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公開番号
2025070216
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2023180372
出願日
2023-10-19
発明の名称
原子炉出力制御装置および原子炉出力制御方法
出願人
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人
弁理士法人信友国際特許事務所
主分類
G21D
3/10 20060101AFI20250424BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】精度よく原子炉の出力制御を行うことが可能な原子炉出力制御装置を提供する。
【解決手段】原子炉出力制御装置は、中性子束から反応度を算出する反応度算出部と、反応度と炉水温度から温度反応度係数および温度計測の遅れ時間を算出する第1の演算部とを備える。また、原子炉出力制御装置は、炉水温度の変化から温度変化率を算出し、温度変化率、温度計測の遅れ時間、および、遅れ時間だけ過去に遡った中性子束に基づいて、目標温度変化率に対応する目標中性子束を算出して出力する第2の演算部を備える。さらに、原子炉出力制御装置は、出力された目標中性子束を設定する制御棒制御演算部を備え。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
中性子束から反応度を算出する反応度算出部と、
前記反応度と炉水温度から温度反応度係数および温度計測の遅れ時間を算出する第1の演算部と、
前記炉水温度の変化から温度変化率を算出し、前記温度変化率、前記温度計測の遅れ時間、および、前記遅れ時間だけ時刻をシフトした中性子束に基づいて、目標温度変化率に対応する目標中性子束を算出して出力する第2の演算部と、
出力された前記目標中性子束を設定する制御棒制御演算部と、を備える
ことを特徴とする原子炉出力制御装置。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記第1の演算部は、
時刻tから所定の時間間隔だけ遡ったN個の炉水温度の時系列データT(t
n
)(1≦n≦N)、および、時刻tから前記所定の時間間隔よりも長い時間間隔だけ遡ったM個の反応度の時系列データρ(t
m
) (1≦m≦M、N≦M)を取得し、前記遅れ時間τだけ時間をずらした反応度の時系列データρ(t
m
+τ)を作成し、
前記炉水温度の時系列データT(t
n
)に前記温度反応度係数aを乗じ、t
n
=t
m
+τとなる所定のN組(N≦M)について反応度の時系列データρ(t
m
+τ)とa×T(t
n
)との差{ρ(t
m
+τ)-a×T(t
n
)}を求めて最小2乗法により前記遅れ時間τと前記温度反応度係数aとを算出する
請求項1に記載の原子炉出力制御装置。
【請求項3】
前記第2の演算部は、
時刻tから所定の時間間隔だけ遡ったJ個の炉水温度の時系列データT(t
n
)(1≦n≦J)および時刻tから前記所定の時間間隔より長い時間間隔だけ遡ったK個の中性子束の時系列データn(t
k
) (1≦k≦K、J≦K)を取得し、
前記炉水温度の時系列データT(t
n
)のうち、J個のデータを用いた最小2乗法により直線近似したときの傾きとして前記温度変化率dT/dt(t
n
)(1≦n≦J)を算出し、
前記目標温度変化率(dT/dt)
T
に対する前記温度変化率dT/dt(t
n
)の比率がB倍(0<B≦1.0)以上の場合に、前記遅れ時間τだけ時間をずらした中性子束の時系列データn(t
k
+τ)のうちt
n
=t
k
+τとなるJ個のデータの平均値のとの比率Aを算出し、
前記目標温度変化率(dT/dt)
T
に対応する前記目標中性子束n
T
を算出する
請求項1に記載の原子炉出力制御装置。
【請求項4】
前記第2の演算部で算出した前記目標中性子束を表示する表示装置を備える
請求項1に記載の原子炉出力制御装置。
【請求項5】
前記表示装置は、前記第2の演算部で算出した前記目標中性子束を、過去の中性子束、現在の中性子束、および、将来の中性子束予測値から選ばれる少なくともいずれか1以上と組み合わせたものと同時に表示する
請求項4に記載の原子炉出力制御装置。
【請求項6】
前記目標温度変化率に対する偏差を、比例、積分、および、微分から選ばれる1以上を用いて演算し、算出された前記偏差を用いて前記第2の演算部で算出した前記目標中性子束を補正する第3の演算部を備える
請求項1に記載の原子炉出力制御装置。
