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公開番号
2025116324
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-08
出願番号
2024010674
出願日
2024-01-29
発明の名称
熱延鋼板およびその製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250801BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】降伏強さが500MPa以上で、優れた延性、せん断性を有する高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】C、Si、Mn、P、S、Al、N、Nb、任意選択の成分組成を有し、(KAM値1.0以上4.0以下の面積率)/(KAM値1.0未満の面積率)が0.05以上、結晶粒径の変動係数が0.55以上、鋼中に存在する固溶Nb量が0.03%以下、及び平均粒子径が10nm以下のNbを含む炭化物を有する、降伏強さが500MPa以上、均一伸びが10%以上の熱延鋼板である。また、上記の成分組成を有する鋼素材を、加熱し、又は鋳造後加熱せずに、粗圧延して、粗圧延完了温度が1000℃以上1100℃以下の粗圧延工程と、圧延の開始温度が950℃以上、1パス目と2パス目の総圧下率が70%以下の仕上げ圧延工程、冷却工程、巻取工程、巻取後コイル冷却工程とを含む熱延鋼板の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
C:0.02%以上0.18%以下、
Si:0.15%未満、
Mn:0.7%超え2.5%以下、
P:0.05%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.005%以上0.080%以下、
N:0.0060%以下、
Nb:0.08%以上0.20%以下、
任意選択的に、さらに下記A群~D群のうち少なくとも1群の成分を含有し、
A群;V:0%以上0.2%以下、Ti:0%以上0.1%以下、Mo:0%以上0.15%以下、Zr:0%以上0.1%以下、Hf:0%以上0.1%以下、W:0%以上0.1%以下から選択される少なくとも1種
B群;Cu:0%以上1.0%以下、Ni:0%以上1.0%以下、Cr:0%以上1.0%以下、B:0%以上0.010%以下から選択される少なくとも1種
C群;Ca:0%以上0.01%以下、Mg:0%以上0.01%以下、REM:0%以上1.0%以下、Co:0%以上0.01%以下から選択される少なくとも1種
D群;Sb:0%以上0.01%以下、Sn:0%以上0.01%以下、As:0%以上0.01%以下、Ta:0%以上0.01%以下、Pb:0%以上0.01%以下、Cs:0%以上0.01%以下、Te:0%以上0.01%以下、Bi:0%以上0.01%以下、Zn:0%以上0.01%以下、Ge:0%以上0.01%以下、Sr:0%以上0.01%以下から選択される少なくとも1種、
残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
金属組織は、
(KAM値1.0以上4.0以下の面積率)/(KAM値1.0未満の面積率)が0.05以上、
結晶粒径の変動係数が0.55以上、
鋼中に存在する固溶Nb量が0.03%以下、及び
平均粒子径が10nm以下のNbを含む炭化物を有する、
降伏強さが500MPa以上、均一伸びが10%以上の熱延鋼板。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記熱延鋼板の表面にめっき層を有することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
【請求項3】
質量%で、
C:0.02%以上0.18%以下、
Si:0.15%未満、
Mn:0.7%超え2.5%以下、
P:0.05%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.005%以上0.080%以下、
N:0.0060%以下、
Nb:0.08%以上0.20%以下、
任意選択的に、さらに下記A群~D群のうち少なくとも1群の成分を含有し、
A群;V:0%以上0.2%以下、Ti:0%以上0.1%以下、Mo:0%以上0.15%以下、Zr:0%以上0.1%以下、Hf:0%以上0.1%以下、W:0%以上0.1%以下から選択される少なくとも1種
B群;Cu:0%以上1.0%以下、Ni:0%以上1.0%以下、Cr:0%以上1.0%以下、B:0%以上0.010%以下から選択される少なくとも1種
C群;Ca:0%以上0.01%以下、Mg:0%以上0.01%以下、REM:0%以上1.0%以下、Co:0%以上0.01%以下から選択される少なくとも1種
D群;Sb:0%以上0.01%以下、Sn:0%以上0.01%以下、As:0%以上0.01%以下、Ta:0%以上0.01%以下、Pb:0%以上0.01%以下、Cs:0%以上0.01%以下、Te:0%以上0.01%以下、Bi:0%以上0.01%以下、Zn:0%以上0.01%以下、Ge:0%以上0.01%以下、Sr:0%以上0.01%以下から選択される少なくとも1種、
