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公開番号2025138215
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037175
出願日2024-03-11
発明の名称蓄電池管理装置
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類H02J 3/32 20060101AFI20250917BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】経済的な利益を大きくするための蓄電池の運用方法を見つけることができる蓄電池管理装置を提供する。
【解決手段】蓄電池管理装置20は、所定期間に第1放電制御を行った場合に受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第1予測報酬金額と、所定期間に第2放電制御を行った場合に受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第2予測報酬金額とを導出する報酬金額予測部22を備え、第1放電制御は、蓄電池11の放電可能電力量が電力負荷の負荷電力量より大きい場合に電力を逆潮流させるように蓄電池11から最大限放電させる制御であり、第2放電制御は、蓄電池11の放電可能電力量が電力負荷の負荷電力量より大きい場合に電力を逆潮流させないように蓄電池11から最大限放電させる制御である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
電力負荷及び蓄電池が電力系統に連系される施設での、所定期間の前記電力負荷の負荷電力の時間的推移を示す負荷電力データ、所定の充放電条件で前記蓄電池の充放電を行った場合での前記所定期間の前記蓄電池の蓄電残量の時間的推移を示す蓄電残量データ、及び、前記所定期間を構成する複数の単位時間帯のうち、前記施設の受電点での電力量である受電点電力量を減少させる要請が行われる１以上の前記単位時間帯を指定する減少要請データを取得する情報取得部と、
前記所定期間に第１放電制御を行った場合に前記受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第１予測報酬金額と、前記所定期間に第２放電制御を行った場合に前記受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第２予測報酬金額とを導出する報酬金額予測部とを備え、
前記第１放電制御は、前記減少要請データで指定された前記単位時間帯での、前記蓄電残量データに基づいて定まる前記蓄電池の放電可能電力量が、前記負荷電力データに基づいて定まる当該単位時間帯での前記電力負荷の負荷電力量より大きい場合には、当該単位時間帯での前記受電点電力量を減少させるために前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させるように前記蓄電池から最大限放電させ、当該単位時間帯での前記蓄電池の前記放電可能電力量が前記単位時間帯での前記電力負荷の前記負荷電力量以下の場合には、前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から最大限放電させる制御であり、
前記第２放電制御は、前記減少要請データで指定された前記単位時間帯での、前記蓄電池の前記放電可能電力量が、当該単位時間帯での前記電力負荷の前記負荷電力量より大きい場合には、当該単位時間帯での前記受電点電力量を減少させるために前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から最大限放電させ、当該単位時間帯での前記蓄電池の前記放電可能電力量が当該単位時間帯での前記電力負荷の前記負荷電力量以下の場合には、前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から最大限放電させる制御である、蓄電池管理装置。
続きを表示（約 690 文字）【請求項２】
前記報酬金額予測部が予測した前記第１予測報酬金額及び前記第２予測報酬金額を前記施設の利用者に対して出力する情報出力部を備える請求項１に記載の蓄電池管理装置。
【請求項３】
前記報酬金額予測部は、
第１報酬単価と前記減少要請データで指定された前記単位時間帯に前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させた場合の逆潮流電力量との積によって前記第１予測報酬金額を導出し、
第２報酬単価と前記減少要請データで指定された前記単位時間帯に前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から放電させた場合の放電電力量との積によって前記第２予測報酬金額を導出する請求項１又は２に記載の蓄電池管理装置。
【請求項４】
前記第１報酬単価及び前記第２報酬単価は各別に設定される請求項３に記載の蓄電池管理装置。
【請求項５】
前記単位時間帯での前記負荷電力量は、過去の直近５日間のうち、前記単位時間帯と同じ時間帯での前記負荷電力量が多い方から４日分の当該時間帯の前記負荷電力量の平均値である請求項１又は２に記載の蓄電池管理装置。
【請求項６】
前記蓄電池にはそれ以上の充電を禁止する上限蓄電残量及びそれ以上の放電を禁止する下限蓄電残量が設定され、前記上限蓄電残量及び前記下限蓄電残量を考慮して前記放電可能電力量が決定される請求項１又は２に記載の蓄電池管理装置。
【請求項７】
前記蓄電池の放電効率を考慮して前記放電可能電力量が決定される請求項１又は２に記載の蓄電池管理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、蓄電池管理装置に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
