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公開番号2025083841
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197466
出願日2023-11-21
発明の名称アスファルト合材付着防止剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C08G 65/08 20060101AFI20250526BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高いアスファルトの付着を抑制しつつ、アスファルトを溶解せずかつ溶媒へ希釈時に均一な溶液を形成できるアスファルト合材付着防止剤の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物(A)を含有するアスファルト合材付着防止剤。
R¹O-(EO)_m(PO)_n-H ・・・(1)
[式中、R¹O-基は、炭素数が8以上16以下の直鎖かつ第2級アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、4≦m≦20、0≦n≦20、4≦m+n≦30である。]
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記式（１）で表される化合物（Ａ）を含有するアスファルト合材付着防止剤。
Ｒ
１
Ｏ－（ＥＯ）
ｍ
（ＰＯ）
ｎ
－Ｈ・・・（１）
［式中、Ｒ
１
Ｏ－基は、炭素数が８以上１６以下の直鎖かつ第２級アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた基であり、
ＥＯはオキシエチレン基、ＰＯはオキシプロピレン基であり、
ｍはオキシエチレン基の平均付加モル数、ｎはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、４≦ｍ≦２０、０≦ｎ≦２０、４≦ｍ＋ｎ≦３０である。］
続きを表示（約 520 文字）【請求項２】
下記式（２）で表される化合物（Ｂ）を更に含有する、請求項１に記載のアスファルト合材付着防止剤。
Ｒ
２
Ｏ－（ＥＯ）
ｋ
（ＰＯ）
ｌ
－Ｈ・・・（２）
［式中、Ｒ
２
Ｏ－基は、炭素数が６以上１０以下の分岐かつ第１級アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた基であり、
ＥＯはオキシエチレン基、ＰＯはオキシプロピレン基であり、
ｋはオキシエチレン基の平均付加モル数、ｌはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、２≦ｋ≦１０であり、０．７５≦ｋ／（ｋ＋ｌ）≦１である。］
【請求項３】
化合物（Ａ）と化合物（Ｂ）の質量比［（Ａ）：（Ｂ）］が８０：２０～３０：７０である、請求項２に記載のアスファルト合材付着防止剤。
【請求項４】
式（１）において６≦ｍ≦１２であり、かつ、０．７≦ｍ／（ｍ＋ｎ）≦１である、請求項１～３のいずれかに記載のアスファルト合材付着防止剤。
【請求項５】
タイヤローラー用である、請求項１～４のいずれかに記載のアスファルト合材付着防止剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、アスファルト合材付着防止剤に関する。
続きを表示（約 2,900 文字）【背景技術】
【０００２】
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト組成物を用いるアスファルト舗装が行われている。
このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
【０００３】
アスファルトは高い付着性を有するため、アスファルト混合物中でバインダ成分として機能する。しかし、高い付着性を有するため、意図しない箇所への付着が問題となる場合がある。例えば、アスファルト舗装を施工する際のタイヤローラーでの転圧を実施する際に、タイヤローラーへのアスファルトの付着が起こる場合がある。
このような問題を回避するために、種々のアスファルト合材付着防止剤が提案されている。
【０００４】
特許文献１には、アスファルト合材に対する付着防止効果および剥離効果が高く、水で希釈後も常温ないし低温下で安定なアスファルト合材付着防止剤として、特定構造のアルキレンオキシド誘導体、所定の物性を有する流動パラフィンをそれぞれ特定の割合で含有するアスファルト合材付着防止剤が開示されている。
特許文献２には、アスファルト合材に対する付着防止効果、特に鉱物油が付着した状態での付着防止効果および剥離効果を経時的に安定して発揮でき、水で希釈後も常温ないし低温下で分離し難いアスファルト合材付着防止剤として、特定のポリオキシエチレン誘導体、モノテルペノイドのそれぞれを特定の割合で含有するアスファルト合材付着防止剤が開示されている。
