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公開番号
2025136827
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035702
出願日
2024-03-08
発明の名称
窒化アルミニウム焼結体、およびその製造方法
出願人
株式会社MARUWA
代理人
弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類
C04B
35/581 20060101AFI20250911BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】高い熱伝導特性および基板の反りを低減させた窒化アルミニウム焼結体を提供する。
【解決手段】窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム粒子と焼結助剤相とを含む。窒化アルミニウム焼結体において、厚さ2.5mmに換算した際の熱伝導率λが260W/mK以上であり、且つ、基板全体領域の反りを示す反り指標値C1が、0.20μm/mm未満である。ここで、反り指標値C1は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面全体の平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D1(mm)とを用いて、C1=(Hmax-Hmin)/D1によって算出される。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
窒化アルミニウム粒子と焼結助剤相とを含む窒化アルミニウム焼結体であって、
厚さ2.5mmに換算した際の熱伝導率λが260W/mK以上であり、且つ、
基板全体領域の反りを示す反り指標値C1が、0.20μm/mm未満であり、
前記反り指標値C1は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面全体の平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D1(mm)とを用いて、
C1=(Hmax-Hmin)/D1
によって算出されることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記反り指標値C1が、0.14~0.19μm/mmであることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
【請求項3】
前記窒化アルミニウム焼結体の基板角部領域の反りを示す第2の反り指標値C2が、0.17~0.35μm/mmであり、
前記第2の反り指標値C2は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面の角部を含む平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D2(mm)とを用いて、
C2=(Hmax-Hmin)/D2
によって算出されることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
【請求項4】
前記窒化アルミニウム焼結体の基板中央領域の反りを示す第3の反り指標値C3が、0.10~0.29μm/mmであり、
前記第3の反り指標値C3は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面の中心に位置する平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D3(mm)とを用いて、
C3=(Hmax-Hmin)/D3
によって算出されることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
【請求項5】
熱伝導率λ/反り指標値C1が、1400以上且つ2000以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
【請求項6】
90~99.5重量%の窒化アルミニウムと、0.5~10重量%の酸化イットリウムとを焼結してなることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム焼結体を製造する方法であって、
窒化アルミニウム原料粉末と、焼結助剤と、有機溶媒とを混合して原料混合物のスラリーを作製する混合工程と、
前記原料混合物を成形して成形体を得る成形工程と、
乾燥空気流入下または窒素雰囲気中にて、前記成形体を脱脂温度域で加熱して脱脂処理する脱脂工程と、
窒素雰囲気中にて、脱脂後の前記成形体を脱酸温度域で加熱して脱酸処理する脱酸工程と、
窒素雰囲気中にて、脱酸後の前記成形体を焼結温度域で焼結して窒化アルミニウム前駆焼結体を作製する焼結工程と、
少なくとも前記窒化アルミニウム前駆焼結体の一部を窒化アルミニウム粉末で包埋することによって包埋構造を作製し、弱還元性雰囲気中にて、前記包埋構造を1850~1950℃で熱処理する還元焼成工程と、
還元焼成した前記包埋構造から前記窒化アルミニウム粉末を除去して、窒化アルミニウム焼結体を得る除去工程と、
を含み、
前記還元焼成工程が、30時間以上実施されることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
【請求項8】
前記還元焼成工程は、前記窒化アルミニウム前駆焼結体を、黒鉛製容器、または、カーボンブラックもしくはカーボンシートを配置したBN製容器もしくはAlN製容器に入れて、前記窒化アルミニウム前駆焼結体が見えなくなるまで窒化アルミニウム粉末で包埋することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
