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公開番号
2025168255
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-07
出願番号
2025060712
出願日
2025-04-01
発明の名称
テレフタル酸と1,4-ブタンジオールのスラリー組成物及びその製造方法とそれを用いたポリブチレンテレフタレートの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08G
63/78 20060101AFI20251030BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】テレフタル酸と1,4-ブタンジオールを含むスラリー組成物であって、スラリー組成物中のテレフタル酸の沈降が抑制されたスラリー組成物及びその製造方法と、このスラリー組成物を用いたエステル化反応の反応性に優れるポリブチレンテレフタレートの製造方法を提供する。
【解決手段】テレフタル酸と1,4-ブタンジオールを含むスラリー組成物であって、該テレフタル酸は、クリプトン吸着法で測定したBET比表面積が1,500cm
2
/g以上で、かつASTM D1921-06に準拠して篩法で測定し、ISO 9276-2:2014に準拠して計算して求めた平均粒径D
50
が40μm以上、200μm以下の粒子の形態であることを特徴とするスラリー組成物。このスラリー組成物を使用するポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
テレフタル酸と1,4-ブタンジオールを含むスラリー組成物であって、
該テレフタル酸は、クリプトン吸着法で測定したBET比表面積が1,500cm
2
/g以上で、かつASTM D1921-06に準拠して篩法で測定し、ISO 9276-2:2014に準拠して計算して求めた平均粒径D
50
が40μm以上、200μm以下の粒子の形態であることを特徴とするスラリー組成物。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
前記1,4-ブタンジオールが糖の直接醗酵により製造された1,4-ブタンジオール、バイオマス資源を用いて製造されたコハク酸又はコハク酸誘導体を水素還元することにより製造された1,4-ブタンジオール、及び1,4-ブタンジオールを原料に使用するポリエステルの解重合により製造された1,4-ブタンジオールのいずれかを含む、請求項1に記載のスラリー組成物。
【請求項3】
前記テレフタル酸が、ポリエステルのケミカルリサイクルで製造されたテレフタル酸、及びバイオマス資源を用いて製造されたテレフタル酸のいずれかを含む、請求項1に記載のスラリー組成物。
【請求項4】
テレフタル酸と1,4-ブタンジオールを混合してスラリー組成物を製造する方法であって、
該テレフタル酸は、クリプトン吸着法で測定したBET比表面積が1,500cm
2
/g以上で、かつ、ASTM D1921-06に準拠して篩法で測定し、ISO 9276-2:2014に準拠して計算して求めた平均粒径D
50
が40μm以上、200μm以下の粒子の形態であることを特徴とするスラリー組成物の製造方法。
【請求項5】
前記1,4-ブタンジオールが糖の直接醗酵により製造された1,4-ブタンジオール、バイオマス資源を用いて製造されたコハク酸又はコハク酸誘導体を水素還元することにより製造された1,4-ブタンジオール、及び1,4-ブタンジオールを原料に使用するポリエステルの解重合により製造された1,4-ブタンジオールのいずれかを含む、請求項4に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項6】
前記テレフタル酸が、ポリエステルのケミカルリサイクルで製造されたテレフタル酸、及びバイオマス資源を用いて製造されたテレフタル酸のいずれかを含む、請求項4に記載のスラリー組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のスラリー組成物を使用するポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項8】
請求項4~6のいずれか1項に記載のスラリー組成物の製造方法で製造したスラリー組成物を使用するポリブチレンテレフタレートの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレフタル酸(以下「TPA」と略記することがある)と1,4-ブタンジオール(以下「BDO」と略記することがある)を含むスラリー組成物とその製造方法に関し、詳しくは、スラリー組成物中のテレフタル酸の耐沈降性に優れたスラリー組成物とその製造方法に関する。本発明はまた、このスラリー組成物を用いたエステル化反応性に優れたポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」と略記することがある)の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ジカルボン酸成分の主成分としてテレフタル酸(TPA)を用い、ジオール成分の主成分として1,4-ブタンジオール(BDO)を用いたポリブチレンテレフタレート(PBT)は、優れた機械特性、耐熱性、成形性及びリサイクル性を有し、機械強度も高く耐薬品性にも優れていることから、自動車や電気・電子機器のコネクター、リレー及びスイッチなどの工業用成形品の材料として広く使用されている。PBTは、更には、フィルム、シート、繊維(フィラメント)などにも広く利用されており、これに伴い、高品質で生産性に優れたPBTとその製造方法が求められている。
