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公開番号2025108697
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025070663,2022516587
出願日2025-04-22,2020-05-23
発明の名称ALTがんの処置
出願人フンダサーオ・ジーアイエムエム-グルベンキアン・インスティテュート・フォー・モレキュラ・メディシン,チルドレンズ メディカル リサーチ インスティテュート
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 45/00 20060101AFI20250715BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明の開示は、一般的に、テロメア代替伸長(ALT)がんの処置を含む、がん及びがんの処置に関する。
【解決手段】本開示は、FANCMの活性又は発現を阻害する工程、例えば、FANCMとRMIとの相互作用及び/又はFANCMのATPアーゼ活性を阻害して、ALT腫瘍細胞の成長及び/又は増殖を阻害するか、及び/又はATL腫瘍細胞の死を誘発する工程を含む方法を提供する。本方法は、ALT腫瘍と診断されている患者に実施することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
テロメア代替伸長(ALT)細胞の生存能及び/又はALT細胞の成長を阻害する方法であって、前記ALT細胞におけるファンコーニ貧血相補群M(FANCM)の発現又は活性を低減させる工程を含む、方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
FANCMの発現又は活性が、FANCMアンタゴニストを個体に投与することによって低減される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記FANCMアンタゴニストが、FANCMの1つ又は複数の活性を阻害する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記FANCMアンタゴニストが、900Da以下の分子量を有する有機化合物である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記FANCMアンタゴニストが、FANCMに特異的に結合する抗体分子又はアプタマーである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記FANCMアンタゴニストが、FANCMの発現を低減させる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記FANCMアンタゴニストが、サプレッサー核酸である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サプレッサー核酸が、siRNA又はshRNAである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記サプレッサー核酸が、配列番号32の15~40ヌクレオチドの連続する配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サプレッサー核酸が、配列番号3又は配列番号4のヌクレオチド配列を含む、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月24日に出願されたオーストラリア仮出願第2019901766号;及び2019年5月28日に出願された英国出願第1907518.3号の優先権を主張し、これらはどちらも、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
続きを表示(約 3,700 文字)【0002】
配列表に関する陳述
本出願に関連する配列表は、紙コピーの代わりにテキストフォーマットで提供され、参照により本明細書に組み入れられる。配列表を含むテキストファイルの名称は、PCT Sequence Listing_TREATMENT OF ALT CANCERS.txt.である。テキストファイルは約305KBであり、これは2020年5月20日に作成されたものであり、本明細書の記載の一部として電子的に提出される。
【0003】
本発明の開示は、一般的に、がん、及びテロメア代替伸長(ALT)がんの処置を含むがんの処置に関する。
【背景技術】
【0004】
ゲノムの完全性は、正常細胞において部分的にテロメアによって維持される。継続的な細胞分裂を介してテロメアを連続的に短縮化することは、染色体の不安定性を誘発する。複製による不死化はしばしば、テロメアの短縮化を克服することによってがん細胞により達成される。テロメアの短縮化は、がん細胞の大多数を含む不死細胞において、老化又は死を回避するために打ち消さなければならない
1
。がん細胞の大半において、テロメアの長さは、テロメラーゼによって維持される。ヒトがんのおよそ90%は、逆転写酵素であるテロメラーゼを再活性化した状態であり、それにより新たに合成されたテロメア反復配列が直鎖状染色体の3'末端に付加される
2、3
。不死がん細胞の約10~15%はテロメラーゼ陰性であり、テロメラーゼとは独立した戦略によってテロメアを補充し、これは、テロメア代替伸長(Alternative Lengthening of Telomeres;ALT)(Bryanら、1995年及びBryanら、1997年)又はALT経路と総称される
4
。ヒトにおいて、ALTは、骨肉種、脂肪肉腫、膠芽腫、星細胞腫、及び膀胱癌等の間葉系又は上皮起源の腫瘍、加えてインビトロの不死化細胞株で報告されている
4~8

【0005】
ALTのマーカーとみなされる分子の特徴は、i)異なる染色体末端で不均一な長さを有するテロメア、例えばテロメラーゼ陽性細胞における平均的なテロメアより一層長いテロメア等
8
;ii)テロメアの長い非コードRNA(IncRNA)TERRAのレベルの上昇
9~13
;iii)ALT関連PML体(APB)、前骨髄球性白血病タンパク質(PML)を含有する核構造、テロメア因子、例えばTRF1、TRF2及びRAP1、TERRA、並びにDNA修復因子、例えばRAD51、RAD52、複製タンパク質A(RPA)、Brcal、及びBloom(BLM)並びにウェルナーヘリカーゼへの、複数のテロメアのクラスター化
11、14~19
;iv)二本鎖(ds)、サークル(tサークル)、部分的に一本鎖の(ss)サークル(C及びGサークル)及び直鎖状dsDNAを含む、豊富な染色体外テロメア反復配列(ECTR)
20~23
;v)X連鎖アルファサラセミア/精神遅滞(ATRX)遺伝子の反復突然変異を含む
12