【請求項7】
前記第3の演算部による前記目標中性子束の補正は、前記目標温度変化率に対する前記温度変化率の比率がD倍(0<D≦1.0)となった場合に開始する
請求項6に記載の原子炉出力制御装置。
【請求項8】
中性子束から反応度を算出し、
前記反応度と炉水温度から温度反応度係数、および、温度計測の遅れ時間を算出し、
前記炉水温度の変化から温度変化率を算出し、
前記中性子束、前記温度変化率、および、前記遅れ時間に基づき、前記中性子束と前記温度変化率の比率を算出し、
目標温度変化率に対応する目標中性子束を算出し、
前記中性子束が前記目標中性子束に一致するように制御棒の引抜および挿入を制御する
原子炉出力制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉出力制御装置および原子炉出力制御方法に係わる。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
原子炉の起動時は、炉内に挿入された多数の制御棒を引き抜いて、核分裂による中性子の発生を増加させる。このとき、制御棒を引き抜く操作の負担が大きい。このため、最近の沸騰水型原子炉は、起動から定格出力到達までの制御棒操作を自動化している。
また、沸騰水型原子炉の起動時における昇温昇圧過程では、炉水の温度変化が制御棒の操作制御によって行われる。この方法は、制御棒の操作により中性子束の値を変化させて炉水の温度変化率を目標値に制御する。しかし、制御棒の操作から温度変化率の変化が測定されるまで、種々の要因によって遅れ時間が生じる。このため、単に炉水温度変化率の測定値に基づいて制御棒を操作しても、炉水温度変化率を目標値に保つことが困難である。
そこで、中性子束と炉水温度変化率との関係に着目して、制御棒の操作制御を行う原子炉出力制御が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-145895号公報
特開2005-207944号公報
特開2005-241384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、中性子束と温度変化率の間の応答時間遅れは、例えば、燃料棒から炉心内の冷却材への伝熱時間、炉心から温度測定点までの流動時間、および、炉水温度を測定する熱電対の熱容量などの計測器による遅れ時間などに影響を受ける。このように、中性子束と温度変化率との応答時間遅れは、燃料の設計や計測系の構成によって変化する。このため、上述の中性子束と炉水温度変化率との関係に着目して制御棒の操作制御を行うだけでは、精度よく原子炉の出力制御を行うことが難しい。
【0005】
上述した問題の解決のため、本発明においては、精度よく原子炉の出力制御を行うことが可能な原子炉出力制御装置および原子炉出力制御方法を提供する。
【0006】
また、本発明の上記の目的およびその他の目的と本発明の新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の原子炉出力制御装置は、中性子束から反応度を算出する反応度算出部と、反応度と炉水温度から温度反応度係数および温度計測の遅れ時間を算出する第1の演算部とを備える。また、原子炉出力制御装置は、炉水温度の変化から温度変化率を算出し、温度変化率、温度計測の遅れ時間、および、遅れ時間だけ過去に遡った中性子束に基づいて、目標温度変化率に対応する目標中性子束を算出して出力する第2の演算部を備える。さらに、原子炉出力制御装置は、出力された目標中性子束を設定する制御棒制御演算部を備える。
【0008】
また、本発明の原子炉出力制御方法は、中性子束から反応度を算出し、反応度と炉水温度から温度反応度係数、および、温度計測の遅れ時間を算出し、炉水温度の変化から温度変化率を算出する。また、原子炉出力制御方法は、中性子束、温度変化率、および、遅れ時間に基づき、中性子束と温度変化率の比率Aを算出し、目標温度変化率に対応する目標中性子束を算出する。さらに、原子炉出力制御方法は、中性子束が目標中性子束に一致するように制御棒の引抜および挿入を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、精度よく原子炉の出力制御を行うことが可能な原子炉出力制御装置および原子炉出力制御方法を提供できる。
【0010】
なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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