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公開番号2025115668
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010237
出願日2024-01-26
発明の名称超伝導線および超伝導コイル
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 9/00 20060101AFI20250731BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高い残留抵抗比(RRR)と高い強度を実現することが可能な超伝導線、この超伝導線を用いた超伝導コイルを提供する。
【解決手段】超伝導体11と、超伝導安定化材20と、を備えた超伝導線10であって、超伝導安定化材20は、Cuの含有量が99.9mass%以上の銅材で構成された内側銅材21と外側銅材22とを有しており、内側銅材21にはCa,Sr,Ba,希土類元素から選択される1種又は2種以上の元素が添加され、外側銅材22にはMgが添加されており、内側銅材21のKAM値Aが1.0以下であり、内側銅材21のKAM値Aと外側銅材22のKAM値Bと比B/Aが1.5以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超伝導体と、超伝導安定化材と、を備えた超伝導線であって、
前記超伝導安定化材は、Cuの含有量が99.9mass%以上の銅材で構成された内側銅材と外側銅材とを有しており、
前記内側銅材にはCa,Sr,Ba,希土類元素から選択される1種又は2種以上の元素が添加され、前記外側銅材にはMgが添加されており、
前記内側銅材のKAM値Aが1.0以下であり、前記内側銅材のKAM値Aと前記外側銅材のKAM値Bと比B/Aが1.5以上であることを特徴とする超伝導線。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記外側銅材は、Mgを10質量ppm以上130質量ppm以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物とした組成とされていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項3】
前記内側銅材は、Ca,Sr,Ba,希土類元素から選択される1種又は2種以上の元素を合計で3質量ppm以上100質量ppm以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物とした組成とされていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項4】
前記内側銅材のLAM値Cが1.1以下であり、前記内側銅材のLAM値Cと前記外側銅材のLAM値Dと比D/Cが1.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項5】
前記内側銅材において、S,Se,Teの合計含有量(Y質量ppm)と、Ca,Sr,Ba,希土類元素の合計含有量(X質量ppm)との比X/Yが、0.5≦X/Y≦20の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項6】
前記内側銅材において、Fe,Ni,As,Ag,Sn,Sb,Pb,Bi,Pの合計含有量が100質量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項7】
引張強度が200MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項8】
残留抵抗比(RRR)が150以上であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導線。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の超伝導線が巻回された構造を有することを特徴とする超伝導コイル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、超伝導安定化材を備えた超伝導線、および、この超伝導線からなる超伝導コイルに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
上述の超伝導線は、例えばMRI、NMR、粒子加速器、リニアモーターカー、さらに電力貯蔵装置などの分野で使用されている。
この超伝導線は、Nb-Ti合金、Nb

Snなどの超伝導体からなる複数の素線に、超伝導安定化材を介在させて束ねた多芯構造を有している。また、超伝導体と超伝導安定化材とを積層したテープ状の超伝導線も提供されている。さらに安定性と安全性を高めるために、純銅からなるチャネル部材を備えた超伝導線も提供されている。
【0003】
ここで、上述の超伝導線においては、超伝導体の一部において超伝導状態が破れた場合には、抵抗が部分的に大きく上昇して超伝導体の温度が上昇してしまい、超伝導体全体が臨界温度以上になって常伝導状態に転移してしまうおそれがある。そこで、超伝導線においては、銅などの比較的抵抗の低い超伝導安定化材を、超伝導体に接触するように配置しており、超伝導状態が部分的に破れた場合には、超伝導体を流れていた電流を超伝導安定化材に一時的に迂回させておき、その間に超伝導体を冷却して超伝導状態に復帰させるような構造とされている。
【0004】
上述の超伝導安定化材においては、電流を効率良く迂回させるために、極低温での抵抗が十分に低いことが求められている。超伝導線における極低温での電気抵抗を示す指標としては、残留抵抗比(RRR)が広く用いられている。この残留抵抗比(RRR)は、常温(293K)での抵抗ρ
293K
と液体ヘリウム温度(4.2K)での抵抗ρ
4.2K
との比ρ
293K
/ρ
4.2K
であり、この残留抵抗比(RRR)が高いほど超伝導安定化材として優れた性能を発揮することになる。
【0005】
そこで、高い残留抵抗比(RRR)を有する超伝導線を構成する超伝導安定化材(銅材料)としては、不純物元素を極限まで低減した純度99.9999mass%以上の極高純度銅(6NCu)等が挙げられる。
また、特許文献1には、Ca,Sr,Ba,希土類元素から選択される一種又は二種以上の元素を添加した銅材からなる超伝導安定化材が提案されている。この特許文献1においては、超伝導線の残留抵抗比(RRR)を低下させる元素であるS,Se,Teを、Ca,Sr,Ba,希土類元素から選択される一種又は二種以上の元素との化合物として固定することで、超伝導線の残留抵抗比(RRR)を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6642763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上述の超伝導線においては、コイル状に巻いて超伝導コイルとし、この超伝導コイルに直流電流を流して中心に磁場を発生させ、超伝導磁石として使用される。
最近では、従来よりも高磁場力で使用することが求められる。高磁場力の環境で使用した場合には、超伝導線が微小に動いて振動し、摩擦熱が生じ、超伝導状態が破れてしまうおそれがあった。このため、高磁場力環境下で使用される超伝導線では、高磁場力の環境下でも振動が発生しないように高い強度が要求される。
【0008】
ところで、高い強度を得るためには、最終工程に伸線加工を行う必要があるが、伸線加工で実質的な加工組織となって、転位などの格子欠陥が著しく増加し、結果として抵抗が増加することになり、超伝導線の残留抵抗比(RRR)が低下する。このため、加工後に熱処理を行うことで再結晶組織として母相中の格子欠陥を十分に低減することにより、超伝導線の残留抵抗比(RRR)を回復させる必要がある。一方で、熱処理温度が高すぎると、超伝導体の超伝導特性が低下するため、より低い温度で熱処理することが求められる。すなわち、再結晶温度が低いものが求められる。一方で、母相中の格子欠陥を低減すると強度が低下する。
【0009】
ここで、特許文献1に記載された超伝導安定化材においては、超伝導線を構成した後に大気雰囲気中での加工熱処理を想定していなかった。
Ca,Sr,Ba,希土類元素といった元素は酸化しやすい元素であることから、大気中で加工熱処理した際に、酸素が超伝導安定化材の内部に拡散し、Ca,Sr,Ba,希土類元素といった元素が酸化してしまい、S,Se,Teを十分に固定できず、超伝導線の残留抵抗比(RRR)を十分に向上させることができないおそれがあった。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、高い残留抵抗比(RRR)と高い強度を実現することが可能な超伝導線、この超伝導線を用いた超伝導コイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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