TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025130508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027725
出願日2024-02-27
発明の名称樹脂積層フィルム
出願人大阪瓦斯株式会社,SPACECOOL株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類G02B 5/08 20060101AFI20250901BHJP(光学)
要約【課題】直射日光下において高い冷却能力が発揮できると共に高い電波透過性を発揮し、且つ樹脂材料に空孔を設ける場合の放射冷却性能の低下及び空孔の汚れによる冷却性能の低下を防止する。
【解決手段】光反射層Bは、複数の空孔Kを有すると共に第2樹脂から構成され、赤外放射層Jは、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長13μmで放つ第1樹脂から構成され、赤外放射層Jに含まれる空孔は、光反射層Bに含まれる空孔よりも少なく、光反射層B及び赤外放射層Jを含む積層樹脂層Mは、波長400nmから800nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が80%以上で、波長800nmから1200nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が70%以上であり、且つ波長8μmから13μmにおける輻射率の波長平均が43%以上である
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
放射面から赤外光を放射する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置する光反射層とを備える樹脂積層フィルムであって、
前記光反射層は、複数の空孔を有すると共に第2樹脂から構成され、
前記赤外放射層は、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長13μmで放つ第1樹脂から構成され、
前記赤外放射層に含まれる前記空孔は、前記光反射層に含まれる前記空孔よりも少なく、
前記光反射層及び前記赤外放射層を含む積層樹脂層は、波長400nmから800nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が80%以上で、波長800nmから1200nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が70%以上であり、且つ波長8μmから13μmにおける輻射率の波長平均が43%以上である樹脂積層フィルム。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記赤外放射層は、前記第1樹脂にフィラーを含む請求項1に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項3】
前記第2樹脂の厚みは、10μm以上500μm以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項4】
前記第1樹脂の厚みは、10μm以上500μm以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項5】
前記第2樹脂が有する前記空孔は、屈折率が前記第2樹脂より小さく、
前記空孔の算術平均孔径が0.1μm以上3.0μm以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項6】
前記光反射層における前記空孔の体積割合は、0.1体積%以上60体積%以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項7】
前記積層樹脂層における前記空孔の体積割合は、1体積%以上50体積%以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項8】
前記積層樹脂層における前記空孔の体積割合は、10体積%以上40体積%以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項9】
前記積層樹脂層は、波長400nmから800nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が88%以上で、波長800nm~1200nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が80%以上である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
【請求項10】
前記積層樹脂層は、波長400nmから800nmの光透過率の波長平均である算術平均透過率が1%以上12%以下である請求項1又は2に記載の樹脂積層フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射面から赤外光を放射する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置する光反射層とを備える樹脂積層フィルムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
放射冷却現象を用いた複合冷却素材の従来例として、放射面から赤外光を放射する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置させる光反射層とが積層状態で設けられて構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
放射冷却現象によって宇宙空間に熱を捨て、直射日光下で物体を冷やすためには、高い太陽光反射率と高い赤外線放射率の両立が重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2018-526599号公報
特表2022-528289号公報
国際公開第2018/062541号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの放射冷却素材は太陽光を金属薄膜により反射することによって太陽光の高い反射率を実現してきたが、金属薄膜を用いることには、吸収率が高まる問題が存在し、直射日光下で素材温度を向上させる要因となっていた。また、金属薄膜を用いると電波透過性が低く、空間を囲うと通信機器が働きにくくなる課題も存在した。