【0006】
ALT細胞は、致死又はテロメラーゼ陽性細胞と比較して上昇したDNA傷害のレベルを特徴とし、これは、ALT細胞においてテロメアの複製ストレスが高まったことを示す。これは、テロメアの構造的な完全性における累積的な欠陥が原因である。頻繁な、又は持続的な複製フォークの失速は、DNAにおいてニック及び破断を引き起こすことから、ALTメカニズムは、失速した複製フォークから生じ、これが劣化して二本鎖破断(DSB)を形成し、次いで相同組換え修復経路の参加のための基質を提供し、破断によって誘発されたテロメア合成で終わるという仮説が立てられた。それゆえにALTテロメアは、テロメア保護と、テロメアの傷害と、修復活性との絶妙なバランスを達成し、このバランスの崩壊は、ALTメカニズムを調節不全にする可能性を有する。
【0007】
ALT細胞では、複数のDNA代謝経路が協働して、テロメアを維持する。細胞周期のG2期では、破断によって誘発された複製(BIR)はALTテロメアにおいて活性であり、テロメアに係留されたDNAエンドヌクレアーゼTRF1-FokIを使用して実験的に誘発されたDSBによって刺激される
24、25
。ALT BIRは、DNAポリメラーゼデルタの2つの調節サブユニットであるPOLD3及びPOLD4を必要とする
24、25
。ヒトALT細胞では保存的な有糸分裂DNA合成(MiDAS)も証明された
26
。ALT MiDASは、複製ストレスによって刺激され、RAD52を必要とする
2S
。最終的に、APB内でのALTテロメアのクラスター化は、RAD51依存性の長期にわたる動きによって促進され、これはまた、TRF1-FokIによって誘発されたDSBによっても刺激される
27
。テロメアの動きは、ALT BIR及びMiDASはどちらもRAD51から独立しているにもかかわらず、効率的な相同性検索及びテロメア合成を促進することができる
25、26

【0008】
全てのこの研究から得られる共通の観念は、テロメア伸長を促進するために、持続的な生理学的傷害はALTテロメアで維持されなければならないことである。これは、APBにおける複製ストレス及びDNA傷害のマーカーの存在と一致する
11,14~18
。この傷害の誘因は不明瞭なままであるが、候補として、RNA:DNAハイブリッド(Rループ)、G四重鎖及びオンコジーン発現が提唱されていた
11、26
。このシナリオは、テロメアの傷害レベルはDNA合成ベースの修復を開始させる程度に十分に高いが、細胞死を誘発するほど高すぎない特定の閾値範囲内に維持されることを必然的に伴う。一貫して、TERRAによって形成されたテロメアのRループ(telRループ)及びテロメアのDNAは、ALTテロメアで複製ストレスを活性化し、そのレベルは、エンドリボヌクレアーゼRNアーゼHIによって厳密に制御される
11、28
。RNアーゼHIが枯渇すると、過剰な複製ストレスは、豊富なテロメア非含有染色体末端(TFE)及びCサークルの増加を迅速に引き起こす。逆に言えば、RNアーゼHIの過剰発現は、進行性のTFE蓄積の原因となり、これは、テロメアDNAの非効率的なデノボ合成に起因する可能性がある
11
。また、クロマチンサブファミリーA様タンパク質1(SMARCAL1)のDNA傷害シグナル伝達キナーゼATM及びRad3関連(ATR)及びアニーリングヘリカーゼSWI/SNF関連マトリックス結合アクチン依存性調節因子も、ALTテロメアで複製ストレスを制限することが報告された
29、30

【0009】
ファンコーニ貧血相補群M(FANCM)ATPアーゼ/トランスロカーゼは、ファンコーニ貧血(FA)複合体の成分であり、これは、DNA架橋等の物理的な障害によって、複製フォークが失速したとき効率的なFANCD2ユビキチン化を維持する
31
。FA複合体とは独立して、FANCMは、複製フォークをリモデリングし、傷害部位にDNA修復因子を補充し、減数分裂乗換えを抑制し、ATRチェックポイント活性化を容易にする
32~35
。更に、FANCMのATPアーゼ/トランスロカーゼ活性は、インビトロでRNA:DNAハイブリッドを解き、そのRループは、FANCM欠損細胞中にゲノム規模で蓄積する
36

【0010】
FANCMは、失速した複製フォークの安定化における不可欠な因子である。FANCMは、そのN及びC末端に2つのDNA結合ドメインを含有し、その間に3つの高度に保存された領域(MM1~MM3)がある。MM1ドメインは、DNA鎖間架橋(ICL)修復に必須なマルチサブユニットのユビキチンリガーゼであるFAコア複合体を補充し、一方でMM2ドメインは、BLM-TOP3A-RMI(BTR)のRMI1-RMI2部分複合体と直接結合する。BTR複合体は、BLMヘリカーゼ活性、TOP3A脱連環活性、分枝点移動及び全体的な溶解酵素(dissolvase)活性を含み、FANCM及びBTRは協働して、失速したフォークを後退させ、したがってそれを安定化できることが示唆されている。失速した複製フォークにおけるFANCM保持は、それと機能的なBTR複合体との相互作用に依存するが、FAコア複合体との相互作用には依存しない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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