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公開番号
2025079302
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2024113206
出願日
2024-07-16
発明の名称
ダイヤモンド加工方法
出願人
国立大学法人埼玉大学
,
信越ポリマー株式会社
,
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/04 20060101AFI20250514BHJP(結晶成長)
要約
【課題】単結晶ダイヤモンドの主表面の{001}面に対して任意の角度に沿って改質層を形成することができるようにする。
【解決手段】ダイヤモンド加工方法は、レーザ光Bを集光するレーザ集光部119を単結晶ダイヤモンドの基板10の主表面10aの{001}面に対向するように配置し、レーザ集光部119により基板10の内部にレーザ光を集光し、基板10の主表面10aに向かって{001}面に対し角度を有して延びる改質層を形成し、改質層は、レーザ集光部119によりレーザ光Bを集光し、ダイヤモンドを熱分解してグラファイト化した加工痕及びその周囲の{111}面の劈開を含む改質層を基板10の主表面10aに向かって{001}面に対し角度を有する面に沿って形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
レーザ光を集光するレーザ集光部を単結晶ダイヤモンドの基板の主表面の{001}面に対向するように配置する工程と、
前記レーザ集光部により前記基板の内部にレーザ光を集光し、前記基板の主表面に向かって{001}面に対し角度を有して延びる改質層を形成する工程と
を含み、
前記改質層を形成する工程は、前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、ダイヤモンドを熱分解してグラファイト化した加工痕及びその周囲の{111}面の劈開を含む改質層を前記基板の主表面に向かって{001}面に対し角度を有する面に沿って形成するダイヤモンド加工方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記改質層を形成する工程は、{111}面を構成する結晶面に沿って形成した劈開面が互いに連結して前記基板の主表面に向かって{001}面に対し角度を有する面に沿って延びるように改質層を形成する請求項1に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項3】
前記改質層を形成する工程は、前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、{111}面を構成する結晶面の内で、前記基板の内部で前記主表面に向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面及び第2結晶面において、それぞれ前記楔状構造の末端から先端に向かって加工痕による第1走査ライン及び第2走査ラインを形成し、前記第1走査ライン及び前記第2走査ラインは前記楔状構造の先端で合流し連結される請求項1又は2のいずれか一項に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項4】
前記第1走査ライン及び第2走査ラインは隣接する第1辺及び第2辺を含み、前記第1辺及び第2辺の長さの比が前記改質層の前記主表面に向かう角度に対して設定される請求項3に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項5】
前記改質層を形成する工程は、前記第1走査ライン及び第2走査ラインを形成した後で、前記楔状構造の先端が延びる方向に所定の間隔だけ離れた前記第1走査ライン及び前記第2走査ラインをさらに形成する請求項3に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項6】
前記改質層を形成する工程は、前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、{111}面を構成する結晶面の内で、前記基板の内部で前記主表面に向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面及び第2結晶面において、それぞれ前記楔状構造の先端が延びる方向に加工痕による第1走査ライン及び第2走査ラインを形成する請求項1又は2に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項7】
前記改質層を形成する工程は、前記第1走査ライン及び第2走査ラインを形成した後で、前記楔状構造の先端に向けて所定の間隔だけ離れた前記第1走査ライン及び前記第2走査ラインをさらに形成する請求項6に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項8】
前記改質層を形成する工程は、前記基板の主表面に向かって{001}面に対し角度が異なる複数の面を含む改質層を、前記複数の面に沿ってそれぞれ劈開を形成し、前記複数の面を連結した3次元構造の改質層として形成する、請求項1又は2に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項9】