また、金属薄膜を反射層として用いると、表面に傷がつき、金属層が露出した場合に、金属層を起点として腐食が始まり、金属層の酸化によって金属層が着色し、反射率が低下しやすいという課題もあった。
また金属薄膜を反射層に用いると、金属酸化物は微少量でも呈色しやすくなるために、樹脂からなる反射層と比較して劣化した場合の反射率の低下度合いが大きいという課題があった。
【0005】
また、樹脂を多孔質にすることにより太陽光の反射率を高める放射冷却素材も存在する(特許文献2を参照)。このような放射冷却素材の場合、多孔質が最外面に露出している場合、雨水などで汚れやすい。放射冷却素材の最表面が汚れる場合、汚れが太陽光を吸収しても汚れと放射冷却素材との熱的接触が小さいことから放射冷却素材自体が温まらないが、多孔質内部が汚染される場合、汚れで太陽光が変換された熱は逃げ場がないために素材をよく加熱する。以上のように、多孔質が表面に出た状態の放射冷却素材は汚れの観点で忌避される。
【0006】
また、多孔質そのものを放射層として活用する放射冷却素材が存在する(特許文献3を参照)。このような放射冷却素材は大気の窓領域における放射冷却能力を最大化することが難しい。多孔にできる素材としては、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート等様々な種類が挙げられるが、多孔質にすると放射に寄与する物質の量が減ることから、大きな放射冷却能力を得るには厚みを増す必要がある。放射冷却素材は貼り付けた被対象物を冷却することを目的とした素材であり、樹脂層、特に多孔質の樹脂層が増えることは放射冷却素材の能力を阻害することになる。この観点から、多孔質な樹脂層そのもので放射させる設計は物体を冷やすことを阻害する。
【0007】
併せて、多孔質で放射能力を向上させる場合、多孔性による熱伝導率の悪さから、被冷却対象物の温度が最表面に位置する樹脂まで伝わらず十分に被冷却物を冷却できない問題が発生する。また、空気を内包する層がミルフィーユ状に多層に積み重なる多孔性樹脂層の場合、多層にしない場合との比較で多層にすることで放射率が低下する傾向がある。これは、光学多層膜構造となることから、フォトニックバンドギャップ構造が形成され、反射率が向上することにある。このことから、多孔性樹脂層を反射層のみならず放射層として活用することは放射冷却素材の冷却構造を向上させるうえで、好ましいとは言えない。
【0008】
本発明の目的は、直射日光下において高い冷却能力が発揮できると共に高い電波透過性を発揮し、且つ樹脂材料に空孔を設ける場合の放射冷却性能の低下及び空孔の汚れによる冷却性能の低下を防止することができる樹脂積層フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための樹脂積層フィルムは、
放射面から赤外光を放射する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置する光反射層とを備える樹脂積層フィルムであって、その特徴構成は、
前記光反射層は、複数の空孔を有すると共に第2樹脂から構成され、
前記赤外放射層は、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長13μmで放つ第1樹脂から構成され、
前記赤外放射層に含まれる前記空孔は、前記光反射層に含まれる前記空孔よりも少なく、
前記光反射層及び前記赤外放射層を含む積層樹脂層は、波長400nmから800nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が80%以上で、波長800nmから1200nmの光反射率の波長平均である算術平均反射率が70%以上であり、且つ波長8μmから13μmにおける輻射率の波長平均が43%以上である点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、まずもって、光反射層として金属薄膜を用いていないため、光反射層として金属薄膜を用いた構成に比して、太陽光の吸収率を抑制して樹脂積層フィルムの温度の上昇を抑制できる。更に、電波透過性を比較的高くすることができるため、上記特徴構成を有する樹脂材料フィルムが無線通信機器を囲うような状況であっても、無線通信機器による通信を良好に保つことができる。
更に、通常、放射面が大気側に向けて設置される赤外放射層は、赤外放射層に含まれる空孔が光反射層に含まれる空孔よりも少なく、より好ましくは、赤外放射層に含まれる空孔を実質的に零とする構成とすることで、雨水等で汚れにくく、汚れが太陽光を吸収して赤外放射層を加熱することを良好に防止できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

大阪瓦斯株式会社
蓄電装置
28日前
大阪瓦斯株式会社
給湯装置
1日前
大阪瓦斯株式会社
加熱調理器
1か月前
大阪瓦斯株式会社
衣類乾燥機
1か月前
大阪瓦斯株式会社
ガスコンロ
1日前
大阪瓦斯株式会社
衣類乾燥機
1か月前
大阪瓦斯株式会社
衣類乾燥機
1か月前
大阪瓦斯株式会社
住宅設備機器
1か月前
大阪瓦斯株式会社
通信システム
2か月前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池装置
11日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
異常診断装置
12日前
大阪瓦斯株式会社
地中給電設備
11日前
大阪瓦斯株式会社
鮮度維持装置
11日前
大阪瓦斯株式会社
蓄電制御装置
5日前
大阪瓦斯株式会社
熱供給システム
1日前
大阪瓦斯株式会社
蓄電池管理装置
5日前
大阪瓦斯株式会社
電力供給システム
2か月前
大阪瓦斯株式会社
樹脂積層フィルム
22日前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池システム
12日前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池システム
1日前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池システム
1日前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池システム
1か月前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池システム
5日前
大阪瓦斯株式会社
燃料電池システム
1日前
大阪瓦斯株式会社
故障予兆システム
13日前
大阪瓦斯株式会社
軟化食品の製造方法
11日前
大阪瓦斯株式会社
湯張り動作検証装置
20日前
大阪瓦斯株式会社
可変断熱性冷却素材
13日前
続きを見る