電力系統から電力を受電できる住戸や事業所などの施設に蓄電池を設けて、蓄電池が放電した電力を施設の電力負荷への電力供給に用いることが行われている。例えば、時間帯別の電気料金が設定されている場合、電気料金が安い時間帯に電力系統から受電した電力を蓄電池に充電し、電気料金が高い時間帯に蓄電池から放電した電力を施設の電力負荷で消費させるように蓄電池を運用することもできる。
【０００３】
また、施設に設置された蓄電池を、事業者の要請に応じて運用することもできる。例えば、施設が、一般送配電事業者、小売電気事業者、アグリゲーターなどから、施設の受電点での電力量である受電点電力量を減少させることの要請を受けた場合、その要請に応じて放電するように蓄電池を運用することもできる。
【０００４】
例えば、特許文献１（特開２０１７－１４６７６１号公報）には、エネルギー供給者にとって経済的に最適となるようなデマンドレスポンスによる調整電力量および市場調達量が決定でき、また市場販売量が決定できる需給調整装置が記載されている。このように、特許文献１では、電力の需要家に供給する電力をどのように確保すれば、エネルギー供給者の経済的な利益が大きくなるのかが考慮されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１７－１４６７６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１には、例えばデマンドレスポンスの要請を受けた電力の需要家が、その需要家の施設でデマンドレスポンスの要請に応じる場合に、施設に設けられる蓄電池をどのように運用すれば需要家の経済的な利益を大きくすることができるのかは記載されていない。
【０００７】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、経済的な利益を大きくするための蓄電池の運用方法を見つけることができる蓄電池管理装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するための本発明に係る蓄電池管理装置の特徴構成は、電力負荷及び蓄電池が電力系統に連系される施設での、所定期間の前記電力負荷の負荷電力の時間的推移を示す負荷電力データ、所定の充放電条件で前記蓄電池の充放電を行った場合での前記所定期間の前記蓄電池の蓄電残量の時間的推移を示す蓄電残量データ、及び、前記所定期間を構成する複数の単位時間帯のうち、前記施設の受電点での電力量である受電点電力量を減少させる要請が行われる１以上の前記単位時間帯を指定する減少要請データを取得する情報取得部と、
前記所定期間に第１放電制御を行った場合に前記受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第１予測報酬金額と、前記所定期間に第２放電制御を行った場合に前記受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第２予測報酬金額とを導出する報酬金額予測部とを備え、
前記第１放電制御は、前記減少要請データで指定された前記単位時間帯での、前記蓄電残量データに基づいて定まる前記蓄電池の放電可能電力量が、前記負荷電力データに基づいて定まる当該単位時間帯での前記電力負荷の負荷電力量より大きい場合には、当該単位時間帯での前記受電点電力量を減少させるために前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させるように前記蓄電池から最大限放電させ、当該単位時間帯での前記蓄電池の前記放電可能電力量が前記単位時間帯での前記電力負荷の前記負荷電力量以下の場合には、前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から最大限放電させる制御であり、
前記第２放電制御は、前記減少要請データで指定された前記単位時間帯での、前記蓄電池の前記放電可能電力量が、当該単位時間帯での前記電力負荷の前記負荷電力量より大きい場合には、当該単位時間帯での前記受電点電力量を減少させるために前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から最大限放電させ、当該単位時間帯での前記蓄電池の前記放電可能電力量が当該単位時間帯での前記電力負荷の前記負荷電力量以下の場合には、前記施設から前記電力系統へと電力を逆潮流させないように前記蓄電池から最大限放電させる制御である点にある。
【０００９】
上記特徴構成によれば、蓄電池管理装置は、所定期間に第１放電制御を行った場合に受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第１予測報酬金額と、所定期間に第２放電制御を行った場合に受電点電力量を減少させたことへの報酬として得られると予測される第２予測報酬金額とを導出できる。その結果、施設で、施設から電力系統へと電力を逆潮流させるように蓄電池から最大限放電させる第１放電制御を行った方が経済的利益が大きくなるのか、又は、施設から電力系統へと電力を逆潮流させないように蓄電池から最大限放電させる第２放電制御を行った方が経済的利益が大きくなるのかを明確にできる。
従って、経済的な利益を大きくするための蓄電池の運用方法を見つけることができる蓄電池管理装置を提供できる。
【００１０】
本発明に係る蓄電池管理装置の別の特徴構成は、前記報酬金額予測部が予測した前記第１予測報酬金額及び前記第２予測報酬金額を前記施設の利用者に対して出力する情報出力部を備える点にある。
（【００１１】以降は省略されています）

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