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公開番号
2025158628
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-17
出願番号
2024061362
出願日
2024-04-05
発明の名称
単結晶成長用黒鉛坩堝の製造方法
出願人
SECカーボン株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
C30B
23/06 20060101AFI20251009BHJP(結晶成長)
要約
【課題】高温に曝されても消耗しにくい黒鉛坩堝の製造方法を提供する。
【解決手段】昇華再結晶法により種結晶基板の主面上に単結晶を成長させる、単結晶成長用黒鉛坩堝の製造方法であって、主にニードルコークスから構成されるコークスとバインダーピッチを含む原料を成形する成形工程と、前記成形された成形物を焼成して焼成物を得る焼成工程と、前記焼成物に対し、追加のバインダーピッチの含浸と焼成の組み合わせを一回以上行い、含浸焼成物を得る第一含浸焼成工程と、前記含浸焼成物に対し2000℃以上に加熱して黒鉛化し、黒鉛化物を得る黒鉛化工程と、前記黒鉛化物に対し、追加のバインダーピッチの含浸と焼成の組み合わせを一回以上行う、第二含浸焼成工程と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
昇華再結晶法により種結晶基板の主面上に単結晶を成長させる、単結晶成長用黒鉛坩堝の製造方法であって、
主にニードルコークスから構成されるコークスとバインダーピッチを含む原料を成形する成形工程と、
前記成形された成形物を焼成して焼成物を得る焼成工程と、
前記焼成物に対し、追加のバインダーピッチの含浸と焼成の組み合わせを一回以上行い、含浸焼成物を得る第一含浸焼成工程と、
前記含浸焼成物に対し2000℃以上に加熱して黒鉛化し、黒鉛化物を得る黒鉛化工程と、
前記黒鉛化物に対し、追加のバインダーピッチの含浸と焼成を行う、第二含浸焼成工程と、
を備える、単結晶成長用黒鉛坩堝の製造方法。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記第二含浸焼成工程の後に、前記黒鉛化物から坩堝の形状に加工する坩堝加工工程を行う、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
第二含浸焼成工程において投入するバインダーピッチ及び炭化物粒粉を、投入する前記バインダーピッチ及び前記炭化物粒粉の灰分が0.1%以下となるように、制限することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第一含浸焼成工程における含浸と焼成の繰り返し回数を4回以下にすることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第二含浸焼成工程において含浸と焼成を繰り返すことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記成形工程は、押出成形工程であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第二含浸焼成工程での空隙に関する測定結果に基づいて、前記第二含浸焼成工程の工程条件を決定することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶成長用黒鉛坩堝の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
黒鉛坩堝を使用して昇華再結晶法によりSiC等の単結晶を製造する製造方法が知られている。当該製造方法で単結晶を製造する際、黒鉛坩堝が長時間高温に曝されることにより、黒鉛坩堝が消耗することがある。特許文献1には、黒鉛坩堝等に使用される等方性黒鉛基材の耐熱性を高めるため、等方性黒鉛基材の表面を炭化物被膜を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-145022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では等方性黒鉛基材を使用することを前提としている。等方性黒鉛基材の原料には、アモルファスコークス(結晶方向がランダムであり、アスペクト比が小さく丸い塊状を有するコークス)が使用される。特許文献1には、アモルファスコークスではない異方性コークス(ニードルコークス)を原料とした黒鉛基材について記載されていない。
【0005】
また、黒鉛坩堝は、結晶を成長させるために長時間高温に曝される。主にニードルコークスから構成されるコークスを原料とする場合に、高温に曝されても消耗しにくい黒鉛坩堝の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
黒鉛坩堝は、広大な外側面及び内側面を有する。黒鉛坩堝の表面に被膜を形成する場合、被膜の面積が広いぶん被膜の剥離リスクも高くなることから、被膜だけに頼らず、黒鉛坩堝自体の耐熱性を向上させることを考えた。鋭意研究の結果、本発明者らは以下の黒鉛坩堝の製造方法を創出した。
【0007】
本発明の製造方法は、昇華再結晶法により種結晶基板の主面上に単結晶を成長させる、単結晶成長用黒鉛坩堝の製造方法であって、
主にニードルコークスから構成されるコークスとバインダーピッチを含む原料を成形する成形工程と、
前記成形された成形物を焼成して焼成物を得る焼成工程と、
前記焼成物に対し、追加のバインダーピッチの含浸と焼成の組み合わせを一回以上行い、含浸焼成物を得る第一含浸焼成工程と、
前記含浸焼成物に対し2000℃以上に加熱して黒鉛化し、黒鉛化物を得る黒鉛化工程と、
前記黒鉛化物に対し、追加のバインダーピッチの含浸と焼成を行う、第二含浸焼成工程と、
を備える。
【0008】
本明細書において、「主にニードルコークスから構成されるコークス」とは、コークス全体のうちニードルコークスが50wt%超を占めるコークスをいう。「主にニードルコークスから構成されるコークス」は、アモルファスコークスに比べて、原料由来の不純物が少ないために、当該不純物の成長結晶への混入を防ぎやすい。そのうえ、「主にニードルコークスから構成されるコークス」は、アモルファスコークスに比べて高い熱伝導率を示す。「主にニードルコークスから構成されるコークス」を使用して押出成形又はその他のモールド成形に代表される異方性を生じさせる成形を行う場合には、より大きな熱伝導率異方性を持たせることができる。しかしながら、「主にニードルコークスから構成されるコークス」を原料として黒鉛坩堝を製造する場合に、黒鉛化工程において、パッフィングと呼ばれる黒鉛基材の異常膨張現象が発生することがある。アモルファスコークスには発生し難い、ニードルコークス特有の異常膨張現象により、黒鉛基材の内部に空隙(気孔やクラック)を形成するおそれがある。黒鉛基材の内部に発生した空隙が、黒鉛坩堝の耐熱性を低下させて、黒鉛坩堝を消耗し易くさせる。しかしながら、上述した製造方法の場合、黒鉛化工程の後で第二含浸焼成工程に行うため、空隙に炭素質を充填させることができる。その結果、空隙が減少して黒鉛坩堝の比表面積が小さくなり、黒鉛坩堝が高温で昇華ガスに曝されても消耗しにくくなる。
【0009】
黒鉛化工程後に含浸焼成工程を行うことは、黒鉛化工程で不純物を排除した黒鉛化物に、再び不純物を与えることを意味する。本実施形態の黒鉛化物は、単結晶成長用の黒鉛坩堝である。単結晶成長用の黒鉛坩堝にとって、黒鉛坩堝の純度は、成長させる結晶品質に影響を与える重要因子である。不純物の少ない結晶を得るためにできるだけ不純物の少ない黒鉛坩堝を作製することが、黒鉛坩堝を製造する者の技術常識であった。そのような中にあって、本発明者らは、技術常識にとらわれることなく、単結晶成長用黒鉛坩堝を製造のために、不純物を添加しかねない含浸焼成工程を、黒鉛化工程後に行うという方法を創出した。
【0010】
前記第二含浸焼成工程の後に、前記黒鉛化物から坩堝の形状に加工する坩堝加工工程を行っても構わない。第二含浸焼成工程により多少の充填材等の付着や素材の消耗・変形が生じても、それらの影響を受けることなく所望の坩堝形状に加工できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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