TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025109592
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-25
出願番号
2024003577
出願日
2024-01-12
発明の名称
有価金属の回収方法
出願人
三井金属鉱業株式会社
代理人
弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類
C22B
11/00 20060101AFI20250717BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】有価金属及びスズを含む被処理物からスズと有価金属とを効率よく分離して回収することができる方法を提供すること。
【解決手段】本発明の有価金属の回収方法は、不溶性のスズ化合物及びスズ以外の有価金属の不溶性化合物を含む被処理物と、水酸化ナトリウムの濃度が1000g/L以上である処理剤とを含む混合物を90℃以上に加熱した後、スズを水相に浸出させるとともに、水相に浸出されない前記有価金属を回収する。スズ1モルに対して水酸化ナトリウムを8モル以上26モル以下用いることが好適である。加熱後の前記混合物と、40℃以上90℃以下の温水とを混合して、スズを該温水に浸出させることも好適である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
不溶性のスズ化合物及びスズ以外の有価金属の不溶性化合物を含む被処理物と、水酸化ナトリウムの濃度が1000g/L以上である処理剤とを含む混合物を90℃以上に加熱した後、スズを水相に浸出させるとともに、水相に浸出されない前記有価金属を回収する、有価金属の回収方法。
続きを表示(約 290 文字)
【請求項2】
スズ1モルに対して水酸化ナトリウムを8モル以上26モル以下用いる、請求項1に記載の回収方法。
【請求項3】
加熱後の前記混合物と、40℃以上90℃以下の温水とを混合して、スズを該温水に浸出させる請求項1又は2に記載の回収方法。
【請求項4】
加熱後の前記混合物と水とを混合した液に、スズに対する還元能を有さず且つ前記有価金属に対する還元能を有する還元剤を添加して、スズと前記有価金属とを分離する、請求項1又は2に記載の回収方法。
【請求項5】
前記有価金属が白金族金属を含む、請求項1又は2に記載の回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スズ及びスズ以外の有価金属を含む被処理物から有価金属を分離し回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
触媒や電子材料などに用いられる白金族金属は資源的に稀少であることや製錬時の環境負荷が大きいことからリサイクルが積極的に行われている。リサイクルの対象となる被処理物には白金族金属に加えてスズなどの不純物が含まれることがある。したがって白金族金属をリサイクルするためには、スズなどの不純物を白金族金属から分離することが必要となる。そのような技術の一つとして例えば特許文献1には、白金族元素並びに不純物元素としてのビスマス、スズ及びアンチモンを含有する白金族溶解液から不純物元素を分離する方法が提案されている。この方法においては、先ず、白金族元素の溶解液に塩化カリウムを添加して白金族元素をカリウム塩とし、得られた白金族カリウム塩に希塩酸を加えて混合洗浄した後、洗浄後のカリウム塩に水酸化ナトリウム水溶液を加えてカリウム塩中和澱物を得る。次いでこのカリウム塩中和澱物に水酸化ナトリウムと酸化剤を添加して浸出し、回収した浸出残渣に塩酸を添加して溶解することにより白金族水酸化物溶解液を得ている。
【0003】
特許文献2には、パラジウム及びスズ並びにこれらの化合物を含有する酸性水溶液からパラジウム及びスズを分離回収する方法が提案されている。この方法では、パラジウム及びスズ並びにこれらの化合物を含有する酸性水溶液のpHを3以上とする工程(1)と、工程(1)で得られたpH3以上の水溶液に、アルカリと、還元剤及び金属捕集剤の少なくとも一方とを添加してpH6~10とし、パラジウム含有沈殿物及びスズ含有沈殿物を形成させる工程(2)と、工程(2)で得られたパラジウム含有沈殿物及びスズ含有沈殿物を固液分離して回収する工程(3)とが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-172182号公報
特開2017-226896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
白金族金属のリサイクル対象物の一つして、白金族金属及びスズを含むアノードスライムがある。アノードスライムから白金族金属とスズとを分離するに当たっては従来、塩酸などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いた浸出法が用いられていた。しかし、これらの浸出法では、スズの浸出率が低く、また白金族金属の浸出率が高いことから、効率よく白金族金属とスズとを分離できなかった。
