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公開番号2025129628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026386
出願日2024-02-26
発明の名称実行機能の評価装置及びコンピュータプログラム
出願人Almaprism株式会社,国立大学法人東海国立大学機構,国立大学法人浜松医科大学
代理人弁理士法人イノベンティア
主分類A61B 10/00 20060101AFI20250829BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価を行うことができる実行機能の評価装置を提供する。
【解決手段】実行機能の評価装置1は、神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価装置であって、ユーザ端末3に表示された、課題が設定された仮想空間に対する操作であって、評価対象者Aによる操作を示す操作情報を記憶するメモリ12と、評価対象者の実行機能を評価する演算部11と、を備える。演算部は、ユーザ端末の表示する、設定された課題が異なる複数の仮想空間それぞれにおける評価対象者による操作情報の、複数の仮想空間の間での関係を用いて、評価対象者の実行機能の指標を算出する、ように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価装置であって、
ユーザ端末に表示された、課題が設定された仮想空間に対する操作であって、評価対象者による操作を示す操作情報を記憶するメモリと、
前記評価対象者の前記実行機能を評価する演算部と、を備え、
前記演算部は、前記ユーザ端末の表示する、設定された前記課題が異なる複数の前記仮想空間それぞれにおける前記評価対象者による前記操作情報の、前記複数の仮想空間の間での関係を用いて、前記評価対象者の前記実行機能の指標を算出する、ように構成されている
実行機能の評価装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記複数の仮想空間は、前記課題を解くために最短で最適な行動をとることが前記評価対象者に求められる第1仮想空間と、前記課題を解くために試行錯誤することが前記評価対象者に求められる第2仮想空間と、を含む
請求項1に記載の実行機能の評価装置。
【請求項3】
前記評価対象者による操作は、
各前記仮想空間全体より狭い視界においてオブジェクトを移動させる第1の操作と、
各前記仮想空間の前記視界内であって前記オブジェクトに応じた位置に、前記各仮想空間での移動体の移動に影響する1以上のピースを配置する第2の操作と、
各前記仮想空間において前記移動体の移動の開始を指示する第3の操作と、を含み、
前記各仮想空間は、前記第1の操作及び前記第2の操作が許容されて前記第3の操作が許容されない準備フェーズと、前記第1の操作及び前記第2の操作が許容されず前記第3の操作が許容される執行フェーズとを有する
請求項2に記載の実行機能の評価装置。
【請求項4】
各前記仮想空間における前記評価対象者による前記操作情報の前記複数の仮想空間の間での関係は、前記第1の操作による位置ごとの前記オブジェクトの通過回数の基準値からの乖離度合いの、前記第1仮想空間と前記第2仮想空間との関係を含む
請求項3に記載の実行機能の評価装置。
【請求項5】
前記第1仮想空間は、それぞれ前記課題の難易度が異なり、前記課題が解決されるごとに難易度が上昇する複数ステージから構成され、
前記第2仮想空間には得点オブジェクトが予め配置され、制限時間内において回数制限なく前記第3の操作が可能であり、かつ、前記第3の操作に応じて前記課題を解くように前記移動体が移動したときに通過した前記得点オブジェクトに対応した点数が加点される
請求項4に記載の実行機能の評価装置。
【請求項6】
前記演算部は、各前記仮想空間における前記評価対象者の前記操作情報の前記複数の仮想空間の間での関係と、前記第1仮想空間において前記課題が解決したステージの最高難易度とを用いて、前記評価対象者の前記実行機能の前記指標を算出する、ように構成されている
請求項5に記載の実行機能の評価装置。
【請求項7】
前記演算部は、さらに、前記第1仮想空間において前記課題が解決したステージの最高難易度を用いて、前記実行機能の要素の1つである計画能力の指標を算出する、ように構成されている
請求項5に記載の実行機能の評価装置。
【請求項8】
前記演算部は、さらに、前記第2仮想空間の前記ユーザ端末での表示から最初に前記第3の操作がされるまでの時間を用いて、前記実行機能の要素の1つである衝動抑制能力の指標を算出する、ように構成されている
請求項5に記載の実行機能の評価装置。
【請求項9】
前記演算部は、さらに、前記第2仮想空間において前記第3の操作がされたときに配置されていた前記ピースの最大数を用いて、前記実行機能の要素の1つである作業記憶能力の指標を算出する、ように構成されている
請求項5に記載の実行機能の評価装置。
【請求項10】
前記演算部は、さらに、前記第2仮想空間において前記課題を解くように前記移動体が移動するごとに前記第2仮想空間に配置されたオブジェクトに規定された前記移動体の通過によって行われる処理の結果のうちの最大値を用いて、前記実行機能の要素の1つである試行錯誤能力の指標を算出する、ように構成されている
請求項5に記載の実行機能の評価装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、実行機能の評価装置及びコンピュータプログラムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
アメリカ精神医学会の診断分類DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)-5による神経発達症群には、注意欠陥・多動症(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder:以下、ADHD)や、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:以下、ASD)や、学習障害(Learning Disability:以下、LD)などが含まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Kibby, M. Y., Schmitter-Edgecombe, M., & Long, C. J.著、 (1998).「Ecological Validity of Neuropsychological Tests: Focus on the California Verbal Learning Test and the Wisconsin Card Sorting Test.」、Archives of Clinical Neuropsychology 13(6)、1998年8月、p.523-534
