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公開番号2025110962
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005052
出願日2024-01-17
発明の名称ジオポリマー組成物、及び、ジオポリマー硬化物
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類C04B 28/26 20060101AFI20250723BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】フライアッシュ、及び、高炉スラグを代替する活性フィラーを用いたジオポリマー組成物を提供する。
【解決手段】ジオポリマー組成物は、活性フィラーとアルカリ活性剤と水とを含み、活性フィラーは、アモルファスシリカ粉末と、γ-Al2O3、(SiO2)3・Al2O3、及び、Al(OH)3からなる群から選ばれる少なくとも1つからなるAl系無機粉末とを含み、アルカリ活性剤は、ケイ酸ナトリウム、及び/又は、ケイ酸カリウムからなるケイ酸アルカリ金属塩と、NaOH、及び/又は、KOHからなるアルカリ金属水酸化物とを含む。このため、活性フィラーの一部、又は、全部がSi系活性フィラー、及び、Al系活性フィラーによって代替されている。これにより、フライアッシュ、及び、高炉スラグの有する将来的な活性フィラーの供給の不安定さに対応することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
活性フィラーとアルカリ活性剤と水とを含み、
前記活性フィラーは、
アモルファスシリカ粉末と、
γ-Al



、(SiO



・Al



、及び、Al(OH)

からなる群から選ばれる少なくとも1つからなるAl系無機粉末とを含み、
前記アルカリ活性剤は、
ケイ酸ナトリウム、及び/又は、ケイ酸カリウムからなるケイ酸アルカリ金属塩と、
NaOH、及び/又は、KOHからなるアルカリ金属水酸化物と
を含む
ジオポリマー組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記Al系無機粉末の含有量は、5.0mass%以上50.0mass%以下である請求項1に記載のジオポリマー組成物。
但し、「前記Al系無機粉末の含有量」とは、前記アモルファスシリカ粉末と前記Al系無機粉末の総質量に対する、前記Al系無機粉末の質量の割合をいう。
【請求項3】
前記ケイ酸アルカリ金属塩の含有量は、10質量部以上30質量部以下である請求項1に記載のジオポリマー組成物。
但し、「前記ケイ酸アルカリ金属塩の含有量」とは、前記アモルファスシリカ粉末と前記Al系無機粉末の総質量を100としたときの、前記ケイ酸アルカリ金属塩の質量をいう。
【請求項4】
前記アルカリ金属水酸化物の含有量は、2質量部以上6質量部以下である請求項1に記載のジオポリマー組成物。
但し、「前記アルカリ金属水酸化物の含有量」とは、前記アモルファスシリカ粉末と前記Al系無機粉末の総質量を100としたときの、前記アルカリ金属水酸化物の質量をいう。
【請求項5】
前記水の含有量は、30質量部以上60質量部以下である請求項1に記載のジオポリマー組成物。
但し、「前記水の含有量」とは、前記アモルファスシリカ粉末と前記Al系無機粉末の総質量を100としたときの、前記水の質量をいう。
【請求項6】
CaOの含有量は、3質量部以下である請求項1に記載のジオポリマー組成物。
但し、前記「CaOの含有量」とは、前記アモルファスシリカ粉末と前記Al系無機粉末の総質量を100としたときの、CaO換算における前記CaOの質量をいう。
【請求項7】
粒径が5mm以下である細骨材を含む請求項1に記載のジオポリマー組成物。
【請求項8】
粒径が5mm超である粗骨材をさらに含む請求項7に記載のジオポリマー組成物。
【請求項9】
請求項7または8に記載のジオポリマー組成物の硬化体であるジオポリマー硬化物。
【請求項10】
材齢1ヶ月後における4点曲げ強度が5MPa以上である請求項9に記載のジオポリマー硬化物。
但し、「前記材齢1ヶ月後」とは、
(1)前記ジオポリマー組成物を型内において温度60℃、相対湿度100%で20時間蒸気養生し、
(2)前記型から脱型後、温度60℃、大気中で20時間加熱養生し、
(3)その後、さらに大気中で1ヶ月養生した後
をいい、
「前記4点曲げ強度」とは、JIS R 1601に準拠して測定された4点曲げ強度をいう。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオポリマー組成物、及び、ジオポリマー硬化物に関し、さらに詳しくは、フライアッシュ、及び、高炉スラグを代替する活性フィラーを用いたジオポリマー組成物、及び、ジオポリマー硬化物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、非晶質材料をアルカリ溶液で処理することにより、コンクリートの様に硬化するジオポリマー組成物が知られている。近年、ジオポリマー組成物は、通常のセメントに比して生産時に発生するCO