窒化アルミニウム焼結体の製品は、高熱伝導性を有する絶縁材料からなり、高熱伝導基板用材料として注目されている。該窒化アルミニウム焼結体は、その優れた熱伝導特性により、高熱で動作が不安定となる半導体や電子機器において、例えば、パワートランジスタモジュール基板、発光ダイオード、ICパッケージ、レーザーダイオードなどの電子部品の放熱基板として広く利用されている。近年、窒化アルミニウム焼結体基板は、モバイル用途の電子基板に多く用いられ、より高い放熱性が求められている。そこで、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を改善すべく、種々の試みがなされている。
【0003】
例えば、特許文献1は、窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法を開示する。特許文献1の窒化アルミニウム焼結体は、粒界相の構成成分、含有割合等を特定すると共に、微構造、具体的には窒化アルミニウム結晶粒子の平均径、最小径、最大径、および粒子数を特定することで、260W/m・K以上といった高い熱伝導率を有する。この窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、平均粒径が1.5μm以下の窒化アルミニウム粉末と、少なくともY化合物粉末を含む焼結助剤とを混合し、成形して成形体を得る成形工程と、この成形体を脱脂する脱脂工程と、この脱脂後の成形体を非酸化性雰囲気または減圧雰囲気中、1300℃以上1550℃以下で熱処理して脱酸する脱酸工程と、この脱酸後の成形体を非酸化性雰囲気中、1800℃以上1950℃以下で熱処理することにより熱伝導率が230W/m・K以上の一次焼結体を得る焼結工程と、この一次焼結体を弱還元性雰囲気中、1750℃以上1900℃以下で熱処理することにより熱伝導率が260W/m・K以上の高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体を得る還元工程とを有することを特徴とする。特には、焼結工程では、脱酸後の成形体を非酸化性雰囲気中、1800℃以上1950℃以下で熱処理することにより熱伝導率が230W/m・K以上の一次焼結体が得られる。これに続く、還元工程では、一次焼結体を弱還元性雰囲気中、1750℃以上1900℃以下で熱処理することにより熱伝導率が260W/m・K以上の窒化アルミニウム焼結体(高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体)が得られる。この還元工程では、熱伝導率の阻害要因である粒界相を表面に析出させて除去することで、最終的に熱伝導率が260W/m・K以上の窒化アルミニウム焼結体が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-37691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体を提供するものである。特許文献1のような従来の窒化アルミニウム焼結体では、高い熱伝導率を実現するために、還元雰囲気下で高温の焼成が必要であるが、そのような条件では焼結体の変形や反りが発生し易いことが分かっている(例えば、本明細書の比較例1、2、9参照)。そして、従来の窒化アルミニウム焼結体を基板として電子回路に組み込むと、窒化アルミニウム焼結体基板自体の反りが原因となって、回路の緻密化や、電子回路の歩留まりなどに悪影響を及ぼすことがあった。そこで、発明者らは、窒化アルミニウム焼結体の高熱伝導特性を維持しつつ、窒化アルミニウム焼結体を基板として形成した際に基板の反りを低減させることを課題とした。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高い熱伝導特性および基板の反りを低減させた窒化アルミニウム焼結体、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(項1)
本発明の一形態の窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム粒子と焼結助剤相とを含む窒化アルミニウム焼結体であって、
厚さ2.5mmに換算した際の熱伝導率λが260W/mK以上であり、且つ、
基板全体領域の反りを示す反り指標値C1が、0.20μm/mm未満であり、
前記反り指標値C1は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面全体の平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D1(mm)とを用いて、
C1=(Hmax-Hmin)/D1
によって算出されることを特徴とする。
【0008】
(項2)
本発明のさらなる形態の窒化アルミニウム焼結体は、より好適には項1の窒化アルミニウム焼結体において、前記反り指標値C1が、0.14~0.19μm/mmであることを特徴とする。
【0009】
(項3)
本発明のさらなる形態の窒化アルミニウム焼結体は、より好適には項1または2の窒化アルミニウム焼結体において、前記窒化アルミニウム焼結体の基板角部領域の反りを示す第2の反り指標値C2が、0.17~0.35μm/mmであり、
前記第2の反り指標値C2は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面の角部を含む平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D2(mm)とを用いて、
C2=(Hmax-Hmin)/D2
によって算出されることを特徴とする。
【0010】
(項4)
本発明のさらなる形態の窒化アルミニウム焼結体は、より好適には項1から3のいずれか一項の窒化アルミニウム焼結体において、前記窒化アルミニウム焼結体の基板中央領域の反りを示す第3の反り指標値C3が、0.10~0.29μm/mmであり、
前記第3の反り指標値C3は、前記窒化アルミニウム焼結体の基板サンプルにおいて、基板サンプル表面の中心に位置する平方領域の3次元形状測定によって得られた最大高さ値Hmax(μm)および最小高さ値Hmin(μm)と、前記平方領域の対角線の距離D3(mm)とを用いて、
C3=(Hmax-Hmin)/D3
によって算出されることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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