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公開番号2025084771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2025017678,2021035715
出願日2025-02-05,2021-03-05
発明の名称耐火性樹脂組成物
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C09K 21/14 20060101AFI20250527BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】熱膨張材を高充填しても残渣が硬く、区画貫通部を十分に閉塞することができる耐火性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】樹脂、可塑剤、添加剤、及び熱膨張性層状無機物を含有し、建築物の防火構造に用いられる耐火性樹脂組成物であって、前記樹脂が、ポリビニルアセタール、ポリブテン、及びゴム成分からなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記添加剤が、難燃剤、吸熱剤、滑剤、及び無機充填材からなる群から選択される少なくとも1種である、耐火性樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂、可塑剤、添加剤、及び熱膨張性層状無機物を含有し、建築物の防火構造に用いられる耐火性樹脂組成物であって、
前記樹脂が、ポリビニルアセタール、ポリブテン、及びゴム成分からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記添加剤が、難燃剤、吸熱剤、滑剤、及び無機充填材からなる群から選択される少なくとも1種である、耐火性樹脂組成物。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記ゴム成分が、クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、及びアクリルゴムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂が、ポリフェニレンオキシド及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、請求項1又は2に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリビニルアセタールが、ポリビニルブチラールである請求項1~3いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項5】
可塑剤の含有量が、前記樹脂100質量部あたり0.5~100質量部である、請求項1~4いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱膨張性層状無機物の含有量が、前記耐火性樹脂組成物100質量部あたり10~50質量部である、請求項1~5いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項7】
前記樹脂と粉体との含有量の比率(樹脂/粉体)が0.2~3である、請求項1~6いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項8】
前記熱膨張性層状無機物が熱膨張性黒鉛である、請求項1~7いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火材。
【請求項10】
300℃における膨張倍率が5倍以上、かつ600℃における膨張倍率が20倍以上である、請求項9に記載の耐火材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火性樹脂組成物に関し、詳しくは、区画貫通部を閉塞することのできる膨張性を有する耐火性樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅、オフィスビル、学校等の建築物において、壁等の仕切り部には、ケーブル類、配管類などの長尺の挿通体を通すために、区画貫通部が設けられることがある。区画貫通部は、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止するために、防火措置を施した構造(耐火構造)にすることが求められている。仕切り部は、2枚の壁部からなり、壁部間が中空部となっている中空壁が一般的である。
【0003】
区画貫通部を耐火構造とする方法は、例えば、長尺の挿通体と貫通孔の間隙に、耐火パテなどの不定形充填材を充填する方法が知られている。不定形充填材を使用する場合、各壁部の貫通孔内部と、挿通体の間には、耐火材よりなる筒状部材などが合わせて配設されることもある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6150933号公報
特許第6348320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、区画貫通部の防火処理に不定形充填材を使用した場合、作業者によるバラつきがあり、十分な耐火性能が得られないことがある。また、躯体内に耐火材及びその付属品等を設置する場合、それらがどの程度(量や厚み、長さ等)設置されているか明確でなかったり、規定通りに設置されているか判断できなかったりすることがある。そのため、規定通りに耐火材などが設置されているか否かを確認するためには、区画貫通処理構造を破壊して、内部構造を確認する必要がある。
【0006】
また、内部にケーブル類及び配管類等の長尺の挿通体が挿通される区画貫通構造においては、区画貫通処理構造を施した後に挿通体を動かした場合には、内部に設置された耐火材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことがある。また、地震等の外力によっても、耐火材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことがある。さらに、耐火材が均一に膨張せずに偏って膨張すると設置されていた適切な位置からずれたり、脱落したりすることがある。このように、耐火材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことによって、区画貫通部の耐火構造として望まれる耐火性能を発揮することが困難となる。
【0007】
上記課題を踏まえ、躯体内に不定形充填材を使用せず、高い膨張倍率を有する熱膨張性シートを区画貫通部に設置する方法が考えられる。熱膨張性シートは、例えば熱膨張材を高充填することで得られ膨張倍率を高くでき、火災が発生した際には、火炎によって十分に膨張し、区画貫通部を閉塞し、延焼を抑制することが可能となる。
しかしながら、熱膨張材を高充填することによって、シートの残渣が脆くなる傾向にあり、火炎等により吹き飛ばされることが起こる。したがって、区画貫通部を十分に閉塞することができず、延焼を抑制できない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、火災が発生した際には、区画貫通部を適切に閉塞して延焼を抑制するとともに、膨張残渣を硬くして、区画貫通部の閉塞を維持することができる耐火性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]樹脂、可塑剤、添加剤、及び熱膨張性層状無機物を含有し、建築物の防火構造に用いられる耐火性樹脂組成物であって、前記樹脂が、ポリビニルアセタール、ポリブテン、及びゴム成分からなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記添加剤が、難燃剤、吸熱剤、滑剤、及び無機充填材からなる群から選択される少なくとも1種である、耐火性樹脂組成物。
[2]前記ゴム成分が、クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、及びアクリルゴムからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の耐火性樹脂組成物。
[3]前記樹脂が、ポリフェニレンオキシド及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、[1]又は[2]に記載の耐火性樹脂組成物。
[4]前記ポリビニルアセタールが、ポリビニルブチラールである[1]~[3]いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[5]可塑剤の含有量が、前記樹脂100質量部あたり0.5~100質量部である、[1]~[4]いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[6]前記熱膨張性層状無機物の含有量が、前記耐火性樹脂組成物100質量部あたり10~50質量部である、[1]~[5]いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[7]前記樹脂と粉体との含有量の比率(樹脂/粉体)が0.2~3である、[1]~[6]いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[8]前記熱膨張性層状無機物が熱膨張性黒鉛である、[1]~[7]いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物。
[9][1]~[8]いずれか1項に記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火材。
[10]300℃における膨張倍率が5倍以上、かつ600℃における膨張倍率が20倍以上である、[9]に記載の耐火材。
[11]300℃における残渣硬さが4kgf/cm

以上、かつ600℃における残渣硬さが0.3kgf/cm

以上である、[9]又は[10]に記載の耐火材。
[12]300℃における残渣維持率が80%以上、かつ600℃における残渣維持率が50%以上である、[9]~[11]いずれか1項に記載の耐火材。
[13]前記耐火性樹脂組成物の熱膨張開始温度が100~300℃である、[9]~[12]いずれか1項に記載の耐火材。
[14]厚みが0.1~10mmである、[9]~[13]いずれか1項に記載の耐火材。
[15][9]~[14]いずれか1項に記載の耐火材と、前記耐火材と一体化された基材及び粘着層とを備える耐火積層体。
[16][9]~[14]のいずれか1項に記載の耐火材、又は[15]に記載の耐火積層体を含む区画貫通処理材。
[17][16]に記載の区画貫通処理材を含む区画貫通処理構造。
[18][17]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、火災が発生した際には、区画貫通部を閉塞し、延焼を抑制することができ、かつ膨張残渣を硬くして、区画貫通部の閉塞を維持することができる耐火性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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