Conners, C. K.原著、田中康雄 監訳、坂本律 訳、「Conners 3 日本語版マニュアル」金子書房、2011年6月1日
【発明の概要】
【0004】
特にADHDやASDなどの神経発達症群の症状の1つに実行機能障害がある。実行機能とは、目的や問題に対して順序立てて行動を決めて実行する複合的な能力を指す。発明者らは、特にADHDやASDなどの実行機能障害を伴う神経発達症群の発見や対処のために、神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価を行うことができる実行機能の評価装置及びコンピュータプログラムを開発した。
【0005】
ある実施の形態に従うと、実行機能の評価装置は、神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価装置であって、ユーザ端末に表示された、課題が設定された仮想空間に対する操作であって、評価対象者による操作を示す操作情報を記憶するメモリと、評価対象者の実行機能を評価する演算部と、を備える。演算部は、ユーザ端末の表示する、設定された課題が異なる複数の仮想空間それぞれにおける評価対象者による操作情報の、複数の仮想空間の間での関係を用いて、評価対象者の実行機能の指標を算出する、ように構成されている。
【0006】
ある実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価装置としてコンピュータを機能させる。コンピュータプログラムは、ユーザ端末に表示された、課題が設定された仮想空間に対する操作であって、評価対象者による操作を示す操作情報を入力し、評価対象者の実行機能を評価する、ことをコンピュータに実行させる。実行機能を評価することは、ユーザ端末の表示する、設定された課題が異なる複数の仮想空間それぞれにおける評価対象者の操作情報の、複数の仮想空間の間での関係を用いて、評価対象者の実行機能の指標を算出する、ことを含む。
【0007】
ある実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、評価装置における、神経発達症群の症状に関連する実行機能の評価に用いる操作情報を得るためのユーザ端末としてコンピュータを機能させる。コンピュータプログラムは、それぞれ異なる課題が設定された複数の仮想空間を切り替えて表示させ、複数の仮想空間それぞれにおいて、評価対象者の第1の操作に従って、各仮想空間全体より狭い視界においてオブジェクトを移動させ、評価対象者による第2の操作に従って、各仮想空間の視界内であってオブジェクトに応じた位置に、各仮想空間での移動体の移動に影響する1以上のピースを配置させ、評価対象者による第3の操作に従って、各仮想空間において移動体の移動を開始させ、第1の操作~第3の操作を特定する操作情報をメモリに記憶させる、ことをコンピュータに実行させる。
【0008】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施の形態に係る実行機能の評価システムの構成及び処理の概要を表した図である。
図2は、評価システムの備える評価装置の概略構成図である。
図3は、ピースを説明するための図である。
図4は、ピースを説明するための図である。
図5は、キャラクタを説明するための図である。
図6は、ピースの回転を説明するための図である。
図7は、視界の一例を表した概略図である。
図8は、測定用ゲームのメインモードのゲーム画面の一例を表した概略図である。
図9は、図8の準備フェーズの後の執行フェーズのゲーム画面の第1の例を表した概略図である。
図10は、メインモードの執行フェーズのゲーム画面の第2の例を表した概略図である。
図11は、測定用ゲームのフリーモードのゲーム画面の一例を表した概略図である。
図12は、得点オブジェクトを説明するための図である。
図13は、図11の準備フェーズの後の執行フェーズのゲーム画面の第1の例を表した概略図である。
図14は、フリーモードの執行フェーズのゲーム画面の第2の例を表した概略図である。
図15は、評価装置におけるゲーム処理の流れであって、メインモードでの処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図16は、評価装置におけるゲーム処理の流れであって、フリーモードでの処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図17は、評価装置における評価処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図18は、指標1~6と実行機能の要素との関係を表した図である。
図19は、出力装置に表示された表示画面の一例を表した概略図である。
図20は、発明者らによる検証実験の参加者の測定用ゲームにおける操作情報から得られた指標1~指標6を示した図である。
図21は、検証実験の参加者の「Conners3 Parent Form」の回答から得られた各項目のスコアを示した図である。
図22は、検証実験の参加者のCANTABの検査項目ごとの測定値を示した図である。
図23は、図20の指標1~指標6それぞれと、図21の「Conners3 Parent Form」の回答から得られた「実行機能」のスコア、及び図22のCANTABの各検査項目の測定値との相関係数を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.課題の説明>
実行機能は、計画能力、衝動抑制能力、作業記憶能力、試行錯誤能力、などの基礎的な認知能力を要素とする。ここでの認知能力は、物事をはっきりと知る能力、つまり、理解、判断、論理などの知的機能の能力を指す。これらの要素は脳機能測定によって測定できる。脳機能測定では、特定のタスクや特定の場面に直面した際に特定の脳機能を活用できるかどうかなどが測定される。脳機能測定は例えば神経心理学的検査である。非特許文献1は、変化する分類基準の下でカードを分類するウィスコンシンカードソーティングテスト(WCST)を開示している。WCSTでは、途中で分類基準が参加者に知らされずに変わる。WCSTは、分類基準の変化に気づけるかどうかから状況変化への対応力などを測定する。脳機能測定は、他の例として、積み重ねられた球体などをルールに従って最少の手数で指定された形状に組み替えるロンドンの塔(TOL)などがある。
(【0011】以降は省略されています)

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