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公開番号2025163220
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-28
出願番号2025131785,2023549478
出願日2025-08-06,2022-09-09
発明の名称酸化マグネシウム粉末、ゴム用加硫剤組成物、ゴム組成物、酸化マグネシウム粉末の製造方法
出願人宇部マテリアルズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01F 5/08 20060101AFI20251021BHJP(無機化学)
要約【課題】ゴムの加硫を促進する効果が高く、ゴム組成物に配合したときに耐水和性が高く、質感に優れる酸化マグネシウム粉末を提供する。
【解決手段】酸化マグネシウム粉末は、体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が50%となるD50が10μm以下であって、体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が10%となる粒子径D10に対する前記累積値が90%となる粒子径D90の比D90/D10が10以下であり、クエン酸活性度が500秒以上2500秒以下の範囲内にある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が50%となるD
50
が10μm以下であって、体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が10%となる粒子径D
10
に対する前記累積値が90%となる粒子径D
90
の比D
90
/D
10
が10以下であり、前記粒子径D
90
が11μm以上30μm以下であり、前記粒子径D
10
が2μm以上9μm以下であり、下記の方法で測定されたクエン酸活性度が500秒以上2500秒以下の範囲内にある酸化マグネシウム粉末。
クエン酸活性度の測定方法:濃度0.13モル/Lのクエン酸水溶液100mLと、濃度1%のフェノールフタレイン溶液2mLとを含む混合液を30℃±0.5℃の温度に調整した後、前記混合液に酸化マグネシウム粉末2gを投入し、酸化マグネシウム粉末を投入してから10秒後に前記混合液を撹拌し、酸化マグネシウム粉末を投入してから前記混合液の色が桃色に変化するまで時間を、クエン酸活性度として計測する。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記D
50
が3μm以上10μm以下の範囲内にある請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項3】
前記D
90
/D
10
が2以上8以下である請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項4】
前記D
90
/D
10
が2以上7以下である請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項5】
前記D
90
/D
10
が2以上6以下である請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項6】
BET比表面積が2.0m

/g以下である請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項7】
酸化マグネシウム含有率が90質量%以上である請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項8】
ゴムの加硫促進助剤用である請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項9】
マグネシアクリンカーを粉砕及び分級して得られる請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末であって、前記クエン酸活性度が1000秒以上2500秒以下の範囲内にある酸化マグネシウム粉末。
【請求項10】
加硫剤と、ゴムの加硫促進剤と、請求項8に記載の酸化マグネシウム粉末とを含むゴム用加硫剤組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化マグネシウム粉末、ゴム用加硫剤組成物、ゴム組成物、酸化マグネシウム粉末の製造方法に関する。
本願は、2021年9月27日に、日本に出願された特願2021-157106号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
酸化マグネシウム粉末の一つの用途として、ゴム組成物の添加剤が知られている。例えば、特許文献1には、酸化マグネシウム粉末をゴムの添加剤として用いることが記載されている。この特許文献1の実施例では、酸化マグネシウム粉末として、試薬グレードのものが利用されている。特許文献2には、BET比表面積が0.1~1.0m

/gの低活性の酸化マグネシウム粉末を、ゴム組成物の空気透過防止性能を維持したまま脆化温度を低下させ、耐クラック性を向上させるための添加剤として用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
日本国特開2019-044137号公報(A)
日本国特開2015-052031号公報(A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にて用いられている試薬グレードの酸化マグネシウム粉末は、一般に活性が高く加硫を促進する効果が高い。ゴム組成物は、加硫が促進されることによって引張強度が向上する。よって、加硫が促進されることは好ましい。しかしながら、活性が高い酸化マグネシウム粉末は水分との反応性が高く、耐水和性が低い傾向がある。水酸化マグネシウム粉末は酸化マグネシウム粉末と比較して密度が低いため、試薬グレードの酸化マグネシウム粉末を含むゴム組成物は、酸化マグネシウム粉末が水和することによって膨張して形状が変化するおそれがある。一方、特許文献2に記載されている低活性の酸化マグネシウム粉末は、加硫を促進する効果が低いため、加硫促進助剤として使用することは難しい。特に、タイヤに用いるゴム組成物では、耐水和性などの化学的な安定性が要求される。さらに、タイヤの表層に用いるゴム組成物では、表面粗さが小さく、光沢を持つなどの質感に優れる外観が要求される。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゴムの加硫を促進する効果が高く、ゴム組成物に配合したときに耐水和性が高く、質感に優れる酸化マグネシウム粉末およびゴム用加硫剤組成物と、その酸化マグネシウム粉末の製造方法を提供することにある。また、本発明は、引張強度および耐水和性が高く、表面粗さが小さく、光沢を持つなどの外観が優れるゴム組成物を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、酸化マグネシウム粉末の粒度分布とクエン酸活性度とを所定の範囲内に調整することによって、水分との反応性を抑えつつ、ゴムの加硫を促進する効果を向上させることが可能となることを見出した。そして、その粒度分布とクエン酸活性度とを調整した酸化マグネシウム粉末をゴム組成物に配合することによって、引張強度が高く、耐水和性が高く、表面粗さが小さく、光沢度が高いゴム組成物を得ることが可能となることを確認して、本発明を完成させた。したがって、本発明は、以下の構成を有する。
【0007】
[1]体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が50%となるD
50
が10μm以下であって、体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が10%となる粒子径D
10
に対する前記累積値が90%となる粒子径D
90
の比D
90
/D
10
が10以下であり、クエン酸活性度が500秒以上2500秒以下の範囲内にある酸化マグネシウム粉末。
クエン酸活性度の測定方法:濃度0.13モル/Lのクエン酸水溶液100mLと、濃度1%のフェノールフタレイン溶液2mLとを含む混合液を30℃±0.5℃の温度に調整した後、前記混合液に酸化マグネシウム粉末2gを投入し、酸化マグネシウム粉末を投入してから10秒後に前記混合液を撹拌し、酸化マグネシウム粉末を投入してから前記混合液の色が桃色に変化するまでの時間を、クエン酸活性度として計測する。
[2]前記D
50
が3μm以上10μm以下の範囲内にある上記[1]に記載の酸化マグネシウム粉末。
[3]前記D
90
が50μm以下である上記[1]または[2]に記載の酸化マグネシウム粉末。
[4]BET比表面積が2.0m

/g以下である上記[1]~[3]に記載の酸化マグネシウム粉末。
[5]酸化マグネシウム含有率が90質量%以上である上記[1]~[4]に記載の酸化マグネシウム粉末。
[6]ゴムの加硫促進助剤用である上記[1]~[5]に記載の酸化マグネシウム粉末。
【0008】
[7]加硫剤と、ゴムの加硫促進剤と、上記[6]に記載の酸化マグネシウム粉末とを含むゴム用加硫剤組成物。
【0009】
[8]ゴム成分と、ゴムの加硫剤と、ゴムの加硫促進剤と、上記[6]に記載の酸化マグネシウム粉末とを含むゴム組成物。
【0010】
[9]マグネシウム化合物を1200℃以上2500℃以下の温度で焼成して酸化マグネシウムを生成させる工程と、前記酸化マグネシウムに対して粉砕及び分級のいずれか一方又は両方を行って、体積基準の篩下累積粒度分布曲線による累積値が90%となるD
90
が50μm以下の酸化マグネシウム粉末を得る工程とを含む、BET比表面積が2.0m

/g以下で、上記の方法で測定されたクエン酸活性度が500秒以上2500秒以下の範囲内にある酸化マグネシウム粉末の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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