特許文献３には、ダンプトラック等の荷台でのアスファルト合材の低角度で滑り出させ、荷台が汚れ難く、水で希釈後も常温以下での安定性に優れるアスファルト合材付着防止剤として、特定のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルと、特定のノニオン性界面活性剤とを含有するアスファルト合材付着防止剤が開示されている。
特許文献４には、噴霧や塗布時の金属表面への濡れ性が高く、アスファルト合材に対する付着防止効果および剥離効果が高く、水で希釈時に簡便に乳化できるアスファルト合材付着防止剤として、特定の油脂、特定の一価の水溶性アルコール、特定の非イオン性界面活性剤のそれぞれを特定の割合で含有するアスファルト合材付着防止剤が開示されている。
特許文献５には、アスファルトやコンクリートの施工機具及び機械へのアスファルト及びコンクリートの構築用材料の付着防止性及び付着物の除去性に優れ、かつアスファルト及びコンクリートの性状への悪影響を抑え、施工の出来形及び品質をより安定した状態に仕上げることができる付着防止剤として、所定構造のグリコール類を含有する付着防止剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１３－０８７１６４号公報
特開２０１４－１８５２００号公報
特開２０１４－１５６５６４号公報
特開２０１５－０７８２９７号公報
特開平０８－１２７７６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
近年では環境問題に対する意識の高まりから、アスファルト舗装の高耐久化、長寿命化等が注目されており、新たな技術が適用されたアスファルト混合物の施工が盛んに行われている。一方でそのような新規アスファルト混合物は、従来のアスファルト混合物とは異なった付着挙動を示すこともあり、既存の付着防止剤ではローラー等への混合物付着を十分に抑止できない場合がある。また、とりわけタイヤローラーは経年劣化等により表面の滑らかさが低下しアスファルト混合物が付着しやすくなってしまうため、施工機械の寿命を延ばす観点からも、より高性能な付着防止剤が求められている。
ゴム等のアスファルトが付着しやすい傾向がある表面は疎水性であり、疎水性の界面活性剤を吸着させることが有効であると考えられる。疎水性の界面活性剤としては、炭素数が多く、ＰＯ（オキシプロピレン基）含有量が多い界面活性剤が挙げられる。
しかし、疎水性の界面活性剤はアスファルトとの親和性が高く、アスファルトを溶解する傾向がある。界面活性剤がアスファルトを溶解すると、舗装表面の美観が悪化する懸念がある。
さらに、疎水性の界面活性剤は、水等の溶媒への溶解性が低く、溶液安定性が悪化する問題もある。
上記のアスファルト溶解、及び溶液分離の問題を起こすことなく、かつ優れた付着防止能を有し、とりわけアスファルトが付着しやすいタイヤローラーに対しても優れた効果を発揮できる付着防止剤を提供することは従来技術では極めて困難であった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、アスファルト混合物のローラー等への付着を高いレベルで抑制しつつ、一方でアスファルト自体は溶解させず、水希釈時の安定性にも優れたアスファルト合材付着防止剤に関する。
【０００８】
本発明は、以下の［１］に関する。
［１］下記式（１）で表される化合物（Ａ）を含有するアスファルト合材付着防止剤。
Ｒ
１
Ｏ－（ＥＯ）
ｍ
（ＰＯ）
ｎ
－Ｈ・・・（１）
［式中、Ｒ
１
Ｏ－基は、炭素数が８以上１６以下の直鎖かつ第２級アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた基であり、
ＥＯはオキシエチレン基、ＰＯはオキシプロピレン基であり、
ｍはオキシエチレン基の平均付加モル数、ｎはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、４≦ｍ≦２０、０≦ｎ≦２０、４≦ｍ＋ｎ≦３０である。］
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、アスファルト混合物のローラー等への付着を高いレベルで抑制しつつ、一方でアスファルト自体は溶解させず、水希釈時の安定性にも優れたアスファルト合材付着防止剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
［アスファルト合材付着防止剤］
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、下記式（１）で表される化合物（Ａ）を含有する。
Ｒ
１
Ｏ－（ＥＯ）
ｍ
（ＰＯ）
ｎ
－Ｈ・・・（１）
［式中、Ｒ
１
Ｏ－基は、炭素数が８以上１６以下の直鎖かつ第２級アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた基であり、
ＥＯはオキシエチレン基、ＰＯはオキシプロピレン基であり、
ｍはオキシエチレン基の平均付加モル数、ｎはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、４≦ｍ≦２０、０≦ｎ≦２０、４≦ｍ＋ｎ≦３０である。］
（【００１１】以降は省略されています）

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