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公開番号2025071529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023181770
出願日2023-10-23
発明の名称土壌改良資材識別装置、及び土壌改良資材識別方法
出願人学校法人常翔学園
代理人個人,個人
主分類G01N 25/20 20060101AFI20250428BHJP(測定;試験)
要約【課題】温度の変化率を複数で比較した比率に基づくロバストな測定による識別精度の向上が図られた土壌改良資材識別装置1、及び土壌改良資材識別方法を提供する。
【解決手段】土壌改良資材識別装置1は、栽培用土Sоの表面に対して略一定強度で加熱する加熱部と、加熱の開始時刻を基準として、栽培用土Sоの表面温度情報を時刻の平方根と紐づけて時系列的に順次取得する表面温度情報取得部と、第1時刻の平方根と第2時刻の平方根とに基づく第1区間に対する表面温度の第1温度変化率情報と、第3時刻の平方根と第4時刻の平方根とに基づく第2区間の平方根に対する表面温度の第2温度変化率情報と、を取得する温度変化率情報取得部と、第1温度変化率情報に含まれる変化率と第2温度変化率情報に含まれる変化率との比率に基づいて、栽培用土Sоの表面に含まれる土壌と土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
栽培用土に含まれる土壌と土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別装置であって、
前記栽培用土の表面に対して略一定強度で加熱する加熱部と、
前記加熱部による加熱の開始時刻を基準として、前記栽培用土の表面温度を示す表面温度情報を時刻の平方根を示す時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する表面温度情報取得部と、
前記表面温度情報取得部により取得された前記時刻情報に含まれる第1時刻の平方根と前記第1時刻よりも後の第2時刻の平方根とに基づく第1区間に対する前記表面温度の変化率を示す第1温度変化率情報と、前記時刻情報に含まれる前記第1時刻よりも後の第3時刻の平方根と前記第2時刻及び前記第3時刻よりも後の第4時刻の平方根とに基づく第2区間に対する前記表面温度の変化率を示す第2温度変化率情報と、を取得する温度変化率情報取得部と、
前記温度変化率情報取得部により取得された前記第1温度変化率情報に含まれる変化率と前記第2温度変化率情報に含まれる変化率との比率に基づいて、前記栽培用土の前記表面に含まれる前記土壌と前記土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別部と、
を備えること
を特徴とする土壌改良資材識別装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記表面温度情報取得部は、前記表面温度情報を二次元画像で示した表面温度画像を取得し、
前記温度変化率情報取得部は、前記表面温度画像が分割されて生成される複数の画像ブロックごとの前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報とを取得し、
前記土壌改良資材識別部は、前記第1温度変化率情報に含まれる変化率と前記第2温度変化率情報に含まれる変化率との比率に基づいて前記画像ブロックごとに識別した前記土壌改良資材の前記画像ブロックの数について前記栽培用土に対応する前記画像ブロックの数に対する割合を識別すること
を特徴とする請求項1に記載の土壌改良資材識別装置。
【請求項3】
前記表面温度情報取得部は、前記表面温度情報を二次元画像で示した表面温度画像を取得し、
前記温度変化率情報取得部は、前記表面温度画像が分割されて生成される複数の画像ブロックごとの前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報とを取得し、
前記土壌改良資材識別部は、前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報とに基づいて前記画像ブロックごとに識別した前記土壌改良資材について前記表面温度画像に対する相対位置を識別すること
を特徴とする請求項1に記載の土壌改良資材識別装置。
【請求項4】
前記土壌改良資材識別部は、前記温度変化率情報取得部により取得された前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報との比率を示す比率情報に対応する参照用比率情報と、前記土壌改良資材を識別する情報を示す土壌改良資材識別情報に対応する参照用土壌改良資材識別情報と、が予め紐づけられたデータベースを参照した上で、前記比率情報に対応する前記土壌改良資材識別情報に基づいて前記土壌改良資材を推定すること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の土壌改良資材識別装置。
【請求項5】
栽培用土に含まれる土壌と土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別方法であって、
前記栽培用土の表面に対して略一定強度で加熱する加熱工程と、
前記加熱工程による加熱の開始時刻を基準として、前記栽培用土の表面温度を示す表面温度情報を時刻の平方根を示す時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する表面温度情報取得工程と、
前記表面温度情報取得工程により取得された前記時刻情報に含まれる第1時刻の平方根と前記第1時刻よりも後の第2時刻の平方根とに基づく第1区間に対する前記表面温度の変化率を示す第1温度変化率情報と、前記時刻情報に含まれる前記第1時刻よりも後の第3時刻の平方根と前記第2時刻及び前記第3時刻よりも後の第4時刻の平方根とに基づく第2区間に対する前記表面温度の変化率を示す第2温度変化率情報と、を取得する温度変化率情報取得工程と、
前記温度変化率情報取得工程により取得された前記第1温度変化率情報に含まれる変化率と前記第2温度変化率情報に含まれる変化率との比率に基づいて、前記栽培用土の前記表面に含まれる前記土壌と前記土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別工程と、
を有すること
を特徴とする土壌改良資材識別方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、栽培用土に含まれる土壌と土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別装置、及び土壌改良資材識別方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