したがって本発明の課題は、白金族金属等の有価金属及びスズを含む被処理物から効率よくスズと有価金属とを分離して回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、不溶性のスズ化合物及びスズ以外の有価金属の不溶性化合物を含む被処理物と、水酸化ナトリウムの濃度が1000g/L以上である処理剤とを含む混合物を90℃以上に加熱した後、スズを水相に浸出させるとともに、水相に浸出されない前記有価金属を回収する、有価金属の回収方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、白金族金属等の有価金属及びスズを含む被処理物からスズと有価金属とを効率よく分離して回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例で用いた被処理物であるアノードスライムのX線回折測定の結果を表す回折チャートである。
図2は、実施例で用いた被処理物であるアノードスライムと、濃厚水酸化ナトリウム水溶液との混合物を加熱した後に、X線回折測定をした結果を表す回折チャートである。
図3は、実施例で用いた被処理物であるアノードスライムと、濃厚水酸化ナトリウム水溶液との混合物を加熱し温水浸出させて固液分離した後に、X線回折測定をした結果を表す回折チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は、不溶性のスズ化合物及びスズ以外の有価金属の不溶性化合物を含む被処理物からスズと有価金属とを分離して回収する方法に関する。本発明の回収方法は、その好ましい実施形態として、以下の(a)から(c)の工程を有する。
(a)混合工程:不溶性のスズ化合物及びスズ以外の有価金属の不溶性化合物を含む被処理物と、水酸化ナトリウムを含む処理剤とを混合して混合物を得る。
(b)加熱工程:前記混合物を加熱して、被処理物に含まれる不溶性の前記スズ化合物から水溶性のスズ化合物を生成させる。
(c)浸出工程:水溶性のスズ化合物と水とを混合して、スズを水相に浸出させるとともに、水相に浸出されない有価金属を回収する。
以下、それぞれの工程について説明する。
【0010】
<(a)混合工程>
本工程においては、先ず被処理物を準備する。被処理物は、不溶性のスズ化合物及びスズ以外の有価金属の不溶性化合物を含む。
有価金属としては、例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウム等の白金族金属、並びに銅等の白金族金属以外の遷移金属が挙げられるが、これらに限られない。
被処理物の例としては、リン青銅からなる母材の表面に白金族金属がめっきされてなる導電体(例えばリードフレーム等)の溶融物から得られる金属板を電解して、該金属板中の銅を溶出させて回収したときの残渣であるアノードスライムが挙げられる。このアノードスライムには、スズ及び白金族金属が含まれる。あるいは、浮遊選鉱による鉛精鉱や飛灰の処理過程で生じる鉛含有残渣が挙げられる。この残渣にはスズや銅がそれぞれ数質量%ないし数十質量%程度含まれている。しかし、被処理物の種類はこれらに限られない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
三井金属鉱業株式会社
有価金属の回収方法
10日前
三井金属鉱業株式会社
ロジウムの回収方法
10日前
三井金属鉱業株式会社
画像処理装置、及び画像処理方法
26日前
三井金属鉱業株式会社
研磨材スラリー及びその研磨方法
27日前
株式会社プロテリアル
焼結体
5か月前
宏幸株式会社
金属回収方法
3か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
3か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼材
2か月前
ハイモ株式会社
水中金属の回収除去方法
6か月前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
5か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
4か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
4か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
4か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
6か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
6か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
日本製鉄株式会社
線材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
10日前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
6か月前
大同メタル工業株式会社
摺動材料
3日前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
国立大学法人東北大学
腐食環境用銅合金
5か月前
JFEスチール株式会社
浸炭鋼部品
4か月前
住友金属鉱山株式会社
銅の製造方法
26日前
日本製鉄株式会社
鉄道車輪
2か月前
日本製鉄株式会社
鉄道車輪
2か月前
JFEスチール株式会社
亜鉛回収方法
28日前
日本製鉄株式会社
めっき鋼線
6か月前
日本精線株式会社
銅合金
4か月前
NTN株式会社
転動部材
5か月前
JFEスチール株式会社
鋼および鋼部品
3日前
続きを見る
他の特許を見る