TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025040825
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-25
出願番号
2023147869
出願日
2023-09-12
発明の名称
間質性肺炎を予防又は治療するための医薬及び医薬組成物
出願人
国立大学法人 宮崎大学
,
国立大学法人信州大学
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
A61K
38/17 20060101AFI20250317BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明は、有効性及び安全性に優れた間質性肺炎を予防又は治療する手段を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、アドレノメデュリン誘導体を有効成分として含有する、間質性肺炎を予防又は治療するための医薬に関する。本発明の別の一態様は、アドレノメデュリン誘導体と、1種以上の製薬上許容し得る担体とを含有する、間質性肺炎を予防又は治療するための医薬組成物に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アドレノメデュリン誘導体を有効成分として含有する、間質性肺炎を予防又は治療するための医薬。
続きを表示(約 3,100 文字)
【請求項2】
前記アドレノメデュリン誘導体が、
式(A-I):
A-L
n
-B (A-I)
[式中、
Aは、ポリエチレングリコール基である修飾基であり、
Lは、2価の連結基であり、
nは、0又は1の整数であり、
Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン類縁体から誘導されるペプチド部分であり、
但し、ペプチド部分Bは、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されている。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である、或いは
式(B-I):
A-CH
2
-B (B-I)
[式中、
Aは、1個以上のポリエチレングリコール基を含む修飾基であり、
Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン類縁体から誘導されるペプチド部分であり、
但し、ペプチド部分Bは、そのN末端のαアミノ基の窒素原子がメチレン基の炭素原子と共有結合することによって残部分と連結されている。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である、
請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン類縁体が、下記:
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)(i)~(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1~30個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)(i)~(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、並びに
(vi)(i)~(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドである、請求項2に記載の医薬。
【請求項4】
前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン類縁体が、下記:
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(v)(i)又は(ii)のペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、並びに
(vi)(i)又は(ii)のペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドである、請求項3に記載の医薬。
【請求項5】
前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン類縁体が、下記:
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号4のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号6のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号6のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号8のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号10のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号12のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号12のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)(a)~(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)(a)~(g)のいずれかのペプチドにおいて、1~30個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)(a)~(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;並びに
(j)(a)~(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドである、請求項2に記載の医薬。
【請求項6】
前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン類縁体が、下記:
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号4のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号6のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号6のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号8のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号10のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号12のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号12のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(i)(a)~(f)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;並びに
(j)(a)~(f)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドである、請求項5に記載の医薬。
【請求項7】
間質性肺炎が、肺線維症である、請求項1に記載の医薬。
【請求項8】
間質性肺炎が、特発性間質性肺炎、過敏性肺炎、膠原病肺又は突発性非特異性間質性肺炎等である、請求項1に記載の医薬。
【請求項9】
アドレノメデュリン誘導体と、1種以上の製薬上許容し得る担体とを含有する、間質性肺炎を予防又は治療するための医薬組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、間質性肺炎を予防又は治療するための医薬及び医薬組成物に関する。特に、本発明の一態様は、アドレノメデュリン誘導体を有効成分として含有する、間質性肺炎を予防又は治療するための医薬及び医薬組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
間質性肺炎は、肺胞壁に炎症又は損傷が生じ、肺胞壁が厚く硬くなり(線維化)、肺胞における酸素と二酸化炭素とのガス交換の効率が低下する疾患である。間質性肺炎の原因としては、関節リウマチマ又は皮膚筋炎等の膠原病(自己免疫性間質性肺炎)、粉塵(ほこり)、カビ又はペットの毛等の慢性的な吸入(じん肺又は慢性過敏性肺炎)、並びに薬剤又はサプリメント等の服用(薬剤性間質性肺炎)等が知られている。これに対し、原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」と総称する。
【0003】
特発性間質性肺炎は指定難病である。特発性間質性肺炎の多くは、慢性経過で肺の線維化が徐々に進行する難治性疾患である。特発性間質性肺炎の多くは、原因が不明であり、根治的な治療法はないとされている。特発性間質性肺炎において呼吸不全が生じると、患者のQOLは著しく低下する。特発性間質性肺炎であると診断が確定した後の患者の平均生存期間は、3~5年間と報告されている。
【0004】
特発性間質性肺炎の治療薬としては、2008年にピルフェニドン、2015年にはニンテダニブが抗線維化薬として承認されている。しかしながら、これらの治療薬の効果は満足できるものではなく、副作用も多い。
【0005】
アドレノメデュリン(adrenomedullin、以下、「AM」とも記載する)は、1993年に褐色細胞組織より単離及び同定された生理活性ペプチドである(非特許文献1)。発見当初、AMは、強力な血管拡張性の降圧作用を発揮することが判明した。例えば、特許文献1は、ヒトAMのアミノ酸配列を含む血圧降下作用を有するペプチドを記載する。
【0006】
その後の研究により、AMは、心血管保護作用、抗炎症作用、血管新生作用及び組織修復促進作用等の、多彩な薬理作用を発揮することが明らかになった。また、AMの薬理作用を、疾患治療に応用することを目指して、種々の疾患患者に対するAMの投与研究が行われてきた。なかでも、炎症性腸疾患、肺高血圧症、末梢血管疾患又は急性心筋梗塞の治療薬としてのAMの有用性が期待されている。
【0007】
例えば、特許文献2は、アドレノメデュリン若しくはその誘導体であって、非細菌性の炎症を抑制する活性を有するもの、又はそれらの塩であって非細菌性の炎症を抑制する活性を有するものを有効成分として含有する非細菌性の炎症性腸疾患の予防又は治療剤を記載する。
【0008】
特許文献3は、ステロイド製剤、免疫抑制剤又は生物学的製剤の使用が困難又は効果不十分な炎症性腸疾患の予防又は治療を必要とする患者における前記炎症性腸疾患の予防又は治療方法であって、有効量のアドレノメデュリン、その誘導体であって炎症を抑制する活性を有するもの、又は前記アドレノメデュリン若しくは前記誘導体の塩であって炎症を抑制する活性を有するものを前記患者に投与することを含む前記予防又は治療方法を記載する。
【0009】
非特許文献2は、アドレノメデュリンがTGF-β-Smadsシグナル伝達及び筋線維芽細胞の分化を調節することによって肺線維症を改善し得ることを記載する。
【0010】
AMは、ペプチドであるため、生体内(例えば血中)における代謝反応に起因して、生体内における半減期が短い。このため、AMを対象に投与する場合、持続静注のような持続的投与法を選択する必要がある。また、AMは、心血管保護作用、抗炎症作用、血管新生作用及び組織修復促進作用等の薬理作用に加えて、強力な血管拡張作用を有する。このため、AMを対象に投与する場合、強力な血管拡張作用に起因して過度の血圧低下のような望ましくない副作用を引き起こす可能性がある。これらの課題に鑑み、アドレノメデュリンの薬理作用を維持しつつ、望ましくない副作用を実質的に抑制し得る、長期間持続的なアドレノメデュリン誘導体が開発された(特許文献4~6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
国立大学法人 宮崎大学
土層用空気圧送試験器および土層用空気圧送試験方法
1か月前
国立大学法人 宮崎大学
ブタ由来培養細胞、及びそれを用いたウイルス増殖方法及びウイルス分離方法
16日前
個人
健康器具
2か月前
個人
歯茎みが品
3か月前
個人
歯の掃除具
6か月前
個人
鼾防止用具
2か月前
個人
洗井間専家。
1か月前
個人
マッサージ機
3か月前
個人
導電香
3か月前
個人
塗り薬塗り具
5か月前
個人
脈波測定方法
2か月前
個人
脈波測定方法
2か月前
個人
白内障治療法
1か月前
個人
発熱器具
6か月前
個人
収納容器
4か月前
個人
片足歩行支援具
3か月前
個人
クリップ
3か月前
個人
健康器具
5か月前
個人
ホバーアイロン
1か月前
個人
染毛方法
5か月前
個人
口内洗浄具
2か月前
個人
眼科診療車
4か月前
三生医薬株式会社
錠剤
1か月前
個人
シャンプー
16日前
個人
車椅子持ち上げ器
1か月前
株式会社結心
手袋
2か月前
個人
服薬支援装置
1か月前
個人
除菌システム
3か月前
株式会社 MTG
浴用剤
3か月前
個人
避難困難者救出台車
4か月前
株式会社コーセー
美爪料
3か月前
株式会社コーセー
化粧料
3か月前
東レ株式会社
吸収制御剤
5か月前
株式会社ファンケル
化粧料
5か月前
株式会社ニデック
眼科装置
3か月前
個人
Dr.なかまつよい耳
5か月前
続きを見る
他の特許を見る