栽培用土中の土壌改良資材は、通気性、保水性、排水性、炭素や窒素などの物質循環等に関して重要な役割を担っている。そのため、栽培用土中の土壌改良資材として有機物又は無機物の種類及びそれらの割合(体積比等)を識別する技術が種々研究されている。この技術の一例としては、栽培用土中の試料を燃焼させた際の重量の減少を利用する技術や、燃焼時に発生するガス成分により分析する技術などの化学的な手法(非特許文献1)が挙げられる。しかしながら、これらの手法によれば、試料の採取、前処理、及び分析に時間と手間を要する上、破壊的な分析にならざるを得ない問題がある。また、現場での測定に不向きであり、粗大な土壌改良資材(粒径2mm以上)の計測や広範囲の計測も困難であるなどの問題がある。
【0003】
この問題に対して、非破壊で簡易的な評価方法についても研究されている。この技術の一例としては、有機物が黒色味を呈することを利用して、土色の明度から含有量を判定する方法(非特許文献2)が挙げられる。しかしながら、この手法によれば、段階的な明度の基準に応じて大まかに区分されるため客観性及び定量性に欠け、また現場での目視による手法のため評価作業に習熟を要するなどの問題がある。カラーチャートと栽培用土の色彩を比較することで有機成分量を推定する方法(非特許文献3)も提案されているが、測定環境の温度や湿度などによる検体の色の変化や光の具合によっても見え方が異なるなど、測定精度に問題がある。
【0004】
このような測定精度の問題に対して、対象物質の熱的特性に着目した手法が研究されている。特許文献1には、異物が混在した食料品等の選別対象物質を加熱し、加熱後の各選別対象物質の温度低下率を測定することで異物の位置を識別する技術が開示されている。また、特許文献2には、赤外線が照射されたプラスチックの表面温度を予め材質毎に設定した基準値と比較し、又は基準材料と異種材料間での測定温度差により、材質を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-131966号公報
特開平9-297114号公報
Committee of edition for method for soils and environments analysis: "Method for soils and environments analysis" (1997)
日本ペドロジー学会編 改訂新版 土壌調査ハンドブック (2021)
Moritsuka et al. "Soil color analysis for statistically estimating total carbon total nitrogen and active iron contents in Japanese agricultural soils" Soil Science and Plant Nutrition, 60 (2014) 475-485.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された選別装置によれば、材料の温度変化に伴い放射される赤外線スペクトルの強度差を測定する方法により、形状、寸法、重量及び電気的特性の類似する食料品と夾雑物のような選別困難な被選別物であっても、熱的特性の違いを利用することにより、高い除去率で確実に選別して夾雑物を除去することができる。また、特許文献2に開示された判別装置によれば、一定の赤外線を照射した被測定プラスチックの表面の温度差を測定することにより、材質判別を簡便、迅速且つ連続して行うことができる。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された装置は、単純に1つの時点における複数材料の赤外線スペクトル強度差や表面温度差を測定する方法であるため、測定の精度が対象物質の表面の汚れや付着物による吸収率及び放射率の差に影響されやすい。また、単純に温度や温度の変化率を計測する方法は、加熱量や放熱量によって変化するため、測定環境や測定条件に応じて基準値を見直す必要があるなど、ロバスト性が低い。以上により、特許文献1及び特許文献2に開示された装置は、土壌改良資材の識別精度の向上を図ることができない問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、温度の変化率を複数で比較したときの比率に基づくロバストな測定による土壌改良資材の識別精度の向上が図られた土壌改良資材識別装置、及び土壌改良資材識別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明における土壌改良資材識別装置は、栽培用土に含まれる土壌と土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別装置であって、前記栽培用土の表面に対して略一定強度で加熱する加熱部と、前記加熱部による加熱の開始時刻を基準として、前記栽培用土の表面温度を示す表面温度情報を時刻の平方根を示す時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する表面温度情報取得部と、前記表面温度情報取得部により取得された前記時刻情報に含まれる第1時刻の平方根と前記第1時刻よりも後の第2時刻の平方根とに基づく第1区間に対する前記表面温度の変化率を示す第1温度変化率情報と、前記時刻情報に含まれる前記第1時刻よりも後の第3時刻の平方根と前記第2時刻及び前記第3時刻よりも後の第4時刻の平方根とに基づく第2区間に対する前記表面温度の変化率を示す第2温度変化率情報と、を取得する温度変化率情報取得部と、前記温度変化率情報取得部により取得された前記第1温度変化率情報に含まれる変化率と前記第2温度変化率情報に含まれる変化率との比率に基づいて、前記栽培用土の前記表面に含まれる前記土壌と前記土壌改良資材とを識別する土壌改良資材識別部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
第2発明における土壌改良資材識別装置は、第1発明において、前記表面温度情報取得部は、前記表面温度情報を二次元画像で示した表面温度画像を取得し、前記温度変化率情報取得部は、前記表面温度画像が分割されて生成される複数の画像ブロックごとの前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報とを取得し、前記土壌改良資材識別部は、前記第1温度変化率情報に含まれる変化率と前記第2温度変化率情報に含まれる変化率との比率に基づいて前記画像ブロックごとに識別した前記土壌改良資材の前記画像ブロックの数について前記栽培用土に対応する前記画像ブロックの数に対する割合を識別することを特徴とする。
【0010】
第3発明における土壌改良資材識別装置は、第1発明において、前記表面温度情報取得部は、前記表面温度情報を二次元画像で示した表面温度画像を取得し、前記温度変化率情報取得部は、前記表面温度画像が分割されて生成される複数の画像ブロックごとの前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報とを取得し、前記土壌改良資材識別部は、前記第1温度変化率情報と前記第2温度変化率情報とに基づいて前記画像ブロックごとに識別した前記土壌改良資材について前記表面温度画像に対する相対位置を識別することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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