【0003】
PBTの製造方法は、ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレートを原料とするエステル交換法と、テレフタル酸を原料とする直接重合法とに大別される。
エステル交換法は、反応の副生物として発生するメタノール(沸点65℃)とテトラヒドロフラン(以下「THF」と略記することがある)(沸点66℃)の沸点が近いために、回収後の蒸留分離が困難であるという欠点を有している。
一方、直接重合法は、メタノールの発生もなく、原料原単位もエステル交換法に比べて良好なことから、注目されつつある。
【0004】
しかし、テレフタル酸は、BDOには溶解しないため、直接重合法によるPBTの製造原料として用いられるテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4-ブタンジオールを主成分とするジオールとはスラリー状態で供給される。このスラリーは、常時攪拌状態又は流動状態として、スラリー中のテレフタル酸の沈降を防ぐ必要がある。
しかし、例えば、装置の故障などでスラリーの攪拌や流動状態が維持できない場合は、スラリー中のテレフタル酸が経過時間と共に沈降してしまう。テレフタル酸の沈降が著しい場合、短時間であっても、再度均一なスラリーにするには、高強度な攪拌、吐出が必要となる。この場合において、攪拌モーターや循環ポンプが対応できない場合は、連続的な生産が継続できなくなる。
【0005】
更に、直接重合法によるポリブチレンテレフタレートの製造に際しては、原料スラリー中のテレフタル酸は溶融せずにBDOと固液の状態でエステル化反応が進行する。即ち、ポリブチレンテレフタレート製造のエステル化反応は、固液反応であるため、反応速度は一般的に遅く、更なる改善技術が求められている。
反応温度を上げることでエステル化反応の反応速度を上げることができるが、この場合には、BDOのTHF化反応が同時に進行することとなり、THFの生成量が多く、現実的ではない。
【0006】
このようなことから、直接重合法によるPBTの製造においては、原料スラリー中のテレフタル酸の沈降抑制とエステル化反応の反応性を高める技術の開発が望まれている。
【0007】
なお、特許文献1及び特許文献2には、テレフタル酸の比表面積と粒径の記載があるもののスラリーの耐沈降性やエステル化反応性に関する記載はない。
また、特許文献1及び特許文献2に記載の比表面積と粒径は、いずれも本発明の範囲外である。
【0008】
前述の通り、PBTの製造方法のうち、直接重合法では、PBTは、テレフタル酸を主成分として含むジカルボン酸成分と、BDOを主成分として含むジオール成分とを用いて製造される。
BDOの製造方法については、近年、従来の石油などの化石燃料を原料とする(本発明においては、「石化由来」と称す。)BDOの製造方法以外にも、バイオマス資源を原料とするバイオマス資源由来(本発明においては、「バイオマス由来」と称す。)のBDOの製造方法も開発されている。例えば、糖の発酵法により得たコハク酸を水添してBDOを得る方法(例えば、特許文献3)や、糖などのバイオマス資源を発酵して直接BDOを得る方法(例えば、特許文献4)が知られている。また、ケミカルリサイクル法によりポリブチレンテレフタレートを解重合して製造したケミカルリサイクルBDOも提案されている(例えば、特許文献5)。
【0009】
また、テレフタル酸についても、近年、従来の石油などの化石燃料を原料とする石化由来テレフタル酸の製造方法以外にも、バイオマス資源を原料として、バイオマス由来テレフタル酸を製造する方法も開発されている。例えば、再生可能な炭素源からイソブタノールを取得し、イソブタノールの脱水二量化によるパラキシレンの酸化によりテレフタル酸を取得する方法が提案されている(例えば、特許文献6)。また、ケミカルリサイクル法によりポリエチレンテレフタレートを解重合して製造したテレフタル酸ジメチルを製造する方法も提案されており(例えば、特許文献5,7)、製造されたケミカルリサイクルテレフタル酸ジメチルを加水分解することでケミカルリサイクルテレフタル酸を製造することができる。
【0010】
しかし、従来法では、バイオマス由来1,4-ブタンジオールやケミカルリサイクル1,4-ブタンジオール、或いはバイオマス由来テレフタル酸やケミカルリサイクル由来テレフタル酸をスラリーとして使用することや、バイオマス由来1,4-ブタンジオールやケミカルリサイクル1,4-ブタンジオール、或いはバイオマス由来テレフタル酸やケミカルリサイクルテレフタル酸を用いた原料スラリーを用いてポリブチレンテレフタレートを製造する際の当該原料スラリーにおける課題に関する検討はなされていない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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