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公開番号2025143716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-02
出願番号2024043094
出願日2024-03-19
発明の名称熱式流量計および補正方法
出願人アズビル株式会社
代理人個人
主分類G01F 1/684 20060101AFI20250925BHJP(測定;試験)
要約【課題】測定対象の流体が不明な場合でも、流量をより精度よく測定できるようにする。
【解決手段】第5回路111が、第3回路109が求めた温度差と、第4回路110が求めた消費電力と、温度測定値を測定した拡散温度測定部107a,107b,107cと温調部102との距離と、配管の断面積とから、第3回路109が求めた温度差の各々について流体の熱伝導率を求める。第6回路112が、第5回路111により求められた各々の熱伝導率より流体の熱伝導率の温度特性を求める。第7回路113が、第6回路112が求めた流体の熱伝導率の温度特性で、センサ値を補正した補正値を求める。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
測定対象の流体を輸送する配管と、
前記配管の測定領域において前記流体を加熱または冷却するように構成された温調部と、
基準温度と前記温調部の温度との差が設定されている設定温度差となるように前記温調部を駆動しているときの、前記温調部に加熱された前記流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と、
前記流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、
前記流体停止部に前記流体の流れを停止させてから前記温調部の駆動を開始するように構成された第1回路と、
前記配管の管軸方向で前記温調部より離れる複数の箇所に配列され、前記流体停止部が前記流体の流れを停止した状態で、前記温調部による温度の影響を受ける位置の前記流体の温度を測定する拡散温度測定部と、
前記温調部が駆動を開始してから、前記温調部による複数の温度制御を実施させるように構成された第2回路と、
前記第2回路による前記温調部による複数の温度制御の各々において、前記拡散温度測定部が測定した前記温調部とは異なる温度測定値と前記温調部の温度との差を求めるように構成された第3回路と、
前記第2回路による前記温調部による複数の温度制御の各々において、前記第3回路が温度差を求めた時点の前記温調部の消費電力を求めるように構成された第4回路と、
前記第3回路が求めた温度差と、前記第4回路が求めた消費電力と、前記温度測定値を測定した前記拡散温度測定部と前記温調部との距離と、前記配管の断面積とから、前記第4回路が求めた温度差の各々について前記流体の熱伝導率を求めるように構成された第5回路と、
前記第5回路が求めた各々の熱伝導率より前記流体の熱伝導率の温度特性を求めるように構成された第6回路と、
前記第6回路が求めた前記流体の熱伝導率の温度特性で、前記センサ値を補正した補正値を求めるように構成された第7回路と、
前記流体の流量を前記補正値から算出するように構成された第8回路と
を備える熱式流量計。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1記載の熱式流量計において、
前記センサ回路は、前記温調部の温度と前記基準温度との差が前記設定温度差となるように前記温調部を駆動しているときの、前記温調部の電力を前記センサ値として出力する熱式流量計。
【請求項3】
請求項1記載の熱式流量計において、
前記温調部より上流側で前記温調部の熱影響を受ける位置の前記流体の第1温度を測定する第1流体温度測定部と、
前記温調部より下流側で前記温調部の熱影響を受ける位置の前記流体の第2温度を測定する第2流体温度測定部と
を備え、
前記第1流体温度測定部および前記第2流体温度測定部の少なくとも一方は、前記温調部にとなり合う前記拡散温度測定部とされ、
前記センサ回路は、前記温調部の温度と、前記基準温度との差が前記設定温度差となるように前記温調部を駆動しているときの、前記第1温度と前記第2温度との温度差を前記センサ値として出力する
熱式流量計。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の熱式流量計において、
前記基準温度として、前記温調部より上流側で前記温調部の熱影響を受けない基準温度測定位置における前記流体の温度を測定する基準温度測定部を備える熱式流量計。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の熱式流量計において、
前記流体が変更された情報を受け付けて前記第1回路の動作を開始させる第9回路をさらに備える熱式流量計。
【請求項6】
測定対象の流体を輸送する配管の測定領域において前記流体を加熱または冷却する温調部の温度と基準温度との差が設定されている設定温度差となるように前記温調部を駆動しているときの、前記温調部に加熱された前記流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値の補正方法であって、
前記流体の流れを停止させてから前記温調部の駆動を開始する第1ステップと、
前記温調部が駆動を開始してから、前記温調部による複数の温度制御を実施させる第2ステップと、
前記第2ステップによる前記温調部による複数の温度制御の各々において、配管の管軸方向で前記温調部より離れる複数の箇所に配列されて前記温調部による温度の影響を受ける位置の前記流体の温度を測定する拡散温度測定部が測定した前記温調部とは異なる温度測定値と前記温調部の温度との差を求める第3ステップと、
前記第2ステップによる前記温調部による複数の温度制御の各々において、前記第3ステップで温度差を求めた時点の前記温調部の消費電力を求める第4ステップと、
