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公開番号2025146739
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2025041071
出願日2025-03-14
発明の名称ポリプロピレンフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 本発明は、加工性に優れ、高温環境下でフィルムコンデンサの誘電体として使用可能であり、かつフィルムコンデンサの誘電体として用いた際にその性能を長期間にわたって維持することができる二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 ポリプロピレン及びポリフェニレンエーテルを含有する層を層Aとしたときに、前記層Aを有する、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリプロピレン及びポリフェニレンエーテルを含有する層を層Aとしたときに、前記層Aを有する、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記層Aがポリスチレンを含有する、請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
主配向軸方向の135℃における熱収縮率が-10%以上2.0%以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
二軸配向ポリプロピレンフィルム中のフェニレンエーテル由来構造とスチレン由来構造の合計量を100mоl%としたときに、前記スチレン由来構造の含有量が33mоl%以上91mоl%以下である、請求項2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
内部ヘイズが40%以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
主配向軸方向-厚み方向の断面において、主配向軸方向のドメイン平均長さ/厚み方向のドメイン平均長さ≧2.0を満たす、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項7】
フィルムを構成する全成分を100質量%としたときに、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンを合計で0.1質量%以上45.0質量%以下含む、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項8】
前記層Aがスチレン系エラストマーを含有する、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項9】
請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜を有する、金属膜積層フィルム。
【請求項10】
請求項9に記載の金属膜積層フィルムを用いてなる、フィルムコンデンサ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特にフィルムコンデンサ用途に好適に用いられるポリプロピレンフィルムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、各種電気設備の大半がインバーター化され、それに伴いフィルムコンデンサの小型化、耐熱化の要求が一層強まってきている。当該要求を受けて、特に、自動車(電動自動車、ハイブリッドカーを含む。)、電動航空機、太陽光発電、及び風力発電等の分野では、フィルムコンデンサの誘電体であるフィルムに対し、耐電圧性や生産性の向上、フィルムコンデンサ素子作製における加工適性の維持に加え、一層の薄膜化や耐熱性向上が求められている。
【0003】
前記分野におけるフィルムコンデンサの誘電体としてフィルムを適用するには、フィルムが、使用環境温度での優れた耐熱性(寸法安定性など)と、使用環境温度より10℃~20℃高い温度領域での安定した電気的性能(耐電圧性など)を備えることが重要である。また、将来的にシリコンカーバイト(SiC)を用いたパワー半導体用途を考えた場合、フィルムコンデンサの使用環境温度がより高温になるといわれており、耐熱性面での要求がより高まるとも推定される。
【0004】
現状、フィルムコンデンサの誘電体としては、ポリオレフィン系フィルムの中で、比較的耐熱性や耐電圧性に優れているポリプロピレンフィルムが使用されているが、非特許文献1に記載のように、ポリプロピレンフィルムの使用温度上限は約110℃といわれている。一方で、上記事情からフィルムコンデンサには耐熱性や耐電圧性のさらなる向上が求められており、誘電体となるフィルムにも110℃を超えた高温環境下での絶縁破壊電圧の向上が求められている。すなわち、従来のポリプロピレンフィルムがこのような温度環境下で安定して耐電圧性を維持することは極めて困難であった。
【0005】
フィルムコンデンサを小型化して耐熱性を向上させるためには、フィルムの薄膜化、比誘電率の高いフィルムを用いること、フィルムコンデンサの使用環境温度領域を超えるガラス転移温度を有するフィルムを用いること等が考えられ、種々の試みがなされている。
【0006】
例えば、一方の層をガラス転移温度が130℃を超える環状オレフィン系樹脂層、もう一方の層をポリプロピレン層として、これらの層を交互に積層した積層体が提案されている(例えば、特許文献1)。このような積層体は、比誘電率が異なる2種の層を交互に重ね合わせた積層構成を有しているため、優れた耐熱性を保つことができる。
【0007】
また、環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンの積層体を形成する際に共押出、共延伸することで加工性を向上したフィルムが提案されている(例えば、特許文献2、3)。さらには、環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンをブレンドして製膜及び二軸延伸することによって高温環境での熱寸法安定性を高めたフィルムも提案されている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2015-012076号公報
国際公開第2017/022706号
特開2018-034510号公報
特開2020-521867号公報
【非特許文献】
【0009】
河合基伸、「フィルムコンデンサ躍進、クルマからエネルギーへ」、日経エレクトロニクス、日経BP社、2012年9月17日号、p.57~62
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のフィルムは共押出による積層体ではなく、ポリプロピレンフィルム上にコート法で環状オレフィン系樹脂層を形成した積層体である。そのため、環状オレフィン系樹脂層が剥離しやすく、高温環境下での加工性や、フィルムコンデンサとしたときの性能と信頼性が十分とは言い難いものであった。特許文献2のフィルムも積層構成の基層部が環状オレフィン系樹脂単体である。そのため、面積延伸倍率を高めることが困難であり高温環境での耐電圧性が不足するなど、フィルムコンデンサとしたときの性能と信頼性については十分とは言い難いものであった。特許文献3のフィルムも積層構成の基層部が環状オレフィン系樹脂であり、延伸性を改良するためにエラストマーを含有させて面積延伸倍率を高めているが、高温環境での耐電圧性は満足なものではなく、フィルムコンデンサとしたときの性能と信頼性については十分とは言い難いものであった。特許文献4のフィルムは単に環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンをブレンドしたフィルムのため、面積延伸倍率を高めることが困難である。そのため、高温環境での耐電圧性が不足するなど、フィルムコンデンサとしたときの性能と信頼性については十分とは言い難いものであった。また、幅方向延伸時の予熱温度と延伸温度を高温化することで高い面積延伸倍率での延伸が可能となるが、高い温度で延伸したフィルムは室温から高温にかけての耐電圧の低下が大きく、フィルムコンデンサとして使用したときの特性が安定しないという課題もあった。また、これらのフィルムには、生産時や加工時に破断しやすく歩留まりが低下したり、フィルムコンデンサの誘電体として高温環境下で長時間利用した際に、耐電圧と静電容量が低下したりするという課題もあった。
(【0011】以降は省略されています)

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