量を大幅に低減することができるため、セメント代替材料として注目を集めている。
【0003】
ジオポリマー組成物の硬化体であるジオポリマー硬化物であるが、従来のコンクリートに比して以下のような利点がある。
(1)耐熱性:従来のコンクリートの耐熱性が200℃程度であるのに対し、耐熱性が600℃以上となっている。よって、焼却施設や、鉄溶鉱炉壁に利用することも可能である。
(2)耐酸性:従来のコンクリートに比して、耐酸性が高い。このため、下水配管等に積極的に利用することができる。
(3)骨材の選択自由度:従来のコンクリートは、アルカリ骨材反応があるため、骨材の選択範囲が限られるが、ジオポリマー硬化物にはそのような制約はない。よって、様々な骨材を選択できる、換言すると、種々多様な廃材等を骨材として使用できるため、環境保護に適している。
【0004】
なお、セメントは、CaCO

からのCaOを利用するものであるため、生産時に不可避的に大量のCO

が発生してしまう。換言すると、CaOを原材料とする物質は、CaCO

を出発物質とせざるを得ないためCO

の副成が絶えず付きまとうことになる。
【0005】
ジオポリマー組成物の活性フィラーとしては、従来から、フライアッシュ、及び/又は、高炉スラグが用いられている。ここで、フライアッシュ、及び、高炉スラグは、ともにSi―Al―Ca―O系の複相の酸化物であり、セメントの主相であるCa

SiO

が含まれている。このため、セメント同様に水和反応による固化のアシストが得られるため、取り扱いが容易となっている。
【0006】
このような、ジオポリマー組成物としては、以下のような構成が提案されている。
例えば、特許文献1には、
(a)無機フィラー、ナトリウム及びカリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含むケイ酸アルカリ水溶液、遅延剤、減水剤、並びに消泡剤を含み、
(b)無機フィラーは、フライアッシュ及び高炉スラグ微粉末を含み、無機フィラー全体に対する高炉スラグ微粉末の配合比率は45~90質量%であり、
(c)無機フィラー全体に対する遅延剤の配合比率は0.1~1.9質量%であり、
(d)無機フィラー全体に対する減水剤の配合比率は0.2質量%より大きく1.0質量%以下である
ジオポリマー組成物が開示されている。
【0007】
同文献には、遅延剤及び減水剤を適量含みつつ、無機フィラー全体に対する高炉スラグ微粉末の配合比率が所定の範囲にあるため、良好なフレッシュ性状を有しつつ初期強度にも優れる旨が記載されている。
【0008】
また、特許文献2には、
(a)活性フィラーと、骨材と、水と、アクティベーターと、分散剤とを含むジオポリマー組成物であって、
(b)分散剤は、ポリアルキレングリコールモノフェニルエーテルを部分構造として含む重縮合物系分散剤であり、かつ、その配合量は、ジオポリマー組成物の全質量に対して0.1質量%~2.0質量%であり、
(c)活性フィラーは、JIS A 6201で規定されているコンクリート用フライアッシュの規格に適合するための処理を施していない石炭灰および高炉スラグ微粉末を合計量で85質量%以上含む
ジオポリマー組成物が開示されている。
同文献には、長時間における高流動性の確保、及び、短期間での高強度発現が両立できる旨が記載されている。
【0009】
しかし、活性フィラーとしてフライアッシュや高炉スラグを今後使用し続けるには、以下のような問題点が指摘されている。
(A)フライアッシュは、火力発電所における石炭燃焼後の残渣であるため、CO

削減のために火力発電所が減少すると、フライアッシュの入手が将来的に困難となる虞がある。
(B)高炉スラグは、CaCO

を原料として生成されるが、CaCO

が分解する際にCO

が発生してしまう。これより、CO

削減のために高炉スラグを減らす製鉄プロセスが開発される可能性があり、高炉スラグの入手が将来的に困難となる虞がある。
【0010】
このため、フライアッシュや高炉スラグを代替するとともに、不可避的にCO

を副成してしまうCaOを使用しない活性フィラーを用いたジオポリマー組成物が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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