前記第3ステップで求めた温度差と、前記第4ステップで求めた消費電力と、前記温度測定値を測定した前記拡散温度測定部と前記温調部との距離と、前記配管の断面積とから、前記第4ステップで求めた温度差の各々について前記流体の熱伝導率を求める第5ステップと、
前記第5ステップで求めた各々の熱伝導率より前記流体の熱伝導率の温度特性を求める第6ステップと、
前記センサ値を求める第7ステップと、
前記第6ステップで求めた前記流体の熱伝導率の温度特性で、前記センサ値を補正した補正値を求める第8ステップと、
前記流体の流量を前記補正値から算出する第9ステップと
を備える補正方法。
【請求項7】
請求項6記載の補正方法において、
前記第7ステップは、前記温調部の温度と前記基準温度との差が前記設定温度差となるように前記温調部を駆動しているときの、前記温調部の電力を前記センサ値とする補正方法。
【請求項8】
請求項6記載の補正方法において、
前記第7ステップは、前記温調部の温度と、前記基準温度との差が前記設定温度差となるように前記温調部を駆動しているときの、前記温調部より上流側で前記温調部の熱影響を受ける位置で測定された前記流体の第1温度と、前記温調部より下流側で前記温調部の熱影響を受ける位置で測定された前記流体の第2温度との温度差を前記センサ値とする補正方法。
【請求項9】
請求項7または8記載の補正方法において、
前記第7ステップは、前記温調部より上流側で前記温調部の熱影響を受けない基準温度測定位置で前記流体の温度を測定して前記基準温度とする補正方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式流量計および補正方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
熱式流量計には、ヒータの上下流の温度差により流量を測定する方法、およびヒータの消費電力による流量を測定する方法などがある。例えば、液体の流量を測定する場合、ヒータ温度を液温に対してプラス10℃など一定温度に加温駆動で動作させ、上流と下流との温度差またはヒータの電力から流量を算出する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-010322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、熱式流量計は、ヒータの温度差やヒータの電力などのヒータ出力を流量に換算(変換)している。この換算(換算式)は、測定対象の流体に固有のものとなる。このため、測定対象の流体の種類や物性値が不明な場合や、測定対象を変更する場合、ヒータ出力を流量に換算する際に誤差が生じ、正確な流量が出力できない場合がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、測定対象の流体が不明な場合でも、流量をより精度よく測定できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱式流量計は、測定対象の流体を輸送する配管と、配管の測定領域において流体を加熱または冷却するように構成された温調部と、基準温度と温調部の温度との差が設定されている設定温度差となるように温調部を駆動しているときの、温調部に加熱された流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と、流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、流体停止部に流体の流れを停止させてから温調部の駆動を開始するように構成された第1回路と、配管の管軸方向で温調部より離れる複数の箇所に配列され、流体停止部が流体の流れを停止した状態で、温調部による温度の影響を受ける位置の流体の温度を測定する拡散温度測定部と、温調部が駆動を開始してから、温調部による複数の温度制御を実施させるように構成された第2回路と、第2回路による温調部による複数の温度制御の各々において、拡散温度測定部が測定した温調部とは異なる温度測定値と温調部の温度との差を求めるように構成された第3回路と、第2回路による温調部による複数の温度制御の各々において、第3回路が温度差を求めた時点の温調部の消費電力を求めるように構成された第4回路と、第3回路が求めた温度差と、第4回路が求めた消費電力と、温度測定値を測定した拡散温度測定部と温調部との距離と、配管の断面積とから、第4回路が求めた温度差の各々について流体の熱伝導率を求めるように構成された第5回路と、第5回路が求めた各々の熱伝導率より流体の熱伝導率の温度特性を求めるように構成された第6回路と、第6回路が求めた流体の熱伝導率の温度特性で、センサ値を補正した補正値を求めるように構成された第7回路と、流体の流量を補正値から算出するように構成された第8回路とを備える。
【0007】
上記熱式流量計の一構成例において、センサ回路は、温調部の温度と基準温度との差が設定温度差となるように温調部を駆動しているときの、温調部の電力をセンサ値として出力する。
【0008】
上記熱式流量計の一構成例において、温調部より上流側で温調部の熱影響を受ける位置の流体の第1温度を測定する第1流体温度測定部と、温調部より下流側で温調部の熱影響を受ける位置の流体の第2温度を測定する第2流体温度測定部とを備え、第1流体温度測定部および第2流体温度測定部の少なくとも一方は、温調部にとなり合う拡散温度測定部とされ、センサ回路は、温調部の温度と、基準温度との差が設定温度差となるように温調部を駆動しているときの、第1温度と第2温度との温度差をセンサ値として出力する。
【0009】
上記熱式流量計の一構成例において、基準温度として、温調部より上流側で温調部の熱影響を受けない基準温度測定位置における流体の温度を測定する基準温度測定部を備える。
【0010】
上記熱式流量計の一構成例において、流体が変更された情報を受け付けて第1回路の動作を開始させる第9回路をさらに備える熱式流量計。
(【0011】以降は省略されています)

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