前記改質層を形成する工程は、前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、{111}面を構成する結晶面の内で、前記基板の内部で前記主表面に向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面及び第2結晶面において、それぞれ前記楔状構造の末端から先端に向かって加工痕による第1走査ライン及び第2走査ラインを形成し、前記第1走査ライン及び前記第2走査ラインは前記楔状構造の先端で合流し連結され、前記第1走査ライン及び第2走査ラインは隣接する第1辺及び第2辺を含み、前記隣接する第1辺及び第2辺の長さの比が異なる楔状構造を備える、請求項8に記載のダイヤモンド加工方法。
【請求項10】
前記改質層により前記基板を分離する請求項1又は2に記載のダイヤモンド加工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイヤモンド加工方法に関し、詳しくは、レーザ光を用いて単結晶ダイヤモンドを加工するダイヤモンド加工方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、パワーデバイスに適した半導体材料として、シリコン(Si)に代わって炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)が提供されてきたが、ダイヤモンド半導体はこれら半導体材料と比べて絶縁破壊電界及び電力制御指数が高く、熱伝導率も最も高いということから次世代の材料として注目され、実用化に向けて研究や開発が進んでいる。またダイヤモンド中の窒素-空孔センタ(NVセンタ)は室温で高感度な磁気検出が可能であるため、磁気センサへの応用が期待されていてこの研究も行われている(特許文献1を参照)。
【0003】
これら半導体への応用が期待される単結晶ダイヤモンドは高温高圧法(HPHT法)やホモエピキャシタル成長により合成されるが、これらの合成法では半導体プロセスに利用するための単結晶ダイヤモンドのバルク基板の大面積化が困難とされている。そこで、単結晶酸化マグネシウム(MgO)を下地結晶として単結晶ダイヤモンドをヘテロエピキャシタル成長させる気相合成法(CVD法)が大面積化に優位性があるとして適用されてきている。
【0004】
またレーザ光を利用してダイヤモンドインゴットからダイヤモンド基板を製造するダイヤモンド基板製造方法が開示されている(特許文献2を参照)。この方法は、ダイヤモンドインゴットの主表面から所定の深さにレーザ光を集光して照射し、二次元状に走査することにより結晶構造が改質された改質層を形成し、この改質層でダイヤモンド基板を剥離するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-59069号公報
特開2020-50563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
単結晶ダイヤモンドは{111}面に沿って劈開が進みやすいという性質があり、ダイヤモンドインゴットやブロックにレーザ光を二次元状に走査すると劈開面である{111}面に改質層が進展し、{111}面で劈開が発生しやすい。このため、{111}面以外の結晶面に沿って改質層を形成することは困難であった。
【0007】
この発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、単結晶ダイヤモンドの主表面{001}に対して任意の角度に沿って改質層を形成することができるようなダイヤモンド加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、この出願に係るダイヤモンド加工方法は、レーザ光を集光するレーザ集光部を単結晶ダイヤモンドの基板の主表面の{001}面に対向するように配置する工程と、レーザ集光部により基板の内部にレーザ光を集光し、基板の主表面に向かって{001}面に対し角度を有して延びる改質層を形成する工程とを含み、改質層を形成する工程は、レーザ集光部によりレーザ光を集光し、ダイヤモンドを熱分解してグラファイト化した加工痕及びその周囲の{111}面の劈開を含む改質層を基板の主表面に向かって{001}面に対し角度を有する面に沿って形成する。
【0009】
改質層を形成する工程は、{111}面を構成する結晶面に沿って形成した劈開面が互いに連結して基板の主表面に向かって{001}面に対し角度を有する面に沿って延びるように改質層を形成してもよい。改質層を形成する工程は、レーザ集光部によりレーザ光を集光し、{111}面を構成する結晶面の内で、基板の内部で主表面に向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面及び第2結晶面において、それぞれ楔状構造の末端から先端に向かって加工痕による第1走査ライン及び第2走査ラインを形成し、第1走査ライン及び第2走査ラインは楔状構造の先端で合流し連結されてもよい。
【0010】
第1走査ライン及び第2走査ラインは隣接する第1辺及び第2辺を含み、第1辺及び第2辺の長さの比が改質層の基板主表面に向かう角度に対して設定されてもよい。改質層を形成する工程は、第1走査ライン及び第2走査ラインを形成した後で、楔状構造の先端が延びる方向に所定の間隔だけ離れた第1走査ライン及び第2走査ラインをさらに形成してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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