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公開番号
2025167560
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-07
出願番号
2024072318
出願日
2024-04-26
発明の名称
ターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法および装置
出願人
日産自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F02D
13/02 20060101AFI20251030BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】一対のバンクの排気通路が等長で合流している排気系では特定の機関回転数で排気脈動が強くなり、ターボチャージャのタービンにおいて潤滑油の吸い出しが生じる。
【解決手段】V型6気筒内燃機関は、排気弁の閉時期(EVC)を変更する可変バルブタイミング機構を備え、非過給域でEVCを遅くする遅閉じ制御を行う。タービンにおける潤滑油吸い出しを抑制するために、排気系の共鳴により排気脈動が強くなる領域Aの下限回転数に相当する所定の機関回転数よりも高い回転数領域では、EVCの遅角量が相対的に小さく制御される。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
それぞれ複数気筒を含む一対のバンクの各々にターボチャージャを備え、各ターボチャージャのタービン出口から延びる一対の排気通路を互いに等長となるように合流させた内燃機関であって、少なくとも排気弁側に排気弁開時期および排気弁閉時期を変更する可変バルブタイミング機構を備え、非過給域で内部排気還流増大のために排気弁閉時期を遅閉じ制御する内燃機関において、
排気脈動による上記タービンにおける潤滑油の吸い出しを抑制するために、所定の機関回転数よりも高い回転数領域では、上記遅閉じ制御における上記排気弁閉時期の遅角量を相対的に小さく制限する、
ターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
上記内燃機関は、吸気弁側に吸気側可変バルブタイミング機構を備え、
この吸気側可変バルブタイミング機構による吸気弁開時期は、所定の負荷の下では、機関回転数の上昇に対し、上記所定の機関回転数の前後においてほぼ一定もしくは機関回転数上昇に伴って遅角する特性を有する、
請求項1に記載のターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法。
【請求項3】
上記の所定の負荷は、非過給域内の負荷である、
請求項2に記載のターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法。
【請求項4】
上記所定の機関回転数よりも高い回転数領域における上記排気弁閉時期の制御目標値が、上記所定の機関回転数よりも低い回転数領域における上記排気弁閉時期の制御目標値よりも進角側に設定されている、
請求項1に記載のターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法。
【請求項5】
上記内燃機関は、上記一対の排気通路が互いに合流する合流部に、通路断面積が拡大する容積部を備えていない、
請求項1に記載のターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法。
【請求項6】
上記回転数領域が、合流点までの排気管長で定まる排気脈動の共鳴回転数を含むように、上記の所定の機関回転数が定められている、
請求項1に記載のターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法。
【請求項7】
それぞれ複数気筒を含む一対のバンクの各々にターボチャージャを備え、各ターボチャージャのタービン出口から延びる一対の排気通路を互いに等長となるように合流させた内燃機関であって、少なくとも排気弁側に排気弁開時期および排気弁閉時期を変更する可変バルブタイミング機構を備え、非過給域で内部排気還流増大のために排気弁閉時期を遅閉じ制御する内燃機関において、
上記可変バルブタイミング機構を制御するコントローラが、排気脈動による上記タービンにおける潤滑油の吸い出しを抑制するために、所定の機関回転数よりも高い回転数領域では、上記遅閉じ制御における上記排気弁閉時期の遅角量を相対的に小さく制限する、
ターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、排気脈動によるターボチャージャのタービンにおける潤滑油の吸い出しを抑制する技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
タービンロータがハウジング内で高速回転するターボチャージャにあっては、タービンロータのディスク背面における微小な空間の圧力がタービンロータの回転に伴って低下すると、センタハウジングの軸受部分に供給されている潤滑油がタービンハウジング側に吸い出される、という現象がある。特に、1サイクルの中で排気の脈動によって圧力低下する区間があると、潤滑油の吸い出しが生じやすい。
【0003】
特許文献1においては、漏れを生じる箇所の隙間を小さくするようにホイールシール部を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-71095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一対のバンクを備えたV型内燃機関や水平対向型内燃機関において、各バンク毎にターボチャージャを備え、各ターボチャージャのタービン出口から延びる一対の排気通路を互いに等長となるように合流させた排気系がある。さらに、非過給域で内部排気還流増大のために排気弁閉時期を遅閉じ制御することがある。このような場合に、特定の回転数において排気系の共鳴によって排気脈動が強くなり、また、上死点後のピストン下降中の排気行程によって圧力低下が生じることで、潤滑油の吸い出しが生じ、排気に白煙が混ざるようになる。本発明は、このような白煙の原因となる潤滑油の吸い出しをシール構造に依存せずに抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るターボチャージャの潤滑油吸い出し抑制方法は、それぞれ複数気筒を含む一対のバンクの各々にターボチャージャを備え、各ターボチャージャのタービン出口から延びる一対の排気通路を互いに等長となるように合流させた内燃機関であって、少なくとも排気弁側に排気弁開時期および排気弁閉時期を変更する可変バルブタイミング機構を備え、非過給域で内部排気還流増大のために排気弁閉時期を遅閉じ制御する内燃機関において、
排気脈動による上記タービンにおける潤滑油の吸い出しを抑制するために、所定の機関回転数よりも高い回転数領域では、上記遅閉じ制御における上記排気弁閉時期の遅角量を相対的に小さく制限する。
【0007】
一対の排気通路を互いに等長となるように合流させた排気系においては、ある回転数付近で共鳴作用によって排気脈動が強くなる。このような排気脈動が強くなる特定の回転数領域を含むように、所定の機関回転数よりも高い回転数領域で、遅閉じ制御における排気弁閉時期の遅角量を相対的に小さく制限することで、排気脈動における低圧側のピークの圧力値が高くなる。これにより、潤滑油の吸い出しが抑制される。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ターボチャージャのシール構造に依存せずに特定の回転数領域におけるタービンでの潤滑油の吸い出しを抑制することができ、白煙の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施例の内燃機関の排気系レイアウトを示す説明図。
一実施例の目標EVCの特性図。
一実施例の目標IVOの特性図。
(a)図2のP1点、(b)P2点および(c)P3点における吸気弁および排気弁のバルブタイミングチャート。
遅閉じ制御時のEVCを相対的に進角したときの排気脈動の変化を示すタイムチャート。
共鳴を生じる領域を局部的に進角補正した参考例の目標EVCの特性図。
図6の参考例においてトルクTe0の下で回転数が変化した場合のEVCの変化を示した特性図。
図2の実施例の特性においてトルクTe0の下で回転数が変化した場合のEVCの変化を示した特性図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、一実施例の内燃機関1の排気系レイアウトを示す説明図であり、車両を床下から見た説明図である。一実施例の内燃機関1は、それぞれ3つの気筒を含む左右一対のバンクを備えたV型6気筒内燃機関であり、クランクシャフト軸方向が車両前後方向に沿った姿勢でもって車両前部に搭載されている。詳細には図示していないが、各々のバンク毎にターボチャージャ6が設けられており、各ターボチャージャ6のタービン出口から触媒コンバータ7を介して一対の排気通路2,2が車両床下に沿って車両後方へと延びている。ターボチャージャ6や触媒コンバータ7は、基本的に一対のバンクで対称となるように配置されている。車両後方へ延びた一対の排気通路2,2は、車両前後方向の中央部付近に位置する合流部3において互いに等長となるように合流している。合流部3は、通路断面積を積極的に拡大させた容積部は備えていない。従って、各バンクの排気脈動が容積部で弱まることなく相互に作用する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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