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公開番号2025045897
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023153932
出願日2023-09-20
発明の名称熱可塑性シート及びその製造方法
出願人株式会社TBM
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08J 9/00 20060101AFI20250326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】簡易な方法で、十分な隠蔽性を有し、且つシート表層部の機械的強度の低下を抑制できる熱可塑性シートを提供する。
【解決手段】熱可塑性シートは、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを質量比50:50~10:90の割合で含有する樹脂組成物をシート状に成形した熱可塑性シートである。熱可塑性シートは、空隙を有する内層部と、前記内層部を挟んで配置され、前記内層部の空隙率よりも低い空隙率を有する2つの表層部とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを質量比50:50~10:90の割合で含有する樹脂組成物をシート状に成形した熱可塑性シートであって、
空隙を有する内層部と、
前記内層部を挟んで配置され、前記内層部の空隙率よりも低い空隙率を有する2つの表層部と、
を含む、
熱可塑性シート。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを質量比50:50~10:90の割合で含有する樹脂組成物をシート状に成形した熱可塑性シートであって、
前記熱可塑性シートの厚み方向において、一方の表面を0%、他方の表面を100%とした場合であって、0%以上20%未満の領域を第1領域、20%以上40%未満の領域を第2領域、40%以上60%未満の領域を第3領域、60%以上80%未満の領域を第4領域、80%以上100%以下の領域を第5領域としたとき、
前記第1領域及び前記第5領域の空隙率は10%未満であり、
前記第2領域及び前記第4領域の空隙率は10%以上25%未満であり、
前記第3領域の空隙率は25%以上50%以下である、
熱可塑性シート。
【請求項3】
前記熱可塑性シートを示差走査熱量測定したとき、前記熱可塑性樹脂の融点に対応する第1吸熱ピークと、前記第1吸熱ピークよりも8℃以上高い高温側の第2吸熱ピークとを有する、
請求項1又は2に記載の熱可塑性シート。
【請求項4】
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂と前記無機物質粉末とを質量比50:50~30:70の割合で含有する、
請求項1又は2に記載の熱可塑性シート。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含む、
請求項1又は2に記載の熱可塑性シート。
【請求項6】
前記無機物質粉末は、重質炭酸カルシウム粉末を含む、
請求項1又は2に記載の熱可塑性シート。
【請求項7】
前記重質炭酸カルシウム粉末の平均粒子径は、0.7μm以上6.0μm以下である
請求項6に記載の熱可塑性シート。
【請求項8】
熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを質量比50:50~10:90の割合で含有する樹脂組成物を溶融混錬した後、成形してシートを得る工程と、
前記シートを冷却する工程と、
前記冷却されたシートの表面を加熱ロールと接触させて、シート内部の温度がシート表面の温度よりも低い状態を維持するように予熱する工程と、
前記予熱されたシートを長手方向に延伸する工程と、
前記延伸されたシートを加熱炉で予熱する工程と、
前記加熱炉で予熱されたシートを長手方向と直交する方向に延伸する工程と、
を含む、
熱可塑性シートの製造方法。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)としたとき、
前記シートを冷却する工程では、前記シートの表面温度が(Tm-100)℃以上(Tm-80)℃未満となるように冷却する、
請求項8に記載の熱可塑性シートの製造方法。
【請求項10】
前記加熱ロールで予熱する工程では、前記シートの表面温度が(Tm-15)℃以上(Tm-5)℃以下となるように加熱する、
請求項9に記載の熱可塑性シートの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性シート及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを含む樹脂組成物の成形体は、光学部材や機能性部材、包装材等の種々の用途に使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ポリエステル樹脂を含むA層と、ウレタン樹脂と無機フィラーとを含むB層とを有する太陽電池モジュール用シートが開示されている。当該シートは、A層の空隙率を高くし、B層の空隙率を低くすることで、良好な反射性能を有するとされている。
【0004】
特許文献2では、多孔質部と、防水部とを含むウレタン樹脂膜を備えた透湿性防水シートが開示されている。当該シートは、多孔質部の空隙率を高く、防水部の空隙率を低くすることで、透湿性と防水性とを両立できるとされている。
【0005】
特許文献3では、熱可塑性樹脂と多量の炭酸カルシウム粉末とを含む樹脂組成物の延伸シートが開示されている。当該シートは、樹脂の使用量を少なくできることから、環境負荷を低減できるだけでなく、延伸によって形成された空隙を有することから、良好な隠蔽性(不透明度)を有するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-32753号公報
国際公開第2008/090877号
特開2021-161350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に示すように、多量の無機物質粉末を含む樹脂組成物の延伸シートは、延伸によって形成された空隙を有する。このような空隙は、シートの内部だけでなく、シートの表層部にも多く存在する。そのため、上記延伸シートは、無機物質粉末を含まない樹脂シートと比較して、シート表層部の機械的強度(特にテープ剥離強度)が低下しやすいことが新たに見出された。
【0008】
これに対し、シート表層部の機械的強度の低下を抑制する方法として、特許文献1に示すように、表層を樹脂のみからなる層で構成した多層構造(例えば2種3層構造)としたり、無機物質粉末の含有量を少なくして空隙の発生を抑制したりする対応が考えられる。しかしながら、多層構造にすると、製造工程が複雑になるため、製造コストが増大しやすい。また、無機物質粉末の含有量を少なくすると、樹脂の使用量を低減できないだけでなく、十分な隠蔽性を有するシートが得られにくい。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な方法で、十分な隠蔽性を有し、且つシート表層部の機械的強度の低下を抑制できる熱可塑性シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の構成によって解決することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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