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公開番号
2025066124
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-22
出願番号
2025008151,2021124121
出願日
2025-01-21,2021-07-29
発明の名称
香料の残香性評価方法、残香性付与剤及び残香性改良方法
出願人
小川香料株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
30/86 20060101AFI20250415BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本発明の課題は、匂い物質の香気成分に含まれる残香性の高い香気化合物を特定するための残香性評価方法、香気寄与度と残香性評価値とから香気化合物の香気特性を評価する方法、フレグランス製品に残香性を付与する方法など残香性に関する新たな手法や残香性付与剤を提供することである。
【解決手段】以下の工程、
工程1.匂い物質を、温度と湿度を一定条件にした空間で静置する工程、
工程2.静置開始から所定の時間後に匂い物質に含まれる香気成分を抽出する工程、
工程3.抽出された香気成分をガスクロマトグラフィー・オルファクトメトリー(GCO)分析に供し、香気成分を構成する香気化合物毎に匂いの有無を検出する工程、
工程4.匂い物質を構成する各香気化合物の匂いが検出できる最長の静置時間(T)を香気化合物毎に測定する工程、及び、
工程5.工程4において、特定の香気化合物Aの匂いが検出できる最長の静置時間(Ta)、および、匂い物質を構成する香気化合物中、Tが最長である香気化合物Xの、匂いが検出できる最長の静置時間(Tx)を用い、Ta/Tx値を匂い物質に含まれる香気化合物Aの残香性評価値とする工程、
を含むことを特徴とする、匂い物質に含まれる香気化合物の残香性の高い化合物を選定するための残香性評価方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の工程、
工程1.匂い物質を、温度と湿度を一定条件にした空間で静置する工程、
工程2.静置開始から所定の時間後に匂い物質に含まれる香気成分を抽出する工程、
工程3.抽出された香気成分をガスクロマトグラフィー・オルファクトメトリー(GCO)分析に供し、香気成分を構成する香気化合物毎に匂いの有無を検出する工程、
工程4.匂い物質を構成する各香気化合物の匂いが検出できる最長の静置時間(T)を香気化合物毎に測定する工程、及び、
工程5.工程4において、特定の香気化合物Aの匂いが検出できる最長の静置時間(Ta)、および、匂いを構成する香気化合物中、Tが最長である香気化合物Xの、匂いが検出できる最長の静置時間(Tx)を用い、Ta/Tx値を匂い物質に含まれる香気化合物Aの残香性評価値とする工程、
を含むことを特徴とする、匂い物質に含まれる香気化合物の残香性の高い化合物を選定するための残香性評価方法。
続きを表示(約 880 文字)
【請求項2】
匂い物質に含まれる香気化合物Aの香気寄与度と、請求項1の方法で得られる香気化合物Aの残香性評価値(Ta/Tx)とから、香気化合物Aの香気特性を評価する方法。
【請求項3】
下記式1
TIFF
2025066124000021.tif
47
106
で表されるジヒドロカラノン及び/又は
下記式2
TIFF
2025066124000022.tif
58
106
で表される2-イソプロピリデン-10-メチル-スピロ[4,5]-6-デセン-6-カルバルデヒドを有効成分とする残香性付与剤。
【請求項4】
請求項3に記載の残香性付与剤を含む香料組成物(ただし、沈香精油を含有する香料組成物を除く)。
【請求項5】
請求項3に記載の残香性付与剤を配合することで、香料組成物(ただし、沈香精油を含有する香料組成物を除く)に残香性を付与する方法。
【請求項6】
香料組成物中に式1で表されるジヒドロカラノンを0.00001~1%になるように配合することで、香料組成物(ただし、沈香精油を含有する香料組成物を除く)に残香性を付与する方法。
【請求項7】
請求項4に記載の香料組成物が配合された、残香性が向上したフレグランス製品。
【請求項8】
フレグランス製品が、香水、メイクアップ製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、トイレタリー製品であるパーソナルケア製品、ハウスホールド製品または医薬部外品である請求項7に記載のフレグランス製品。
【請求項9】
請求項4に記載の香料組成物を配合することで、フレグランス製品に残香性を付与する方法。
【請求項10】
フレグランス製品中に式1で表されるジヒドロカラノンを0.2ppb~1000ppmになるように配合することで、フレグランス製品に残香性を付与する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、匂い物質、例えば天然香料といった香気化合物の混合物の中から、残香性の高い香気化合物、また残香性が高く且つ香気への寄与度も高い香気化合物を探索するための評価方法であり、また、この方法を用いて見出された残香性付与剤、さらに、この方法を用いて香気成分の特性を解析して、同様の香調を有しつつ、より残香性を高める香料組成物の改良方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