残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を、加熱温度が1150℃以上に加熱し、又は鋳造後加熱せずに、粗圧延して、粗圧延完了温度が1000℃以上1100℃以下のシートバーとする粗圧延工程と、
該シートバーを仕上げ圧延の開始温度が950℃以上、1パス目と2パス目の総圧下率が70%以下、仕上げ圧延出側の温度が850℃以上、仕上げ圧延出側の圧延速度が500mpm以上で仕上げ圧延して熱延鋼板とする仕上げ圧延工程と、
該熱延鋼板を600℃以上700℃以下の冷却停止温度まで平均冷却速度40℃/s以上で冷却する冷却工程と、
冷却された前記熱延鋼板を巻取温度が600℃以上700℃以下で巻き取る巻取工程と、
前記巻取後、500℃までの平均冷却速度が50℃/h以上で巻取コイルを冷却するコイル冷却工程と、
を含むことを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【請求項4】
前記粗圧延工程と前記仕上げ圧延工程の間に、粗圧延された前記シートバーと先行するシートバーとを1070℃以上で接合する接合工程を含み、
前記仕上げ圧延工程では、接合された前記シートバーを仕上げ圧延することを特徴とする請求項3に記載の熱延鋼板の製造方法。
【請求項5】
さらに、前記熱延鋼板を、焼鈍温度が720℃以下で焼鈍する熱延板焼鈍工程と、
焼鈍された前記熱延鋼板にめっき処理を施すめっき工程と、
を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の熱延鋼板の製造方法。
【請求項6】
さらに、めっきされた前記熱延鋼板に460℃以上600℃以下の合金化処理を施す合金化工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の熱延鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、降伏強さが500MPa以上で、優れた延性とせん断性を有する熱延鋼板およびその製造方法に関する。本発明の熱延鋼板は、自動車部品用や非自動車用の広い用途の素材に適する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全の観点から、産業全体でCO
2
排出量規制を目的とした熱延鋼板の高強度化が指向されている。熱延鋼板の高強度化にあたり、成形性が課題となるケースが多い。例えば、自動車用の足回り部品では、延性が必要な張り出し成形やせん断端面を加工する伸びフランジ加工がされることから、延性とせん断性の両立が望まれている。
一般に、鋼板の高強度化にともない成形性やせん断性は悪化する傾向にあるため、高強度熱延鋼板の普及をさらに拡大させるには成形性およびせん断性の改善が必須である。
さらに、部材の長寿命化および外観の美麗化の観点から、めっき性が良好な鋼板も望まれている。
【0003】
そこで、これらの問題を解決するため、これまでに様々な鋼板の成形性向上の技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、硬度差が小さいフェライト相とベイナイト相の合計の体積率が95%以上かつ、フェライト相の体積率が50~90%で、Tiを含む20nm未満のサイズの析出物を析出させることで引張強さが780MPa以上の伸びフランジ性が優れる熱延鋼板が得られるとしている。
【0005】
また、特許文献2では、95%以上がフェライト結晶粒からなる金属組織で、平均粒径が6nm未満のTi炭化物と平均粒径0.5μm以下のTiSとを析出させることで曲げ性に優れた引張強さが780MPa以上の熱延鋼板が得られるとしている。
【0006】
特許文献3では、C含有量に対するTi含有量の質量比Ti/Cが0.625~3.000である化学成分を有し、転位密度が1×10
14
~1×10
16
m
-2
、結晶粒内のTiC析出物の平均直径が2.0nm以下を所定の密度以上で析出させることで、打ち抜き端面損傷が小さい引張強さが780MPa以上の熱延鋼板が得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011-68945号公報
国際公開第2013/99196号
特開2017-179539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献に開示された熱延鋼板に関する従来技術には、以下のような問題がある。
【0009】
特許文献1で提案された技術では、低温巻取をしたベイナイト組織を利用していることから、本発明で求める均一伸びが得られない。さらに、特許文献1の発明鋼の多くはめっき性を低下させるSi添加鋼であるため、良好なめっき性を有する熱延鋼板が得られない問題もある。特許文献1では、Si添加量が少ない鋼であっても、成分および製造方法の点で、本発明で求める組織や特性が得られない。
【0010】
特許文献2で提案された技術では、フェライト面積率が高く、このような金属組織では、結晶粒径の分布が狭いことにより、せん断性が劣位である。
(【0011】以降は省略されています)
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