはバイメタルを用いて形成されている、
請求項2に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項4】
前記スペーサ本体部材は、前記上壁部と前記下壁部とを接続する接続壁部をさらに有し、
前記接続壁部は、前記当接部材の挿通を許す貫通孔を有し、
前記伸縮部材は、前記接続壁部よりも下方に配置されている、
請求項2に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項5】
前記スペーサ本体部材は、前記上壁部と前記下壁部とを接続する接続壁部をさらに有し、
前記伸縮部材は、前記接続壁部上または前記接続壁部よりも上方に配置されている、
請求項2に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項6】
前記スペーサ本体部材は樹脂材料を用いて形成されており、
前記当接部材は金属材料を用いて形成されている、
請求項2に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項7】
前記当接部材は、弾性域内で前記第1姿勢から前記第2姿勢へと姿勢変化するように構成されている、
請求項6に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項8】
前記当接部材は、形状記憶合金を用いて形成されており、当該当接部材の温度が所定温度未満の場合に前記第1姿勢をとり、前記冷却液の温度上昇に伴って当該当接部材の温度が所定温度以上となった場合に前記第2姿勢をとるように構成されている、
請求項1に記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項9】
前記当接部材は、1つのシリンダボア壁に対して周方向に分散された状態で複数設けられている、
請求項1から請求項8の何れかに記載のウォータージャケットスペーサ構造。
【請求項10】
前記エンジンは、気筒列方向に複数のシリンダボアが配列された直列多気筒エンジンであり、
前記当接部材は、シリンダボア壁の外壁面におけるシリンダボア同士の間の部分に対して当接可能に配置されている、
請求項1から請求項8の何れかに記載のウォータージャケットスペーサ構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのウォータージャケットに挿入されるウォータージャケットスペーサの構造に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
水冷式のエンジンでは、シリンダボア壁の外側に形成されたウォータージャケットを備える。ウォータージャケットには、シリンダボアの温度調整を図るためにウォータージャケットスペーサが挿入される場合がある。例えば、特許文献1には、スペーサ本体と保温材と弾性体との組み合わせからなるウォータージャケットスペーサが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示のウォータージャケットスペーサは、所定温度を境に伸縮する弾性体を有する。このウォータージャケットスペーサは、弾性体が収縮した状態で厚み寸法がウォータージャケットの幅寸法よりも小さくなるように構成されている。このように弾性体を収縮させた状態でウォータージャケットに対してウォータージャケットスペーサを挿入することにより、高い作業性を確保できるとされている。
【0004】
一方、エンジンの駆動時には、ウォータージャケット内の冷却液の温度が上記所定温度以上となる場合がある。このような状態では、ウォータージャケットスペーサの弾性体が伸張状態へと遷移する。これにより、スペーサ本体を挟んで弾性体とは反対側に設けられた保温材がシリンダボア壁の外壁面に押し付けられることになる。特許文献1では、エンジン駆動時において保温材をシリンダボア壁の外壁面に当接させることで、シリンダボアの温度低下を抑制することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-198094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、エンジン駆動時におけるシリンダボアの温度は、上死点側(ボア上部)で高く、下死点側(ボア下部)で低くなる。このようなボア上部とボア下部との温度の不均衡を是正することができるウォータージャケットスペーサも開発されている。具体的には、ウォータージャケットにおけるボア上部を取り囲む部分で流路幅が広く、ボア下部を取り囲む部分で流路幅が狭くなるように、気筒軸方向の上下でシリンダボア壁の外壁面との間隔が相違するウォータージャケットスペーサが開発されている。
【0007】
しかしながら、従来のウォータージャケットスペーサは、変形や冷却液の流動によるガタツキなどのためシリンダボア壁の外壁面に対する間隔が不所望に変化してしまう場合が生じ得る。特に、ウォータージャケットの気筒軸方向上部において、ウォータージャケットスペーサの変形やガタツキなどにより流路幅が変化してしまった場合には、ボア上部の冷却を十分に行うことができない。
【0008】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、製造時におけるウォータージャケットへの挿入が簡便であり、且つ、エンジンの駆動時におけるボア上部を十分に冷却可能なウォータージャケットスペーサ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るウォータージャケットスペーサの構造は、エンジンのシリンダボア壁の外壁面とシリンダブロックの内壁面との間に形成されたウォータージャケットに挿入されるウォータージャケットスペーサであって、前記エンジンのシリンダボアにおける上死点側を上、下死点側を下とする場合に、前記ウォータージャケットの上部において前記内壁面に相対的に寄った上壁部と、前記上壁部に接続されるとともに、前記ウォータージャケットの下部において前記内壁部に相対的に寄った下壁部とを有するスペーサ本体部材と、前記スペーサ本体部材の前記上壁部に一端が固定されるとともに、前記外壁面に対して離間した第1姿勢と、前記外壁面に当接する第2姿勢とで姿勢変化可能であって、且つ、前記スペーサ本体部材および前記シリンダボア壁よりも高い熱伝導性を有する長尺状の当接部材と、を備え、前記当接部材は、前記ウォータージャケットに冷却液が充填されず、前記エンジンが駆動していない状態で前記第1姿勢をとり、前記ウォータージャケットに前記冷却液が充填され、前記エンジンが駆動している状態で前記第2姿勢をとる、ように構成されている。
【0010】
上記態様に係るウォータージャケットスペーサ構造では、ウォータージャケットスペーサが当接部材を備え、当該当接部材が第1姿勢と第2姿勢とをとることができるように構成されている。具体的に、当接部材は、冷却液が充填されていない状態(例えば、エンジンの組み立て時など。)ではシリンダボア壁の外壁面から離間する第1姿勢をとるように構成されている。このため、エンジンの組み立て時などにおいて、シリンダブロックのウォータージャケットにウォータージャケットスペーサを挿入する場合には、ウォータージャケットスペーサがシリンダボア壁の外壁面やシリンダブロックの内壁面に当接するのを抑制することができる。よって、上記態様に係るウォータージャケットスペーサ構造を採用すれば、エンジンの組み立て時における高い作業性を確保できるとともに、ウォータージャケットスペーサのスペーサ本体部材が変形したり破損したりするのを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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