香水、メイクアップ製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、トイレタリー製品、ハウスホールド製品、芳香剤等に代表される芳香製品において、香りが長時間持続すること(残香性がある)は、消費者の満足感や気分の爽快感、高揚感をもたらし、また商品価値を高める上で重要な要素である。そのため、芳香製品の残香性を向上させることは、芳香製品に用いられる香粧品香料 (フレグランス)の開発にとって重要である。ここで、残香性と
は、香りが長時間持続すること、または持続する性質を言う。
【0003】
香料業界では、揮発性が高い又は残留性が低い香料成分を使用する際に、短時間で香りが消失する問題点を克服するために、香料成分をマイクロカプセルに封入して物理的に香料成分の揮発を抑制する方法(特許文献1)、活性成分の効果を延長可能な誘導体(プロフレグランス)を使用する方法(特許文献2)が検討されてきた。
【0004】
しかし、カプセル化香料やプロフレグランスに使用されるカプセルやポリマーは、物理的に壊れ難く、生分解性が低いので自然環境に負荷を与えるという問題点が提起されている。
また、匂いに対する快感、不快感は、個々人の感覚に左右されるものであるが、嗜好性に優れ万人向きの香りは、多くの人に不快感を与えにくい。そこで、経験的に、フレグランス製品に使用する香料として、残香性と嗜好性の双方に優れる香料を使用してきた。
そのような技術として、例えば、調合香料の香料素材と使用される天然及び合成香料を、それぞれ匂い紙に付けて2時間まで、6時間まで、6時間以上、匂い紙に匂いが残る香料を選択してフレグランスを調合する方法が提案されている(特許文献3)。
【0005】
また、フレグランス香料に残香性を付与する目的で天然香料を配合する場合、優れた香調と残香性の両立は難しい。
これは、多種多様の香気成分から構成される天然香料中の残香性寄与成分が解明されていない上、残香性に不必要な成分も含まれるため、残香性と目的とする香調とのバランスを取ることが難しいためである。
そのため、使用する天然香料の選択、配合量の調整に膨大な試行錯誤を要し、製品開発にかかるコストにも影響していた。
【0006】
そこで、天然香料を使用しないでも、残香性だけを高める技術が検討されてきた。例えば、有香物質の保留性を調整するための保留剤を加えることでフローラル・フルーティー・グリーンタイプの香りを持続させる方法(特許文献4)、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーを芳香延長剤として使用する方法(特許文献5)、芳香性が高い1‐メチル‐3,4‐ジオキシ(シクロアセトニル)ベンゼンを使用する方法(特許文献6)、計算ログ値(ClogP)≧3.0(Pはオクタノール/水分配係数)および沸点≧250℃の成分を含む持続性香料組成物を使用する方法(特許文献7)、25℃の温度にお
いて固形状で揮発性が低い香料成分を用いて残香性の高い香料組成物を作成する方法(特許文献8)などが提案されている。
【0007】
近年、嗜好性が高く且つ自然環境への負荷の少ない天然の香料成分を使用することが注目され要望されている。しかし、天然香料から持続性の高い香気化合物を探索して評価し、そのデータに基づき香料組成物を改良する、あるいは残香性の高い香料組成物を開発する手段はこれまでなかった。
【0008】
一方、天然香料中のそれぞれの香気成分の香気特性を分析する方法として、ガスクロマトグラフィー(GC)でコーヒー香気濃縮物中の香気成分を分離し、評価用のコーヒー抽出物と混合して官能評価を行うことで、分離された香気成分の寄与を測定する方法(特許文献9)、GCで分離したコーヒー香気濃縮物中の香気成分とコーヒー抽出物のヘッドスペース試料を連続的に混合しその香気を評価する方法(特許文献10)、GCで分離した香気成分を嗅覚で官能評価(オルファクトメトリー)するGCO分析法とアロマエキストラクト・ダイリューション・アナリシス(AEDA)とを組み合わせて各香気成分のFDファクターを求め、そのFDファクターに各香気成分の閾値を積算して、コーヒー豆中の微量香気成分の濃度を換算する方法(特許文献11)が提案されている。
【0009】
しかしながら、上記のいずれの方法においても、含有する香気成分とそれを構成する香気化合物の定性化、定量化を行うことはできるが、天然香料中の香気化合物の残香性を的確に評価する方法ではなく、かつ、残香性と嗜好性の双方が高い香料成分を探索するまでには至らなかった。
要するに、一般的に、香調の評価は官能評価法が使用され、香気成分の分析にはガスクロマトグラフィー(GC)の分析技術が用いられるが、これらの方法では、天然香料に含まれる残香性に寄与する有効成分や香気化合物の特定、および残香性の高い成分や香気化合物を網羅的に探索することが困難であった。
【0010】
そこで、本発明者は、古来より使用されてきて慣れ親しんだ香料、あるいはナチュラルな芳香で多くの人が好感を抱くような香料、すなわち嗜好性の高い天然香料に含まれる多くの成分の中から、残香性が高い香気化合物を探索し評価する新たな方法を見出し提供するに至った。
さらに、当該残香性評価方法によって得られる数値化されたデータと、当該化合物の天然香料における香気特徴の寄与度に関する数値化データの相関関係に基づき香気特性を評価する方法、当該方法で見出された残香性付与剤、フレグランス製品に残香性を付与する方法、残香性及び嗜好性の双方に優れる香気改良方法、並びに新たな方法を用いて香料組成物を開発する方法を見出し提供するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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